みんなのシネマレビュー |
|
101. シュガー・ラッシュ:オンライン 《ネタバレ》 アニメムービーとしては面白いのだけれど、ストーリーがいまいち好きになれない・・・ ラルフは前作で辛い境遇を乗り越えたのだから、もう少し精神的に成長していてほしかった。ヴァネロペを好きなのは別に構わないけれど、依存しすぎているのが見ていてイタイ。 ラルフは前作でも利己的な欲求に突き動かされて大惨事を招いたのに、今作でも同じことをやっている。いい加減にしてほしい。 この映画で好きだったのは2点。 ひとつはスローターレース。ここでのヴァネロペとシャンク達のカーレースはただひたすら楽しい。そのスピード感もアニメーションも一見の価値あり。 そして二つ目はインターネットの世界観。やたら広告が出てくるシーンが妙に笑えます。 映像やアイデア、世界観は文句なしの出来栄え。 それに対し、ストーリーやキャラクターにいまいち魅力を感じられなかったのがなんとももったいない。 序盤でラルフがヴァネロペのために新しいコースを作ります。これを伏線にはできなかったものか。 ヴァネロペニはシュガー・ラッシュを捨ててほしくなかった。ラルフのことも。 スローターレースに感銘を受け、シュガー・ラッシュにラルフたちと一緒に新しいコースやレースを作り出すみたいな、そーゆー路線だったら素直に称賛できたかもしれません。 これじゃあただのワガママで飽きっぽい尻軽な女の子だよ・・・[ブルーレイ(吹替)] 6点(2022-10-30 02:38:39)《改行有》 102. シュガー・ラッシュ 《ネタバレ》 ゲーム版トイ・ストーリー。 ゲームセンター閉店後、実はゲームのキャラクターたちはそれぞれの人生を楽しんでいるんですよっていうお話。 で、あるゲームで悪役のラルフ。 みんなの輪に入りたくてヒーローを目指す。 なぜ自分は悪役なのか?なぜ自分はこんな人生なのか? 自分の存在意義そのものに疑問を抱き、新しい自分、新しい人生を手に入れようとする。 テーマそのものはいくらでも深く掘り下げられそう。 でもこの作品はそんなことはしない。 あくまでDisneyアニメ。問題提起はしつつも子供が対象。見るひとに楽しんでもらう。子供たちに楽しんでもらう。そんなエンターテイメントを目指している気がして好感がもてます。 そーゆースタンスは好きです。あくまで映画は娯楽です。 ただこの作品、ちょーっといろいろ詰め込みすぎではなかろうか。 特に、ターボとバグの2つの脅威を用意してしまったせいで、ずいぶんと話がとっちらかってしまったような気がするのですが… もっとレースゲームならレースゲームに的を絞ってくれたほうが良かったのではないかな… バグがシュガーラッシュのゲーム世界に来たのだって、元凶はラルフ。ラルフの利己的な目的で引き起こされたものです。 後半はともかく、前半のラルフはどーにも自分勝手が過ぎるうえに、お調子者なのであまり魅力的なキャラクターとは言えませんでした。 もっと前半から、『悪役』という役柄なのに、実はだれよりもずっと良い人っていうわかりやすい人物設定のほうが良かったのではないかな…[ブルーレイ(吹替)] 6点(2022-10-17 07:48:43)(良:1票) 《改行有》 103. シンデレラ(2015) 《ネタバレ》 良くも悪くも『シンデレラ』で、それ以上でもなければそれ以下でもありません。 新解釈もなければ、余計な付け足しもほとんどありません。 『絵本』をそのまま実写にしただけ。もちろん、だからこそ、の味わいがあるわけですが。 ただこーやって改めて見てみると、父親の罪って結構重いかも。再婚するのは良いですが、再婚相手は選ばなければ。父親にもう少しだけ人を見る目があれば、きっとシンデレラはこんな苦労をせずに済んだかもしれません。それにそんな頻繁に何カ月も家を空けるようなら、再婚しなくても良いでしょうに。 新しい発見はシンデレラの本名。本当はエラ。むしろ『シンデレラ』は継母たちがつけた蔑称だったのですね。悪口と言い換えても良いくらい。だとしたら、クライマックスで王子から名を尋ねられたとき『シンデレラ』と名乗るはかなりおかしいのでは。そこは『エラ』でしょう。 と、この映画を見たおかげで、既知のおとぎ話にケチをつける羽目になってしまいましたが、映画そのものはそれなりに面白い。ザ・定番。ハッピーエンド。期待以上のものはでないけど、期待を裏切ることもない。家族で安心して楽しめるディズニー映画の代表作になるでしょう。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-12-01 00:46:40)(良:1票) 《改行有》 104. シーサイドモーテル 《ネタバレ》 いわゆる群像劇。苦手なジャンルなんですが、これはまだ見られるほうでした。 特に借金取りのエピソードは緊迫感があって面白い。 それぞれのエピソードは基本的に独立。本格的に交わることはなし。 だけどスーパーの社長の女装や、ぎっくり腰で呼んだ救急車が、ちょっとずつ他のエピソードに影響を与えているのが面白い。そもそも亀田とキャンディが出会ったのも、元はと言えばスーパーの社長がキャンディのお店に電話したのがきっかけ。こーゆー絶妙なつながりを楽しむってのも悪くないもんですね。 登場人物はドラマを面白くするために多少デフォルメされている部分はありますが許容範囲。 山田孝之は好きな俳優さんですが、彼が演じる今作での朝倉はクソヤローで最低。柄本時生演じるチー坊も躊躇なく女を殺そうとしたり、引き金をひいたり、ちょっと笑えないキャラでしたね。 ただそれ以外は眉をひそめるほどの悪人は出てきません。だけど魅力的な人物もいない。見ていて『誰がどーなっても、まあ別にどーでもいーや。』って感想しかありません。 一番つまんなかったのがキャンディとセールスマンのエピソードなんですが、最後にはあの二人にうまくいってほしいと思っていたので、いつの間にか感情移入しちゃったようです。 あと温水さんよかったです。一瞬だけ凄むシーンがあるんですが、目付きが怖い怖い。凄んだときの迫力はさすがベテランといった感じ。とは言え、爪きりでの拷問はまじで痛そうなので勘弁してほしかったです。[DVD(邦画)] 6点(2021-04-27 04:50:54)《改行有》 105. 13日の金曜日(1980) 《ネタバレ》 初期の作品だけあって刺激は少なめ。ホラーというよりサスペンス。 こーゆー映画でも十分怖かったのは自分が子供だったからか。だとしたら今の時代、ホラーやバイオレンスの類が軒並みR指定になるのもわかる気がしますね。子供には刺激が強すぎます。子供にホラー映画を見せたかったら、まずはこれくらいので慣らしたほうが良いかもしれませんね。だとしたら古きよき時代のホラー映画の需要ってのもまだまだありそうです。 まだ世界がこーゆーホラー映画に慣れていない時代、この作品が大ヒットして世界中の人がキャーキャー言っていたかと思うと感慨深いものがあります。 CGなんてものが無かった時代、全部手作りってのはさぞかし大変だったでしょう。恐怖を演出するのにもいろいろと工夫が必要だったと思います。殺される瞬間のシーンがほとんどなく、殺された後の死体ばかり映すのはそのためでしょうか。 ただスプラッタ描写が控えめでも、惨劇が起る前の雰囲気作りはなかなかです。殺人鬼がどこに潜んでいて、いつ襲い掛かってくるのか、そのハラハラがたまりません。 一方、殺人鬼が正体を現してしまうと怖さは半減。なにせおばちゃん。しかも今まで瞬殺だったのに、急に肉弾戦。ビンタは笑ってしまいます。本当にケビン・ベーコンの首を貫いた人ですか?同一人物とは思えないんですけど。 どっかに行ったと見せかけて、ゆっくり回るドアノブ。助かったと見せかけての驚愕のラスト。今見ても怖さを感じさせるシーンがあるのはさすがです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-10-08 02:39:16)(良:1票) 《改行有》 106. 13日の金曜日(2009) 《ネタバレ》 悪くはないけど物足りない。まあまあ怖いけど物足りない。良い雰囲気出せているけど、舞台や設定が怖さや面白さに結びついていない感じです。 恐怖演出がワンパターンになっているのもよくない。『何か物音がする。』⇒『近づいてみる。』⇒『なんだ、違った』⇒『ジェイソンが後ろに立っている』やたらこの繰り返し。 個人的に良かったのはボート。ボートを運転している男の頭を矢で射抜く。それを知らない彼女は、近づいてくるボートと接触してしまう。そして桟橋からの脳天串刺し。これくらいバラエティに富んだ描写がもっとあれば良かったです。 夜のシーン、アップ、せわしなく動くカメラ、これが多用されていて画面が見づらいのも難点。確かに画面を暗くするのは恐怖心を助長させる効果がありますが、そればかりに頼るのはあまりに工夫がありません。 子供の頃から親しんできたスラッシャーホラーなのでそれなりに楽しめた部分がある一方、こんなものかと満足しきれなかった自分も確かにいて・・・。ただこれを見ると、『1』からもう一回見直してみたくなりますね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-09-30 02:17:18)《改行有》 107. シュレック3 《ネタバレ》 『1』『2』のほうが面白かったとは思いますが、これはこれでなかなか手堅い面白さ。大分酷評されているようですが、悪くはないと思います。 少なくともいままでのなじみのあるキャラクターたちがみんな出てくるわけで、このシリーズが好きな人なら楽しめる内容でしょう。新キャラも良いですが、今までのキャラクター達が中心になって活躍するのって、やっぱ良い。いつものシュレックを楽しめます。これからも愛着のあるキャラに頑張ってほしいものです。そういった意味では今作は及第点。 ストーリーは、いろんな物語の悪者たちが結託。シュレックが留守の間に王国に攻め入るという、いつもに比べると過激な展開。前作までは怪物のわりに大人しめだったシュレック。今作では遂に怒りとともにその怪物パワーの封印を解くのか?と、わけのわからん子供じみた期待をしちゃう私。いつもと違う感じの、アクションテイストが見られるのかとワクワクしちゃったのです。 結果はいつも通り。いや、いつもに増して超平和的ぬるま湯解決。いやいや、あんなおこちゃまに説得されて戦うのをやめちゃう悪者ってどうよ。もちろんそれがシュレックシリーズの持ち味と言われればそれまでなんだけどさ。なんかへーんな期待をしちゃったぶん、こんなオチに少なからずがっかり。 ただ確かにそれまでのプロセスは面白かったので、私はこのシリーズと相性は良いようです。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2020-08-17 00:12:12)《改行有》 108. シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 ちょっとなめてました。わかりにくいのか、小難しいのか、状況把握と人物把握に手間取りました。ですので、最初のうちはあまり楽しめず。本当に人物把握するだけでも大変。私の知力の問題? ロバート・ダウニー・Jrとレイチェル・マクアダムスが好きなので、この二人がルパンと不二子みたいな関係で楽しませてくれるのは良かった。もちろんワトソン君も良い。イメージとは違いましたが。イケメンだし、なんか強いし、ホームズに強く出るし。まあホームズはホームズで途中からどっかの社長にしか見えませんでしたが。 シャーロック・ホームズが『相手の動きを何手も先まで読んで、その読み通りの超人的アクションで相手を制圧』なるほど、頭脳とアクションの融合。今回はそーゆーノリでいくわけですね。 と思ったら、途中からそーゆーノリが減っちゃって、アクションでは防戦一方。どーにもホームズの強さが一定に保たれていなくて、なんかもやもやします。 で、説明不足なのか私の理解力が足りないのかわかりませんが、途中途中で、ホームズ達が何を目的に動いているのかわからなくなるときがあります。状況把握しきれなかったことが、この映画にのめりこめなかった一因か。 なので、個人的には最後の種明かしは助かりました。ホームズが1つ1つ丁寧に説明してくれるんです。少しすっきり。だけどその種明かし、爽快な驚きにまでは結びついていないのがもう一歩って感じです。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-06-27 11:55:23)(良:1票) 《改行有》 109. シューテム・アップ 《ネタバレ》 銃の名手という設定からの百発百中。そこは百歩譲って良しとしましょう。ですが『大勢から一斉に撃たれて一発も弾が当たらない』という説明にはなっていません。娯楽作品への愛が半端ない私。そんな自分がいくらなんでもあんまりだと思っちゃう。今まで見た映画の中でもこれがダントツでひどいかもね。 アクション?サスペンス?いやいや、これはもはやコメディです。 車を正面衝突させて相手の車に飛び移る。スカイダイビングしながらのガンアクション。やりたい放題の究極のカタチ。 弾は全く当たらないけれど、居場所はどこにいてもすぐにばれるというご都合主義。 何でも開き直れば凄いもんができる良い見本です。 で、設定のいい加減さに対し、ストーリーは無駄に凝りすぎ。ちょっと黒幕が多すぎる印象。そんでそれが特にサプライズになっているわけでもないんですよね。『へー。銃会社の社長さんが黒幕なんだー』『へー。大物政治家のドナーが狙われていたんだー。』ぐらいです。ストーリー的面白さは皆無と言って良いでしょう。 ただいろんな銃の扱い方、一風変わったガンアクションが見られるので、普通のガンアクションに飽きちゃっている人は楽しめるかもしれません。 結構マニア向けかもしれない作品。悪くはないですが、映画そのものを楽しみたい人にはオススメできかねます。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-09-01 13:10:46)(良:1票) 《改行有》 110. 16ブロック 《ネタバレ》 巻き込まれ型サスペンス。好きなジャンル。ブルース・ウィリスも好き。でもなぜかノレない。なぜか。 まず第一にエディがうるさすぎる。見つかったらやばいっていうシチュエーションで、ずっとしゃべり続ける無神経。このキャラがうっとおしすぎます。話し方もなんか嫌い。理屈ではありません。舌ったらずな話し方が好きになれないのです。 そしてストーリー。無理がありすぎます。検事に電話を入れて事情を説明したタイミングで、この案件は解決になるはず。すくなくとも、ここからバスジャック犯にされるなんて無理矢理すぎます。 ブルース・ウィリスの『くたびれたおっさん』『でもここぞというところでめっちゃ頑張る』というスタイルが好きなんですが、さすがにジャックはくたびれすぎですね。最初誰だかわからなかったんですけど。 ラストはジャックが撃たれて、テープレコーダーで真実が明るみに出るという展開だと思い込んでいたので、こんなハッピーエンドになるなんて意外です。おかげで万事めでたし、のどごし爽やかな味わいです。キレとコクは足りんけどね。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-04-17 03:36:16)(良:1票) 《改行有》 111. 下妻物語 《ネタバレ》 ときどき『思い込み』が暴走するクセがある自分。『幼妻』『美人妻』などは聞いた事があるが、『下妻』とはいったい・・・?エロティックコメディ?いや、でも主演は深田恭子だし。まさかね・・・。って、まさかの『地名』かよ! とゆー勘違いで始まった下妻物語。『内容が全然ないよう』の前半が個人的に結構きついです。桃子、桃子の父、母、イチゴ、出てくる人が変な人ばっか。マンガ原作・・・。知らんかった。だからこんなコテコテのキャラになっちゃうわけですね。現実感がないわけです。 中盤以降はストーリーが意味を帯び始めるので、ちょっと面白くなりますね。桃子が刺繍の才能を認められる話。イチゴがチームを抜ける話。そして桃子とイチゴ、社会から阻害された二人が友情を育むメインストーリー。どれも悪くないと思います。特にヤンキー漫画全盛期を生きてきた世代にとっては、こーゆーノリって理屈抜きに面白いんじゃないでしょうか。 生きてきた環境、趣味嗜好、価値観、そのすべてが全然違う二人。共通点は『二人には友達がいない』ということだけ。そんな二人が少しずつ友情を育んでいく様子は、確かに心地よいものがあります。 桃子とイチゴ。自分の生き方、ポリシーを貫くブレない姿勢が、次第にかっこよく見えます。確かに、こーゆー人達は、大衆に迎合しない。だから、友人もできづらい。でも、友人がいないことと孤立していることは、厳密に言うと違うと思います。桃子やイチゴみたいなタイプは、本人達が気付いていないだけで、実は周りの人達からは一目置かれていたりするから面白い。それをわかりやすくドラマ化してくれたような作品ですね。 個人的には、凄く良い面と、全く好みに合わない面を併せ持つ本作。映画として凄く面白いかと問われれば微妙。人に勧めるには、ちょっとクセが強すぎる作品です。 [DVD(邦画)] 6点(2017-09-22 06:54:02)(良:1票) 《改行有》 112. シンドバッド/7つの海の伝説 《ネタバレ》 ビジュアルが美しい。アニメーションがなめらかできれい。スピード感があって面白い。声優さんも完璧。 特にお気に入りのシーンは、『ドラゴンの牙』のセイレーン。恐ろしさと美しさを併せ持つ名場面。さすがはディズニーですね。 ですがストーリーは一本調子。基本的には逃げの一手。途中で飽きます。 また、他のキャラクターのビジュアルは申し分ないのですが、カオスの女王エリス、シンドバッド、マリーナ、メインの3人のビジュアルが好みでありません。これは致命的。誰か一人でも好みに合っていたら、ストーリーの拙さをカバーできたのに。 子分たちも登場シーンはイカしていたのに、それ以降は完全にモブに成り下がります。 副官みたいな人、武器をいっぱい持っている人、やたら身軽な人。 魅力的なキャラクターも結構登場させておきながら、全然活躍しません。 日本の人気漫画『ワンピース』なんかに慣れ親しんでしまうと、物足りないのです。 バトル系やアドベンチャー系では、やはり日本の漫画はトップクラス。すべてのキャラクターに見せ場があり、イキイキと活躍するのです。 この作品も悪くはありませんが、日本の漫画には遠く及ばないですね。[DVD(吹替)] 6点(2016-11-13 15:06:06)《改行有》 113. 死びとの恋わずらい 《ネタバレ》 ジャパニーズホラーを満喫できる佳作。 転校生、占い、未解決事件、廃墟、悪夢。ジャパニーズホラーに必要不可欠な要素がぎっしり。『日本の湿ったホラーが見たい!』というときにはまさにうってつけです。 カッター、カビ、冷蔵庫、お堂、古い新聞、破れかけのポスターなど、雰囲気を盛り上げてくれるギミックも盛り沢山。 さあ、舞台は整った。あとは、『謎』が充実していれば、完璧です。 『龍介君とはいったい誰なのか?』『おかしくなっていく母親が執着する壁のカビに隠された真実とは?』『女子高生の間で伝わるいわくつきの「辻占い」とは?』 怖いけれど、怖すぎない。血しぶきが舞うけど、グロすぎない。そして続きが気になって仕方がない。 この吸引力こそが、日本のホラーが持っているパワーです。 ・・・そして、ラストのオチで期待を裏切るのも、日本のホラーでは、本当によくあること。 この作品も例外ではありません。 現実と悪夢、リアルと幻想の境界をうまいことぼかし、抜群のバランス感覚で完璧なまでの進行を見せていたのに、最後の最後で何故ファンタジーに逃げるのでしょう。だって精神病院から抜け出した頭のおかしい二人が、転校手続きなんてできるわけないじゃん。せめて二人は本当の親子で良かったのではないですか。奇をてらえば良いってもんじゃないのに、とにかくあっと言わそうという日本のホラーの悪いところが最も残念な形で出ちゃってます。 ラスト15分ですべて台無し。ですが、龍介君が榎本はるかに殺されるくだり。ここだけはサイコティックで現実感もあり、現在とばっちりリンクするのでグッジョブ。むしろ、それだけで良かったのです。[DVD(邦画)] 6点(2016-05-18 14:54:40)《改行有》 114. シックス・デイ 前半が何が起きているのかわかりづらくて退屈です。 普通は『謎』に対して『知りたい。』『解明したい』『推理したい』などの気持ちがわくんですが、この作品にいたってはそういった気持ちがおきません。人に興味をひかせるような求心力に欠けるんでしょうか。 それでも前半飽きずに見続けられたのは、頻繁にでてくる近未来ネタが面白かったからです。 近未来ものが楽しいのは、人の想像力、夢の世界が感じられる瞬間です。それがわかりやすく具現化されていればいるほど楽しくてわくわくしますね。ただ女の子の人形だけは不気味でしたけど・・あれが売れるとは思えないんですけどね。 後半は人々の思惑がはっきりしてきて、わりとあっさり謎だった部分が明らかにされていくので、メインのストーリーも面白くなります。 クライマックスはあまり盛り上がりませんし、サスペンスアクションならではのハラハラドキドキも足りませんが、暇つぶし程度には楽しめます。ただ少なくとも期待して見るレベルの作品でないことは確かですね。[DVD(字幕)] 6点(2015-11-17 13:49:12)(良:1票) 《改行有》 115. 娼婦ベロニカ 《ネタバレ》 娼婦、中世のベネチア。当時の文化や習慣になじみがなさすぎて、共感しづらい作品でした。知らない世界、知らない時代を疑似体験できるのは、映画の良いところですが、時にはそれが作品の足枷にもなっちゃうようです。 サクセスストーリーのような盛り上がりを見せる本作。たとえなじみのない世界であっても、主人公が脚光を浴び、頭角を表す過程を見るのは楽しいものです。実際は、最後まで見てみると、サクセスというよりかは、時代に翻弄される一人の女性の栄枯盛衰の物語でした。 てっきりこのパターンで行くと最後はやはり悲劇で幕を閉じるのかと思ったのですが、意外にもハッピーエンド。あの絶体絶命の状況からの逆転には胸が熱くなるものを感じます。 ただそれでもね。マフィオの嫉妬心はさすがに気持ちが悪いし、マルコはラストを除いて、自分勝手な言い分ばかりが目につきます。その辺りは見ていて気持ちのいいものではありません。そういった負の要素が、軽快な音楽とベロニカの明るさによって中和されているのでエンターテイメントとして割り切れますが、観る人によって評価が分かれそうな作品だと思います。[DVD(字幕)] 6点(2014-08-20 04:22:10)(良:1票) 《改行有》 116. ジャッキー・ブラウン 《ネタバレ》 長いです。長いことが苦にならない名作はたとえ2時間を超えても時間を気にすることはありませんが、残念ながら本作は、4回は時間を確認したかな・・・。さすがに中盤から後半にさしかかる辺り、つまりジャッキー・ブラウンが警察に取引をもちかけるあたりからは面白くなってきます。その辺りからは最後まで突っ走れますね。 『何も話すな』『わかった』バーン。で、メラニーが撃ち殺されるシーンや、ルイス(ロバート・デ・ニーロ)が撃ち殺されるシーンはなかなかの衝撃です。特にロバート・デ・ニーロがこんな扱い受けているのを見たことがなかったのでちょっとびっくりです。 まあそれもこれも散々時間をかけて、それぞれの人物をじっくり丁寧に見せてくれたことがこの衝撃を生み出しているのでしょう。ただ、映画ってのは限りある時間の中でドラマを見せてくれるから素晴らしいのであって、個人的には時間に頼った演出ってのはあんま好きじゃないです。 それから演出や脚本にちょっとした工夫があるのは面白いのですが、肝心のストーリーが結局のところ一本調子でひねりもサプライズもないんです。その分普通に最後まで、まあ多少はハラハラしながらストーリーを目で追って終わり、っていう安定感が感じられるのですが、こんな平凡なストーリーならやっぱこんなに時間は要らんでしょ。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-05-26 02:11:45)《改行有》 117. 上海グランド 《ネタバレ》 香港映画はディテールが粗く、テンポも速い作品が多いので途中で状況把握がしづらいものがありますが、今作もそのタイプでございました。一つ一つの状況や人物を把握しきれないまま、ストーリーが加速するうえ、現在と過去が行ったりきたりするのでやや大変です。 その一方で、物語はサクセスストーリーに友情、恋、サスペンス、悲劇をブレンドしているため、大変見応えがあります。前半のディン・リク(アンディ・ラウ)とファン・ティンティン(ニン・チン)のお気楽モードは、終盤のシリアスなドラマとのコントラストが効いていて、ストーリー構成は満点に近いかもしれません。 ラストは主役級の3名がそれぞれ悲劇に近い形で幕を閉じてしまいます。ですが、おそらくこの作品のメインテーマであるリクとホイ・マンキョン(レスリー・チャン)の友情という絆を最後に確認することができて本当に良かったです。3人の中ではリクが一番可哀想かもしれないですね。 [DVD(字幕)] 6点(2014-04-23 00:53:42)《改行有》 118. 白い嵐 《ネタバレ》 ノンフィクションが題材になっていますので、極力脚色を控えているのはわかります。ただ、あまりにエピソードを盛り込みすぎたために、若干間延びしてしまった感があるのが大変もったいないと思うので、そっちのほうは何とかしてほしかったです。女子学生の一団とのエピソードや、みんなで1ドルずつ出し合ってのシーンなんかは、もっと短くするか、まるまるカットしちゃっても差し支えなかった気がしますよ。 また、肝心のホワイトスコールに遭遇したラストシーンは、なんかすごくわかりにくいです。物語の中心人物っぽい4人の生徒のうち、フランクは戦線離脱していましたが、ギルはお兄さんの写真を取りに戻ったせいで船室から出られなくなってそのまま海底に、ちょい不良のディーンは救命艇を救出するも自身は縄がからまり海底に沈んだってことなんですか?で、確かシェフ担当の先生はどうなったかもわからないまま死んだことになったような・・できればこの一連のシークエンスにこそもっと力を注いでもらって、もう少しだけわかりやすい演出にしてほしかったです。 そうえいば、救出後、チャックが試着室の中に入った途端、まるで荒波の中にいるかのような錯覚に陥るシーンがもの凄く恐ろしかったです。そんで、この辺りからラストまで、個人的にはかなり良かったと思っています。裁判は確かに残された時間で無理やりまとめた感はありましたが、この作品の場合本質はそこではなさそうなので、特に問題はないかなと思いました。 チャックの船長を弁護する魂の演説は、お約束のようなフレーズが並んではいますが、やっぱり感動しちゃいますね。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-22 03:15:43)(良:1票) 《改行有》 119. 呪怨<OV>(2000) 《ネタバレ》 まったくの予備知識なしで観賞しました。オムニバス形式になっていたので、関係のない話かと思いきや、実は全部関連しているのですね。「村上柑菜」の章で気付きました。(遅い?) 更には時系列がばらばらになっているうえに、他のシリーズを見ていないとわからない部分まであって、単純なホラーだと思っていたのにあまりに???な部分が多い作品です。おかげで随分と頭使っちゃいました。そのため、多少気持ちが集中しきれないところがあったかもです。 ただそれでも面白い作品でした。怖いというよりかは、不気味と言ったほうが良いかもしれないです。特に、かばんに入れた○○をふりまわすシーンと、階段を上る女子高生のシーンは、今まで見たホラー映画の中でも、不快感、おぞましさ、トップクラスでした。階段を上るシーンは、「由紀」の章とのコントラストがかなり効いていると思われます。「由紀」の章で見られる村上柑菜の日常、それが階段のシーンでは見事に非日常へと反転し、そのギャップに恐怖心が煽られちゃうんでしょうか。更にはお母さんの存在がスパイスとして見事な役割を果たしています。 ちなみに「村上柑菜」の章で何があったのかは、「片隅」という別のエピソード(※このDVDには収録されていませんが)で確認しました。なるほど、そーいうことだったのか。でも結局あごをどこで落としちゃったのかはわかりませんでしたねー。 続編も見てみようかと思っているんですが、平均点低いなー。つまんないのかなー。[DVD(邦画)] 6点(2014-01-23 02:41:29)《改行有》 120. ジャッジメント・ナイト 《ネタバレ》 殺人現場を目撃したために、4人の元不良が命を狙われるってだけの設定なのですが、その単純さ故のインパクトと臨場感に思わずひきこまれてしまいました。 落ち着いたとはいえ、血気盛んな4人の主人公たちは、初めからなんかやらかすんじゃないかという雰囲気たっぷり。だけど予想していたほどの暴走はせずに、純粋にトラブルに巻き込まれちゃいますので、素直に主人公たちを応援できる脚本なのは良かったです。よくある、自業自得だろパターンだと、個人的に感情移入しづらいんですよね。 ただ単純でわかりやすいストーリーに終始したため、中盤あたりからいつまでも主人公たちを追いかける動機に説得力を欠き、観ているこちらは若干の中だるみ感がおこります。途中で、被害者になることを拒み、反撃の狼煙をあげようかというところでは再び盛り上がりを見せますが、結局はその後も逃げ回り、盛り上がりきれずにラストまで突っ走ります。 最初の理不尽すぎる緊迫ムードがとても良かっただけに、中盤からラストにかけて普通の追いかけっこアクションになってしまったのはちょっと残念だったかも。 ただその分万人向けのサスペンスアクションムービーには仕上がっていますので、割と誰でも楽しめる良作だと思われます。[DVD(字幕)] 6点(2013-07-01 04:17:58)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS