|
プロフィール |
コメント数 |
109 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
2008 7/22みんなのシネマレビュー登録
ぼちぼち復活。 |
|
1. 3時10分、決断のとき
《ネタバレ》 オリジナル『決断の3時10分』は未見(TSUTAYAになくて...)ですが、西部劇は大好き。言うほど観てるわけじゃないのですが。アメリカでは興行的にも批評的にも最近の西部劇としては異例の大ヒットとなった本作、決して一般ウケするものではない西部劇で大成功をおさめたのは、きちんと“今この作品をリメイクする事の意義”を考えて作られた作品だからではないだろうか。今や全くと言っていいほど受け入れられなくなった西部劇。
そこで本作のオリジナルの大ファンだというジェームズ・マンゴールド監督は現代に通ずる、求められているテーマを盛り込んできた。
まず、娯楽要素満載の派手なアクション。冒頭からガトリングガンをかまし、早撃ちもあり、アパッチ族に襲われ、中国人労働者がつくるトンネルを駆け抜ける。この辺監督自身もかなり楽しんでる気がする。
何よりも、劇中饒舌なまでに語られていくウェイドとダン、そしてその息子ウィリアムの関係。
息子に何を伝えられるのかを模索し、己に誇れるものを求めるダンと、その姿を見届けようとする息子の父子の物語であり、強盗団のボスながらも、誰一人として信頼しないウェイドが初めて信頼に足る男と向き合ってみる物語なのだ。
また面白いのは、ウェイドが聖書に取り憑かれながらも無神論者、という所。何事に対しても心から楽しんでる様子ではなく、どこか『暴力脱獄』のルークのような自由奔放な性格を思わせる。
終盤、ダンはウェイドを護送する必要性をどんどん失っていく。牧場には雨が降り始め、200ドルもらって逃げ帰る事も出来たし、ウェイドはユマの刑務所から2度も脱走を遂げていると言う。しかしダンはもはや完全に吹っ切れている。例えここで死ぬ事になろうとも息子が誇れる父の姿を伝えよう、何より自分の誇りを取り戻そう、と。
その姿にウィリアムもウェイドも心を動かされていく。
ラスト、ウェイドはダンよりも遥かに付き合いが長く従順なチャーリーたちを撃つ。彼にとっては、ダンこそが自分と初めて向き合った人間だからだ。
まだまだ西部劇も捨てたモンじゃねぇぞ!と思わせてくれる傑作でした。[映画館(字幕)] 9点(2009-08-13 14:08:40)(良:3票) 《改行有》
2. サマーウォーズ
《ネタバレ》 細田守監督の作品って前作の『時をかける少女』でもそんな気がしたんだけど、主人公たちが向かい合う問題、立ち向かう敵が外部からのものになっていない。
身から出たサビ、というか自分との戦いみたいなのが核になってる。
『時かけ』ではほとんど真琴の行動が原因で色々事件が発生するし、今作でも事件の原因は(主人公は健二というより陣内家全体なので)主人公=陣内一家の影の部分である侘助。
明確な問題、敵はあるけれど、それが微妙に“勧善懲悪”にはなっていない。
こういう所がかなり良心的でもあるし、細田監督の(良くも悪くも地味だけど)上手い所なんだなぁと思った。
それに加えて、今作は“進んだネット社会と田舎の大家族”っていういくらでも説教臭くなる題材を扱っている・・・のに、そうはならない。細田監督は「顔も見えず、匿名性の高いネットとかじゃなくて、やっぱり実際に人と人とが向かい合ってこそ“真のつながり”だ」なんてことは言わない。ネットも田舎のやかましいまでの大家族も、どっちも肯定して描く。この辺りネット絡み、家族絡みで嫌な事件が多いからこその細田監督の思いが強く出てるんじゃないだろうか。
ただ、あくまでこう言ったテーマはオマケみたいなもので、『サマーウォーズ』の一番の楽しみは『時かけ』からも通ずる登場人物たちへの愛着であり、OZの世界観(これ一番!)、そして大家族がそれぞれのスペシャリストとして活躍し、色んな人々が一丸となって試合に勝つ、何かを成し遂げる気持ち良さ。ただ、健二と夏希の関係や学校での立場についての描写はもっと欲しかったかな。あの2人は物語の軸にしては弱い。このキャラの薄さは結構大きな欠点だったりする。
物語自体の完成度や面白さとか衝撃度は『時かけ』の方がだいぶ上なんですが、『時かけ』以上にまたあの世界観に浸りたいという思いが強いのでちょっと甘めに9点とします。 ・・・うーん、今作も『時かけ』ももう一回観直してみたんですが、やっぱりすごく惜しいんだけど8点にします。『時かけ』と比較しての点数になってしまって良くはないのですが・・・。[試写会(邦画)] 8点(2009-08-02 17:19:52)(良:5票) 《改行有》
3. 再会の街で
《ネタバレ》 いや~、なぜかボブ・ディランそっくりのアダム・サンドラー、上手いですね!びっくりしました。ドン・チードル、ドナルド・サザーランドもいい味出してます。それにリブ・タイラー・・・相変わらずお美しいですね。物語も変に重苦しく撮らず、ニューヨーク全体を実にきれいに撮っています。あんなきれいな街をサンドラーの乗っていたスクーターで走れたら気持ちいいだろうなぁ。(あのスクーターは確か2万円ほどで売っていたんですが、やはり日本じゃ公道を走れないんですね。残念。)後味も良く、微笑ましいシーンが多くあるので二回目以降も気持ち良く観賞できるいい作品です。[DVD(字幕)] 8点(2008-07-26 10:22:47)
|