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1. イニシェリン島の精霊
《ネタバレ》 多分間違っていると思う、個人的解釈。
元音大教授が退任後、愛犬とともに離島に移り住む。出会ったのは驢馬のような純朴な男。「やあ、僕の名前はパードリック。牛を飼っているんだ。島のことなら何でも聞いてくれ。パブ?この辺には一軒しかないんだ。よかったら案内するよ。じゃあ、2時に迎えに来るね」
島の生活は楽しかった。家の前はすぐに海岸。いくら見ていても飽きない。2時になったら驢馬のような男と一緒にパブに行く。馬鹿話をして、笑って、一日が終わる。そして翌日も同じ暮らしが続く。内戦の砲音は海の向こうだ。
ある日、一人でレコードを聴いていてふと気づく。残り少ない日々をこんな無為に過ごしていていいのだろうか。自分には音楽がある。最後にもう一曲作ろう。驢馬男の馬の糞の話を聞いている暇はない。
驢馬は愚鈍でしつこい。何度、外に出ていろと言ってもあきらめずに家の中に入ってくる。驢馬男も一緒だ。俺の時間を無駄にさせるなと、いくら言ってもあきらめない。おれに話しかけたら、指を切ると脅しても変わらない。ならば本当にやるしかない。
目が覚めると、元に戻っていると思っている驢馬男のせいで左手の指はなくなったが、曲は完成した。一方で驢馬男の精神とかわいがっていた驢馬を殺してしまった。海を見つめるしかない。
驢馬男は友情を失った。最愛の妹は、閉塞感に耐えられず島を出て行った。死んだ驢馬の代わりに牛や馬を家に入れたが、満たされない。元友を焼き殺すこともできなかった。楽しいまま続くと思っていた生活は消えてしまった。海を見つめるしかない。
あえて描かなかったのだと思うが、仲良く過ごしていた日々のシーンがあってもよかった。観客に想像しろということなのかな。[映画館(字幕)] 7点(2023-02-08 14:45:41)《改行有》
2. 異端の鳥
《ネタバレ》 ジョジョ・ラビットの明るい部分を根こそぎ奪い去ったダークサイド版。平日夜にもかかわらず結構入っていた観客が、一度もくすりともしなかった。ストーリーだけでなく、登場人物の表情も、美しい風景も何もかもが暗い。モノクロだからというのではなく、描いている世界が心の奥底を寒々とさせる暗さを持っている。
正直、ユダヤ問題は一般の日本人の理解は及ばない。私も分からない。ペインテッド・バードは主人公の少年を指すのだろうか、それともユダヤ人を指すのだろうか。いずれにせよ自ら望んでいるわけでも目指しているわけでもないのだから、異端という言葉は当たらないと思う。原題通りでよかった。
首まで埋められた少年の周りにカラスがいるポスターを見て、ホラーではないかと思っている方へ。ホラーではありません。安心して見てください。代わりに違う種類の恐怖が待っています。
169分という上映時間にためらっている方へ。大丈夫です。少しも長いことはありません。ただ、見終わった後に沈んだ気持ちが長い時間続きます。[映画館(字幕)] 7点(2021-02-17 13:20:31)《改行有》
3. イエスタデイ(2019)
《ネタバレ》 かわぐちかいじの「僕はビートルズ」はタイムスリップでビートルズが知られていない世界を作り、本作はパラレルワールドに飛ぶことでビートルズのいない世界を作った。
共通しているのは「盗作」との心の葛藤だ。「僕は…」は結局それを消化しきれなかったが、本作はコメディーということもあり、きれいに着地させたと思う。強引な着地との見方ももちろんあるだろうが、「ビートルズのいない世界は退屈」というセリフに免じて許してほしい。
ジョンが出てくることに賛否両論があるが、私はポールがいなくてもビートルズは存在しうるが、ジョン抜きではだめと考えているので、全く問題がない。それより、世界が分かれたのはジョンが漁師になったから? タバコが発明されなかったから? コカ・コーラが誕生しなかったから? というのは気になった。
個人的にはエド・シーランの存在を恥ずかしながら初めて知ったのが、本作を観た最大の収穫。このところ、ずっと彼の曲を聴いている。ただ、オアシスが消えるのは当然としても、エド・シーランはビートルズがいなくても生まれたのだろうか?[映画館(字幕)] 8点(2019-11-15 14:48:21)《改行有》
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