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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
21. ザ・ファーム/法律事務所 《ネタバレ》 映画に向いてない話を無理に映画にした、ってのの典型みたいで、ただこちらは話を追ってくだけだった。やっと終わりのほうでB級的悪人が走って追いかけてきたりしたけど、何か流れとして不自然。そもそもなんでこの事務所、よく調べずに正義感の男トム・クルーズに白羽の矢を立てるんだ(顔見りゃ、正義の人って分かるだろうが)。過度の「至れり尽くせり」の不気味さのあたりは悪くない。孤独の戦いが始まるな、ってあたりも一応ワクワクした。でもなんか映像で追う話じゃないんだよな。兄さんを釈放した後の看守にカメラがちょっと寄ってくだけで、彼が事務所に通報したと理解させるあたりは、たしかに映像に語らせてはいるのだが。けっきょくこの事務所の不正を摘発するだけで、マフィアには及ばない。この方が現実的なんだろうけど、いつもガンガン正義で押しまくるアメリカ映画にしては、スカッとしない。トム・クルーズって、両手の人差し指立てて説得するポーズ好きなんじゃない?[映画館(字幕)] 5点(2011-06-13 10:14:50)(良:1票) 22. 39 刑法第三十九条 この監督は、トーンを前もって頭で作りすぎているのではないか。その分、映画が萎縮してしまっているような気がする。鑑定医がことさらおどおどしているのが、演出上の“発明”なのかもしれないけど、意味ありげな小細工という印象を持たされてしまい、ここらへんが萎縮感。たしかに精神障害だからすぐに責任能力がないというのは、裏返された差別であり、そこらへんを突くのはいいんだけれども、今度は一方的に被害者の側からのみ眺めるってのでは進歩がない。無垢でもバケモンでもない精神障害者像を描き出すのが芸術の仕事であろう。樹木希林が意外とよくない。[映画館(邦画)] 5点(2008-12-08 09:33:50) 23. ザンダリーという女 《ネタバレ》 アコースティックギターがリズムを刻み、いい感じでビルからカメラがダウンして路上、ぐるっとまわってから上がって、鉢に水やるヒロインから窓の中の旦那へ、とワクワクする冒頭。でもそれまでだった。欲求不満の人妻もの。旦那が、役者も役柄もよくない(大事なところを見落としてたのかな)。夫婦の旅の行く先をニコラス・ケイジに言っちゃうかなあ。モーターボート疾走でピストルをパンパン撃ってるところでは、なんか狙いがあって呼び寄せたわけか、と思い直したら溺れて死んじゃった。あの男同士のダンスは裏があったんじゃなく、ほんとに青春を回顧してるだけだったんだ。芸術への道を突き進んだ友人への羨望と、ちゃんと社会人をやって妻帯している安定との比べ合い、みたいなところが狙い目かと思ってたのに。『ミステリー・トレイン』の床屋ですっかりファンになったブーシャミー(当時はこんな表記じゃなかったか)が出てたのが嬉しかった。このころチョロチョロ見かけだしたもので。[映画館(字幕)] 4点(2013-06-16 10:34:28) 24. 魚からダイオキシン!! 内田裕也の魅力ってのは、ツッパッてる男をどこか醒めて戯画化してたとこにあったと思うんだけど、これマジになっちゃってる。マジメ男がイビツな社会の中でイビツになっていくってのが『水のないプール』や『十階のモスキート』のモチーフだった。クルド人コンサートをやろうとするマジメ男を、日本の営利だけのプロモーションシステムの中で浮かび上がらせる滑稽さで勝負できた題材なのに、主人公と内田とを重ねすぎちゃったんだろうか、いつもの距離を置いた笑いが出てこない。単純な男が単純でない社会を照射する、といういつもの姿になれず、変にマジメなぶん、社会も単純になってしまった。それで「割り切れる映画」になってしまった。前半の選挙ルポも、内側から見た面白味ってのが出せなかったのか。[映画館(邦画)] 4点(2012-07-27 10:14:52)
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