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1. ザ・ファン
《ネタバレ》 会社からもクビを切られて、息子に会うことも許されず妻からも見放される。
社会から完全に存在意義を否定されたデニーロが、冗談でスナイプスから言われた交渉人になって欲しいとの一言から自分の存在意義を見出していこうとする姿は面白い。
特にテープを繰り返し聴くシーンが印象的だろう。
そして、スナイプスがスランプを脱出した時、自分が彼を復活させたという思いが強く、自分に感謝しているはずだと勝手に思いこむようになる。
その自分の存在を全否定されるスナイプスの発言から完全におかしくなってしまう姿も面白い。
精神的な映画としてストーリー自体はいくらでも面白くしようと思えば出来たはずなのに、映画自体は反比例してまったく面白くない。
特に始まって1時間、映画があまり動かないのも問題だろう。この映画が純粋な野球映画ならともかくとして。
トニースコットだから、やはりもっと動きのある題材でないとダメなんだろう。
サスペンスとしても緊張感に欠け、親子愛も描けていない、中途半端と言わざるを得ない。
野球への未練とかそういうのもちょっと後付けっぽい印象しか受けない。
ラストにしても、アンパイアに化けているとかはちょっと度が過ぎていないか。
何がしたいのか良く分からないストーリーになっている。結局自分を認めて欲しかっただけなのに。3点(2004-12-11 19:26:15)《改行有》
2. 誘う女(1995・米)
二コールが役になりきってはまっていた演技が好印象。
テレビに出るという夢のために道を外していくが、最終的にはリディアの方がテレビに引っ張りだこになってしまうという人生の皮肉も描いている。
夫が殺された時、カメラが自宅前に集まっているのを知ったときの表情や仕草がこの映画のポイントでしょう。
ベッドでホアキンに対して、夫殺しを強要するシーンも出来がいい。
ホアキンも若い時から相変わらずいい演技をしている。
7点(2004-03-24 21:28:04)《改行有》
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