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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12
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変更日付順12

1.  櫻の園(1990) 「最後の夏」もの、ってのはあるけど、「最後の春」は珍しい。夏の終わりはもうそれだけで「抒情」なんだけど、春の終わりなんてすぐ次に生命力あふれる夏が来るんで、ほんとなら味わいないんだよね。でもつまりそこなんだな、まどろみの季節の終わり、あわあわとした気分がここで終わるということ、の気分。卒業の櫻じゃなくて、最後の一年が始まるところの櫻なんで、このゆとりが「最後の夏」ものにはない透明感ある味になった。部長中島ひろ子が良かった。こういう子、確実にいるんだけど、今までの青春ドラマではライトが当てられることがなかった。しっかり者であんまり目立たなくて、でも突然パーマかけてきちゃう。大袈裟に言えば「生きよう」と決意した子なんです。部長が実に新鮮だった。映画の最後は誰もいない部室に、部長が開けた窓から櫻の花びらが…。[映画館(邦画)] 8点(2013-05-12 09:25:03)

2.  ザ・コミットメンツ 《ネタバレ》 「青春に乾杯」もの。いろんな奴がある期間イキイキした時を一緒に過ごし散っていくってのに弱く、ましてそれがアイルランドだったりすると、もうたまらない。ひなびた味わい。何が何でも栄光ってんじゃなく、とにかくこの沈滞した空気を撹乱したい、っていうのがまずあって、これが青春なんだな。ダブリンってのを一言でいうと、馬のいる町。画面の隅にごく自然に馬が立ってる。エレベーターに乗ろうとしてる奴もいる。強盗の流れ弾で死んだ馬が、思えばグループ解散の予兆だったんだ。馬はそこらにいるんだけど、ついに走らない。オーディションに並ぶいろんな奴、行列があったからヤクの密売かと思った、とか。エルヴィスと法王の写真(エルヴィスを上にして)を掲げるおとっつぁん、カトリック国アイルランドの風土をサラッと見せる。彼らが分裂していくのも金がらみでないのがよく、青春を汚さない。[映画館(字幕)] 8点(2013-03-20 09:23:03)

3.  ザ・シークレット・サービス CIAあがりの暗殺狂と主人公の対決という設定はさして珍しくないが、この両者に「みじめな時代」を生きてるという共通項があるところがミソ。どちらもJFKの時代をイキイキと生きて挫折を味わい、いまクソのような時代を生きてるという認識なの。大統領と個人的な接触をしないのはつまらないヤツと分かると困るから、という。犯人は大統領よりも、ホリガンを相手としてのゲームを挑んでいるわけ。大統領なんてもう標的になる役割りしかない。このクソのような時代に意味を与えようと、自分の分身に挑むわけ。大統領という偉大な虚構のためにどこまで命を掛けられるか、というゲーム。ほとんど三島由紀夫における「天皇」を見るようなニヒリズム。だからマルコヴィッチはいつも「友だち」と呼びかけてくる。ただ一人だけゲームの分かる奴として。公園でヒッピー姿でフラフラしているマルコヴィッチは本当に気持ち悪い。口もとが不気味なんだな。「俺を撃てば大統領を救えるぜ」とか。さして暗殺するに値しない・守るに値しないと、両者納得の上で闘争が展開していく、かなりニヒルなサスペンス。[映画館(字幕)] 8点(2011-05-15 12:19:01)(良:1票)

4.  さらば、わが愛/覇王別姫 最初のうちは、監督初めての失敗作かと思った。向いてないことをやってんじゃないか、とか。でも中華人民共和国成立以後の部分はピリピリと締まってて、振り返ってみてやはり傑作の部類に入る作品だろうと思った。惨憺たる中国の近代史。その惨憺たるさまを惨憺たるままに描いて、一片の希望だに見せず、ひたすら滅亡の歌を奏でていく 。京劇の滅びに、古代の覇王の滅び、さらに現代における人が人らしく生きる環境の滅びを重ねて、崇高でさえある。主人公の人生は少年時代の訓練から陰惨さを反復する。強制的に男であることを忘れさせられ、錯覚の中に生きていくことを強いられる。競って愛国者を演ずることになる20世紀中国の群衆と、女形を演じ続ける彼との対称。陰惨である。その陰惨は文革の人民裁判にまで持続していく。この監督にそもそも悲劇志向があるのか、それとも中国の伝統なのか。陰惨だけれども極彩色の壮麗な悲劇に仕上がった。[映画館(字幕)] 8点(2011-04-11 09:57:08)《改行有》

5.  最愛の夏 台湾の基隆と言えば孝候賢の世界だが、それもそのはずでこの監督、彼の助監督してた人だそう。盲目の親、知的障害のある弟、肝臓を病んでる父、それにヤクザも絡んでとすごい設定なのに、17歳の少女のサラサラとした一夏の淡い恋物語に仕上がっている。もうほとんど歌謡曲の題材から(窓から港が見える)、これだけの充実した時間を紡ぎ出せるのが、台湾映画の恐ろしさだ。細かいエピソードを羅列して土台を固めてから、少し離れて顛末を語っていく。ラストの泣かせも爽やかにキマった。カラオケのシーン、メロディは「松の木小唄」だったな。[映画館(字幕)] 8点(2008-09-08 09:37:50)

6.  ザ・プレイヤー 《ネタバレ》 ハリウッド人種描くときの姿勢って、なんかパターンがあるよね。辛辣に徹することで、変な愛着が醸し出されてくる。ひどい世界だ、と言い続けることで、愛着を確かめているような不健全な関係。それでいいのかな、って気にもなる。アルトマンならもっと違う角度から攻めてくるのかと思ったんだけど、やはりそのパターンの流れで、ちょっと物足りなかった。ハリウッド以外の話題はないのかな、と言うと沈黙してしまう閉じた社会。冒頭の長回しは楽しく、『黒い罠』より込み入っている。「卒業part2」とか、途中にはさまれる単なるクスグリの会話も楽しめたが、やはり最大のギャグはジュリア・ロバーツとブルース・ウィリスでしょうな。出演するほうも偉い。[映画館(字幕)] 7点(2010-10-10 09:47:51)

7.  ザ・ペーパー 《ネタバレ》 新聞社ものってジャンルがアメリカ映画には厳として存在し、これは民主主義の国ってことで理解してもらいたいのだろうが、あの新聞社内のゴチャゴチャしてる活気がアメリカ人好みで、かつ映画向きってことなんだろう。ときに時間に追われる緊張も出せるし。あるいは編集会議シーンのおかしみ。高邁なジャーナリズム精神と商売との接点。弱点としては、黒人が無実だという確信が安易すぎないか、とか、ラストの殴り合いはやや無理がないか、とかあるけど、この後半の次々と畳み込む展開から病院に皆が集まってくるあたりが楽しい。失敗させるために派遣した新米が仕事をこなす、から、病気の編集長まで、企業としての新聞社の幅を見せていてよろしい。[映画館(字幕)] 7点(2010-05-12 11:51:19)

8.  ザ・ハリケーン(1999) 本や手紙といった文字の力、の話。一過性の救出運動があり、しかしそれはすぐに飽きられ、でも本は漂い続けて読まれるべき読者のもとに運ばれていく。そういう意味では希望の話だが、またこれは騒いでいたときに売れた本が真の読者に出会えなかったという苦みも含んでいるわけで。そして場所も歳も離れた者の間で手紙=文字が交換されていく。撒かれた希望の種としての書物。白人への憎悪が融けていくあたりは類型的だが、再審請求が何度も却下され希望を持つこと自体を恐れるようになるあたりはグッときた。D・ワシントンだと、最初っから無実に見えてしまうのが問題。いつも思うんだけど、アメリカの監獄の自由に電話できる権利って、どうして日本では許されないのか。[映画館(字幕)] 7点(2008-09-20 12:09:43)(良:2票)

9.  サンダウン 《ネタバレ》 パロディの形を採らないと、もう西部劇は描けないのか。しかも吸血鬼もの。パロディの枠の中で何か「マジ」なものも匂うのだが(たとえばこのころのD・リンチなんかそういう感じだった)。吸血鬼がコロニーを作るんなら、もっと薄暗いところに作ればいいのに、陽光さんさんの西部劇の世界に作ってサングラス掛けている。つば広の帽子かぶって。ドラキュラが保安官の役回り。神に祝福されて十字架でも融けないところで場内爆笑。木の杭の代わりは木製の銃弾となる。傘を突き刺したところでパッと開くなんてギャグもあった。やっぱパロディだけだったかなあ。音楽は完全に西部劇。かなりザツなコウモリが三匹飛行の図もおかしい。[映画館(字幕)] 6点(2013-03-02 09:46:23)

10.  サラ・ムーンのミシシッピー・ワン 写真の世界では有名な人なんだそうで、そういえば日本でも浅井慎平さんが誘拐ものの映画『キッドナップ・ブルース』ってのを撮ってたけど、これも少女が心を病んだ人にさらわれちゃう話。カメラマンと被写体の関係に、そういうものに興味を惹かれる何かがあるのかとも思うが、まあ偶然でしょうな。自分の映像術に自信があるようで、そっちで見せていこうという映画らしく、あまりシナリオを練ったようには見えず、雨に森に水と、それぞれの場面は美しい。でもそれでは『シベールの日曜日』は生まれないわけで、いささか退屈だった。映画ってのは、カットとカットの間に生れてくるもんなんだなあ、とつくづく思った。ただこのころは本作も含めて「車に置いてきぼりにされかける人物」を続けて見ており(『愛を止めないで』『ピストルと少年』)、それにはなぜか映画ならではのスリルを感じるんだ。[映画館(字幕)] 6点(2012-11-05 09:36:56)

11.  殺人課 音楽おさえめのドキュメントタッチの刑事もの。ザラリとした味わいは刑事という「職業」から来ているのだろう。最も他人とざらついた関係を持つ仕事。ザラリに対してドローンと粘ついた人間関係を思わせる「民族」ってものが次第に浮き上がってくる。ここに思わず吸い込まれかけるところが、本作の評価の分かれ目で、私はやや唐突に思われたが、迫害され煮詰められてきた血の歴史を考えると、こういう感じってあるのかなあ、とも思う。反ユダヤビラの気色悪さは相当なもの。冒頭の「恩返しになぜ悪が生まれたのか教えてやろう」というせりふが全編を貫いている。ちょっとちぐはぐなユーモアは、狙いなのか下手なのか。[映画館(字幕)] 6点(2012-10-15 09:42:09)

12.  サム・サフィ 《ネタバレ》 フツーであろうとすることへの冒険、ってモチーフは面白い。金銭的に追い詰められていない状況で、金のための仕事をしてみたい、なんてのはおそらく歴史始まって以来、庶民階級が初めて経験する心性だろう。家政婦とか役所とか、「地味」に挑戦していく。ここらへんをもっと徹底して描くべきでしょうな。彼女ももっと本気で挑戦すれば、別の面白さが出たはず。この「マジメごっこ」というゲームを、もっと真剣に遊んでほしかった。ま、その遊びもグズグズと出来なくなってしまうところが、ぬるい現代の表現なのかもしれないが。ラスト、妊娠・出産に話を着地されると、「女性のやっているフツーのことが偉大な事業だった」というすわり心地のいい結論に落ち着いてしまい、がっかり。オーレ・アッティカ嬢はベアトリス・ダルから影を取ったような女優さん。ロジー・デ・パロマ嬢の顔も見慣れてくると、最初ほどインパクトない。海鳥が屋根へ降りる影が、壁をスーッと上るとこ。[映画館(字幕)] 6点(2012-03-02 09:53:38)

13.  ザ・インターネット 《ネタバレ》 女性が孤軍奮闘する映画ってのは、いつごろから普通に見られるようになったんだろう。かつては最終的に助けてくれる恋人役ってのが出てきたもんだ。FBIがやっと来たかと思うと、それも敵方で、とうとうラストまで顔の見える味方は登場してこない、ってのも珍しい。ボケた母さんのみ。そこんとこに一番インターネット時代を感じた。最後の味方のFBIも、何か手応えのはっきりしないコンピューターの向こう側であり、これもラスト、ウィルスによって溶けていってしまう。いい男が悪漢だと分からせるのは、もうちょっと後にしたほうが、引き出しからフロッピーが見つかるショックを高められただろう。設定は面白く出来そうなんだけど、けっきょく類型に収まってしまった。サンドラ・ブロック嬢の下唇と「青い影」でとりあえず満足。[映画館(字幕)] 6点(2009-10-02 11:57:35)

14.  サブリナ 《ネタバレ》 オリジナルでは、ハンフリー・ボガートが小娘のオードリー・ヘップバーンに恋をしてしまうって意外性がおかしかったんだけど、ハリソン・フォードでは、まあそういうこともあるだろうな、って感じ。ワイルダー作品としては中級かと思っていたが、リメイク見て思い返すと、やはりちゃんとした映画だった。周囲の人たちがサブリナを見る目が優しく嫌がらせがない、こういい人たちだけでもドラマは出来るってこと。こういう優しさの処理、今では出来まい。美人になって帰ってきたサブリナを弟は気づかないが、兄ハリソン・フォードはあっさり「やあサブリナ」と言うところで、兄弟のサブリナ観の違いをサラッと見せる手際。芝居の切符の手配を頼まれた秘書が「ミュージカルって、役者が不意に歌ったり踊ったりする芝居ですよ」と解説するところは笑った。恋をすると男も女も眼鏡をはずすのだ。[映画館(字幕)] 6点(2009-09-24 12:02:27)

15.  サドン・デス(1995) 《ネタバレ》 娯楽映画の悪漢はどこまで殺人が許されるのか、という問題は難しく、悪人を悪人たらしめるためには殺人は必要なのだが、その被害者がただ殺されるだけではなく、誇りを持って殺されるなどの手を打っておかないと、映画そのものが殺伐になってしまう。人質を殺すのにも難しい基準があるのだ。本作はそこらへんが雑。それとこの手の映画ではよくあるのだが、悪漢が主人公と向かい合うときのみすぐには撃たないで反撃されてしまうのも阿呆である。捜査官が一味というヒネリも、それならもっとやりようがあっただろうが、という脱力感を与える。追われてキーパーに変装というユーモアは悪くないが、近くのチームメイトが気づかず、遠くの悪漢にばれるってのが無理。やたら高いとこで飛び跳ねるところにのみ爽快感あり。[映画館(字幕)] 6点(2009-07-31 11:58:11)

16.  サバイビング・ピカソ フランソワーズ以外のピカソの妻たちは、自殺とか発狂とかひどい最期だったらしい。アンソニー・ホプキンスはここでも怪物を演じたってわけだ。映画には「魔の領域もの」ってジャンルがあるみたいで、スターとか芸術家とか、日常とかけ離れた場所に魅せられていくものたちを描く作品群。一般人は、そういうものに憧れ、またこっちは普通で良かった、と胸をなで下ろす、そんなジャンルだ。フィルムってものが、多かれ少なかれそういうかけ離れた秘境を記録して、日常に暮らす我々に提供するものなのだから、非常に正統的なジャンルということになる。ピカソの製作風景が興味深かった。ライトでのペインティングは見事。ゲルニカを製作している下で、女たちが争っている。芸術の偉大さと、それが生まれてくる背景の俗っぽさ、得てしてそういうもんなんでしょうなあ。[映画館(字幕)] 6点(2009-05-18 11:58:51)

17.  ザ・ターゲット(1996) こういうののネックは、犯人どもの“ココロザシの高さ”と実行にあたってのヘタクソさとの不釣合い、なんだよね。大陰謀なのに一人の殺し屋まかせにして、またその殺し屋が独自の美学に固執し、どうしてもおもちゃのヘリコプターで大統領を暗殺したがっている。大陰謀なら大陰謀らしくもっと目立たずにやりそうなものなのに、派手に路上で銃撃になったり、やたら脇の殺しをして目立つ。冒頭、襲撃を受けたとこで、一人がコーヒーカップを隠し逃げるあたりの細かさに、ちょっと期待をかけたりもしたのだったが。あの国ではとにかく大統領が絶対なんだなあ、とは思った。[映画館(字幕)] 6点(2009-03-27 12:04:04)

18.  ザ・カップ 夢のアンテナ チベット仏教・ワールドカップ・懐中時計、の三題噺といった趣き。この無関係そうな三題がぴたりとハマっている。映画の根本にあるのは、ヨーロッパ映画によくあった「寄宿舎の悪童もの」で、プロット的にはさして珍しくないが、やっぱり映画ではあまりお目にかかれぬブータンの風俗が目を引く。黄と赤の取り合わせが美しい。仏教の儀式と、サッカーの祭典が対置される。レンタルテレビの設営までの興奮が、しだいに自責の念によって覚めていくあたりの、少年心理のうつろいが見どころか。[映画館(字幕)] 6点(2008-08-19 10:55:59)

19.  ザ・スタンド(1991) 現在自然保護が圧倒的命題になったことはいいことで、「文明」という野蛮を冷静に反省するんならいいんだけど、何か非合理主義とか神秘主義への傾斜が感じられると不気味。非合理主義こそ野蛮の元締めだった。この森林の中でも電気を必要とする人類だし。ゴルフボールを打ち込むのはちょっと引っかかったな。映画としての展開はかなり地味。ジャングルを三次元で感じさせてくれるロープウェイシーンや落下シーンがあり、ちゃんと高さのある密林になっていた。子どもを救うかどうするかってとこは、実に重い問題なんだけど、あっさり情で逃げてしまった。全体、人物に魅力が乏しいの。[映画館(字幕)] 5点(2012-04-17 12:17:14)

20.  サラフィナ! 映画の感動が類型によって阻害されている恒例。類型から突出しかかるものがあると、ことごとく棘を抜いて、均衡をとることにばかり気を使っている。たとえば、あの白人の下で威張ってる警官なんか突っ込めば面白くなれそうな要素なんだけど(アパルトヘイト下で生活することの苦しい選択)、哀れな目をして殺され、こちらの学生側の過激な奴が兵に撃たれるのと釣り合わされる。拷問の報告から銃を捨てるサラフィナとの間にこそ最も大きなドラマがあるはずなのだが、もひとつ説得力がないのではないか。何か作者が思ってもいなかったものがググッと突出し、作者自身が途方に暮れてるようなものが欲しいんだけど、そういうものはことごとく芽のうちに摘み取って、こういう「感動作」として未整理なところが一つも残らないようにきれいに掃除をしてしまっている。作者が自分で問題を見つけようとしてないんだな。そういった傷のない類型化がテーマを鈍くさせている。ミュージカルとしての演出も下手で、カットを割りすぎてダンスの面白味は皆無(これは全盛期以降のミュージカルすべてに言えることだけど)。歌が始まる瞬間のトキメキもなかった。ネルソン・マンデラが神様になってることはよく分かった。アパルトヘイト反対の趣旨にのみ同意の点数。[映画館(字幕)] 5点(2011-09-21 10:08:08)

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