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プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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61.  上海ルージュ 1930年代の上海。裏社会に生きる人間達の抗争と愛憎のドラマ。 日本や西洋諸国の思惑が交錯するこの時代の上海の混沌も、裏社会の抗争に付き物のドンパチもほとんど無い。 上海の裏社会を牛耳るドンの愛人にして上海の人々を魅了する歌姫。皆から"お嬢様"と呼ばれ栄華を極めるコン・リー演じるチンパオ。 この手の作品にしては静かなドラマですが、作品の視線を荒みきったこの世界の住人達に置くのではなく、 彼女の付き人を務めることになった、田舎から出てきたばかりの少年に置いたことで登場人物ぞれぞれの運命や結末が強烈な印象を残します。 チンパオがいなくなってしまっても何も変わらない。新たなチンパオの候補者を上海に連れて帰るだけ。 この少年もいずれは上海の裏社会の構成員に成長していくのか・・・。 こんな風に裏社会のシステムが受け継がれていくことを感じさせるラストが悲しすぎる。 チャン・イーモウが時折見せる映像美へのこだわり。本作でもそのこだわりが随所に感じられます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-04-09 21:05:26)《改行有》

62.  人生スイッチ 《ネタバレ》 どこかで人生のスイッチを押し間違えてしまった人々。 自業自得もあり、ちょっとお気の毒なケースもありの6話からなるブラックユーモア満載のオムニバス。 10分程度にまとめられた第1話の飛行機のお話は本作の掴みとしてとてもよく出来ています。 第3話の2人のドライバーが追い越しを発端に怒りがエスカレートしていくお話も面白い。 スピルバーグの「激突!」にインスパイアされたストーリーと思われますが、 「激突!」の2人のドライバーがもし至近距離で対峙していたなら本作の2人のようになっていたのかも。 みんな何かしら不満や怒りを抱えながらも、それらを抑え込んで人々が生きている現代社会。 それでも一旦スイッチを押し間違え、間違ったスイッチが入ってしまったらこんなことになってしまうのかもしれない。 描き方はかなり極端ですが、生きづらい現代社会に皮肉を込めて。 「人生スイッチ」という邦題は本作をなかなかうまくとらえていると思います。[DVD(字幕)] 7点(2016-04-15 23:23:22)《改行有》

63.  10番街の殺人 《ネタバレ》 何という微塵の明るさも希望も無く、救いの無い映画か・・・。 実話モノであり、実際に殺人が行われた現場でロケを敢行したという実録サスペンス。 エンターテイメント性を排し音楽もほとんど使われず徹底的に地味に撮られた作品ですが、 実際の犯行現場ロケということもあり、その作風がより重さと気味の悪さを感じさせます。 その現場で快楽殺人を重ねた男を演じたのが後に名監督となるリチャード・アッテンボロー。 感情をむき出しにしたり大声を張り上げたりすることあまり無く 地味に演じていますが、それが余計に形容し難い不気味さを醸し出しています。 もう1人、無実の罪で絞首刑となった若者を演じたのがまだ若き日のジョン・ハート。 アッテンボローの静かな怪演とは対照的な終盤の熱演が印象的。 読み書きもほとんど出来ない無学の若者。妻子を養うに十分な収入を得ることができる仕事に就けない。 そこをアッテンボロー演じる真犯人にいいように利用されてしまう。 ずさんな取調べと裁判を経て殺人犯にされ死刑を宣告されてしまう。 本作が製作された頃にはイギリスではもう死刑制度は廃止されていたのでしょうか。 この青年の運命は様々な問題を提起しているように思えました。[DVD(字幕)] 7点(2016-03-03 22:12:02)《改行有》

64.  少年と自転車 《ネタバレ》 父親に捨てられ施設に預けられたシリル少年。彼が負った心の傷、その深さ。 そんな彼の心の内を思うと、途中は見ているのがとても辛い作品。 里親のサマンサについては謎も多い。冒頭で少年の自転車を買い戻し、少年から頼まれ里親になることを引き受けます。 その決断には彼女のこれまでの人生とも無関係ではないと思いますが、彼女の人生についてはほとんど語られません。 この部分についても少し言及があっても良かったのではないかと思います。 自ら里親になって欲しいと希望したサマンサに対するシリル少年の態度にイラッとくる部分があるのも事実。 しかし子供心にそう簡単に現実を受け入れ、割り切れるものではない。そんな少年のやるせない思いが終始伝わってくるし、 少年の全てを受け入れ、彼と接する彼女の描写の1つ1つがとても良かった。 子どもが主人公の映画や青春映画と自転車はやはりよく似合います。 クルマやバイクと違って、自分の足でペダルを漕いで走る。子どもや若者の力強さを感じる。 本作で最も温かみを感じさせる、サマンサとシリルがお弁当のサンドイッチを持って出掛けるサイクリング。 それに続く、突然訪れるラストシーン。少年は倒れた自転車を起こし、再び自転車を漕ぎ出していく。作品は彼のその姿が見えなくなるまで見送る。 シリル少年には力強くペダルを漕いでこれからの人生を進んでいって欲しい。サマンサと共に。そう願わずにいられないラストでした。[DVD(字幕)] 7点(2015-10-03 15:57:37)《改行有》

65.  シベリア超特急 ついに見てしまいました!シベ超! 映画が始まり、「ダメだこりゃ・・・」と思うまでにそう時間を要しなかった。 なかなか閣下が台詞を発しない。僕は早く閣下の伝説の棒読み台詞が聞きたくて仕方がない。 何でもいいから早く何か喋ってよ~!と思い始めた矢先に閣下が放った最初の台詞でまずは吹き出してしまいました。 「おおっ!これがあの閣下の棒読み台詞か!」「おおっ!これがあの揺れない列車か!」 そう、「ダメだこりゃ」と思いながらも気が付けば次々登場する迷シーンの数々にワクワクさせられっ放し、 水野さんの思惑とは全く別の次元で本作が愛され伝説となっている理由がよ~く分かりました。 列車を舞台にしたサスペンスの見せどころの定番、 命がけの窓づたいの客車の移動に疾走する列車の屋根の上での格闘シーン。 ここでも笑わせてもらえるとは思ってもみませんでした。見事なまでに緊張感も迫力もございません。 客室にずっと座ったまま。 作品の中でもはや置物状態の閣下が棒読み状態でズバズバ名推理を炸裂させるくだりにまたしても笑わされ・・・。 いやいや、本当に楽しいひと時を過ごさせてもらいました。 ヒッチコックの「バルカン超特急」のような、交換殺人のプロットを取り入れ「見知らぬ乗客」のような。 水野さん自らが手掛けた迷脚本。 映画監督も脚本家も俳優も大変な仕事なんだ。 映画を撮るということは誰にでも出来ることではないんだ! そんなことを身を持ってお示しになられたとすら思える。 水野さんの映画への熱い思い、平和への熱い思いを感じずにいられない。 これまでそれなりの数の映画を見てきました。 1度見ただけで忘れることなど出来ない衝撃を受けた映画が沢山ありました。 それらとは全く異次元の世界ですが、 僕にとっては「シベ超」も1度見ただけで忘れることなど出来ない衝撃を受けた迷画として記憶に刻み込まれることになりました。 何より楽しんでしまったこの映画にどうしても低得点が付けられません。 かと言って満点とかはダメだと思う。よって、本作にとっては変な点数ですが7点くらいでよろしくお願いします。[DVD(邦画)] 7点(2015-05-01 17:17:35)(笑:1票) (良:2票) 《改行有》

66.  シュガーマン 奇跡に愛された男 作中に何度かボブ・ディランの名前が出てきます。 ボブ・ディランは成功をおさめスーパースターとなった。 一方でロドリゲスは2枚のレコードを出したが全く売れず、労働者に戻っていった。 しかし僕は作品に流れるロドリゲスの歌う声、ストレートな歌詞に魅了されました。 ボブ・ディランは成功し、ロドリゲスは成功しなかったのか? このドキュメンタリーを見ると、そうではないのかもと思えた。 本作はレコードが売れず労働者に戻っても、 数十年の時を経て突然南アでライブ会場を埋め尽くす熱狂的なファンに迎えられても、 ロドリゲスがその時々の自分が置かれている状況を淡々と受け入れてきた姿をとらえていく。 ロドリゲスの関係者や家族へのインタビューが主体となっており、 本人の言葉をもっと聞きたかったという思いもありますが、 人生、気持ちの持ち方しだい変われるものなのかもしれない。 色々と考えさせられることが多いロドリゲスの生きざまでした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-23 23:27:13)《改行有》

67.  白い家の少女 まだ少女の頃のジョディ・フォスター。 作品としては「タクシードライバー」が有名ですが、ジョディの演技ということでは本作も負けてはいません。 終始無表情で冷めたような表情。しかし時折見せる無邪気な表情・・・。見る者を引きつけるこの存在感。 どうしてもジョディに注目が集まる作品ですが、彼女の前に現れる2人の男を演じた、 まだ若いマーティン・シーンとスコット・ジャコビーも好演しています。 特に嫌な男をねちっこく演じたマーティン・シーンが印象に残る。 中で何か恐ろしいことが起こっているかのような屋敷。 本当に屋敷の中にいるのかいないのか?その存在が謎の親。 どうにかして始末しなければならない、被害者が乗って来たクルマ・・・。 どこかヒッチコックの「サイコ」とも共通する、作品に漂う不安げな空気もいい。 ショパンの調べと、背後で燃えさかる暖炉の炎と、ジョディの表情。このラストも秀逸。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-13 22:11:22)《改行有》

68.  シャンプー台のむこうに 《ネタバレ》 不治の病に冒された主人公と、その夫と息子、そして一緒に駆け落ちしたもう1人の“家族”。 彼らの家族の再生と新たな家族のカタチをもう1度築きあげていくまでをコメディタッチで描くドラマ。 不治の病もの。僕の苦手なジャンルではあるのですが、ナターシャ・リチャードソン演じるシェリーの明るさがいい。 (今に本作を見ると、実際にナターシャは若くしてこの世を去っているので何とも言えない思いにもなります。) また、地元で開催された美容コンテストを機に家族がもう1度結束するという形になっているので、 盛り上がる華やかなイベントを背景に作品も明るさや、いい意味での軽さを保ち続ける。 シェリーの病状にはあえて突っ込まず、家族が並んで歩きだすラストはささやかな希望を感じさせてくれます。 「フル・モンティ」なんかもそうですが、サイモン・ボーフォイの脚本のこういうコメディ、いいですね。 本作もまた、イギリス映画らしい良さのあるハートフル・コメディでした。[DVD(字幕)] 7点(2014-12-25 22:09:42)《改行有》

69.  ジュマンジ 家族揃って楽しめるファンタジー・アドベンチャーの佳作です。(もうちょっと可愛い動物がいても良かったと思いますが…) 作品の舞台の町も、作品自体も、どう収拾をつけるんだろう?というくらいの混乱具合でしたが、 警官や謎のハンターのおじさんとの絡ませ方も楽しく、26年前と、今の人間関係、登場人物のつなげ方も最後はうまくまとまりました。 26年前のパパとハンターは同じ俳優さんが演じていたので、 ラストは父と息子のもう1つのつながりが分かりやすく明らかになる、といったドラマの挿入があっても良かったかな? ハンターが最後はアラン達を助けるとかね。 序盤、怪しさ満点の風貌でハイテンションで現れたロビン・ウィリアムス。こういうのはロビンの十八番でしたね。 僕はロビンがずっと大好きだったので、先日の訃報はショックでした。 これからもまだまだ面白いおじいちゃん役などを見たかったですが、 これまでいっぱい笑わせてもらいました。感動させてもらいました。ご冥福を心よりお祈りいたします。[DVD(字幕)] 7点(2014-08-28 15:16:26)(良:1票) 《改行有》

70.  シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~ 肩の力を抜いたジャン・レノ演じる三ツ星レストランのカリスマシェフと、彼の前に現れた天才肌の無名シェフ。この2人がとても楽しい掛け合いを見せてくれます。特にサムライとゲイシャ?に変装した2人には笑わせてもらいましたよ。 2人とも料理の腕前は確かだけど、どこか抜けていてひと癖ある人物設定が絶妙で、老人ホームの従業員3人組もいい味出しています。そんな彼らが三ツ星レストランの看板を守るべく奮闘する様を程よくドタバタ、程よくほのぼのとした笑いで見せる人情喜劇に仕上がっています。 それと並行して挿入される、2人それぞれの家庭や人生のドラマ。こちらもコメディタッチの中に家族の素晴らしさや日常の中にある幸せをうまく描き出しています。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-25 20:26:31)(良:1票) 《改行有》

71.  料理長(シェフ)殿、ご用心 《ネタバレ》 高カロリーで決して体に良くないグルメや美食を皮肉たっぷりに描いたグルメ・ミステリー・サスペンス・コメディ。世界有数の一流シェフが次々と、それぞれが得意とする料理方法で殺されていく。その動機は?犯人は?ミステリとしては、いかにも怪しい登場人物がシロなのはお約束。その上で、一流シェフ連続殺人の動機は十分に読めてしまうのですが、ラストに登場する真犯人は意外な人物でした。お話としては、笑える話ではないのに可笑しい。個性派が顔を揃えたキャストのコミカルな演技も、作品に品をもたらせている巨匠マンシーニの音楽も素晴らしく、片肘張らず楽しめる作品になっています。そのキャストの中でもダントツに魅力的なジャクリーン・ビセット。見えそうで見えない入浴シーン、バスタブの中で一緒に戯れるジョージ・シーガルにもうひと頑張りして欲しかったところです。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-24 22:39:46)

72.  終戦のエンペラー 《ネタバレ》 作品の視点はアメリカ人の側から描かれており、終戦ものとしては日本人にとってはあっさりした作品になっています。東条英機、近衛文麿、木戸幸一といった実在の大物も「天皇に戦争責任はあるのか」というGHQの捜査に対する一証人として登場する程度ですが、これも映画の視点を考えると仕方がないところだと思います。 また、本作はアメリカ人にとっては理解が困難な日本の精神文化や、特に当時の天皇とはどういう存在だったのかという点にも焦点が当てられています。天皇の登場はラストのマッカーサー邸での会談のみですが、2人が並んで映った写真と共に有名なこの会談を見せてくれただけで十分だと思えました。 日本に思い入れがあり、日本というものを理解しようとし、終戦直後の日本であの立場で、当時の日米の置かれた状況と天皇をどう処遇すべきかを感情論ではなく冷静に分析できるアメリカ人がいた。本作のいい所はその名が広く知られたマッカーサーではなく、フェラーズ准将を主人公としたところだと思います。 もう1つ描かれているのがフェラーズと日本人女性アヤのロマンス。ここにはフィクションが含まれているようですが日本人女性との出会いが、フェラーズが日本について学び日本への思い入れが深まることになる重要なきっかけになっています。 マッカーサーは本作では脇に回っていますが、演じたトミー・リーは流石に貫録のある存在感がありました。[映画館(字幕)] 7点(2013-07-31 18:20:06)(良:1票) 《改行有》

73.  人生の特等席 《ネタバレ》 本当は上手くやっていきたい。しかし我が子との向き合い方に悩み続けてきた少々偏屈な頑固オヤジ。イーストウッドが俳優として一旦区切りを付けた傑作「グラン・トリノ」を思い出した。 俳優としての復帰作は、長年自身の元で働いてきてくれた愛弟子の監督デビュー作。ロバート・ロレンツにとっても師匠イーストウッドはやっぱり頑固オヤジだったのでしょうか。 ブレーブスの老スカウト、イーストウッド。一方敏腕弁護士の娘、エイミー・アダムス。共にそれぞれの職場で微妙なチームの一員に自身の居場所を脅かされている。父と娘のドラマと、それぞれの仕事が同時進行で進んでいき、最後はそれぞれの微妙なチームの一員がミスを犯し、父と娘の関係も修復への道を歩み出す。個人的には安心して見ていられる、こういうドラマは好きです。 最終盤で、序盤に登場したピーナッツ売りの若者や、スランプに陥った自身がスカウトした若手選手のその後を出すあたりは、忘れかけていた序盤のちょっとした登場人物を上手く活かしていたと思います。 引退を考え始めるイーストウッド演じる老スカウト。しかしラストでチームは契約延長を申し出る。これは「クリント、引退なんてまだまだ先だよ。」そんなロバート・ロレンツからのイーストウッドへのメッセージであるようにも思えました。[映画館(字幕)] 7点(2012-11-30 23:12:29)(良:1票) 《改行有》

74.  シベリアの理髪師 《ネタバレ》 ロシアの巨匠ミハルコフがモスクワからシベリアへ、壮大なスケールで描く帝政ロシア時代の士官候補生の若者とロシアを訪れたアメリカ人女性の悲しき愛のドラマ。 海外から訪れた異国人の目に映るロシア。やはりこの人の映画は綺麗ですね。随所に挿入されるユーモアあふれる人間描写、ロシアに生きる人々の力強い人間描写も素晴らしい。 このような描写は時代も何もかも全く異なりますが、ミハルコフの名作「黒い瞳」を思い出します。「黒い瞳」では物語の後半、男が女を探してロシアを訪れる。本作は女が男を探して再びロシアを訪れる。両作品とも異国の異性に人生を変えられたロシア人の運命を描いたドラマでもありますが、特に本作はミハルコフの祖国を愛する強い思いと共に他国に対する複雑な思いを垣間見たような気がしました。 士官候補生を演じたオレグ・メンシコフの素晴らしい演技も強く印象に残ります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-08 23:15:30)《改行有》

75.  詩人の大冒険 「少林サッカー」「カンフーハッスル」でお馴染みのチャウ・シンチー主演のラブコメ・アクション・ハイテンション・バカ時代劇。冒頭から人間を墨汁まみれにして筆にしてしまうバカバカしさ満点のギャグ、”手羽先の歌”の下らなさから大爆笑です。 チャウ・シンチーは勿論素晴らしいのですが、もう一つ特筆すべきは僕が大好きなコン・リーですよ! この頃にはチャン・イーモウやチェン・カイコーといった巨匠の傑作に立て続けに出ていた彼女。本作前後の彼女の出演作を見ると本作が物凄く異様に際立っています。何故コン・リーが本作に出たのか?いや、なぜコン・リーを起用してしまったのか?しかし、結果的にこれが大正解で、コン・リーを見てキュートで可愛いと思ったのは初めてかもしれません。 アホな世界観を演出する音楽もイイ感じ。いやいや、笑わせてもらいました。それだけで十分の映画です。[DVD(字幕)] 7点(2012-01-27 21:12:37)《改行有》

76.  親愛なるきみへ 僕のお気に入りのハルストレム監督の新作。しかし、考えてみたらこの監督のバリバリの恋愛映画って珍しいな、という思いもありました。 ラブストーリーを作品の軸に据えながらも、主人公の陸軍特殊部隊に所属する青年と自閉症を抱える父の親子愛のドラマが印象に残る作品でした。この父子が登場する最初のシーン。薄暗い部屋でコインを眺める父をガラス越しに複雑な表情で見つめる息子。微妙な距離感を感じるシーンです。その事情は少しずつ語られますが、このコインがこの父子の絆の象徴だったんですね。 本作には色々な手紙が登場しますが、息子が父への最後の手紙を読むシーンが感動的でした。ここで戦場で意識が薄れいく息子の冒頭の姿が思い出されます。(と同時に邦題はコレでよかったのかな?という思いも・・・)僕の好きなハルストレム監督作品は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」「サイダーハウス・ルール」「ギルバート・グレイプ」といった作品です。いずれも色々な事情を抱える少年や青年の成長を描いた作品。やはり本作も軸であるはずのラブストーリーよりも主人公の若者と父のドラマが印象に残りました。 しかし、すっかり売れっ子になったアマンダ、本作でも彼女の爽やかな魅力がよく出ています。「マンマ・ミーア」でも感じましたが海辺や潮風が似合うし、歌も上手ですね。そして9.11に人生を翻弄された人の姿がここにもありました。[映画館(字幕)] 7点(2011-10-03 21:37:43)《改行有》

77.  人生、ここにあり! イタリアで精神病院が閉鎖されていくきっかけとなる実話をベースにした作品。難しいテーマですが、登場人物の個性のバランス、程よいシリアスさとユーモアの配分がよく、イタリアらしい陽気さが時には重くなりがちな空気を巧く和らげています。精神病院の入院患者達一人一人の名前を聞き、対等に付き合い、語り合い、投薬に頼る治療だけではなく個性を尊重し、喜びも悲しみも共有する。本作の主役のネッロさんは素晴らしい指導者であり彼らのパートナーでした。この作品が日本では話題になったり多くの人に観られることが無いのが残念ですが、イタリア映画らしい泣き笑いがある人生賛歌であり人間賛歌でした。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-30 21:17:04)《改行有》

78.  上流社会 オリジナルは「フィラデルフィア物語」。キャサリン・ヘプバーンにケイリー・グラントとジェームズ・スチュワートという強力な布陣のコメディですが、かなり台詞の多い会話劇で字幕を読むのにかなり疲れた覚えがあります。 一方こちらはミュージカル。キャストはグレース・ケリーにビング・クロスビー、フランク・シナトラにサッチモという超一流のエンターテイナーを揃えた。彼らが歌うシーンはどれも優雅で、上流社会を演出するかのように甘くスローなナンバーが中心になっていますが、バンドのメンバーとバスに揺られながらサッチモが歌う冒頭がとても楽しい。ジーン・ケリーあたりを配し、作品に動きをつけても楽しさが増したのでは、とも思いましたが、上流社会の優雅な雰囲気を演出するにはやはり本作の雰囲気が良かったのかも。 そしてグレース・ケリー。この頃には既にモナコ大公との結婚が決まっていたんですよね。絶頂期にも関わらず本作を最後に引退しモナコ公妃となり、映画ファンにとっては上流社会どころではないほど遠い所に行ってしまいました。絶頂期の美しさを出演作の中に永遠に残して。[DVD(字幕)] 7点(2011-06-04 20:20:28)《改行有》

79.  沈まぬ太陽 200分を超える重厚な作品で決して派手さがある作品ではないですが、その長さが全く気にならなかった。会社とは、仕事とは一体何なのか?会社と遺族と、守るべき家族の間で苦悩しながらも良心や己の信念を貫く恩地という一人の実直な男の生き様には考えさせられることが多い作品でした。労組の委員長としては組合員の生活を守るという立場もあるが、その頃もその後も一貫して彼の心は常に乗客の安全にあり常に遺族のためにあった。実際にあの会社にモデルとなった方がおられたのでしょうか?会社から不当な扱いを受けようとも己の信念を曲げない(これは会社勤めの人間には本当に難しく辛い生き方です。)一人の男の誇りと生き様を演じた渡辺謙の素晴らしい演技を堪能しました。一方で恩地と同期であり労組でも同じ釜の飯を食ったがその後は対極の道を歩んだ男を演じた三浦友和の感情を押し殺したような演技もまた素晴らしかったです。同じ会社勤めの人間として、恩地の生き様にはいい勉強をさせてもらったと感じています。[地上波(邦画)] 7点(2011-02-11 23:57:12)(良:1票)

80.  死刑執行人もまた死す ナチスに利用されることを嫌ってアメリカに渡ったラング監督によるレジスタンス映画ですが、サスペンス映画としても今に見ても十分に楽しめる映画です。テンポよく展開が変わっていきながら常に緊張感を持続する構成が見事で脚本の素晴らしさが感じられます。光と影、明と暗、白と黒といったモノクロならではの効果が不安感や恐怖感をもたらす。ナチスの支配下のプラハで「死刑執行人」と市民に恐れられた総督を暗殺した犯人を探すゲシュタポ対地下組織、そしてプラハ市民。捜査のために報復のために罪の無い市民を処刑していくゲシュタポに対し地下組織も報復でそれに対抗する。本作でもラング監督の人間描写には独特の凄味があります。これは1943年の作品。まだ戦争も報復の連鎖も、プラハ市民の反ナチスの闘いもまだ終わっていない。だからこそ”not the end”で作品は締めくくられるところにラング監督の重い気持ちが感じられます。[DVD(字幕)] 7点(2010-09-11 13:03:27)(良:1票)

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