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1. 1917 命をかけた伝令
舞台となるフランス片田舎の幻想的な風景が美しい。
泥だらけの塹壕、霧立ち込める桜満開の農家の廃墟、迷宮のような残骸都市での逃走劇、渓谷の激流に呑まれて滝を落下、森林に響く美しいバラッド(英国民謡)、目にも鮮やかな白い戦場の最前線・・・緊迫感に満たされながら質の良い精神旅行を堪能した感じ。構造がシンプルな分、各々の行動やセリフも感動的で良。
ワンカット技術はもちろん凄いですが、それよりも「激突!」「T1」「ラン・ローラ・ラン」などに連なる「ひたすら逃げる・走る系アイデア一発もの」として高評価です。
007シリーズでこの監督大嫌いだったんですが、この作品はとても良い。監督業にも題材の得手・不得手が有るんですかね。
しかし相変わらずの野暮ったい邦題はどうにかならないのか…。[DVD(吹替)] 9点(2021-05-15 08:03:07)《改行有》
2. イット・フォローズ
《ネタバレ》 これ見よがしの怪物でなく、ただ普通の人間が歩いてくるだけなんだけど怖い・・アイデアはとても良い。
デッド・コースター(FD2)やブレアウィッチ・プロジェクトのような、新しい形のホラーって感じ。前半はとても良かったです。
ただアイデアを上手く練りきれなかったのが残念。
拳銃で死なないって事が序盤で明らかになってるのに、後半のプールのシーンは確かに「何やってんの?」って感じだし、効果的な撃退法を思いつかず、成す術も無いまま唐突に終わってしまう。例えば水に入れないとか、火に弱いとか、猫が気付くとか・・何か特徴を見つけて話を盛り上げてほしかった感じ。
あと「うわーキター!早く気付いて-!」みたいな感じでもう少し「それ」の登場シーンが多くても良かったと思う。せっかくのアイデアが少し勿体ない。[DVD(字幕)] 7点(2016-07-28 20:17:44)(良:1票) 《改行有》
3. 移動都市 モータル・エンジン
《ネタバレ》 移動する巨大都市…これだけ斬新な世界観なのに「見た事の無い映像を見た」という感動が全く無い。過去の作品の色々美味しい所を寄せ集めてくっつけましたって感じ。
特に中国女ギャングが乗る赤い飛行船、イラストレーターのロジャー・ディーン氏の完パクですやん。「アバター」同様ディーン氏には一銭も払われていないんですかね。見てて痛々しくなってくる。
そもそもお話の中心となるのが核技術争奪戦…て事は、巨大都市は化石燃料か太陽光発電(w)で動いていることになる。今よりも資源が貴重であろう未来、資源を膨大に費やして一体何をやっているのか。
また現実のロンドンは都市部の周りに広大な農作地が存在する。この世界の人たちは何食ってんの?弱小都市を捕獲して食料を横取りし住民も食料として食っちゃう…て設定ならまだ分かるけど、捕獲した住民は新市民として歓迎されてる。意味もなく食い扶持増やしてどうすんの?
これが東欧アニメーションのような完全ファンタジーの世界ならまだしも、変にリアリティに拘ってるが為に製作陣のバカっぽさがこれでもかと迫ってくる感じ。いまだに中国に幻想を抱く人たちのオツムってこんなんなんですかね…。
ヒロインは個人的に良。顔面傷だらけなのにお話が進むにつれに魅力的に見えてきた。演技力のなせる業でしょうか。[DVD(字幕)] 5点(2021-05-03 13:05:56)《改行有》
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