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1. インサイダー
《ネタバレ》 マイケル・マン監督らしい、"男汁"で肩まで浸かってしまいそうな作品。
しかも、銃声は一発もとどろかない、非アクションの社会派映画。
しかも実話。これは、たまらないご馳走です。 この映画で痛いほど感じたのは、
「正義を貫くことの難しさ」。特に、敵が強力であればあるほど、当然困難さも
倍増する。実際、ワイガント博士(ラッセル・クロウの役ね)は家族も仕事も
名誉も奪われる。たとえ内部告発に成功しても、誰も誉めてくれない。報酬もない。
それどころか、あの先十年以上も、タバコ会社との法廷闘争が待っている。
それにかかる弁護士料や時間を考えただけで、私なんか目がくらんでしまう。
そんな困難さを前にしても、ワイガントは信念を曲げなかった。「知るか、クソッタレ」と呟いて、
カメラの前に立った。私はとても羨ましかった。目もくらむような困難やリスクを、
「知るか、クソッタレ」と言い捨てる勇気が、私も欲しい。一時のエエカッコとは違う、
本当の勇気が。9点(2004-02-13 11:10:56)(良:1票) 《改行有》
2. インソムニア
まず言いたいのは、「日本の映画会社の宣伝文句が悪い」ってコト。
「髪を洗われた少女の死体」だの「アル・パチーノが久々の刑事役を演じた」だの、「犯人に追いつめられた不眠症の刑事」だの、
まるでサイコ・サスペンスのよーな売り文句。で、いざ見ると、主題は全然別なトコロにあるんです。
なめんな! これは、"高潔さ"を守るのがいかに難しいか、そして大切かを示す映画です。
いかにもタフでキレ者に見えるアル・パチーノが、コソコソと証拠隠滅する姿は衝撃的でした。
罪にさいなまれ、じっと自分の手を見つめたまま夜を明かすあのまなざしは、まるで昔の自分を見ているかのよう。そして、ラスト。
過ちを隠すのをやめて現実に立ち向かう決意をした、彼の迷いのない背中。
これはそういう映画です。それなのに...ああ、みなさんの声が聞こえてきそうです。
「犯人、すぐわかっちゃったよ~」「つまんない映画。これじゃ、不眠症(インソムニア)じゃなくて、過眠症になっちゃうよ。」
「退屈だったぁ。銃撃戦もないんだもん」...ああっ、ちゃうねん! そういう映画とちゃうねん!!9点(2004-02-13 10:57:57)《改行有》
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