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プロフィール |
コメント数 |
122 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
自分の感性は、きわめて平凡だと自分でもわかっています。ただ、ほんとうはよくわかっていないのに、「わかった!」「よかった!」というのだけはしないつもりです。 |
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1. インセプション
《ネタバレ》 この映画に対する私のレビューは2つになってしまいます。1つは、本作の物語はあくまでもサイトーがコブに依頼したプロジェクトであるとしたときで、その場合、インセプションという非常に困難なミッションに挑むわりには、いつまでも亡き妻との思い出に引きずられるコブが必要以上に女々しく感じられ、イマイチ共感できません。映画としても、むしろ、その部分はバッサリ削除してしまい、「ミッション・インポシブル」のような不可能なミッションを知恵とアクションで可能にしてしまうサイコ・アクションサスペンスとして徹底的に磨き上げたほうが見応えが出る気がします。▼もう1つは、本作はコブへのセラピーの物語だったと解釈する場合です。2時間半にわたって展開されるドラマは、じつはすべて、妻を失った一人の男を立ち直らせるための壮大な治療だったのであり、「現実」はまったく描かれていなかったと見ると、しつこいほど出まくった妻モルの必然性がにわかに納得できるようになり、アクションサスペンス作品とはまったく違った作品の性質が見えてくる気がします。▼ラストのコマが止まってしまうのか、回り続けるのか、その判定は見る者に委ねるつくりになっているのは、ただ単に、あのシーンが夢か現実かを謎かけただけではなく、この映画そのものをどちらの作品と解釈するか自体を鑑賞者に問うているように私には思えました。そんなふうに、案外、深い奥行きを感じさせはするのですが、前半でのネタフリがまったく活かされずに終わっていたり(たとえば、アリアドネの特訓やチェスの駒など)、夢世界の荒唐無稽で驚異的なビジョンがほとんど予告編に出ていたぐらいしかなかったりなど、大きな欠点が否めない感があります。もしかしたら、途中で脚本が書き換えられたのでは?という気もします。そのため、面白くないということはないのだけれど、突き抜けた面白さとまではいかず、といったところが正直な感想です。7点にしようかとも思いましたが、ちょっと辛めで6点也です。[映画館(字幕)] 6点(2010-08-21 00:27:20)(良:2票)
2. イン・ディス・ワールド
《ネタバレ》 私たちがロンドンへ行くとすると、まあふつうは飛行機だから、日本からなら約12時間くらい。そのとき思うのは、「12時間もエコノミークラスっちゅうのはかなわんなぁ……」とか。――ふ~む、ついつい忘れてしまうけれど、やっぱり日本は「地球」という観点から見れば、超ファーストクラスの国なのである。 最初のほうで、少年の家族が「陸路でロンドンを目指すのは危険だ」という。私も「そりゃ、危険だ」とか思った。が、そのとき私が感じた「危険」は、あくまでも漠然とした観念にすぎず、そのあと展開されるほぼ現実に近いであろう具体的な陸路の旅のありさまを目の当たりにしたとき、私はいかに自分が生っちょろいか思い知らされた。そこには、エコノミークラスをうっとうしがる私の想像を絶した「旅」があった。同じ、現在のこの地球の上の話なのに、日本からわずか12時間の旅が、彼らにとっては三蔵法師が天竺へ行くのにも等しい命がけの旅路となっている(こうした実情は簡単に想像できるものではない。映像の力を強く感じた)。 旅の途中、少年たちは地元の子どもたちとよく遊ぶ。彼らも笑っている。その姿は、束の間のものであっても、ほっとさせるものがあり、貧しいながらもよく笑う子どもたちの健康さに、ふと、小学生が小学生を殺す自国の現状を照らし合わさずにはいられない。イタリアからフランスへ列車で移動する車中、少年がさまざまなことを回想するシーンでは、私の目から何やら生暖かいものがドドドとあふれ出るのであった。 少年の一人は、なんとかロンドンにたどり着く(もう一人はどうなってしまったのか)。しかし、それで彼の旅が終わるわけではない。まだまだ異国での「生きる」という旅が待っている。少年はロンドンに出てきてよかったんだろうか、と思ってしまうエンディングだった。9点也をつけたいと思います。[DVD(字幕)] 9点(2004-12-12 22:59:56)
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