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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 上意討ち 拝領妻始末 《ネタバレ》 とても内容のある映画でした。三船敏郎が演じる笹原伊三郎は剣の腕は立つけれど、養子身分の宮仕え。その伊三郎の息子の嫁にと、藩の上層部が藩主の側女を押し付けてきます。詳しくは映画を観て欲しいが、この嫁を巡るゴタゴタは藩側の強引な都合で二転三転し、最終的に伊三郎親子は藩に反旗を翻す。それはまるで、一国対親子の戦争といった様相でした。この行動は他者から見れば「キレる」という形容になります。でも、決して馬鹿ギレした訳ではないことが映画を観ている人には良く分かる。表面的には、藩側が理不尽な権力を濫用し、伊三郎親子は我慢に我慢を重ねた結果なのだが、伊三郎の背景に仕官先や家庭で長年積もったストレスがあったことは見逃せない。さらに、伊三郎は息子夫婦の絆を命を懸けても守る価値があると判断した。これは、謀反を起こす大義を得たということだ。大義とは清廉な動機です。それを得た伊三郎の剣は正義の剣であり、彼は三船敏郎らしい(笑)期待通りの剣客ぶりを発揮しました。さらに脚本的に特筆したいのは、息子の嫁の描き方です。彼女の毅然とした姿勢がテレビなどで見慣れた時代劇とは違う文法で描かれており、いい意味で予想を裏切られた。刀こそ帯びていないけれど、彼女も立派なサムライでした。伊三郎が抱えていたストレスは、現代人のそれと変わりません。サラリーマンの多くは、伊三郎のようにキレても良い大義を求めているんじゃないかな…。ホントにキレるかどうかは別の話だけど、自分には伊三郎がサラリーマン代表のように思えて心から応援しました。タイトルからは気難しい印象を覚えるけれど、とても観やすく解り易い映画です。これはもの凄くオススメです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-28 02:29:38) 2. 新選組(1969) 《ネタバレ》 新選組の物語を2時間に収めるために、枝葉をズバズバと削ぎ落としてエッセンスだけを残した作品ですが、とても良くまとまっています。エピソードが矢継ぎ早に繋がって行くけれど、最低限の台詞で隊士の個性や人間関係、当時の世情を表そうとしている努力を感じました。そういう意味では、新選組に対して予備知識がある人の方が、端折り方の意図まで吟味できて楽しめる作品になっています。近藤を演じる三船敏郎は流石の存在感で、骨太で実直な人柄が良く出ています。三國連太郎の芹沢鴨は、過去のどの役者より自分の芹沢像に近くで感動モノ。土方の組織論の描写が薄くて、ただの残忍な男に見えてしまうのが惜しかった。このスタッフ・キャストで3部作くらいの構えで製作して欲しかったですね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-11-14 13:37:39) 3. ジャコ萬と鉄(1964) 《ネタバレ》 面白かったです。重厚に収まっている高倉健を見慣れた目に、溌剌と軽口を叩く彼がとても新鮮に映ります。その高倉健とは対照的に重々しい丹波哲郎。二人がタイプの違う存在感をぶつけ合い、上手く昇華されている感じです。高倉健は南方から復員した元兵隊さんで、従軍時代に覚えたと言って披露する「土人の踊り」がケッサクです。きっとご本人は踊りたくなかったでしょう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-10-31 21:47:06) 4. 女王陛下の007 この一作だけに登場し、降板したジョージ・レーゼンビー。役者としての存在感はショーン・コネリーに比べてグッと落ちる気がするのだが、ジェームズ・ボンドというキャラクターの中味を感じさせてくれる作品ではあった。主人公の内面を描くという意味では、普通の映画である。よくよく考えると、事件が起こるたびに関係する女性を片っ端からモノにするボンドという奴はとんでもない下半身偏重人間で、国家の仕事に就いていなければただのスケコマシ。今作のように、一人の女性と正面から向き合う姿勢にこそ人物としての共感は生まれるし、それは作品の完成度に跳ね返ってくるものの筈なんだけど、そんなキャラではシリーズとして長続きしないというのも事実だろう。次の作品でショーン・コネリーが復帰したことも含めて、今作は「番外編」という印象で、自分の中では何人もの俳優が受け継いでいるボンドの流れに組み入れて捉らえられない。ちなみに、ダニエル・クレイグのボンドは、今作のような湿っぽい部分を持ったボンド像をシリーズキャラクターへ取り込む試みだと思います。[地上波(吹替)] 6点(2010-04-18 01:18:19)(良:1票) 5. 潮騒(1964) 40年以上前の作品で、その時代性と漁村の地域性が色濃くでている映画だった。今となっては使い古されたエピソードの連続だけど、その当時は新しかったのだろう。今作を観た当時は、吉永小百合の映画は「キューポラ」についで2作目だった。その「キューポラ」と合わせて、真っすぐで健康的なキャラクターで売っているんだなぁと認識した記憶がある。[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-09-27 22:36:06) 6. 死霊の盆踊り 《ネタバレ》 契約しているネットTVの洋画タイトル欄に本作を見つけたときは、ちょっと興奮したのでした。ついに、ついに見ることが出来るぞ、と。しかも見放題だぁ。(鑑賞後はもう一度観ようとは思いませんでしたがw) おっぱいを揺らして踊る。揺れるくらい立派なおっぱいばかり。そして、語れるような内容は皆無。でも不思議と腹が立ったりはしませんでした。あまりに内容が無いからなのでしょう。 私の映画評は辛口が多いと自分でも思うのですが、低い点数を付ける映画は内容が無いと云うより、内容に腹を立てていることが多いのだと改めて気付かされました。 おっぱいを揺らして踊るだけの映画。こんな平和な映画は滅多にありませんな。中年男が腹を揺らして踊るだけなら間違い無く0点を付けました。[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-08 19:40:02)(笑:2票) (良:1票) 《改行有》 7. シャレード(1963) 《ネタバレ》 あれだけ殺人が起こったら、フランスの警察も黙っているはずがなく、捜査が始まった途端にケイリー・グラントやウォルター・マッソーの素性はバレたはずです。でも、そんなことはさして気にならずに観ていられるのはヘプバーンが可愛いからだ。基本的にはへプバーンを楽しむためのアイドル映画ということですね。でも、そう割り切るのなら、もう少し感情移入しやすいキャラにして欲しかったかな…。当時としては進歩的な女性という見せ方だったと思うが、人がたくさん死んでいる時にケイリー・グラントを誘惑するような素振りを見せるヘプバーンに少し違和感を覚えます。それにしても、コバーン、マッソー、ケネディはそれぞれ主役を張れる役者さんだけあって、みなさん怪しさ全開。彼らの存在感くらべ、という楽しみ方もあると思います。[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-10-17 13:32:09) 8. シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 名作と誉れ高い今作。今頃になって初めて観たんだけど、ビックリしました。愛を誓った男が兵役でいなくなり、お腹にその男の子供までいるというのに、わずか数ヶ月で他の男と結婚してしまう。音信が途絶えて2年・3年待ったというのなら納得しなくも無い。でも、手紙も届いているし男は愛情を失くしていない。フランス人の恋愛観はあれを許容できるのか? カラフルな色彩感やメロディーにあわせて全台詞を発する試みも、私にはジュヌヴィエーヴの変心で黒く塗りつぶされました。誰が見ても自分勝手な10代女性の安直な選択でしょう。数年後の再会シーンで悲劇を演出しているのも鼻に付きました。こちらでは軒並み高評価ですが、みなさんあの展開に納得しているのでしょうか? それともストーリーは気にしなくても良い映画なのか? 私はかなり腹立たしかったです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-02-09 03:20:18)(笑:1票) (良:1票)
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