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1.  イップ・マン 最終章 《ネタバレ》 勘違いして見た ドニー・イェンの「イップ・マン 葉問」の第三章だとばっかり思っていた 新たにイップマンの香港時代を描く だったらこのタイトルは無いだろ この香港時代のイップマンは自分が見ただけでも3作目「イップ・マン 葉問」「グランドマスター」それからこの「イップ・マン 最終章」 すべて基本のストーリーが同じ それだけ有名なエピソードだということか この映画が一番展開がリアルだった ドニー・イェンのイップマンも良かったが今回の主人公アンソニー・ウォンのイップマンもなかなかいい またまたブルースリーらしき人も出て来るがそこははずせないお約束エピソードなのか 詠春拳の門下生達もなかなか強くて、特に悪徳警官になって出世するジョーダン・チャンが詠春拳をバカにされた時に見せた一瞬の強さは圧倒的で、詠春拳の強さを一瞬で語るいいシーンだと思った この門下生が悪徳警官になるが、失脚することなく偉くなって行く過程がむしろリアルで良い 他の門下生の青春模様と言える話もあるのでむしろもっとちゃんと描いて欲しかった 映画はほとんど本筋に関係ない息子のモノローグで語られていてそこがリアルでもあるが、だったらもっと本筋のストーリーに関係すべきだと思った 全体的には肝心のカンフーシーンに新しさが見えなくて格闘シーンそのものが今ひとつだったのが惜しまれる そろそろワイヤーアクションにもう少しリアルな進化を望むのは自分だけだろうか[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-11-11 15:57:41)

2.  インシディアス 第2章 《ネタバレ》 前作の解明篇となっている 前作は観客を驚かせるのみに徹したびっくり箱のような映画だったが今作は前作のびっくり箱はそのまま、前作を一本の話として通して見れる様になっている 前作のシークエンスを一部再現したり、過去のジョシュ(父親)と前作のラストで殺された霊能力者エリーゼの若き頃の関係を冒頭にみせるのはなかなかうまい始まりだ 前作で解明されなかった謎や不可解なシーンが、後付けだが説明されている 過去の黒衣の花嫁の話が現在の廃病院で繋がったり、話の流れがうまく前作と繋がる感じは結構うまい 突然オバケが出る演出は相変わらずで、ビックリ箱を開けた時の様に最初は驚くが、2度目は引っかからないと言う、つまらなさと表裏になっていると思った ビックリシーンを憶えている間は見直し禁止だ しかし前作のにぎやかな遊園地のアトラクション的な演出は少し抑えめでこちらの方が恐怖度は高い しかし今回も闇の世界の演出は、ただ暗かったり霧が出たりするだけで前作と変わらず安っぽい この異世界のエフェクトが「サイレントヒル」ぐらいのグレードで作ってくれれば傑作になったと思うが、まぁちょっと高望みしすぎか 前作のエンディングでエリーゼが殺されるのが余りにも理不尽なバッドエンドで気分が悪かったが、今作では死んだとはいえ元気にあちらの世界で暮らしている風に描かれているのはちょっとほっとした 前作の話がほとんどストーリーらしき物がなかったので、むしろこの映画と同時に見るのがいいんじゃなかろうか エンディングはあまりにも取って付けた様なお手軽なラストで、エリーゼとオタクコンビのチームがこれからも続くのなら許すが、この話がここで終わるなら安易過ぎてはっきりいってつまらないオチだ 心霊になったエリーゼとヲタコンの凸凹コンビが、ゴーストバスターズを繰り広げるコメディなんかになったら、この作品を8点にしてもいいだろう[ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-08-30 12:02:32)(良:1票)

3.  一命 《ネタバレ》 三池崇史、普通に映画つくれるんだぁと思った 1962年の「切腹 」のリメイクだ オリジナルをリスペクトしたキャストだと思われる 主人公の市川海老蔵はオリジナルの主人公の仲代達矢の目ヂカラをコピー出来るので選ばれたキャストじゃなかろうか ヒロインの満島ひかりもオリジナルのヒロインの狂気を最も表現できるエキセントリックな女優だ 海老蔵の話し方もゆっくりと軽やかでオリジナルの仲代達矢にそっくりだ 「切腹」の方は、徐々に千々岩求女の切腹の謎にせまる法廷劇のような進行だったが、この映画では謎解きは無く、後半は完全に主人公の津雲半四郎の浪人生活を描く二部構成になっている 従って前半の井伊家に乗り込んだ主人公の話を忘れてしまうぐらいだった しかし「切腹」はミステリー仕立てで出来たかもしれないが、今作はすでにネタバレしているので井伊家江戸屋敷と半四郎を交互に描く必要が無かったのかも知れない 何から何までリメイクしなきゃいけない訳ではないのでこれはこれで直球でわかりやすい しかし物語構成としては前作の方がミステリーやホラー風味もあって格段に優れていると言わざるを得ないかな 前作で強烈に描かれたアンチサムライ精神は前作程強烈ではなく、見せかけの挟持に生きる武士の世界をシニカルに描く程度に抑えられていると思った 「切腹」で描かれた武士の面子への強烈なアンチテーゼは斬新だったが、「一命」はむしろ武士を捨てた義理の息子への共感と復讐(相手を殺すのでは無く、武士の面子を潰す事)としてわかり易く描かれている オリジナルの印象的なシーンをオマージュするシーンもあったが前作ほど毒が無い 殺陣も前作の様な真剣を使った血糊いっぱいの残酷なラストではなく、サムライに対してあえて竹光で戦う主人公の武士を捨てた挟持を前面に見せた エンディングもいい気な殿様に全員でひれ伏すとかで、前作の不祥事をもみ消して、将軍から武士の鏡としてお褒めの言葉を頂くみたいな強烈な皮肉になっていない所が少し寂しいが、殺陣を含めてむしろ重すぎない様に留意した作りになっている 偉大なオリジナルのリメイクとしてはこれはこれで有りではなかろうか 前作に無かったシーンで、瑛太に武家屋敷で振る舞われた紅葉饅頭が終盤意外な所で出て来て、それが物語の冒頭だったのですっかり忘れていて、それを食べる満島ひかりの抑えた芝居がなおさら胸に迫った[ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-05-10 13:42:22)

4.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 タランティーノらしい人が悪い作品 ユダヤ人がナチに徹底的に鬱憤をはらす これはユダヤ人じゃない人達が見て、なおかつ快哉を叫ぶにはいささか人が悪いと言うしか無いかな ナチはとにかくすべての登場人物が嫌な奴だ 「やな奴なんだからぶっ殺してが何が悪いの」的な展開に唖然とするが、対するユダヤ人もヒロインや協力者を含めて、メインキャストであろうが無かろうがガンガン死んで行く 本当に人が悪い映画だ さすがこの毒だらけの映画に心から快哉を叫ぶ気にはなれなかった とにかく死んだナチからは頭の皮を剥がすし、パパになったばかりの善良な徴兵組のナチ兵士も容赦なくぶっ殺す 冒頭から絶対に軍の情報を売らない真摯な将校を、いきなりバットで頭を横殴りにぶん殴るのは、残酷さを通り越して笑っちゃう程バカバカしい ラストはとにかく、はちゃめちゃだ 「ユダヤ人の怒り思い知れ!」的なセリフと共に劇場は燃えるわ、ヒトラーは蜂の巣にされるわ、ゲッペルスもほぼ瞬殺 史実なんてどうでもいいや的な展開は爽快感すらあるが、さすがに乗り込んだバスターズのユダヤの熊らも自爆して果てるとかは、めちゃめちゃすぎて大バカすぎる クリストフ・ヴァルツがナチの親衛隊長を怪演していて、ジャンゴのドクターも良かったがこちらもかなりイイ 傑作だとおもうが手放しで褒められない映画だとも思う[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-04-26 14:42:40)

5.  イヴの時間 劇場版 《ネタバレ》 冒頭 アシモフのロボット三原則が出て来て、「おお懐かしい」って思ったが話が進んでも特別にロボット三原則がストーリーに深く関わることは無かった ロボット三原則のエッセンスのみなら別のオリジナルの設定の方が良かったんじゃなかろうか お話は語られない過去の事件等、はしょりすぎな部分が多くて事前に学習していないと置いて行かれると感じた エンディング部分のイラストのみで語られる「トキサカ事件」の顛末がまったく判らないので物語のディテールはわからず、なんとなく雰囲気のみ伝わった 喫茶店イヴでのアンドロイドと、家の中でのアンドロイドのギャップが有りすぎて、サミィ等のリアル造形のアンドロイドとのエピソードはイマイチ乗れなかった あれだけイブでの感情が豊かなら日常の家庭でのアンドロイドの生活やそれを取り巻く人々の間にギャップがありすぎる 家庭の中でイブで見せる豊かな感情を何故出さないのかがわからない なのでむしろいかにも無骨な見た目のロボットとのエピソードは中々泣けた アンドロイド同士の恋は意外で驚きがあってもう少し深く描いて欲しかった どちらにしろエピソードを詰め込みすぎで、ひとつずつは悪く無いだけにもう少しじっくりと見たいと思った マサキとテックスのエピソードだけはそれなりに尺が取ってあって中々いい リクオとサミィのピアノのエピソードも、もう少しじっくり見せてくれればリクオがピアノを引く所で結構泣けたはず 全体的には良質なエピソードが多いのでドラマの様な長い尺で見たいと思った[ブルーレイ(邦画)] 7点(2014-03-24 23:14:32)

6.  イーグル・アイ 《ネタバレ》 突っ込みドコロ満載の映画 大きな設定で言うと主人公の戦う理由が希薄とか、ネットに繋がってないであろうこまごまとした所まで自由自在に操れるアリアの存在とか、突っ込めないシーンは無いぐらい不自然な所が有るが、これがことごとく気にならない人じゃなければ楽しめないだろう 逆に、「そんなこと、どーだっていいよ、アリアすげぇ!」と言える人にはこれほど楽しい映画は無いだろう 私は楽しめた なのでこれ以降ストーリーの矛盾点については語らない 多分あげ始めるときりが無いだろう 冒頭からいきなり最新兵器を使ったテロリスト殲滅作戦が始まって、主人公の銀行のATMから大金が吐き出されるとか、家に帰ると部屋中が武器の山とか、典型的巻込まれ型だがSFっぽくもありミステリアスな展開 その後もFBIを脱出するあたりまでの畳込む様なアクションは見事 続くカーチェイスは暗い夜のシーンなのが残念だがかなり凄い アリアから逃げる為にいろんな方法を試みるが、コトゴトク見破られてハイテクを駆使して対策されるなど面白い、この辺は「プラチナデータ」とかにもパクられてる気がする トンネルの中に無人攻撃機が突入とかもアイデアも素晴らしい エンディングはアリアが軍事衛星にコピーされたのでもうひと暴れするのかと思ったが、何故か普通でさして盛り上がらず工夫もさほどなかった 水晶型の新型爆弾とか今ひとつオチとしては弱い武器だった どうせなら得意の軍事衛星からのビーム攻撃とかとのダブル作戦でもよかったのに 予算が足らなかったのか このエンディングでアリアが最後の大暴れをすれば「トランスフォーマー」と並んだかもしれないなぁ 残念だ[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-03-09 13:14:25)(良:1票)

7.  インモータルズ/神々の戦い 《ネタバレ》 ストーリーはほんの二言三言で語れる話を劇場のように徹底してスタジオセットとCGで描く 泥臭い人間同士の戦いと華麗で残酷な神の戦いを描き分けるのが見所の映画 神の戦いはポセイドンの海のシーンを含めて素晴らしい シンメトリーな画面構成やPVの様なスタイリッシュな映像はいいがまったくロケ部分がないので飽きて来る やはり奥行き感が無いと映画はきびしいな 物語はあえてだと思うがまったく起伏がなくつまらない キーアイテムのエピロスの弓を奪われるシーンも主人公が転んで落とした弓を犬が拾って走るだけ まったく盛り上げようとかも思っていない 物語はまだ薄かった「300 <スリーハンドレッド>」の方がちゃんとしていたんじゃなかろうか そもそもちゃんとしたストーリーは存在しない スタイリッシュな映像を楽しむためだけの映画だ 111分は長過ぎる60分ぐらいなら面白かった[ブルーレイ(字幕)] 5点(2014-02-12 02:07:41)(良:1票)

8.  インキーパーズ 《ネタバレ》 四章に別れてる映画 第一章は以外にもコメディのような作り フリークスぽい登場人物とかクラシックディズニーアニメのようなコミカルな音楽の使い方といい、なんかこれはいつもと違うぞという感じの始まりで結構期待させる 後半までたいして怖い事は起こらず、むしろ青春映画でやはり期待させる作り 後半からいきなり普通のホラーの展開になり最後はキュートで優しいヒロインがあっさり悪霊に殺されて終わる しかも逃げる時に開けようとしたドアに以前、鍵をかけたのはヒロイン本人である この救いの無さは何なのか 普通このタイプの死に方は悪人キャラのものだ 何考えてんの! 出ずっぱりの可愛いヒロインをあっさり殺してしかもなんの説明もない そもそもネガティブな自分を悲観しながらも健気に生きて来た青春映画のような表現もあり、充分ヒロインの女の子に感情移入させてこれかよ ふざけるなと思った 悪趣味すぎる エンディングも長々と写した部屋のドアがただ閉まるというだけのオチ なめてんのか!前半が変わってて期待させただけに落差が大きい この映画だけはオチを知って見て欲しい みんなー!きおつけてー このかわいいヒロインは犬死にするよー![DVD(字幕)] 5点(2014-01-08 02:50:12)

9.  犬神家の一族(1976) 《ネタバレ》 昔見たイメージとかなり違っていた 76年なのでテレビで見ただけなのかもしれないな 146分という長さで見たのは初めてかもしれない 憶えていたイメージよりずっと破綻の無いストーリーだった テレビで見ただけならかなりカットされてたはずだ 意外だったのはまず画面サイズ、シネマスコープだとばかり思っていたら標準サイズだった 画質もシックで暗くどちらかというとローコントラスト もっと絢爛豪華な原色ハイコントラストなイメージがあった 大作だとばかり思っていたからか このイメージの違いが晩年、市川崑がもういちどまんま大作として撮り直そうと思った理由かもしれないな 照明は徹底したサイドライト、その分役者の顔半分に強いシャドウが出るがことごとくシャドウ部分の背景にハイライトが入っていてシャドウが背景にとけ込まない工夫がしてある この背景ライトの部分が豪奢な襖絵などになっていて過去に見たイメージが絢爛な原色のイメージを作ってしまっていたのかもしれない サイドライト自体はおどろおどろしいイメージを作るのに十分役立っている 古い町並みや旅館や駅などもうまく再現されていて作り込みも素晴らしい 映画はとてもよくできていたがこの長い尺ですら原作をなぞって端折った感がある やはり緻密な原作を限られた尺で表現することは不可能だろうがイメージは充分伝わった[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-12-31 01:14:11)

10.  1303号室 《ネタバレ》 きわめてハリウッド的な脚本 ストーリーに整合性を持たせようとかいっさい考えてない いかに観客を怖がらせるかだけの演出 途中からはそれがわかったのでそのつもりでストーリーを追う事を考えないで見た するとどうだろうまずまずおもしろい つっこめば何故、次々に人が飛び降りるマンションに入居するとか、マンションの他の住民はどうしてるんだとかいくらでもあるが途中からどうでもよくなる 2時間ドラマだと思えばいい出来である 児童虐待とかうつ病に依る狂気とか物語を深くする要素はたくさんあるのに触れただけでまったく描こうとしていないのはちょっともったいないな さらにキャスティングはいいが芝居がうまい人が皆無というところもちょっとなぁ 中越典子や初音映莉子はいい(アイドル映画として) ラストはあまりにもそれまでとイメージが違い過ぎて、怖くもないし驚きも無い、しかも笑える ここにお金をかけてポルターガイストのような派手な演出にすれば、「回りの怪しい人たちは皆、幽霊 主人公はやっぱり死ぬ」みたいな飽きるほど見た定番なラストも許せたのだが。ちょっとだけある最後の中越典子のお色気シーンもハリウッド的だが、ならばもっとサービスするべきだ 最後に落ちる主人公を見てわざとらしく目をそむける古田新太あたりは殆どギャグに見えた 本人も絶対狙ってただろうと思われる(笑)[DVD(邦画)] 6点(2013-12-16 15:47:14)

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