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1. シン・ゴジラ
クリストファー・ノーランがバットマンシリーズに全く新しい光を当てたように、ゴジラというコンテンツに全く新しい光を当てた、ということが庵野秀明の一番の功績であるように思います。
僕がこの映画を見終わっての第一の感想は、
「ボクが映画館で観たかったのは、作家が命を削ったこういう創作作品なのだ!」 ということ。
黒澤明、宮崎駿のように、「作家性」を持ったそれらの後を継ぐ「映画作家」であることを庵野秀明は証明して見せたことは日本映画にとって素晴らしいことです。 こういう作品を安野さんには作り続けて欲しい。
私見ですが、安野さんは、今後ぬかるみに足を取られたように見えるシリーズものをすっぱり足を洗い、こういった新しい創作を始められた方がいいのではないでしょうか? 創作者の人生(旬な期間)は、長いようで短いです。
近年はやりの「○○制作委員会」方式にせず、東宝が庵野に全面的に任せたことも素晴らしい英断だと思います。 東宝という会社は「やるときはやる」、「腹をくくるときは腹をくくる」ということがよく分かりました。
この映画は海外の人に見てもらっても恥ずかしくない水準の高い映画だと思うけれど、石原ひとみさんの役は、外国人の方がよかったかも・・・。(笑)
それも含めて庵野作品のテイストを感じますが・・。
とにかく、面白く感じようが、面白くなかろうが、「見応え」という意味では、この映画は近来まれに見る「見応え」を提供してくれます。 それは商業ベースの日本の娯楽映画では希有のことのように思います。[映画館(邦画)] 10点(2016-08-29 11:37:26)(良:4票) 《改行有》
2. ジュラシック・ワールド
『ジュラシック・パーク』も劇場で見て、スクリーンを動き回る恐竜のリアルさに度肝を抜かれ、恐竜に追われるハラハラドキドキに映画のすばらしさを感じたものです。
あれから20年! この映画を見て何に驚いたかというと、もう自分が、スクリーンで何が起ころうとも驚かなくなってしまっていた事でした。映画の中で恐竜が動き回り、車や人を襲ったりする場面をぼくらはもう当たり前のように受け入れています。20年前のように、それだけでは驚いたり感動したりできないのです。そのことに、20年の歳月を感じました。
どんどん不感症になっていく観客をどのように喜ばせるのか?映画は難しい時代になったのかもしれません。
で、『ジュラシック・ワールド』 ストーリー展開に目新しさがあったかというと、・・・。よく言えばオマージュに満ちている、悪く言えば既知感半端ない、・・ストーリー展開。 登場人物達が最初に出てきた場面から、「この人は生き残る」「この人は食べられる」が分かってしまう、「安心してみてられる」お話しでした。
きっと、映画としての水準は低くない作品なんです。 特殊効果も、ストーリーも俳優も・・それでも、やはり『ジュラシック・パーク』の劣化版という感じがしてしまうのです。
主役のクリス・プラットはスクリーン映えのする良い俳優です。これからも注目です。
[映画館(吹替)] 6点(2015-08-11 08:02:56)(良:1票) 《改行有》
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