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プロフィール |
コメント数 |
112 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
10点---- 個人的ツボ。欠点なんて知ったこっちゃない映画。 9点---- 完成度高し。人にすすめたくなるような映画。 8点---- 良作。ちょっと気になる点も。 |
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1. 疾走
《ネタバレ》 干拓地という、言ってみれば”海の生物の墓場”が、美しく撮られていたことにまず感動した。そして、鬼ケンと茜は、生き物の匂いを充満させていて、その殺伐とした雰囲気に良い味を添えていたと思う。
シュウジにとって、沖で出会った人たちとのふれあいと、その地を踏みしめて走る瞬間だけは、生の実感に溢れていたのではないか。
この映画における、学校で起こるいじめと、社会で起こっている部落差別には差がないと思う。暴力の執行者である、いじめっ子、ヤクザ。それらを静観するクラスメート、噂をする住人。犯罪者の弟だからとか、沖に住んでいる人だからとか、そんな理由で暴力がまかり通る。閉塞した土地では、それほどに血や土地は重く、自分より、上なのか下なのかで暴力の方向は決まる。人類史とは、血とともに、暴力を継承してきた歴史でもあるのだと思う。
ではそのような暴力に立ち向かうためには、どうすればいいのか。シュウイチのように下層に継承するか、シュウジのように上の階層の人間を殺すのか、はたまたエリのように心を殺して耐え抜くのか。神父の弟が問うたように、己の肉体を殺すという選択肢もある。しかし、その答えは、これだけではないはずだ。人間と犬は、きっと違う。
兄が家を出て行く瞬間の、「早く家に入らないと風ひくぞ」のシーンはぞっとするほど怖い。兄との繋がりが断ち切られた瞬間を、シュウジが皮膚感覚として感じる瞬間だから。同時に、両親との別れがほぼ描かれないことも怖い。言語を捨てたシュウジの放った遠吠えは、観賞後もずっと頭の中を反芻して離れなかった。[DVD(邦画)] 8点(2010-10-30 18:12:05)《改行有》
2. シティ・オブ・ゴッド
《ネタバレ》 何ともおぞましい一つのスラム街の子供たちを、徹底してエンターテイメントとして描く。スタイリッシュな映像で且つ脚本的に面白く、娯楽映画として味付けしているのはわざとでしょう。吉行淳之介の名言「汚れるのが厭ならば、生きることをやめなくてはならない。生きているのに汚れていないつもりならば、それは鈍感である。」という言葉を思い出す。私たちは遠い世界の関係のない話と思ってこの映画を楽しむ。エンドロールまでは。しかし、最後の最後で実話と知る。そこで気づく。この話の遠因には常に私達がいて、搾取する側と搾取される側の深い深い溝が横たわっている。先進国が豊かでいる一番下で、こういう子供達が懸命に支えている。そのことを重い現実として受け止めなければならない。先進国の人々は、汚れていないつもりで生きている。そのことに対する強烈な皮肉だ。ナイロビの蜂でも思ったが、この監督は余韻の棘を観客に打ち込むのがとても上手い。[DVD(字幕)] 8点(2009-07-07 17:52:12)
3. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 ダイアローグは抜群のセンスで面白いし、キャラクターもキュートで好きな雰囲気の映画なのだけれど、それ以上に感じるものがなかった。ドラマ性が薄く、ストーリーがつまらない。特異な設定やアイディアは良いのだけど、意外性も殆どなく、好きな描写もこれといってない。 これアカデミー取ったのですねえ。と、悪口ばかり書きましたが嫌いじゃないです。[DVD(字幕)] 6点(2009-06-24 17:41:19)
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