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1. さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
《ネタバレ》 当時の実感としては『まだまだ子供向けでしかなかったまんが映画、という先入観の中で意外にも大人でも楽しめそうな娯楽映画のヒット作』だったという印象
公開当時は幼い子供だったが、小学校の男性教諭がこの映画を見に行って「感動した」とクラスに紹介したのが見に行くきっかけにもなった
よく特攻の賛美だと槍玉にあげられがちな本作ではあるが、鑑賞時、その歪さを冷静に分析できるような雰囲気ではなかった
ハラハラドキドキとか感動で涙してる時にはそういう不都合なファクトは自然と何処かに追いやって楽しめるものである
本当に楽しんでる時にはそういうことが可能だし、なにか雑音を感じてる時はそこまで楽しめてないっていう事なんだろう
自分は幼少で観たので、感情よりも理を優先する大人になってから観ないで幸せだったし、針の穴を通すような事例でもあるだろう
しかし同世代で以前は本作を絶賛していた人たちも、特攻に疑問を感じたり、より刺激的な作品を鑑賞してぬるく思ったりして後年批判的な感想を洩らすことが多い
後から考証が捗って符に落ちて傑作化するような作品でない限り、二度目以降はそりゃ前ほど楽しめないのも当たり前とは思うのだが
なんにせよ受け止め方は自由である。特攻賛美だからと叩く人には「そうだよね~」と同意してあげたいね
だからといって自分の評価はまったくブレることはなく、満点をつけてても裏切り者とか思わないでもらいたいね
絵がいい。音楽がいい。倒しても倒しても隠し玉が現れる絶望感。英霊が像になって現れ、みんなで一緒に体当たり~
面白かった。そして同じやり方は二度と自分に感銘を与えない。一生に一度しか楽しめない流れを、この映画で体験した
死んだ沖田艦長が幻となって語りだすのはスターウォーズのジェダイが参考元かな。語るその内容は問題視されてるけど
ありゃ、本当の沖田じゃないからね。ジェダイのそれとは違う。古代が作った沖田像だよ
死んでしまって何になる。古代は沖田の像を借りた自分自身に促されるようにそれに向き合うしかなかった
登場人物の動き方としてはそれで整理できる。作品全体としての事実として結局特攻だろといわれたら、まあそうだね、としか[映画館(邦画)] 10点(2020-08-29 12:27:35)(良:1票) 《改行有》
2. ザ・プレデター
《ネタバレ》 前作プレデターズと同じく、夜間の戦闘シーンが観辛く、何が起こっているのかがよくわからない。アクションもので画が見えないのは救いようがない。
昼間で戦わせるとCGに使う予算と労力が増すのだろう。一作目と比較すると森の中も非常に暗く、朝が来てるのに観辛い。
画を作っている人たちはわかっているから見えるのだろうが、何を描いてるのかを知らない観客には見えるものも見えないぞ。
トレーガーの死の瞬間など、前後の流れもよくわからず、十回以上繰り返し観た上に、ネット検索もしてようやく推測できるシロモノだった。
味方もろともキャノンで撃とうと笑いながらにじり寄るトレーガーを見咎めて「やめろ!」という意味を込めて叫んだケイシーの声に
撃ちかかりながら反射的に首を回して声の主を確認するトレーガーの頭の動きに合わせてキャノンも回頭してしまったが発射を止めることはできず、
自らの頭を吹き飛ばしてしまったギャグシーンだったようなのだ。これ、わからなかったよ。そのほかのシーンも、わかり辛くて気持ち悪かった。
お話も、イングロリアスなバスターズみたいなボンクラチーム描写こそ良かったが、倒すべき対象のプレデターに魅力を感じなかった。
ステルスが、ほぼ完全に人間サイドの武器にされてしまっている。ターミネーター2の、T-800のプログラムを書き換えたクラスのガッカリ感。
プロテクター装備演出が、アイアンマンのパクリぽいのも気になった。3の監督なのか。納得のお約束映画感。[ブルーレイ(吹替)] 4点(2019-12-29 20:16:33)《改行有》
3. サイコ(1960)
《ネタバレ》 観た中でヒッチコックの最高傑作。映画史に残る作品と呼ぶにふさわしい。
魔が差して4万ドルを盗んでしまったマリオンに同僚たちが困惑する予想図を
彼女自身の心の裡から聞こえる音声で描写し、画はマリオンのアップだけを撮り続ける演出がある。
その予想図の中でマリオンを罵ってくる大金持ちのおっさんの、あまりのエロ親父っぷりに
勝手に想像していながらマリオンは思わず呆れ笑いの顔になっているのだ。もう、序盤から鷲掴みにされた。すばらしい。
ひとつ中盤に大事なことがある。4万ドルの、処分だ。
一旦部屋を出たノーマンが引き返したときに見つけた4万ドルを、新聞紙にくるまれていたためそれと気づかずに
マリオンの死体を押し込んである車のトランクに放り入れて、そのまま沼に沈めてしまった件。
そうとは知らない妹ライラは、マリオンの失踪にその4万ドルが絡んでいると推理する。当然観客はその推理が見当違いであることを知っている。
なぜ最後まで観客にも伏せておかなかったのか。必然か、それは我々観客の頭から4万ドルを消すことになった。
4万ドルの行方を観客がいつまでも、頭の片隅にでも残していたら、きっと4万ドルはなんらかの役割を持って終盤のストーリーに組み込まれねば観客は納得できなくなる。
もしそれにミステリーの機能を持たせていたら、今のラストを越えることはできなかっただろうと思う。鑑賞後感。すこぶる大事。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2019-09-07 03:00:19)《改行有》
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