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1.  白雪姫 文句無しの名作!下手な実写映画よりも何十倍も面白い。登場する七人の小人たちのキャラクターをはじめとする登場人物の面白さと素晴らしい名曲の数々、これほどの名作が70年以上も前に作られていたことの驚き、どんなに凄い特殊技術が発展しようが、この映画の素晴らしさの前には敵わない。これほどの素晴らしい作品を作って、世界中の人々に笑いと感動を与えてくれているアメリカが今は、何かあれば直ぐに戦争をはじめたりするという悲しさ、映画は人々の心を温かい気持ちでいっぱいにさせてくれる素晴らしい武器であり、娯楽である。この映画を今の人達に観てもらう事で、少しでも平和な世の中、戦争のない世の中になればと思う。アニメという動画ならではの動きの巧みさ、ミュージカル仕立てのファンタジーに満ち溢れた素晴らしき名シーンの数々はどんなに時が経とうがこれから先も絶対に失われることはない。名作の名に相応しいウォールト・ディズニーがこの世に生み出した最高の作品です。文句なしに満点です。[DVD(字幕)] 10点(2011-01-01 23:24:04)

2.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 うわあ~!なんだ、この映画!もう完全にやられた。まずは最初に映し出される沢山の傘!ミッシェル・ルグランの美しいメロディ!そして、物語開始からずっと最後まで全ての台詞がメロディ付きというこれまた今まで一度も観たことのない世界!物凄い新鮮で、物凄く感動しました。物語そのものは至ってシンプル!愛し合う若い二人がお互いの事情により、離れてしまう。こんなどこにでもあるような物語なのに、凄く面白い。しかも、泣ける。もう本当になんと言うのか、物凄い美しさ、画面全体の美しさだけでなく、カトリーヌ・ドヌーブの美しさ、可愛さ、音楽の美しさ、それだけでこんなにも泣ける。隣の家の犬の鳴き声と最近、家の周りに出没する野良猫の他の猫を求めているような鳴き声までが、美しく聞こえてしまう。冗談なんかじゃなくて、本当にそのぐらいどんな音でも美しく聞こえてきてしまい、泣けて、泣けて、仕方がありませんでした。観終わって、間もなく一時間経つけど、未だに思い出すだけで泣けてくる。こうして書いてるだけで泣けてきて、やばい!涙で眼の前が見えなくなってきた。文句無しの10点です。[ビデオ(字幕)] 10点(2006-02-10 22:13:56)(良:2票)

3.  しとやかな獣 《ネタバレ》 川島雄三監督、凄い!こんなにもぶっとんだ家族はまずはいないだろう!人間の持っている醜い部分をここまで徹底的に描くその凄さに何度観ても感心させられる。人間とはお金がかかるとここまで醜くなるものなのか?芸能プロダクションに勤める息子が会社のお金を騙し取るような詐欺行為をする中で、そんな息子に対し、しかるどころか更にお金を稼がせようとする父と母の何とも言えない金に埋もれる悪人ぶりの凄さとまたそんな家庭に対しやってくる人達の何とも個性溢れる人達、それをたった二つの狭っ苦しい部屋、公共団地のあの部屋を覗き込むようにして人間の醜い部分を笑っているかの如く思える監督の演出ぶりの凄さ、これだけ徹底的に笑わしておいて、最後には氷付くような結末に、そして、まるで歌舞伎の世界を思わせる音楽も効果抜群!それにしてもこれだけのメンバーの中でも若尾文子の悪女ぶりと小沢昭一のピノサクの何とも怪しい人物には完全にやられた。[DVD(邦画)] 10点(2005-11-04 22:24:56)

4.  静かなる男 《ネタバレ》 ジョン・フォード監督の映画は素晴らしい傑作が多いがそんな中でもこの作品が一番好きです。もう好きとかいうより大好きで大好きでたまらない作品です。画面いっぱいの緑色の大地、素晴らしい大自然に囲まれた人達、そんな人達の心温まる素晴らしい映画!ジョン・ウェインがかっこいい。乱暴者のヴィクター・マクラグレンとの凄まじい殴り合いの後の男同士の熱い友情に感動し、そのシーンだけでも何度も繰り返し観たくなるぐらいこの映画、大好きです。そして、やっぱり何と言ってもモーリン・オハラという女優の美しさに一目惚れ!もう文句なしに大好きな映画として当然の如く満点の10点です。[DVD(字幕)] 10点(2005-08-17 22:31:03)

5.  七人の侍 今日の昼間、久しぶりに観たけど何度観てもワクワクする。胸躍る。こんなにも面白くて素晴らしい映画はそうはない。黒澤明監督の最高傑作というだけでなく日本映画史上、いや、世界の映画史に名を残す大傑作と言えよう!この映画には本物の力がある。あの時代だからこそ撮れた映画であって今は絶対に無理!最高の監督、最高の脚本家に最高の撮影・編集といったスタッフに最高の音楽家、そして勿論、日本を代表する最高の俳優陣、全てが結集して作られたこれこそ映画だと言うべき大傑作!文句なしの満点!娯楽映画としても勿論のこと、ヒューマニズム溢れる作品としても素晴らしい!これを観ないで一生過ごすなんて絶対に損です。[DVD(字幕)] 10点(2005-06-19 19:28:47)(良:2票)

6.  JAWS/ジョーズ スピルバーグでどれか一つだけ選べと言われたら迷わずこの映画を挙げます。始まってから一時間もの間、サメを見せることなく観る者にいつサメが出てくるんだろう!といった恐怖心を与える演出の素晴らしさに加えて、音楽の素晴らしさ、あの何とも不気味な音楽が更に恐怖心を与える。そして俳優陣、ロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、ロバート・ショウといった三人のそれぞれの演技、どれをとっても超一級品の作品です。公開から30年経った今でも全く色褪せることのない作品です。 [映画館(字幕)] 10点(2005-06-10 21:44:25)(良:2票) 《改行有》

7.  情婦 大好きなビリー・ワイルダー監督の最高傑作!まさしくビリー・ワイルダーならではの上手さ、これだけの見事なまでの大どんでん返しの連続を見せられては拍手するしかありません。さすがは脚本家出身で次々と面白い作品を撮ってるビリー・ワイルダー監督の作品だけあってとにかく面白い!また脚本だけでなく俳優陣の演技もチャールズ・ロートンをはじめとするマレーナ・デットリーヒの存在感のある演技、その他、出演者の演技も主役から脇役まで皆、個性豊に描かれていて何度観ても面白い。[DVD(字幕)] 10点(2005-05-30 22:23:55)

8.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 これは間違いなく満点の大傑作です。とにかく脚本が素晴らしくて映画の基本である優れた脚本の元にシドニー・ルメット監督の演出が冴え渡る。ラストシーン以外はカメラは一切、裁判所の外へは一歩も出ず、12人の陪審員、それぞれの人間性を緊張感たっぷりに描いており、観ていて物凄く引き込まれる。全くと言っていいほど非の内所のない見事なまでの完成度!その構成の見事さはそこらへんの下手くそなアクションものを観るよりもずっと充実した時間を味わうことが出来ます。[DVD(字幕)] 10点(2005-05-29 19:42:04)

9.  女王陛下のお気に入り 《ネタバレ》 怖い。女の怖さ全開の何だか昔の昼ドラでも見てる様なドロドロした内容に釘付けになる。とにかく3人の女優の演技が凄い。アン王女(オリヴィア・コールマン)に対する2人の女優レイチェル・ワイズとエマ・ストーンの仁義なき女同志の戦い、嫉妬から始まるドロドロした戦いに一瞬足りとも目が離せません。王室を舞台に繰り広げられる女同志、男が絡んで来ての凄まじく醜い人間関係、出てくる女も女なら男も男でロクな奴が居ません。それだけに女3人がお互いの感情を爆発させる瞬間の怖さ、エマ・ストーン演じる侍女アビゲイルがやって来る前はアン王女に気に入られていたサラ(レイチェル・ワイズ)が見せるアビゲイル(エマ・ストーン)への虐め、いたぶりの凄さ、凄いと言えばエマ・ストーンのあれだけ散々、蹴られたり、馬車から落とされようが、本を投げつけられようが自分は間違ってないんだとばかりの態度、演技も素晴らしい。女ならではの嫉妬、凄まじき演技合戦、とにかく圧倒させらた。プライドとプライド、意地と意地の戦い、果たしてアン王女にとってのお気に入りとは何なのか?どの様にして展開していくのか?先が気になって仕方ない。ラストのアン王女の表情、この映画は英国の王室の舞台裏、色んな意味で日本人には無い英国ならではのドラマとして圧倒的な面白さと下卑で有りながらも美しいセット、イギリスの街並みなども見ることができる。一見、お堅い映画の様でブラックな笑い、不気味な音楽などに単なる王室のドラマではない一級品のエンターテインメント映画だ。[映画館(字幕)] 9点(2019-02-15 18:16:01)

10.  じゃりン子チエ 《ネタバレ》 直ぐに切れる。怒ってばかりで、娘には呼び捨てで呼ばれるし、ろくに仕事もせず、博打きりしてるどうしようもない駄目な大人の代表の様なテツだけどそんなテツが大好きです。自分に正直に生きているし、思い切り駄目な男のアホ全開な所も全て愛しく思えてしまう。娘のチエが内緒で母親に会っていると知ってからの父親としての刹那さ、チエの事が好きで好きで堪らない態度、三人で仲良く遊園地に遊びに行く事となり、その遊んでる時のテツの嬉しそうな顔といい、この作品は人間の喜怒哀楽をとても解りやすく描いている所が大好きです。出てくる人物も個性的な人間きりで楽しめる。自分の大好きな猫が他の猫に金玉を1つ取られ、泣くお好み焼きの親父も大好きです。アントニオの息子の仕返しに手を出さずに耐えた小鉄のかっこ良さは人間並のかっこ良さである。猫だろうが人間と同じで義理と人情を大切にする描かれ方もこの映画の良いところです。大好きな男はつらいよの寅さんを思わせる四ッ谷赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水のシーンまで出てくるし、とにかくこの映画大好きです。[DVD(邦画)] 9点(2017-01-24 21:05:18)

11.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 いやあ、凄い!流石はワイルダー監督作品だ!社会に対する皮肉、新聞者の実体、人間のわがままぶりを見事に描いている。洞窟内で死んでいく男の女との終盤戦の攻防、女の首を絞めた後に刺され、それでも最後まで己の信念を貫き通して元の新聞社で倒れるカーク・ダグラスの演技の凄さ、ワイルダー監督、何を撮ってもどんなジャンルの映画を撮っても平均点以上の映画にしてしまうのが凄い。ワイルダー監督の作品の中にあって、知名度の少ない作品ではあるけど、今時の社会派の映画ではなかなか味わえない素晴らしい傑作![CS・衛星(字幕)] 9点(2016-11-27 20:19:31)(良:1票)

12.  少女ムシェット 《ネタバレ》 いやあ、こんな映画はまずはアメリカ映画じゃ敬遠されるだろうし、描かれないだろう。とにかく暗い。残酷。ひたすら暗い。少女ムシェットの表情からしても暗く、殆ど笑わないし、教室で先生に首を押さえつけられて無理矢理歌わされ、一人だけ涙を流し、他のクラスの女の子には笑われ、そんなクラスの子に対して泥を投げつけて命中しても笑う事などしない。その後、遊園地で遊ぶ時も笑わないし、それどころか涙を流し、悲しそうにしている。父親と母親との間でもやはり悲しい顔しか見せない。一人で雨の降る森で鳥の音に反応し、隠れている時に二人の大人たちと出会い、雨でびしょびしょの中で、学校を抜けて来たことを話す。ここでも同じく表情を変えない。この少女の姿にはもう、誰も信用できないといった人を信用できない悲しさを感じずにはいられない。映画のラストでも自らの手で死を選択する事しか出来ずに死んでいったムシェットの事を思うと悲しいというより切なくなり、この作品から人は何故、人生の終わりは苦しい結末を迎えるのだろう?と言ってる様な作品です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-09-24 19:09:08)

13.  シラノ・ド・ベルジュラック(1990) 《ネタバレ》 凄いぞ!かっこ良いぞ!ジェラール・ドパルデュー!このシラノのかっこ良さ、それは見た目じゃない。人間は見た目なんかよりも中身が肝心だとばかり言わんかのような凄みのある名演技にひたすら圧倒させられる。自分が見た目は醜くて女性にも優しくされたことなど一度もなかったというこの主人公、そんな男が愛する美しき女性に対する愛情表現の方法に手紙を用いる。しかも自分が愛している女性に対して同じく愛していながらも上手く態度で表せない別の男、しかもそいつは自分とは全く違うタイプの完全な二枚目である。そんな男の手助けの為に手紙を書いたり、男の後ろで見えないようにと愛の言葉を言おうとしたり、なんて奴なんだ。まるで寅さんみたいじゃないか!自分も同じく惚れているのにそれなのにこの男の姿は寅さんのように本当にどこまでもかっこ良い。手紙の秘密に関しても黙っていたなんて普通の男では出来まい。姿形なんかよりももっと人間には大切なものというものがある。そういう人間愛の素晴らしさを見事に描いた映画として忘れらない映画になりそうです。それにしてもフランス映画、フランス人の愛情表現の凄さというものはどの国の人種よりも上手い。そして、どこまでも優しい。この映画は映画に対しても勿論、良いもの撮るんだ。良いものを見せるんだという気持ちと人間に対して優しい気持ちが伝わってくる。改めてフランス映画の凄さと底力を見せ付けられた気がしてならない。[DVD(字幕)] 9点(2012-09-15 11:07:49)(良:2票)

14.  ジュリエットからの手紙 《ネタバレ》 これは思わぬ拾い物を観た。良いもの見せてもらった気がしてならない。どう考えたってお決まりの展開で先が読めるし、こうなるんだろうと思ったらその通りの結末を迎える。しかし、このお決まりの展開も全く気にならないほどこの映画の持つ雰囲気が私は好きで好きで仕方なく、映画って人を幸せにしてくれる。人が幸せな顔をしたり、笑ったりする。それを観てると観ているこっちまでが良い気持ちになってしまう。この映画は正しくそんな映画である。ジュリエットからの手紙とあるようにあの有名な話が下敷きに人生とは?幸せとは?クレアが書いた手紙、その手紙がもたらした幸せ、ソフィーの幸せもクレアが遠回りしながら掴んだように彼女もまた婚約者よりも後から出逢った男を選択する勇気、本当の意味での幸せを掴んだソフィーの笑顔、あのラストシーンでの抱き合う二人を祝福するかのようにやってくる大勢の人達、この映画は色んな人達が幸せになれる。映画という魔法、魔力、美しい映像美、美しい音楽と美しい心を持った人達による自分探しのロードムービーでもある。私が今日見て来た映画館にはどういう訳か男の人きりだったのが不思議である。男の私が観たってここまでこの映画を好きになれるのだ。女の人がこの映画を観れば間違いなく男よりももっと好きになれそうな映画なのに、こういう人が幸せになれるのを観ているだけで自分まで幸せになったような感覚にさられてまう映画が私は好きで仕方ない。あと、二週間ぐらしか上映してないらしいのでもう一度観に行けたら行きたいと思う。最後にこの映画のサントラが欲しい。欲しくて欲しくてたまらない。何故発売してなんだ? お願いだから発売してくれーーーー![映画館(字幕)] 9点(2011-08-13 22:12:36)(良:3票)

15.  シービスケット 《ネタバレ》 アメリカンドリームという言葉をこの映画からも感じることが出来る。けして、恵まれた形で産まれてきたわけではない1頭の馬、小さな馬がその小さな身体を物ともせずに頑張って走る姿に、小さなものでも大きなものに勝てるんだということを教えてくれているような気がする。何度も挫折を味わいながらも復活を成し遂げるというのは正にアメリカンドリーム的な映画であり、それはシービスケット同様に騎手のレッドも同じである。骨折からの見事なまでの復活!馬を管理する者、乗る者、その他馬に関わってる人達の全てのドラマとしての夢と希望に満ち溢れた映画として大いに評価したい。単なる競馬の映画ではない。色んなものがこの映画を通して観る者に訴えている素晴らしい映画です。競馬ファンは勿論、そうでない人にも是非、見て欲しい映画です。[DVD(字幕)] 9点(2011-02-11 17:40:05)(良:2票)

16.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 ワイルダーは何を撮っても、どんなジャンルでも傑作にしてしまう上手さには毎度ながら感心させられる。冒頭で主人公の保険会社で働く一人の男が肩を銃で撃たれ、血を流し只ならぬ様子でいる所を映し出し、そして、この男の語りから始まるというこの時点で完全に物語りは悲劇的な結末を迎えることを予感させ、暗示させることにより、この物語がどのようにしてして、悲惨な結末を迎えることになるのか?という興味を植え付けます。深夜の町並み、静かな夜の街を走り抜ける車、何かあるのでは?というようなこの冒頭とラストの男同士のそれも同じ会社の上司と部下という二人の表情と何も言わなくても伝わる男と男のやりとりが素晴らしい。保険会社の勧誘員に対して女の色気でどんどんと悪の道へと引きずり込んでいく悪女という設定を生かした演出の上手さ、犯人が被害者に成り済まして列車に乗り込むシーンで予想もしていないような出来事、邪魔が入るシーンや犯罪を計画通り実行した後の車のエンジンがなかなかかからかったり、上司と部下二人の会話の場面でドアの後ろで隠れている悪女バーバラ・スタンウイックの怖さ、単なるサスペンス映画とは一味も二味も違うサスペンス映画の中にも大人の男と女の悲しい恋愛もの的な要素を取り入れたりと、とにかく一瞬足りとも眼が離せません。それにしてもこの映画はやはりバーバラ・スタンウィックの悪女の存在無くしてここまでの作品にはなっていない筈です。男の弱い部分を全て知り尽くしているような恐ろしき女の象徴のようなフィリスの前には男は成すすべ無し![DVD(字幕)] 9点(2009-12-28 22:09:37)

17.  情婦マノン 《ネタバレ》 これは恐ろしい。一見、男と女のメロドラマのような雰囲気、ラブストーリーというような感じで見せておきながらじわりじわりと二人の男女の裏に隠された何か見てはいけなかったような恐ろしいものを見てしまったようで本当に恐ろしくて、メロドラマを見ていると同時に惨酷な運命へと突き進む恐ろしいサスペンスものを見ている感覚に襲われた。クルーゾー監督らしい人間描写、追い詰めていく緊張感、そして、圧巻なのはやはりあのラストシーン!射殺された青年を逆さまに担ぎながら砂漠を歩いていくマノンの姿がとにかく怖い。怖い。これほど惨酷で恐ろしい恋愛ものなど私は初めて見たかもしれない。これはラブストーリーではあるけれど、ラブストーリーの形を借りた何とも恐ろしくも哀しいサスペンスドラマの傑作だ![DVD(字幕)] 9点(2009-01-14 21:56:24)

18.  驟雨 《ネタバレ》 やったあ!これもまたまた観ることが出来た。成瀬作品と溝口作品なら以前、CSで放送した際に全てビデオに録画してあるという親戚に借してもらって、今朝、早くから観たけど、いやあ、笑える。笑える。これも見たいのに、近所のレンタル屋にはない。何故だ?そんなことよりもまずは原節子が上手い。しかも、思い切り笑わせてくれる。姪の香川京子が汽車の中で夫に日本地図を無理やり書かされ、折角書いたのに夫には「キュウリか?」と馬鹿にされたと言われ、それを聞いていた原節子が今にも噴出しそうなのを堪えながら「酷いこと言うわね」ていうシーンがやたら可笑しくて笑い過ぎて涙出てきた。参った。参った。原節子には本当に参った。他にもこの映画でも同じ成瀬監督の「おかあさん」同様、香川京子が可愛い。夫の口調を真似する所のあの可愛さときたら忘れらなくなりそうです。そのぐらい本当に可愛い。二人の女優の演技を見ているだけでもやたら笑えて、清々しい気持ちになれる。その他では男優陣に眼を向けると小林桂樹が抜群に良い味を出している。相変わらずひょうひょうしていて見ていて楽しい。作品全体を包み込む何ともユーモラスな会話とやりとりにまたまた成瀬巳喜男監督にやられた。あぁぁぁ、これもDVDで欲しい。とにかく楽しくて楽しくて、あっという間に終わってしまった気がする。[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-01 10:12:19)(良:1票)

19.  しゃべれども しゃべれども 《ネタバレ》 おう!これはほんまに良いもん観させてもらいました。本当に心からそう思う。最近の日本映画の多くはアメリカの真似して安易な大作志向に走ってみたり、テレビドラマの映画化だの、漫画の実写だのと、そんなものばかり目立ち、腹が立つことのが多いが、そんな中でこの映画、いかにも日本的、古き良き昔の日本映画には多く見られた日常的な風情と人々による優しい一面、それでいて、厳しい現実と立ち向かいながらも生きようとしている人達の葛藤というものが上手く描かれていて素晴らしい。落語という日本ならではのテーマを上手い具合に生かしている。下町の風景の素晴らしいこと。素晴らしいこと。そんな素晴らしい風景の中でどの人物にしても悩みを持ちながら必死に戦っていて応援せずにはいられない。国分太一演じる落語家としては完全に二流としての駄目ぷり、師匠の伊東四郎にお前は駄目だと言われてもけして落語を捨てようとしない姿とまたそんな自分に弟子入りしてくる三人とのドラマがこれまた良い。中でも熱狂的阪神ファンの少年がこれまた素晴らしく、この少年の演技を見ているだけでも大いに楽しめる。他にも八千草薫のお婆ちゃん、これまた日本の良きお婆ちゃんて感じでとにかく出てくる人物、みんなが気持ちの良い雰囲気にしてくれる。色んな登場人物による人間の感情、その全てが見事にぶつかりあっていてこれぞ私の求めている映画なんだ!不器用だけど必死になって生きている人達はやはり好きだし、応援せずにはいられない。何か見ていて私の大好きな川島雄三監督の描く世界にどこか共通している気がして、とにかくこんな気持ちの良い映画は最近ではなかった。[映画館(邦画)] 9点(2007-06-02 13:12:18)(良:1票)

20.  次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊 《ネタバレ》 シリーズ最初から一気にここまで見てきて、感じたことはこのシリーズの一番の活躍、私なりに考えるとMVPは石ではないかと思うわけで、そんな石のことを思って、マキノ監督が石を主役に石のために描いたのがこの作品です。石こと石松演じる森繁久彌の素晴らしい演技、眼の演技、身体全体から伝わってくる熱いもの、シリーズの中で第六作目と並ぶある種、特別な意味合いを持つべき作品だと観ていて感じたこの作品、私はこれがシリーズ最高傑作だと言われる意味が何となく解った気がします。夕顔という名の美しき女性に誘惑されて、おどおどしている石を見ているだけでもなんて楽しいことか!そして、最後のシーンでの決闘シーンで見せる石の全てがここにあり!といった終わり方、「おらあ、死ねねえんだよ~」と叫ぶあの石の表情、マキノ監督が石という人間が最も好きなんだろうなあ!(私も石が一番好きです。男達の中では)ということが解った。[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-05-07 10:26:14)(良:1票)

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