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1. サイドウェイズ
《ネタバレ》 中高年向けの青春ロードムービーを狙ったのだろうか、感動もワクワク感もぬるい。映画で感動や情熱を疑似体験するのに年齢は関係ないのに、中高年にはこれくらいが丁度でしょうみたいに決めつけられているようでいただけない。
映像や雰囲気は嫌じゃないし、役者の演技も悪くなく、見てる途中に飽きることはなかったのだが、ストーリーの抑揚のぬるさが、中高年を馬鹿にしてるのではないかと被害妄想に陥ってしまい、どうも見終わった後の印象が悪い。
むしろ、主人公を20代に設定してこのようなストーリーだったら、逆にほんわか系の映画として好印象だったかもしれない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-28 23:30:17)《改行有》
2. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 ほぉーーーと思わず唸ってしまう作品。
シナリオは超都合主義なのだが、タイムパラドックスを扱うからこそ、その超都合主義が、この映画の面白さの本質になっている。
コミカルで、軽妙で、なかなか面白かったのだが、こじんまりした映画で終わってしまったのが惜しい。
タイムマシン物の不朽の名作バック・トゥ・ザ・フューチャーは、細部では矛盾を持ちつつも、それを感じさせないスピード感あふれる展開の妙と、お金をかけたスケール感の大きさで大成功した。
こちらは、タイムマシンの矛盾が起こらないようにするために、あちこちに散りばめられた伏線をすべてを収束させるというシナリオの妙のみで、スケール感を大きくすることが出来ていない。
もともと舞台演劇のシナリオで、最初から大作にする意図が全くなかったのだろうか、低予算だったのか、随所に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「タイムマシン」を意識したオマージュが散りばめられているものの、最初からそれらを超えてやろうという気はなく、これでよしとしてしまってる感がある。
このスケール感の小ささも、これはこれで十分味になっているし、良い面もあるのだが、時間をかけて映画用にシナリオを練り上げて、セットやロケや撮影にもお金をかければスケール感を大きくすることもできるだろうし、そうすることで、もっとバック・トゥ・ザ・フューチャーに近づけたのではないかという気がする。
コミック原作物や、テレビ局主導の映画で、ミーハーのためだけに大げさに宣伝してお金をかけるくらいなら、こんな面白いシナリオをしっかり拾いあげて、お金をかけて世界に通用する娯楽大作を作って欲しい。[DVD(邦画)] 7点(2010-07-11 02:37:57)《改行有》
3. ザ・マジックアワー
《ネタバレ》 これは文句なく面白い映画。公開前にテレビでやたらに宣伝しまくってて、ちょっと鼻についていたけど、これだけ面白ければ許してもいい気になる。しっかりした脚本に昔の名画の様々なテイストが詰め込まれてて、監督はじめスタッフの映画愛がたっぷりと感じられる。セットや小道具にも大変凝っていて見事なもので、どれもこれも映画が好きで好きでたまらない、映画のためなら手抜きはしない、という意気込みが感じられて、単なるコメディーではなく素晴らしいコメディー「映画」でした。リアルと非現実の中間みたいなセットやモデルガンなどの小道具が、劇中劇、騙す騙されるという展開の中でうまく使われていて、見ているこっちもその世界観の中に完全に引きずり込まれてしまった。コメディーの中の銃撃戦で、こんなに「危ない」とハラハラしたのは初めて、、、というか、むしろ普通の「映画」の銃撃戦よりハラハラしたかも。普通のコメディーではガンアクションも爆破シーンも多少ショボくても味として成立させることは可能だが、この映画ではストーリー上、現実以上に派手でなければ成立せず、それを見事に見せ切っているこだわりが、この映画の面白さを倍増させている。[DVD(邦画)] 8点(2009-07-23 01:24:02)
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