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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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変更日付順12

1.  稲村ジェーン 前半はかなりつらかった。後半はこちらで意識の緊張度を落としたので「ややつらい」ぐらいですんだ。どうもだらだらなのよね。引きつけるものが「大波」だけで、それだけで興味をつないでいくのは、サーファーでない身にはしんどい。出てくる子どもたちが面白くないし、そもそも人間に対する興味がない監督みたい。最後の演奏を8ミリで撮ってるとこなんかちょっといい。あるいは地下通路の端の階段に降る天気雨とか。風でおもむろに盛り上げた映画らしい部分の後が、SFXになっちゃうの。小銭を壷に入れて水が溢れるとこなんかも映画らしいんだけどなあ。そういう部分部分でいいところはあった。「愛しちゃったのよ」のクワタ風バージョンも聴けます。[映画館(邦画)] 4点(2014-03-08 09:18:23)

2.  遺産相続 《ネタバレ》 『お葬式』に『マルサの女』的な情報を盛り込んで“二倍楽しめます”を狙ったようなのだが…。旦那が死ぬまでぐずぐずしていて、人情と合わない法律の冷たさを妾の側から描くのかと思っているとそうでもなく、政治家を絡めると社会性を出せたって気分になるのも困ったものである。三階ぶちぬきのセットが面白かったが、うまく使いこなせていなかった。佐久間良子が風間杜夫の弁護士に土下座するとこで職員がみな見下ろしたり見上げたりしている俯瞰のカットがあって、あの次に横からの三階ぶちぬきのカットが入ると思ったのだが。小川真由美が出てくると締まる。野々村真が出てくると緩む。最後は五分五分で人情で手打ち。どうして冒険をしてくれないのだ、邦画は。[映画館(邦画)] 5点(2014-01-03 09:43:22)

3.  いばら姫またはねむり姫 岸田今日子の奇妙な童話が原作。「眠りの森の美女」の新解釈もの。情熱に突き動かされて、うつろになってしまうってところが監督の好きな女性像なんだ。息を荒げている人形ってのがけっこうエロティック。つまりこの人は人形にふさわしくない「過剰な情熱に翻弄される女性」ってのが好きなのよね。それを無表情な人形のなかに封じ込めることに、妖しい悦びを感じてしまう人らしい。けっこう不健全なんだ。そもそも人形を動かして悦びを得る「人形アニメーター」ってのに、変態の要素があるんだが、子どもの遊び初めは、だいたい手で持って動かす人形遊びなのではないか。人形とは、ただ眺めるものでなく、「動かないはずのものを動かす(アニメートそのもの)」悦びの最初の道具なのだろう。変態の目覚めとして。[映画館(邦画)] 7点(2013-05-20 09:55:47)

4.  EVE/イヴ 《ネタバレ》 女ターミネーターってな宣伝してたけど、ジキルとハイドだな。自分の抑圧されてた部分がロボットとなって動き出してしまう。兵器がわりのロボットになんでこんな精密さが必要なのか、と思うけど、派手な衣装で酒場で男を誘うの。後半になると子への妄執が前面に出てきて、子を求めてさすらう生霊ってな感じになっていく。一般人をあれだけ死傷してるんだから、自分の子どもが助かったからって、科学者ラストで笑わないでほしい。音楽フィリップ・サルドがちょっといい。リズムに乗って弦が切れ目を入れる大きな三拍子で、パラパラと木琴が入る。そうか、『最後の晩餐』の人か。[映画館(字幕)] 6点(2013-02-28 09:42:57)

5.  イヤー・オブ・ザ・ガン 社会派でいくのかサスペンスでいくのか立場をはっきりしないので、中途半端になった。両方の観客を呼ぼうとして「二兎も得ず」になっちゃったのか。サスペンスでいくんなら自分の小説が現実になっていく怖さを中心に据えるべき。でも社会派要素が入り込んでるんで、このアメリカ人二人組の軽率さがやけに気になってしまう。「赤い旅団」に絡んでると思われる教授に話しちゃうって口が軽すぎるでしょ。社会派でいくのなら、そこらへんのジャーナリズムの冷酷さをもっと突っ込むべきでしょうね。でもこの二人をそう非難してるようにも見えない(ラストでちょっとそれらしい気配はかもす)。正義派人間の嫌らしさみたいなものを突けるんだけど。モロ誘拐のときって、乳母車を車道に飛び出させて車止めたんじゃなかったっけ。あれは違う事件か?[映画館(字幕)] 5点(2012-12-10 09:51:59)

6.  インディアン・ランナー 冒頭の鹿狩りに黒味を挟んでみたり、バスケットボールと音響とで緊張上げていくとことか、なんかやってはいるんだが、全体としてはちょっと退屈したか。この兄は主役に座るようなキャラクターじゃないんだよね。生活すること・家庭を持つことを怖がるアウトローの話で、兄弟愛は副次的なものにするべきだった。ひげのないチャールズ・ブロンソンは別人のよう。悪魔のような役どころデニス・ホッパーは合ってる。少年の弟が出てきてピストルを構えるところを撮りたかったんだろう。父親の自殺を知らせるまで朝刊が来るのを待っている同僚なんかよかった。もっと絞れば佳作にはなったはず。[映画館(字幕)] 6点(2012-11-15 09:52:53)

7.  インドシナ 《ネタバレ》 長い連続ドラマの総集編って感じ。気分がつながらないところ、早回しされてしまったような感じがしばしばあった。ヒロインの気持ちの変化なんかゆっくり見せていくような気配を漂わせといて、あっさりナレーションで跳んだりする。ナレーションはうまく流れを作ってくれれば無駄を省くからやってはダメとは思ってないが、この映画の場合リズムを崩してるんだなあ。見せ場がつながっていってくれない。長編小説の醍醐味のひとつは、忘れていた登場人物が再登場するとこで、ドミニク・ブランは後半の思わぬとこで出てきて大活躍するだろう、と期待してたらただの情婦になっただけでガックリ。インドシナと言っても、「インド」はカンボジアまででベトナムは完全に「シナ」ですな。風景、村芝居のシーンなんか驚くほど日本情緒に近い。というわけで歴史を背景にした大メロドラマですが、興味深い人物に欠けてた。この全体ドローンとしたとこが植民地的なのかも知れない。欧米で植民地ものドラマとなると、近代に疲れた人の逃げ場所として描かれることが多かったが、そうでもなかった。退屈はしませんでしたが。[映画館(字幕)] 6点(2012-02-13 10:24:56)

8.  いとこのビニー 《ネタバレ》 前半はあんまり乗れなかったけど、裁判が進んでくるとやはり法廷ものの伝統のあるお国柄、けっこう楽しめた。一番のギャグは官選弁護士のアレでしょうな。ネタとしては別にどうってことはないものだけど。いかにも頼りがいのありそうな冷徹なポーズだったのが、いざ本番になるとアガってしどろもどろになるの。で弁護士席に戻って「しぶとい奴だ」とか言うの。南部ってのはコケにされるのね。早朝起こされる繰り返しのあと、留置場のがやがやの中でぐっすり眠っているジョー・ペシ。彼の衣装がだんだん真っ当になるにつれ、弁護の腕も冴えてくる。裁判長ってのはすべてを分かってて見逃すもんじゃないのか。[映画館(字幕)] 6点(2012-02-12 10:01:15)

9.  イノセント・ブラッド 女ヴァンパイアが悪漢に食らいついて、それが増殖するのを防ぐために警官と協力して戦う、っていうの。話はつまんなくても部分にキラリとしたとこでもあればいいんだけど、とうとうラストまでおおむねダルかったなあ。どうもコミカル・ホラーってのは、笑わせるのも怖がらせるのも中途半端に逃げてる気がして、なかなか満足するのに出会えない。このヒロイン、A・パリローがコメディ出来る役者じゃなかったってことだな。サリーってのが生き返るあたり、ちょっとコメディ的感性が生きてるとこはあった。記者団の前を彼が走りぬけ、検視官やらなんやらが追っていくあたり。だいたい彼が出てるシーンのほうが面白かった。副大統領がテレビに映ると消されてしまうギャグ。中に出てくるテレビ番組は、みな怪獣・怪奇ものやってるのがおかしい。吸血鬼に関するいろいろなルールってのは興味深いんですけどね。愛と攻撃のメタファーとして。[映画館(字幕)] 5点(2011-12-18 10:29:03)

10.  イン・ザ・スープ この監督は海と父との取り合わせが好きらしい。ジョー(シーモア・カッセル)は友だちと言うよりも父的になっている。ニコニコ笑いながら悪いことに誘っていくジョーがなかなかいい。サンタのかっこして車を盗んだり。ブーシェミがキートン的な困惑に落ちいっていくあたり『ミステリー・トレイン』の彼を思い出させる。車の席の構図なんかも。おっかない男との対話、心の声に対してエッと言われたり。こういう被害妄想的ユーモアってこのころの流行のようでもあり、サイレント時代から連綿と続いていたようでもある。ジャームッシュの匂いが強い。本人も出てるし。前作『父の恋人』では男のオカマ役だったJ・ビールス(「こいつ女じゃねえ、男だぜ」って言われる役。ついでに言っとくとこのひどい役を設定した監督とビールスは結婚したが、やがて別れた)が今回は女性役。作品として面白い気分はあるんだけど、ちょっと物足りない。この監督はいっそセンチメンタリズムに徹したほうが、ジャームッシュとの違いを出せたか。[映画館(字幕)] 6点(2011-09-25 10:12:32)

11.  119 前作との比較で言うと、前作は山・本作は海、ってことが一番気づくが、前作は都会生活者・今回は地方の人、ってことのほうが大きかったかも知れない。この人は、侘しさからおかしみを取り出すのが趣味みたいで、前作はそれがうまくいった。ただ今回は、もともと侘しい地方を舞台にしているので、その侘しさがユートピア的なイメージで覆われ、ちょっとじかに触れられなくなってしまった感じがある。侘しさが剥き出しになってくれない。そこらへん物足りない。久我美子に小津調で語らせるギャグ。わっと子どもが走り抜けていくと、そっちから赤井英和がかけてくるシーン(ここらへんは寅調)。完全にうつ伏せに倒れているマルセ太郎。本当はラスト、退屈したカットのとき、向こうの窓を消防車が動き出すところを一緒に映したかったのではないか。[映画館(邦画)] 6点(2010-08-14 10:03:11)

12.  依頼人(1994) グリシャムものでは、映画に向いていたほう。アメリカ映画の基本である「正義を行なう勇気」の話なんだけど、おそらくこの国ぐらい「法」というものをあれこれ考えているところはあるまい。かつて「無法時代」がそう遠くない過去にあったからだろうか。法というものの光と影について、社会として常に考察してるなあ、ということが、こういう娯楽作品を観てもひしひしと感じられる。そのことが国の成熟を意味するのか、未成熟を意味するのかはわからないけど、法を絶対視する社会よりは健全だろう。依頼人個人を助けることと、しかしそのことが悪人を助けることになってしまってはいかん、いうところに緊張がある。少年を馬鹿にする警官の存在などがいい。たしかに眼目は弁護士と検事のチョーチョーハッシだろうけど、悪人をもう少し魅力的にしても邪魔にはならなかったのではないか。[映画館(字幕)] 6点(2010-08-02 09:45:17)(良:1票)

13.  イヴォンヌの香り 《ネタバレ》 波を追っていたカメラがゆっくり上昇し、船、甲板の女の脇に移っていく出だしは結構ドキドキしたんだけど。けっきょくこの監督は女には興味がないのね。女にうつつをぬかしている男の心理が好きなんだ、ヘンなの。世の中から逃げてる無職、いうのも『髪結い』に同じ。ドンファンの対極というか、いい大人たちが少年のように憧れるの、この人の映画では。でもそういう話では『髪結い』という傑作があるんだからもういいんじゃない、と思ってしまう。この人の映画ではレコードが回ると、物思いに沈んでいく。若い日は帰らない、っていうようなシャンソン。役者があんまり良くなかった、とりわけ女、危なっかしさが感じられない。スタッフがカメラに写らない脇で、一生懸命スカートに風送ったりしてたんだろうけど。「だから目を離すなといっただろ」「離さなかった、見つめすぎたんだ」だって。[映画館(字幕)] 6点(2010-07-16 09:49:44)

14.  愛しのタチアナ 少年や青年にもっともふさわしかるべき心情を、あえて中年に移して楽しむのが、この監督の趣味。そこから生まれる「照れ」とか、それを隠そうとする「ブッキラボー」が味わいになる。人と視線を合わせられない照れくさがりの純愛を、中年が演じる。侘しいことは侘しいんだけど(だって中年だもん)、でもそういう人生を肯定している。ミシンを踏む中年男の、こうでありたかった自分の妄想かもしれないけど。ホテルやカフェの入口・受付のあたりになると、この監督らしい雰囲気が立ち込めてくるのは何なのか。ブッキラボーだからか。客との応対のように人々のドラマが進行して、そのなかで不意にタチアナが寄り添うからいいのか。やや俯きながら画面に入ってくるとことか。フィンランドの「フィン」て、ハンガリーの「ハン」と同じく、フン族の「フン」から来てるそうで、こちら東洋の流れを汲んでるらしい。こういう「侘しさ」にこだわるとこなんか、同根を感じる。原題は「タチアナ、スカーフに気をつけて」か、そっちのほうがいいじゃないか。[映画館(字幕)] 7点(2010-06-29 11:57:26)

15.  居酒屋ゆうれい 京浜急行沿線って、なにかいい意味での場末的な雰囲気を残している。消えていく幽霊はなぜ哀れなのか。幽霊ってのがそもそも、死別を自己完結できないとこから来ているわけで、それを何とか納得させたいときに、哀れに消えていく幽霊が必要になってくるのだろう。生き残ったものの後ろめたさ、ってことが底にありそう。舞台が場末ってことがしっくりくるのだ。死別と生別の二人、死別のほうが優しく、生別のほうが冷たい。女同士のほうがなにやら仲良くなっていってしまう。あの世とこの世のけじめが曖昧になる。のりうつったりもする。男にとって、妻も死者も同じものなのだ。演出はあまり奇をてらわないのがよく、鏡の中に座って映る室井滋、時計の振り子越しに夫婦を眺め下ろしたり、転がるビー玉など。トルコの軍楽隊みたいのも聞こえるが、島倉千代子の「愛のさざなみ」が場末感充溢していて嬉しい。くりかえす~、くりかえす~、さざなみ~の、ように~。[映画館(邦画)] 7点(2010-03-13 11:58:53)

16.  EAST MEETS WEST 《ネタバレ》 どうも焦点がボケているためにハズんでくれない。真田とそれを追う竹中いう設定が、あまり活きなかったんじゃないか。いっそラストの悪の街に乗り込むとこだけに焦点を絞ったほうが、シャキッとしたと思う。喜八らしさは、忍術で体をクネクネして牢格子を抜けるあたり、老人たちに銃を持たせたとこ、インディアンの歌と木遣りが重なる音響効果、など。刀とピストルで対決するってのは、『用心棒』を初めいろいろ試みられているが、どうもスッキリするアイデアは生み出せていないようだ。二人が対決する距離設定が難しいんだろうな、両者有利不利なしの対等な距離ってのが思い描きづらい。これ、永遠のテーマ。[映画館(邦画)] 6点(2010-01-09 12:02:05)

17.  いつか晴れた日に ジェームズ・アイボリーにしろカズオ・イシグロにしろ、けっこうイギリス的な気分てのは非イギリス人によって継承されていて、台湾の監督がジェーン・オースティン撮ったって不思議はあるまい。クラシック音楽の担い手が西欧に限らなくなっているのと同じことだ。でイギリス的とは何ぞやというと、馬車の似合う風景、婚期を逸した娘、大団円の満足感、といったところか。ささやかな不幸とささやかな幸福の家庭劇、分別過多の娘も多感な娘も、それぞれ幸せを得ましたとさ、って。とかく“いいかげん”と見なされがちなハッピーエンドも、“大団円”としか呼べないようなツボにはまる正確さを伴えば、よしよし、と心が満ちる。一度陰った気持ちが曇りなく晴れ渡る。二度目に大佐に抱かれて雨の中を戻ってくる次女、反復の妙。画面の遠くの庭師たち、あるいは働く下僕らの足音など。もひとつハッとする瞬間がほしいという気もするが、そういうことするとレースの手触りのようなトーンの傷になってしまうのかも知れず、エドワードが女性二人を見るとこなども、実に淡々と、笑いを取ろうとしてないのが、かえって好感。イギリス的だ。[映画館(字幕)] 7点(2009-09-06 11:59:49)(良:1票)

18.  イングリッシュ・ペイシェント メロドラマの背景は非日常でなければならない、それが探検と戦争と二つもそろえば申し分ない。故郷ハンガリーを離れた主人公は、イギリスにもドイツにも帰属できない存在となり、まさに男として愛のみに生きられる絶好のメロドラマポジションを獲得したわけだ。まだ国籍などというものを持たなかった古代人は、砂漠の中でゆらゆらと自由に泳いでいた。これと対になるのは、空中に吊られたビノシュが中世の壁画を眺めるシーンで、空中を泳ぐ彼女の自由さが中世からさらに古代にも通じていく。映画としてはこのシーンが一番優れていた。あとビノシュがケンパケンパケンケンパする音から、砂漠の民の音楽に移っていったりするあたり。やや文学性に寄った映画だったが、大メロドラマを楽しめた。アタマで双葉機が飛んでたので、あれ? 第一次世界大戦か、と思ったら、やっぱり第二次大戦で、北アフリカではそんな感じだったのか。でも第一次大戦が舞台でもいいような古風な味の映画。[映画館(字幕)] 7点(2009-04-20 12:03:40)(良:2票)

19.  インデペンデンス・デイ 出だしは無駄がなくていい。何やら巨大なものが覆ってくる感じ。SFとしては、このまま停まってじっとこちらを観察してるみたいなほうが面白いのだけれど、ハリウッドではそうもいかないのか、攻撃してくる。ここで得体の知れなかった対象物が、単なる“敵”にしぼんでしまう。さらにそのエイリアン姿を見せて、さらにさらにしぼむ。「相手が分かる」ということは、実に興を削ぐ。実際問題、月の四分の一の体積物があんなところにあったら、重力に変調が起こるのではないだろうか、それともよっぽど軽い物質でできているのか。人類の滅亡かという大きなストーリーと、主人公の身辺の世話物的なストーリーとだけがあって、中間部分がない単純さの上に、「共通の敵がいればすべての民族が仲良くなれる」という単純なメッセージが堂々と語れる。アメリカのある種の単純さは嫌いじゃないし美点だと思うことも多いんだけど、ここまでくるとちょっとなあ。かつての『宇宙戦争』でのウィルスを思い出させるコンピューターウィルスが登場するのは、ユーモアなのか先人への敬意なのか。アメリカ映画のUFOのマザーシップ内部は、独特の宗教的空間になっているのが特徴で、あの国が根深く宗教の国であることを確認させてくれる。[映画館(字幕)] 6点(2009-04-10 12:08:39)

20.  陰謀のセオリー 《ネタバレ》 妄想と現実の境が分からなくなる、あるいは妄想が徐々に現実を侵犯していってしまう、そんなユニークな展開になるかと思っていたら、あっさり現実が妄想に負けちゃって。映画とはもともと妄想に近いものなわけで、とりわけこの手のサスペンスはそうでしょ、そこらへんをもっとネッチリ展開してくれれば面白かっただろう。街角にヘリコプターが浮かんでいるところなんか悪くないんだけど。「俺はいつも殴られてから謝まられる」ってセリフを覚えている。男が縛られていて床に転がされ、女が救ってキスを与える、昔はだいたい逆だったのに世の中変わったものだ。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-07 12:00:25)

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