みんなのシネマレビュー |
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1. ジョニー・マッド・ドッグ ブラジルギャングの生き様を描いた「シティ・オブ・ゴッド」以来、久しぶりに衝撃的な作品に出会った。 本作はフィクションではあるが、舞台背景はアフリカで起こっているまぎれもない現実だ。 出演俳優は皆現地で兵士として戦っていた少年少女だという。演技はつたないかもしれないがどんな名優にも敵わない迫力がある。 アフリカの混沌の責任はどこにあるのかという視点はまず横に置いて、近年貧しくなりつつあるといってもまだまだ平和な日本と同じ時間に、地球の裏側ではもうひとつの現実があるということを知る意味では意義ある作品だと思う。そしてもっと俯瞰すれば、この地獄はそれ程特別というわけではなくではなく、人類の歴史そのものがこのような殺し合いの連続でもあったのだとも感じる。 日本公開版の予告編は今話題の戦場カメラマン渡辺陽一氏のナレーションに「狂犬注意!」のコピーが踊る製作者の志とはかけ離れた勘違いも甚だしい売り方をしている。配給会社の程度が知れるというものだ。[DVD(字幕)] 8点(2011-01-12 20:07:13)(良:1票) 《改行有》 2. 下妻物語 最近「嫌われ松子の一生」を観て、邦画にもすごい監督がいると思っていたので、その前作を遡って観てみた。 「嫌われ松子」でも毒々しい色彩感覚だと思ったが、これは彼のカラーなのだろうか、画面一杯に極彩色が鏤められていて、米国の安いお菓子を食べているような感覚。 どんな短いカットも隅々まで手が入っていて、隙間がなくびっしり情報が詰め込まれている。 そしてそのままテンポ良くどんどんカットを積み重ねて物語が進んでいく。 このリズム感はやはり他の邦画にはなかなか無いところ。 全編毒々しい色彩とコミカルでナンセンスな展開だが、ふたりの心のうつろいや友情はリアルに描かれている。 深田恭子は知っていたが、演技を観るのははじめて。彼女のクライマックスでの豹変ぶりもすさまじいが、白百合イチゴ役の土屋アンナは本作を観るまで知らない女優だった。この人はすごい。本物のヤンキーかと思った。役への入り込み方が半端でない。 数々の賞を受賞したと言うが、それもうなずける迫真のヤンキーっぷりだった。 [DVD(邦画)] 8点(2007-09-09 20:50:58)《改行有》 3. 守護神 ハリウッド青春映画の定番を馬鹿正直にてんこ盛りした毒にも薬にもならない作品。ひねくれ大人の自分にはパロディを観ているような気にさえなった。「逃亡者」「ダンス・ウィズ・ウルブス」という名作を生み出したふたりが関わっているにしては寂しい限り。デートに選ぶ作品としては無難だが20代以上なら底の浅い男と見切られる可能性アリ。とはいえ日々人命救助に命をかける沿岸警備隊の努力と勇気には敬意を表する。[DVD(吹替)] 6点(2007-06-22 03:34:41) 4. 幸福の黄色いハンカチ 不器用でダメな自分でも、それでも愛してくれて帰りを待っていてくれる。男性からすれば天使のような女性だけど、女性から見てどうなのでしょうかね。御伽噺と言ってしまえばそれまでだけど、山田洋次の不器用な人間に注ぐ暖かい視線が心地よい映画でした。高倉健はじめ桃井かおり、武田鉄矢の存在感が素晴らしい。ただ気になったのはズームを多用した雑なカメラワークと、巨匠の仕事とはいえ、どうしても違和感のぬぐえなかった音楽。山田洋次の繊細な演出の足を引っ張っているようで残念でした。[DVD(邦画)] 8点(2006-07-29 19:03:40) 5. ジャーヘッド 現在日本とアメリカは民主主義という同じ価値観を共有している同盟国です。政治だけでなく、経済、文化でも最も強い影響を受け、地球の反対側にあっても遠くて近い国。しかし最も違うのは、アメリカはWWⅡで日本をコテンパにのした後も世界中で戦争を続けていること。かたや日本は半世紀以上、一度も戦争をしていません。もう殆どの世代が戦争体験が無い。ところがアメリカは、戦争はリアルなものとして身近にある。この映画を観ていると、主人公と僕は殆ど同世代ですが、体験する世界のあまりの違いを目の当たりにした思いです。しかし、60年間戦争をしていないという国のほうが実は少ないのかも(この先はわからないけど)。[DVD(吹替)] 8点(2006-07-28 16:02:42) 6. シリアナ 石油利権をめぐって繰り広げられる欲望剥き出しの熾烈な争い。コマとして動く人々の後ろには企業や国家の巨大な意志があって、そのもとでは、人ひとりの命など虫けら以下の価値しかない。世の中コインの裏表で、こういうドロドロした世界というのはおそらくあるんでしょうね。この映画、複数のエピソードが同時進行するうえにいまいち説明不足なので、事前に登場人物やプロットなどの情報を知ってから鑑賞したほうがよりよいと思います。[DVD(吹替)] 6点(2006-07-17 16:18:08) 7. ショーン・オブ・ザ・デッド 英国映画に出てくる俳優っていうのは同じ白人でも米国映画に出てくる人となにか雰囲気が違いますねえ。なんというか、美男美女とは違うあくの強い顔つきとキャラクター。それがとても印象に残ります。それは「28日後」を観ても思ったことですが。ところで本作は基本的にコメディなんだけど、ギャグがまたひねくれてると言うか、いかにも英国風。ところがおふざけで終わることなく、怖がらせる所はしっかり演出してます。観て損はなかったと言う感想ですが、絶賛されるほど面白くも無かったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-29 17:34:13)《改行有》 8. 呪怨 (2003) 怨念がテーマだったら、その怨念がいかにして生まれたのか、その怨念がどれだけ恐ろしく、悲惨で、おぞましいものなのかという所に説得力がないと、全て台無しになってしまう。この映画は映像的な脅かしやドッキリばかり先行して、物語の背景や怨念にまつわる悲劇を軽視しすぎたと思う。それに加えて真実味のない役者の演技、チープなメイクが更に足を引っ張ってしまった。[DVD(字幕)] 4点(2005-09-09 11:01:29) 9. Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004) 芸達者なハリウッドの一流スターを配したリメイク版、こちらも楽しんで観れました。かなりオリジナルに忠実なリメイクですが、よく見るとリッチな照明と贅沢なカメラワーク。さすが大予算の余裕を感じさせます。ちょっと羨ましい感じもしました。殆どオリジナルから手を加えていないとはいえ、主人公の微妙な心情は文化の差なのか、幾分単純化されているように感じました。[映画館(字幕)] 8点(2005-06-13 07:49:23) 10. 人狼 JIN-ROH 押井氏の関わった作品を見るのはこれが初めてですが・・・。昭和30年代風の日本を再現した美術は素晴らしい。が、過剰な重武装の首都警の成り立ちに無理がありすぎるのと、反政府勢力が何のために戦っているのかいまひとつわからない。どうもガンアクションをやりたいが為にお膳立てしました感が漂ってしまい、登場人物へ感情移入しづらい。その土台がいまひとつなので、雨宮圭の行動も今ひとつ説得力が無い。しかも甲高いアニメ声でかなりイライラさせられた。あの声質は日本アニメのお約束なのだろうか?6点(2004-10-14 23:42:46)(良:1票) 11. シービスケット 馬のことには全く素人なので、こんな駆け引きがレースで行われているとは知りませんでした。 しかし期待していた程クライマックスが盛り上がることなく、割とあっさり終わってしまったのがちょっと物足りなかった。実話がベースなので仕方が無いのだが・・・。6点(2004-10-14 18:52:49)《改行有》 12. ジャンヌ・ダルク(1999) 欧州の歴史の知識やキリスト教のバックボーンを持っているといないのとでは受け取り方が随分と違うのではないかと思う。彼女の英雄的な行動を表面的に知ることは出来たが、それ以上となると深い溝を感じてしまう。6点(2004-08-01 19:59:49) 13. Shall we ダンス?(1995) 人生ってちょっとしたきっかけと勇気さえあれば変える事ができるのかもしれないって思わせてくれる映画。9点(2004-07-09 20:57:41) 14. 地雷を踏んだらサヨウナラ 邦画でよく感じることなのだが、一つ一つのカットはそれ単体で見るとそれなりなのに、全体の流れで見るとどうにもつながりが悪かったり、空気が分断されているように思えることが多い。この映画もそういうたどたどしさが気になってしまった。爆撃シーンや戦闘シーンもどこか遠慮がちで臨場感に欠けた。題材もいいのにもったいない。浅野忠信は飄々としていて、健闘したと思うが、プロカメラマンの身のこなしが出来ていたかというと、ちょっと疑問だ。映画で一番大事なのは脚本だと思うが、本がよければ他はなあなあでいいということはなく、細かいディティールの丹念な積み重ねが物語に真実味や臨場感を生むのだと思う。5点(2004-06-17 16:03:05) 15. 仁義なき戦い 当時最高のスター達を使った強烈なバイオレンス映画。生々しい暴力シーンとドキュメンタリータッチのカメラワークが斬新。とはよくいわれることだが、「血糊」があまりにも嘘っぽくてがっかり。6点(2004-04-08 08:26:34) 16. ジャック おおっ、これはコッポラ監督だったのかあ。うーん、でもそれほど印象に残らなかった。5点(2004-03-14 22:22:29) 17. 少林サッカー 物凄く荒削り、情熱と勢いで作ったストーリーという印象。でもキャラクターは魅力的だし、CGも見れる。もしかして日本のコミックの影響もあるのかな。しかし邦画にもこういうエネルギーが欲しいものだ。6点(2004-03-04 16:53:31) 18. シティ・オブ・ゴッド ハリウッド映画ともベッソンとも北野映画とも違う乾いた暴力描写が全編にわたって続きます。特に子供達の演技がすごい。途中で彼らが役者であることも忘れてしまった。9点(2004-02-26 17:41:31) 19. ジョンQ-最後の決断- うーん、向こうの保険の現状とか労働者の辛い経済状況をかんがみても同情し切れないなあ。あと人質がジョンになびくのが早過ぎるので、違和感が残る。ジョンも隙がありすぎだし。5点(2003-12-24 02:16:40) 20. 女優霊(1996) 舞台設定が映画製作の現場てのが安上がりだなと思ってしまった。まあ低予算だろうから仕方ないけど。5点(2003-12-13 00:51:12)
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