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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1

1.  サイコ(1960) 超久しぶりに再見。有名なシャワーのシーン以外、結末も含めてまったく覚えていませんでしたが、やはり傑作だと思います。これまでヒッチコックの映画をそれなりにいくつか見てきましたが、個人的にはこの作品がベストかなと。 前半は〝女の性と浅知恵〟(今どきこんな表現をするとアウトですかね)を感じさせる息詰まる逃亡劇、そして後半は一転して猟奇の世界。最後に脅かす気満々の〝人形〟まで登場して、バリエーション豊かなハラハラを楽しませてもらいました。 しかしこれだけ衝撃的な結末なのに、まったく覚えていない自分にも衝撃。人間は忘れる動物であるということを、あらためて実感させてもらいました。だから平気で生きていられるとも言えます。[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-06-18 02:48:52)《改行有》

2.  寒い国から帰ったスパイ 一貫して静かな緊張感に包まれています。面白いかと問われれば微妙ですが、こういう裏側のひたすら地味な駆け引きによって、表向きの世界は均衡が保たれるのでしょう。その最前線にいるスパイというのは、つくづく厳しい職業だなと思います。よほど愛国心と度胸と私生活を捨てる覚悟がないと務まらないでしょう。最初のほうで「長くやると神経が壊れる」とか言っていましたが、本当にそのとおりだろうなと。しかもそこまで尽くしてなお、国家にあっさり裏切られたりするわけで。 いずれにせよ、なかなか辛口のドラマでした。まさかこの後、スパイでありながら世界中の表舞台で派手派手に活躍する後輩が現れようとは、主人公は夢にも思わないでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-12-04 03:15:08)《改行有》

3.  サムライ(1967) とりあえず出てくる女性が全員美人なので、それだけでも価値があります。アラン・ドロンは美形すきて、もはやこの世の者とは思えません。だから仕事を完璧にこなすのも、盗聴器の存在を察知するのも、追手からクールに逃れるのも想定内。オチを含めて「そんなアホな」という場面はいろいろありましたが、そこそこ楽しめました。 しかし「サムライ」というタイトルには違和感があります。どんな幻想を抱いたのかわかりませんが、「侍」は基本的に地方公務員。主人公の立場を表現するなら、「ローニン」や「シタウケ」のほうが近い気が。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-23 23:57:51)《改行有》

4.  座頭市海を渡る 《ネタバレ》 シリーズをすべて見たわけではありませんが、本作はちょっと毛色が違う感じ。いつもは被害者になるはずの村民・農民が曲者だったり、悪代官が登場しなかったり、ヒロインと恋愛に発展しそうになったり。しかし例によって座頭市は無双だし、寂寥感漂う夕暮れのラストシーンも健在。 結局、いかにも悪そうな山形勲一派はあっさり全滅させられ、ずる賢く立ち回った小市民が最大の恩恵を受けるというのは、なんともひねくれています。世の中なんてそんなもの、ということでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-23 02:30:31)《改行有》

5.  座頭市関所破り 見どころは平幹二朗との一騎打ちのシーンでしょうか。勝負自体はあっさり終わりますが、さすがに空気がピンと張り詰めて迫力がありました。除夜の鐘を聞きながら、というのがまた渋い。 他は相変わらず。悪代官と悪名主みたいなヤツが結託して庶民をいじめ、悪党一派が賭場を開き、結局は座頭市にすべて掃除されて終わり。やっていることは毎回同じです。 しかし、同シリーズを何本か見て思いました。最大の見どころはオーラスのワンカット、夕暮れに1人で佇む座頭市の姿なんじゃないかと。大勢を救っているのに誰からも見送られず、ヒロインさえも登場せず、ただ消え去るのみ。その寂寥感が心に沁みます。ほぼ同時代に観客動員数を競ったであろう「男はつらいよ」の場合、オーラスは常にハレの日の明るい昼間、威勢のいいテキ屋のシーンでした。この対照性がなかなか面白いかなと。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-09-11 04:47:52)《改行有》

6.  座頭市二段斬り 《ネタバレ》 結局、「二段斬り」というのは悪人2人を同時に成敗するという意味? 一方で三木のり平&小林幸子をいっさい咎めないあたり、越えられない壁のある格差社会を見せつけられている感じ。もっとも、この2人まで「二段斬り」していたら、その後のシリーズはなかったかもしれませんが。 例によって座頭市は無双状態ですが、唯一対抗できそうな加藤武にもう少しがんばってほしかったかなと。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-06-03 02:12:21)《改行有》

7.  座頭市鉄火旅 「鉄火旅」というタイトルがカッコいい。鉄火場のシーンはそんなに多くはないけれど。頼みの剣にまつわるエピソードもそそります。相変わらず白黒はっきりしすぎた勧善懲悪ドラマで、傷一つ負うことのない大立ち回りが待っているわけですが、秀逸はラスト。これだけ正義のためにがんばったのに、誰に感謝されることもなく、夕暮れの中を1人去っていく姿が美しい。人生とはこんなもの、と教えられるようでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-05-03 22:41:24)

8.  座頭市あばれ凧 《ネタバレ》 TV版も含めて、今さらながら初めて「座頭市」シリーズを見ました。ほとんど勝新の圧倒的な存在感と演技力だけで持っているような作品ですが、予想以上にハマりました。 やたらと「めくら」というセリフが連発されますが、感じたのは差別意識よりも孤独感。そこそこ周囲と仲良く付き合っているように見えても、結局どの組織にも受け入れられず、何もかも単独行動になるという姿が印象的です。最終盤も大立ち回りの後、誰かから祝福されるでも労われるでもなく、そのままあっさり終了するし。 他の作品は知りませんが、こういうトーンが通しテーマだったとしたら、ぜひ見てみたい気がします。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-01-18 01:23:50)《改行有》

9.  サウンド・オブ・ミュージック スタンダードの原曲をいろいろ聞けた、という意味では楽しめました。が、「名画」と呼ばれるほどですかねぇ…。とりわけ7人の子どもたち、年齢差はありますが個体差はありません。それに冒頭に笛一つで整列していたときと、後半に舞台で杓子定規に踊るときとでは、いずれも「マリオネットみたい」という意味で本質的には変化していません。つまり、マリアの家庭教師としての資質には疑義を抱かざるを得ないわけで。それに「ラはソの次の音」って…。もう少し考えてあげてもよかったんじゃないでしょうか。 だいたい「Sound of Music(音楽の音)」というタイトル自体、主張がなさすぎます。「腹痛の痛さ」みたいなものかと。そりゃ痛いでしょう。 ただ余談ながら、同じく修道院を描いた『天使にラブソングを』の謎が1つ解けたような気がします。修道女さんが「社会奉仕」の一環としてクルマを整備するシーンがありますが、「なぜわざわざそんなことを…」と疑問に思っていました。それは、この映画へのオマージュ(もしくはパロディ?)だったのかと。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-02-18 18:42:06)《改行有》

10.  秋刀魚の味(1962) 小津作品というものを初めて見ました。セリフ回しは妙にキツいのに、ストーリーとしては温かいという、独特の世界観ですね。ふだん殺伐とした映画ばかり見ているせいか、中盤あたり、そのうち佐田啓二が岡田茉莉子にゴルフクラブで殴りかかるんじゃないかとヒヤヒヤしました。 個人的には、岩下志麻の美女ぶりより、笠智衆のイケメンぶりより、東野英治郎の老けぶりが好き(実は笠より年下なのに!)。あの黄昏感・孤独感がたまりません。しかし、登場人物の多くはもう鬼籍に入ってるんだよなぁ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-10 02:01:43)(良:1票) 《改行有》

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