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1. サイダーハウス・ルール
アーヴィング小説の特徴は時々退屈だったりもするエピソードの積み重ねだ。人間としてバランスの悪い、喪失感を抱えた登場人物たちのままならない人生を、読者が共に歩む事によって最後にささやかな真実を得ると言うカタルシスが魅力だと私は思う。なので、この作品にしろ「ガープの世界」にしろ映画になると何か物足りない、至極真っ当なフワフワとした話のように感じてしまう。この作品では脚本もアーヴィングが手がけているし、これもまた彼の世界のひとつであろうとは思うけど、その世界は私にはピンとこないし、原作と切り離して見た場合、映像はキレイだが凡庸な気がする。所詮小説通りには描けないのだから(と言うか「小説通り」と言うのは個人のモノなので描きようがない)、いっそのこともっと大胆な解釈を見せて欲しいと思ってしまう。唯一トビー・マグワイアは雰囲気出てた。5点(2004-05-31 16:15:15)(良:1票)
2. 最高の恋人
《ネタバレ》 誰がなんと言おうとやっぱりマット・ディロンってイイ男だワンと目の保養させて頂きましたよ。そうよね、元妻。あんたがデートした男達と比べたらマットの圧勝でしょう。唯一ウィリアム・ハートは対抗馬だと私も思うけど妻帯者じゃね。元妻のキャラは個人的に好みじゃないので「なんで彼女なワケ?」なのですが、一方で、男っていつも「ひとつ前の女」が一番好きなのでは?との疑いを持っている私としては、リアルな展開だと言えなくもないです。ラストは一応ハッピーエンドですが、実体験に照らすとヨリを戻して成功した話しは今まで殆ど聞いたことないので、「あぁまた失敗を繰り返すのね」とか思ってしみじみしちゃいました。と、夢の無いレビューしましたけど実は結構楽しみましたこの映画。もしかして私、恋愛モノ好きなのかしらん。6点(2004-04-23 20:29:59)(笑:1票)
3. サイモン・バーチ
アーヴィングのファンとしては原作がかなり凄い話だったので、これをどうやって映画化するのかとちょっと意地悪な気持ちで見たのですが、素直に「美しい映画だなぁ」と思いました。原作を大幅に変えて、相当圧縮して作ってあったにも関わらず、コアなアーヴィングファンである私が「ちがーう!」と思わなかったのは、監督がこの話を自分なりに消化して表現していたことと、決して泣かせようと大げさな演出をしていないところ、そして何より美しい映像によるところが大きいのでは。ハデではないけど、しみじみと優しい気持ちになる映画です。6点(2002-04-22 11:51:42)
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