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1. スター・トレック(1979)
《ネタバレ》 劇場で見た時の合成のマスクズレが、画面が小さいので目立たなかったのは幸いだった。あとは、合成の色味というか環境光の色温度的なものが合っていないところが多くて、画面的につらいのは、古い特撮なのでしょうがないか。
でも、話の内容的には「うん、これこそSF」という感じで、何かというと敵と戦って勝利する、という戦闘映画=セントウフィクションではないサイエンスフィクションになっていると思う。
まあ、最後人間と一体になるとか、細かいところ分かりにくかったりする部分もあるが、その辺はノリ。その後ヴィジャーはどうなったのかとか、彼の持ってきた膨大なデータは受け取れなかったのかとか、疑問は残る。それと、自分を作った創造者が自分より劣った(と思っていると思う)炭素体ユニットだったと知った時に、この知能はどう思ったのだろう?
そういえば、物質転送とかワープ航法とかの世界にこんなことを言うのは何だが、機械が知能を獲得するという話は、公開時より現実味を帯びてきた昨今、より身近に信じられるようになったのは軽い驚き。
【2018.5.2 追記】
最近までTVシリーズを見ずに映画だけを見てレビューを書いた。今回「カーンの逆襲」を見る前に、TVシリーズを見てみようととTOSのブルーレイを購入・視聴してみた。まだ数話しか見ていないのだが驚いたことがある。光の速度を超える、やたら強いこの宇宙船は、どうやら惑星に降りることが出来ないらしい。地面に降りても「ゴロン」となっちゃうのかな?なるほど、宇宙のドックからこの船の描写が始まるのも頷ける。その他にもこの宇宙船はTV画面の中では、縦横無尽には動かない。数種類の決まりきった角度の動きが見られるだけだ。出発のシーンの、巨大な船をなめるように色んな細部を見せるシーンで、旧作のファンはさぞ嬉しかったに違いない。エンタープライズもTV版のようなプラモっぽさがなく重厚でよい。
物語的には、シーズン2の「超小型宇宙船ノーマッドの謎」に酷似している。先述した通り自分より劣ったユニットに作られた自分に対する、言わばイジメのようにノーマッドを駆逐したTV版よりも、創造主との合体で進化を望む本作は、なんだか非論理だが感動的で好きだ。
また、今作あたりまでギリでウフーラが美人。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-05-02 12:45:02)(良:1票) 《改行有》
2. スーパーマン(1978)
《ネタバレ》 腑に落ちない点は2点。なぜ、クリプトン星のかけらが彼を弱らせるのか?例えば、我々地球人が地球のかけらで弱っていたら、生存できない。それと、時間が戻る仕組み。断層の修復で沈んだ地面が元に戻るのは、最大限のやさしさで受け入れるとしても、時間を戻すなんてのを許容したら、もう何でもアリだ。最近、地球の公転を知らないアメリカ人は、人口の約四分の一いるなんてニュースがあったが、さもありなんである。
「マン・オブ・スチール」との比較になってしまうが、それでもこちらのスーパーマンは、戦うというよりは人を守るというスタンス、悪人であっても殺したりしないという所が良い。これこそ正義の味方、ヒーローと呼ばれるキャラクターである。[DVD(字幕)] 5点(2014-02-24 16:25:26)《改行有》
3. 砂の器
《ネタバレ》 省略するところはすっきり省略し、何度もTVドラマ化されて描かれているような、刑事側のつまらん事情やドラマを廃して、映画の四分の一を占める、最後の捜査会議=「宿命」発表会=親子の旅物語に、すべてを賭けたようなすごい構成と演出。これの後に作られた多くのTVドラマ版は、この演出の呪縛から逃れるのが一苦労だ。
この「宿命」を聴いただけで、もう半ば条件反射的に泣いてしまう。それは、この音楽と一体になっている、千代吉と秀夫の苦難の旅と、親子の情愛を思い浮かべるからだ。この、親子の旅と音楽を、見る者の心の中に、一体として刷り込んだ演出方法は、見事というしかない。そして、また今西が言うように、この曲は彼が父親に会う唯一の方法なのだ、という事を自然に観る者に感じさせる演出。
正直、これだけでハンセン氏病をテーマとして描ききれているとは思わない。しかし、物語の本質は、病気周りの問題ではなく、親子の情愛である。殊に加藤嘉さんの、我が子の写真を前にしてなお、それを否定する部分には、涙を禁じ得ない。だからこそ、(原作遺族の意向とはいえ)病気事情を変更してでも、何度もドラマ化されるのだろう。まあ、この映画版の、この演出を超えるものは、まだお目にかかっていないが。
[DVD(邦画)] 9点(2011-09-19 06:27:55)(良:1票) 《改行有》
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