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1. イントゥ・ザ・ストーム
扱うテーマが人災と天災では、人間ドラマの厚みにも差が出るのだろうか。
昔見た『タワーリング・インフェルノ』は、言わずと知れた人災のパニック映画。重大なミスを犯して多大な被害を出したメインキャラたちの苦悩や、人命救助に命をかける消防士の決断など、重厚なドラマが魅力的だったし、徐々に炎がビル中に燃え広がる不気味さや絶望感も見ごたえがあった。
しかし天災では、その発生と人間の相関性が薄く、どんなドラマでも好きなように作れるため、どうしても取ってつけたようになってしまう。
天災の規模と人間ドラマの双方で勝負できる作品を作るとなると、脚本が相当難しくなるのではと思う。
いっそ、スピルバーグの『激突!』のように、登場人物たちのセリフを極限まで削ってドラマをシンプルにしていたら、かえってメリハリが効いたかもしれない。
誰もかれもがぺらぺらとしゃべるから見ているこちらはすんなり事情が頭に入って楽だけれど、そのかわり鑑賞し終わったら、「竜巻が圧巻だったね」という思いしか残らない。
それに、「ツイスター」でも感じたことだが、本作も竜巻の破壊力ばかりに力が入りすぎていた。
この天災の特徴は、悪魔が通った道のごとく通過の痕跡が残る。ということは、破壊された家屋と被害をまぬかれた家屋が目と鼻の先という皮肉な事態も起こりうる。人間ドラマを描くのであればかっこうのネタになるのに、どうしてこの理不尽さを描こうとしないのだろう。
また、空に舞い上がったものが全て地面に激突するということもないのでは。運よく風に乗って無事地上に降りられれば、ユニークな絵になったろうにと思う。こんなふうに、竜巻のいろんな「表情」を見せてほしかった。[DVD(字幕)] 5点(2017-07-15 01:25:09)《改行有》
2. イヴの総て
《ネタバレ》 真っ白な肌、濡れた唇、伏せたまぶたが開くと、白目を剥いた上目づかい。一度見たら忘れられない目力、女の「野心」の顔は恐ろしい・・・。
恩義を自ら乞いながら下剋上を目指すなんて、後味が悪すぎ。
どんなに華やかなデビューを飾ったところでこんな女優、みっともないなあと思う。
ストーリーは大嫌いだけど、誰からも理解されずにストレスをためていくマーゴが可愛いかった。
後足で砂をかけるような生き方をする人間は、自然に人が離れていく。見ておいて損はなかったかな。[DVD(字幕)] 8点(2017-02-24 20:08:38)《改行有》
3. イーオン・フラックス(2005)
《ネタバレ》 最初の方で、唐傘をさしているエキストラが見えたとき、あれっ、もしかして和風テイスト?と思ったら、どんどんエスカレートしてきて、こまかい敵キャラがぞろぞろ出てきた時点でもはや「科学忍者隊ガッチャマン」のオマージュ作品としか思えなくなった。日本への愛を随所に感じるのだが、見ていてテレが入ってしまい、有難いけどもう少し外してくれた方がよかった。
また、シャーリーズ・セロンほか女性たちのアクションが細かく切れていて、一連の動きを通しで見せてくれないので、スタントを使っているのではと少し興ざめだった。潜入や逃亡のスキルは見どころ満載なのに、攻撃には時限爆弾やショットガンなどが主流なのも、ちぐはぐな感じだ。たとえば脱獄するイーオンのユニークな技を前半で見せていながら、大詰めに至って現代劇のような撃ち合いはおかしいだろう。始終いろんなものがアンバランスに見えたのが残念。[DVD(吹替)] 6点(2012-10-26 13:52:05)《改行有》
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