みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. スパイシー・ラブスープ 10代から50代までの各世代ごとに繰り広げられる、いずれも恋愛や結婚生活をめぐる5つの物語。とにかく、各世代ごとの女優はすべて超がつくべっぴんさん揃いだし、男優だってイヤんなるくらい男前ばかりです。そんな彼らが、別にトーキョーやニューヨーク、パリであってもまったく違和感がないような、まるでアーウィン・ショーの短編集みたく「都会的センス」のなか、ささやかな人生の機微を、その喜怒哀楽を、さらりと演じていく。…な~んだ、ひと頃の日本の「トレンディ・ドラマ(死語)」みたいなものじゃん。だって? うん、まあその通り。確かにこれは、「現代的」な、あまりに「現代的」な映画なんだから。 ただこれまでの中国映画が、どんなにこの現代の世相を描こうとも結局「国家」や「歴史」という“大きな〈物語〉”を語っているののに対して、この作品はあくまで現代(いま)を生きる「小市民」という“小さな〈現実〉”をスケッチしていく。それは、あらゆる意味でこれまでの中国映画のイメージを覆すものじゃないか。つまり、ただ「現代的センス」だけで何ひとつ〈メッセージ〉を発しないというだけで、これは中国映画として逆説的な「ラディカルさ」を獲得しているんじゃあるまいか。徹底して非ー政治的だからこそ、逆説的に極めて「政治的」なフィルムと言うか… 第1話の、同級生の少女の「声」に恋をした高校生のせつない初恋物語から、偶然出会った男女のすれ違う愛のゆくえを、ふたりのナレーションだけで綴ったマルグリット・デュラス(!)風の第5話まで、そこにはパーソナルな「個人」の内面だけが語られている。もはや「国家」も「歴史」も介入できない、「私だけの物語」を語ろうとするのだ。それも、ビックリするほど洗練されたタッチ(と美男美女のキャスト)で。 だから、10歳の男の子が流す涙のせつなさも、まもなく老境を迎えようとする婦人の慎ましやかな幸福も、彼ら彼女らのあくまで「個人的」なドラマであるからこそ、それらはヴィヴィッドにぼくたちの胸を打つ。「これは“ぼく”の物語だ」「あれは“わたし”自身よ」と、見る者ひとりひとりがそこに自分自身のドラマを見いだすのだ。 そう、これはささやかだけれど、人生そのもののように美しい映画だ。9点(2004-08-24 14:19:28)(良:3票) 《改行有》 2. 推定無罪 う~ん、やっぱグレタ・スカッキでしょ! 美しくて有能で、おまけに色情狂、法廷関係者(何と判事まで!)の男どもと片っ端からやっちゃってましたなんて、オレだけのつもりだったハリソン・フォード扮する主人公の心情たるや…。映画としちゃ、パッとしない出来映えであることは確かなんだけど、大人の男と女のトホホな機微を突いた教訓劇(?)として、まあ楽しめなくもない。6点(2003-08-27 14:39:46) 3. スピード2 『スピード』の続編として見たなら、確かにバツ。でも、要はキートンのスラプスティック喜劇を、今日において大掛かりに再現したかった…という無謀な、しかしその時代錯誤が感動的でもあるヤン・デ・ボンのチャレンジ精神には、やっぱり敬意を表したい。すみません、小生、実は1作目よりもこちらの方が好みなんです。6点(2003-05-26 17:02:30) 4. 素肌の涙 映画の出来ウンヌンを言う前に、なぜティム・ロスがこんな題材を初監督作品に選んだのか…という根本的なところで疑問をもってしまった。家族の崩壊劇が、どんな救済にもより深い絶望にも向かうことなく、ただ「父親殺し」というエディプス的カタルシスをもって終わるあたり、やるせないまま観客を放り出すだけで最後までケツを拭っていない。その不徹底さゆえ、ぼくはこの作品に対して断固”否!”を突き付けたい。ただモンダイ作を作って、自分のステイタスに箔(!)をつけたかっただけじゃないか…とは言い過ぎにしても…。2点(2003-05-26 16:50:22) 5. ストーリー・オブ・ラブ 結婚している者には、ある胸の痛みをともなわずには見られない作品でありましょう。『恋人たちの予感』のその後、といったロブ・ライナ-監督の極私的映画。アメリカじゃ不評だったというけど、ウディ・アレンの自己弁護映画なんぞよりよっぽど誠実な作品だと思うぞ。9点(2003-05-26 16:18:49) 6. スチュアート・リトル 脚本にあった白人社会階層(WASP)への愛憎こもごもな偶意性を、監督が者の見事に漂白化。その政治的(?)駆け引きが透けて見えるあたりこそ、本作の妙味ですな。現代ニューヨークを舞台にしていながら黒人がほとんど出てこないとか、あの模型の船の船名(スズメバチを英語にすると…)とか、スチュアートがなぜ白いハツカネズミでなければならないとか…。ファミリー映画としちゃ申し分のない出来映えである一方、深読みしようとすればどこまでも意味深な、このあたりさすがM・ナイト・シャマランが関わっているだけのことはありますね。もっとも、パート2では脚本にブルース・ジョエル・ルービンを持ってくるなど、製作側が狙っているフシもありそうだけど…。7点(2003-05-26 16:09:27) 7. スターゲイト う~ん、確かに語り口の古臭さは認めるけど、逆にそれが魅力だってことないですか? CGだらけでスラッシュメタル風(?)めまぐるしいカット割りのジェットコースターみたいな映像ばかり見せられると、もうこんな愚直なまでにオーソドックスなテンポにゃ、退屈しか感じないんでせうか…。子供を亡くしたカート・ラッセルの軍人が、異世界の子供たちと心通わすあたりの展開は、定石ならではの良さがあったな。嫌味なヤッピー専門(?)役者ジェームズ・スペイダーをトッポい“善人”にしてみせたあのキャラも、ほんと好ましかったな。クライマックスの砂漠での戦闘シーンで、『アラビアのロレンス』など往年のスペクタクル映画への愛着を感じさせるエキストラの数もうれしかったな。…「トンデモ映画」の“迷”匠扱いされようと、俺だけは愛してるぜ、エメリッヒ!10点(2003-05-26 15:40:22)(良:1票) 8. スクリーマーズ 我が心のジェニファー・ルービン様が出ているだけで、もう文句なし! 珍しくハダカの場面がない(背中だけは見せてくれるものの…)けれど、いつもは悪女役ばかりのルービンがまっとう(?)な役柄で出演しているのも新鮮だったです。映画としても、こういうB級作品でありながらP・K・ディック原作ということでダン・オバノン御大がしゃしゃり出てきたりと、かなり贅沢なスタッフ陣がなかなか。どうぞぜひビデオあたりでご覧になって、ル-ビン様にハマる御仁がひとりでも増えますように。7点(2003-05-26 15:25:09)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS