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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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21.  サン・ジャックへの道 コメディとリアルヒューマンドラマの融合具合が絶妙で、個人的にはもうちょっとコメディよりにしてもいいのにと思うところもあるんだけどおそらくはこれがちょうどいい塩梅なんだ。やり過ぎると面白くなくなる。三人兄妹のキャラクターがハッキリしすぎの面もあるけどここもあまりリアルにしすぎると退屈になっちゃうからこれでいいのだろう。体力的に過酷な長旅を共にする面々が徐々に打ち解けてゆく展開はベタベタなんだけど、こういう旅って絶対そうなるんだろうなあという説得力があるから気にはならない。女教師が「教える」という本業に目覚めるクダリは感動的ですらあった。キリスト教の聖地巡礼の旅を描いているのに、願い事を大幅に改ざんするシスターや露骨な人種差別、宗教差別をする神父とか出てくるあたりを見ると、「1500キロ(ほとんど本州縦断!)を歩く旅」がいいのであってキリスト教自体はむしろ否定的にとらえられているようだが、その描き方も深刻ぶっていないのが好感が持てる。物足りなさもあるんだけど気持ちのいい映画です。[DVD(字幕)] 6点(2009-09-10 14:47:51)

22.  座頭市と用心棒 シリーズの中の一本ではあるが、独立した一本の映画として見なければいけないし、じゅうぶんにそれができる作品である。初めて「座頭市」を撮る岡本喜八だからこそ出来たのかもしれない。岡本監督の時代劇は西部劇の洗礼を受けている。というか着物と刀の西部劇だ。だから勝と三船の二大スターが共存できるのだ。二人のキャラクターが立つほどに映画が面白くなる。市の達観しているようで恐ろしく俗気があるキャラを、用心棒の豪傑でありながら茶目っ気のある泣き上戸というキャラをコメディタッチで見せながらもストーリーはシリアスというギャップがいい。もちろんアクションもしっかり見せてくれるし何よりも二人をちゃんと対決させている。見事なまでのエンターテイメントだ。[映画館(邦画)] 7点(2009-09-03 13:58:51)

23.  殺人の追憶 未解決の連続暴行殺人事件がことごとく韓国の歴史の闇とリンクする。ことごとくである。そして物語構成に一切の無駄が無く全てが全てにからんでゆく。北朝鮮の侵攻に対する灯火規制と共に起こる事件。当たり前のように行われる警察の拷問と軍事政権下の国家権力に対する国民の怒り。怒りは容疑者から証人へと変わった男を警察から遠ざけ、またある時はデモ行進によって機動隊の出動を邪魔する。どちらが犯人か判別できないある事件の容疑者と被害者の兄の写真。あるいは都会刑事を犯人と間違うエピソード。刑事の自信と確信をことごとく失墜させてゆく展開はまさに何を信用すればいいのかわからない時代を写し取っている。強引なやり口を批判する都会刑事もまた闇に翻弄され自らを失ってゆく。そしてトンネルの闇に同化するように消えてゆく容疑者は時代の闇そのものだったのか。排水溝を覗くことの繰り返しは十数年という月日の流れの中で闇の時代が過ぎ去ったことを提示する。このあまりの完璧さに感心しながらも完璧であることに少々の不満も感じる。そしてこの完璧な構成を分りやすくする大袈裟で過剰な語り口がどうも苦手だ。まあでもボン・ジュノは社会派をエンターテインメントに紛れ込ませて見せるのがうまい。[DVD(字幕)] 6点(2009-04-20 16:55:31)(良:1票)

24.  さらば愛しき女よ 《ネタバレ》 目の前に死体が転がっていようが警察に尋問されようが常に落ち着き払って対応すれば誰でもマーロウになれるんじゃないだろうか。その落ち着きぶりに無理さえなければ。いや、ボギーの落ち着きぶりはけっこう無理があったような気がするけどそれでもマーロウだったんだから、無理の無い落ち着きを見せるミッチャムはさらにマーロウだといえる。加えて、原作には落ち着き払ったうえにキザな心情の語りが入る、そこにハードボイルドの源があるのだが、ナレーションを使うことでそこんところをうまく補足している。だから原作ファンには至って好感度が高いように思う。チャンドラーの作ったハードボイルド臭は確かに再現されているから。それだけでもじゅうぶん面白い映画ではあるんだけど、チャンドラーを知らない人にとってどうなんだろう。知らなくたってシャーロット・ランプリングのファムファタールぶり、はたまた相反する男の純情物語をからませたドラマは回想で語られることによってより哀愁を漂わせていて実にいいと思う。思うんだけど、やっぱりこの映画の良さってチャンドラーの醸す雰囲気を壊さなかったってところが一番なんじゃないかな。とか思ったり。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-04-13 17:01:54)

25.  サバイビング・ピカソ ピカソ(ピカソに限らず)がどんな人だったかなんてことを映画に求めていない。だから私と伝記映画は相性が悪い。この作品はピカソがどんな人であったかということを、彼の作品ではなく彼と関係のあった女から紐解いてゆく。男女の織り成すドラマをメインにするところがアイヴォリー監督らしいとも言える。ドラマ自体はピカソではなくフランソワーズのドラマと言っていい。この部分は個人的に好感が持てるのだが一般的にはおそらくピカソを主人公にした作品のほうが好評を得やすいと思う。しかし、どっちにしろ誰もがその名を知るピカソである。フランソワーズを主役にしたところでやっぱりピカソはこんな人ってところに行き着いてしまう。興収を気にしない映画など無いのだから仕方がないのだが、ピカソを無視して男女のドラマが描かれていればもっと面白くなると思う。じゃなきゃ、いっそ監督と脚本変更でピカソとピカソの作品に寄ったものにするか。[DVD(字幕)] 5点(2009-04-09 14:10:29)

26.  サブウェイ・パニック 列車と管制室を切り返しながら見せてゆくシンプルな構成。犯人のバックボーンや地下鉄幹部と警察のエゴをくどくどと語らないシンプルなシナリオ。シンプル・イズ・ベスト。(今年公開予定のリメイク作も楽しみだ。)緊張感が足りない!というのはたしかにそうで、リアルさを求めるときついかもしれない。しかし例えばコロンボや古畑の現実味の無いキャラを楽しめるならこれだって楽しめるはず。最後のマッソーの表情はまさにこの世界観を象徴しています。下手(シタテ)に出ながら堂々と去って行った国鉄職員たちはこの翌年に新幹線ひかり109号に爆弾を仕掛けられることをまだ知らない(『新幹線大爆破』は1975年公開)。[DVD(字幕)] 7点(2009-04-02 14:32:34)(良:2票)

27.  サッド ヴァケイション つらつらとレビューを眺めると「セリフの音量が小さすぎて聞き取れない」という意見が多いようですが、映画館では全くそんなことはなかったのでDVD化の過程で起こった問題なのでしょう。こんなことで評価を下げられるのはなんとももったいない。さて作品ですが、監督のデビュー作『Helpless/ヘルプレス』の続編というだけでワクワクする。正直なところ「ヘルプレス」にあった底冷えするような空恐ろしい感覚を多少なりとも期待して見た私はこの作品全体を覆う和やかな雰囲気に最初は戸惑いました。見ているうちに続編であることを忘れていきました。その意味では「ヘルプレス」を見ていなくてもいいかもしれないし、見ていないほうが変な期待をせずに見られるかもしれません。暴力が描かれた『Helpless/ヘルプレス』、暴力後が描かれた『EUREKA ユリイカ』に対し、この作品は暴力の根源が描かれているように思った。根源は環境にある。家族にある。母にある。暴力はこの世界に常にある。そのことをその根源とともに受け入れたとき、ようやく悲劇を、世界を、そして自分自身をも受け入れられる。先に書いたように前作を見ずともいいとは思う。しかし、浅野忠信の唐突な暴力シーンは「ヘルプレス」を見た者だけが「ヘルプレス」の空恐ろしさを思い出すシーンである。宮崎あおいがオダギリジョーの頭を優しく撫でるシーンは「ユリイカ」を見た者だけが「ユリイカ」での発見を思い出し感慨にふけることが出来るのだ。やっぱり通しで見ましょう。[映画館(邦画)] 7点(2009-03-11 13:08:36)(良:1票)

28.  三月のライオン 矢崎監督の他の作品でも感じたのだけど、この監督の作品世界って一見生々しくリアルなものなんだけど、現実の世界とは全然違ってて、小説とかマンガを通して描かれる現実世界みたいな、ある種の独特の虚構性を持っている。この嘘っぽさ自体は大いにアリなんだけど、人物もこの独特の世界にあまりにはまりすぎな虚構性を持ってて、まさに小説の中の文字でしかない人物であったり、マンガの中の絵でしかない人物のようで、画面の中で生きてないというか。人物は監督の作り出した世界の一部でしかなく、そこからけして逸脱しない。だから面白くないんだけど、この作品に限ってはお話的にも「画面の中で生きていない人物」がまたいい味になってるではないかと思えなくもない。文学的というか詩的というか、独特の世界なので好き嫌いはっきりわかれそうな作品です。[ビデオ(字幕)] 5点(2009-02-18 17:38:42)(良:1票)

29.  ザ・インターネット 巻き込まれ型サスペンスということでヒッチコックを意識しているだろう箇所が見受けられたけど(車中で寝てたら警察官に起こされる『サイコ』のシーンとかメリーゴーランドは当然『見知らぬ乗客』)、例えば警察官に起こされるシーンにはドキドキ感はなく、メリーゴーランドもムリヤリそのシーンを入れたいがために遊園地のシーンがあるんじゃないだろうかと思うぐらい行動の不可解さが漂う。遊びにもなってない。データ改ざんによって『間違えられた男』ならぬ「間違えられた女」として警察に捕まる図というのはなかなかウマイ。お話そのものはけっこう楽しめたのだが、イマイチ興奮できないもどかしさがあるのは、一般人であるヒロインが役どころ上、実にクレバーである点が影響しているのかもしれない。女の「弱さ」がもっと出てればドキドキ感も盛り上がるもんだが、「強さ」でもってグングン展開してゆくもんだからサスペンスよりもアクション映画に近いノリ。実際このヒロイン、登場する誰よりも強いのだ。[DVD(字幕)] 5点(2008-11-13 16:29:39)

30.  サイバーネット 《ネタバレ》 後にハリウッドスターとなるようには見えないアンジェリーナ・ジョリーの若かりし容姿が拝める。当然ながらスターのオーラもセレブのオーラも無いが、学生には不似合いな独特の唇の形がどうにも色っぽい。ちなみに主人公を演じたジョニー・リー・ミラーはアンジーの最初の旦那だそうだ。お話はタイトルから想像できるとおりコンピューター関連なのだが、その筋に全く無知であってもじゅうぶん理解できる分り易いお話と分り易い表現となっている。ただし、ハッキングやゴミ箱ファイルのコピーやウィルスとかというサーバー内のアレコレを映像で表現してくれているのだが、この筋に全くの無知な私でもこの映像表現とその映像を元に戦う構図に安っぽさを感じてしまうのだがこの筋に詳しい人から見てどうなんだろう。天才的なコンピューターオタクが身近に集まりすぎという出来すぎな設定も作品を安っぽくしている。さらに片方が坂本龍一もどきの怪しい日本人二人組みが出てきて、そこから世界中のハッカーが攻撃参加するクライマックスへとなだれ込むところは子供向けヒーロー番組のノリ。その攻撃が実際にはどういったものなのかもよく解からないので大味な展開と攻撃を表現する映像にごまかされたような気がしてならないのだが・・。[DVD(字幕)] 3点(2008-11-11 10:30:05)

31.  サラエボの花 《ネタバレ》 父親がいない家庭を描くことで戦争の傷を描くのかと思って観ていると、父親が殉教者(戦死者)であれば証明書がもらえ、修学旅行の料金を一部免除されるという話になり、殉教者という響きに宗教が絡んだ根の深い戦争だったことを想像させ、その後のドラマもまた宗教がらみの複雑な困難が描かれるのかと勝手に想像していると、いやいやもっともっと悲惨な事実が待っていた。サラエボの女性監督の切実なる想いが映画にこめられ、その悲惨な事実が痛々しく現実味を帯びてゆく。女たちは戦闘には参加しなかったのかもしれないが、まちがいなく戦争を体験してきたのだ。爆撃も暴力も一切映されず、それでもしっかりと戦争の悲劇は描かれる。母親の心の機敏は男の胸毛に気分を悪くしたり、薬を常用していたりといったシーン、あるいは親切にしてくれる男に対しての恐れやときめきといった細やかな表情や態度の変化など、丁寧(すぎるぐらい)に描かれてゆく。その一方で娘のほうの心の機敏は母親のそれと比べると型どうりにしか描かれていない。娘の苦悩はどこの家庭にもある母親との意思疎通とか誤解とか年頃の女の子の反抗期のそれとなんら変わりなく、戦争の傷跡へと直結するのは最後の髪を刈り上げるところのみとなっている。少年との恋愛がなぜ描かれたのかわからん。拳銃がなぜ出てきたのかわからん。母が抱える傷が主題なのだろうが、この母よりも存在感の際立つ娘をこそ繊細に描いてほしかった。[DVD(字幕)] 5点(2008-10-02 17:08:16)

32.  叫びとささやき ベルイマン映画の中で最も表現主義的世界観で見せた作品。死を前にして望むのは孤独からの脱却でしかない。しかし拒む姉妹。病人による目を背けたくなるような叫び。困惑し実際に目を背けてしまう姉妹。叫びによって露とある姉妹の疑心、欺瞞、エゴ。病人を主人として仕えてきたメイドだけが唯一の救いとして存在する。『仮面/ペルソナ』もそうだと思うがこれも「神の沈黙」の発展形で、悲しみは人間によってもたらされ、癒しもまた人間によってもたらされることを強調しているように思う。神そのもののようなメイドの描き方は、神は人の中に存在するということなのだろうかとも思ったのだが。スヴェン・ニクヴィストとの共同作業で生み出される美しい画も強烈な赤を背景にしたことで益々美しさが際立つ。イメージをイメージのまま映画にしたような作品なので、そこだけを評価したっていいのだが、小難しい内容が小難しく語られるのはちょいと難儀。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-24 16:18:31)

33.  サラバンド 《ネタバレ》 ベルイマンはこの『サラバンド』より20年も前に『ファニーとアレクサンデル』という遺作を送り出している。映画で出来ることは全てやったと映画界から引退し、テレビと演劇をその後の活躍の場に選ぶ。それよりももっと前からベルイマンは映画よりもテレビに興味を持っていた。芸術をより多くの人たちのものとしたいと考える彼にとって映画が大衆性を損ないつつある中で、より大衆性の強いテレビというメディアに可能性を求めたのかもしれない。 しかし彼は映画に帰ってきた。年齢からしてもおそらく本当の遺作となるだろうことを覚悟したうえで、彼は最後の最後に映画を選んだのだ(そして本当に遺作となった)。しかもスウェーデン国内で社会現象まで起こした“テレビ”ドラマ『ある結婚の風景』の続編を“映画”で。さらに最新のデジタルハイビジョンで。 何故、映画に戻ってきたのかは知らない。メディアとしての可能性が映画にあると考えたのか、ただ映画が好きだったのか。とにかく映画に帰ってきたことに素直に感謝し喜びたい。 この作品が描くのはベルイマンが描き続けてきた「家族」であり「愛」である。親と子の関係が映画の中に3つあります。物語のメインとなる親子は、親の子に対する独りよがりな愛でもって子を不幸にする。この親の父、つまり『ある結婚の風景』の主人公でもあった親とその子(つまり先の親子の親)は本心から憎みあっている。そのはずなのにあることが起こって父は夜も眠れずに震えて泣きじゃくる。体が反応する。子を愛していると。それらを見たリブ・ウルマンが病気の子供を訪ねる。親は子を、子は親を本能的に愛している。夫婦の間にあるものとは全く異質にして絶対的なもの。どちらの愛も時には喜びをもたらし時には辛さをもたらす。ベルイマンの哲学でありこの世の心理。 『ファニーとアレクサンデル』はたしかにベルイマンの集大成であったと今尚思う。 一方で『サラバンド』はベルイマンの思想的・哲学的集大成なんだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-03-04 15:19:25)(良:1票) 《改行有》

34.  誘う女(1995・米) 目的のためには体も武器にするし人も殺す女。目的意識がはっきりしているから罪悪感を感じることもない女。その目的ってのがたかだかテレビに映りたいというだけのたわけた女。こんな女が実際にいればコメディだ(殺された人からすれば、そうも言ってられないだろうけど)。そしてガス・ヴァン・サントも当然コメディタッチでこのあっけらかんとした悪女を描いてゆく。文章でこう書くとコーエン兄弟の映画のようでもあるが、ガス・ヴァン・サントはひたすらシンプルに、そしてひたすら主人公にのみスポットを当て続けることで、コーエン兄弟とはまた違ったシニカルさを作品にもたらしている。いかにも外見だけで中身のない女を二コール・キッドマンがこれ以上ないほどに魅力的に好演。そして監督も二コールの魅力的な美貌を最大限に活かしきっている。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-22 14:11:28)

35.  サイコ(1998) まずは窓枠をカメラが通り抜ける有名な冒頭シーンをどう撮っているのかニコニコしながら観る。多くのリメイク作品は物語のプロットを拝借しているだけなのだが、おそらくこれはヒッチコックの独自の演出部分を今風に撮るというリメイクなのだろうと思って観たわけです。まさか構図からカット割まで同じだなんて知るよしもなく。でもまあ、ヒッチコック演出のリメイクというところでは正しくそのとおりで、他の某ヒッチコック作品のリメイク作のように電話の形体を変えるとか、どんでん返しを付け足すとかという安易なリメイク作品よりはずっと楽しめました。殺される役は当然ブロンド女優ということでアン・へッシュが抜擢されてましたが、オリジナルでは叶わなかったシャワールームの死体を上から撮った画がバーンとありました。このケツ丸出しの不恰好な死に様をバーンと見せるというのはヒッチコックのブロンド女優いじめに倣ったのでしょうか。それでいて同じ役なのにジャネット・リーがアカデミー賞にノミネートでアン・へッシュがラジー賞にノミネートってなんともかわいそうな。ナイフをザクザクと刺すシーンや探偵が階段から落ちるシーンなどの、そのことを強調するシーンはカラーになると虚構性まで強調されていて面白い。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-21 14:33:11)

36.  ザ・プレイヤー カチンコから始まることから、全てが映画内映画ともとれる。そんな逃げ道を用意してるから、内容は極めてブラックで攻めてくる。コミカルさの中に毒がありシニカルさの中に笑いがあるというなんとも言えない作風は独創的であるものの、映画内映画と割り切れない妙なリアル感が漂って後味が悪い。もちろんそこを狙っているんだろうけど。カメオ出演の豪華な顔ぶれもそれ自体が皮肉めいていて、やりたい放題ですな、アルトマン。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-20 15:51:31)

37.  サンセット大通り 過去にしがみつく往年の大女優を往年の大女優に演じさせ、その女優の執事をする往年の大監督を往年の大監督に演じさせるというキャスティングの惨さ!!たしかにこの二人だからこその真に迫った演技ということになるのだろうが。スワンソンの圧倒的な存在感が目を見張るが(正直、圧倒的にすぎて疲れる)、この作品をより深く濃密なものにしているのはシュトロハイムの存在だ。かつての偉大な巨匠は一人の女を大女優に仕立て上げ何もかもが自由に手に入るセレブへと変貌させる。サイレントからトーキーへと変わったとき女優に求められる演技もまた変わる。よってたかって持ち上げておいてサッとひく。しかし過去のあまりの優遇ぶりに威厳を捨て去れない女優と威厳を持つ女優の崇高さを愛してしまった男の心理が合致してしまう。男は愛情とともに責任を感じていたのかもしれない。そんな男と女の悲しいドラマが、一見本筋のように描かれる三流脚本家との色恋話を凌駕する。シュトロハイムの存在はハリウッドを皮肉った作品に変質的なメロドラマとさらなる皮肉をもたらしている。[DVD(字幕)] 6点(2007-12-18 15:07:45)(良:2票)

38.  秋刀魚の味(1962) 「そうかね」とか「そうなの」とかその返しの「そうなんだ」とか「そうなのよ」とか無くてもいいような短いセリフが発せられ、発せられる度にその短いセリフの主をいちいち画面に映し出す。この小津独特の切り替えしが魅力と感じるのは何故だろう。小津の映画のお話はどれも似たり寄ったりで当時の日本の家族を描いているのだが、そんな単調なお話だからこそ、このリズミカルな切り替えしが心地よさを演出してくれるのだろうか。とにかくお話を思い出してもピンとこなくても実際に観ると至福のときを体現できるのが小津の映画。晩年は小津は古臭いなどとも言われたらしいがこの遺作にしたって実に新しい。べつに小津がビッグネームだからとかじゃなく、本気でそう思う。あと、ユニーク。男たちの真面目顔でつく嘘には二度とも騙されちゃってドキドキしましたよ。こうゆうのもどこにでもありそうなお話を面白くしてる。小津はやっぱりいいねえ。[DVD(邦画)] 8点(2007-11-29 15:10:46)(良:1票)

39.  細雪(1983) 公開当時は宣伝にも力が入っており、かなり話題になっていたことを覚えています。なんといっても四姉妹の豪華な顔ぶれ。そして豪華な衣装。四姉妹それぞれにスポットが当てられ、しっかりと個性豊かに描かれている。大阪弁の中でも船場ことばが使われていますが、四女にまとわりつく桂小米朝の言葉がまさにその船場ことばなのですが、はっきり言って浮いている。例えば吉本新喜劇でしゃべっている言葉はまぎれもなく大阪弁なわけですが、あれはあくまで劇場で観客に聞かせる言葉であって、普段の会話ではあんなにはっきりとした言葉にはなりません。小米朝のしゃべりもまさに観客に聞かせる言葉で、実に不自然。本物の大阪弁と微妙にニュアンスがずれている他のキャストの「なんとなく大阪弁」に合わせてくれたほうがかえって良かったように思う。テレビCMでも使われていたと記憶する冒頭の京都を歩く四姉妹のシーンは絶品ではないが、なかなかに美しいのだけれど、それ以外は全体的に薄暗く、それは戦争前を暗示した暗さというにはあまりにメリハリのない暗さで、もう少し光の出し入れに気を使ってくれればと思うのは酷な注文だろうか。[ビデオ(邦画)] 6点(2007-08-31 13:21:21)

40.  サンライズ 《ネタバレ》 生涯ナンバーワン映画がどんどん更新されてゆく。でももうこれ以上はないでしょう。凄すぎます、この映画! 無駄なく完璧に描写される導入部。表現主義映画の真骨頂といえる都会の女との密会シーン。そして『陽のあたる場所』をはるかに凌ぐボート上の恐怖演出。都会へと移動した後の細やかな夫婦の心理描写。その完璧なまでの光に号泣した教会のシーン。ここで終わっても10点である。しかしまだ中盤。酔っぱらった子豚騒動は『ベイブ』も真っ青。ミュージカル映画を彷彿させる華麗なダンスとそれを見る男と女の面白おかしいシーンはチャップリンの映画のよう。その後の嵐のシーンではその風の凄さを荒れ狂う遊園地の遊具で見せつけるのだが今のパニック映画も顔負け。そしてボートの転覆とココで活きて来た「藁の束」という小道具の使い方の巧さ。観客をどぎまぎさせる展開の妙。そしてそして、、あぁ、なんて美しいのだろう、この女優。特別に11点てのを作ってください、管理人様。[映画館(字幕)] 10点(2007-06-22 15:38:53)(良:2票)

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