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1. ストーカー(1979)
《ネタバレ》 素晴らしい!
光、影、霧、ロシア人の顔のアップ、哲学的な台詞そして、とりわけ、水の描写。
映像詩人タルコフスキーの傑作である。
(実際、昔、ロシアあたりに隕石、落ちたよね?有名な話だと思うけど・・)
ゾーンは、悟りを開いた者のたどりつける場所のようだ。
こういうテーマで描くって、作家の野心の極みだよね。
そういう映画が、民主主義の映画から出てこないで、ロシアから出てきたのが、興味深い!
あの超名作「2001年」より言ってることが明確であるし、思わせぶりじゃない。
唸るのは、哀しい現実を歌った弟がゾーンに殺され、探しに行った兄が
弟の死を知り、絶望の変わりに、お金持ちになり、自殺してること。
寒いロシアでは、物質文明の楽しみより、人生についてグダグダ語って、酔い潰れちゃう文化なんだろうね。
「崇高な思い」を持って、欲にまみれず、生き抜いたが、死ぬ前にこれで良かったのか、とか言ってるような映画。
深い![DVD(字幕)] 10点(2023-11-23 23:00:36)《改行有》
2. スローターハウス5
《ネタバレ》 ジョージロイヒルは男の世界を描くのが得意だが、
そこにどう女性を介在させるか、ヒルの悩みが如実に表れた一本。
ジョンアービング原作の「ガープの世界」でも彼の混乱ぶりがうかがわれる。
結局、この中身のないSFは、ヒルの混乱の告白の始まりみたいな映画になってしまった。[ビデオ(字幕)] 6点(2019-08-14 01:50:21)《改行有》
3. ストリートファイター(1975)
《ネタバレ》 しびれる映画の職人ウォルターヒルの初監督作。
ブロンソンがとにかくカッコいい!
後々の傑作の予感を十分感じさせる一品。
ヒルの作品は、「男」論である。
そして、そこに用いられる状況が喧嘩だ。
女のために闘うというものではない。
ただ己で居たいために、喧嘩する。
そんな映画たちの記念すべき作品である。
それにしても男くささには、ハーモニカがよく似合う。[DVD(字幕)] 8点(2019-03-20 11:10:44)《改行有》
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