|
41. スターダスト・メモリー
正直言って、この映画の良さを自分が理解するのは難しい。
感傷的なストーリーをわざと直球で描かずに、暴投気味の変化球でストライクを狙ったように見えるし、そもそもストライクを狙っていないのかもしれない。
「マンハッタン」で甘い感じの映画を創っているので、同じような映画は取りたくないのかもしれないが、人生に成功したかに思われる映画監督が、自分の人生の意味に苦悩し、最後に一つの結論…ドリーと過ごした春の一日、音楽とそよ風を思い出すというシンプルなストーリーにした方が共感は得られやすいと感じる。
しかし面白いシーンはいくつかあった。
「81/2」は見ていないので、あまり語るべきではないのかもしれないが冒頭の電車のシーンは実に皮肉的で面白い。
人生を楽しんでいる陽気な人達が乗る列車とみじめな人生を送った陰気な人達が乗る列車。
サンディは陽気な人達がいる列車に乗りたいと願うも走り出した列車を止めることは出来ず、その願いは叶わない。
到着駅はゴミ捨て場であるが、とぼとぼと歩いていくと、向かい側から陽気な人達が乗る列車に乗った乗客に出会う。
この絶望的な人生観は見事としか言いようがない。
また、壁紙を使って、その時の深層を表現するというのも斬新な手法だろう。
この映画は自分には、アレンのあらゆるものからの決別の一種の決意のようにも感じる。
あらゆるものとは、大衆やファンであったり、商業的なものであったり、自分の映画への評価や研究、偽善的と言っては言い過ぎかもしれないが寄付等への決別。
「過度の現実を好まない」大衆に対して、自分は現実を描くというアレンの一種の決意なのではないかという気もする。
もっともアレンはこの映画の中のサンディと自分とは全く別の違う人間と言っているが、「コメディ」云々の話からどう考えても重ねて見てしまうだろう。
その狙いがないとすれば、サンディ役は別の俳優をキャスティングすべきであった。
アレンとサンディを重ねることによって、この映画の真意を探るための弊害になっている気がする。
また、映画の中に更に映画を入れるということが果たして良かったのかどうか疑問に感じる。
特にこの映画のように境界線が不明瞭であるとするとテーマや感じ方も不明瞭になってしまう気がする。4点(2005-03-20 21:40:07)(良:1票) 《改行有》
42. スリーパー
巨大プリンとの格闘とか、欲望という名の電車や、名犬ラッグスとかそういう馬鹿馬鹿しいのは好きなんだが、あとは笑いがちょっとズレているのは30年前の作品だからしょうがないかな。
特にミスコンやカガミネタや懲りない爆弾班がイマイチかなと感じる。
しかしメガネを付けながら200年も寝ていたのとメガネをかけているロボットにはだいぶ笑えた。
手術シーンもそれほど面白くはないのだが、ウディとダイアンのやり取りはやはり絶妙で息がピッタリと感じる。
SFなのだが、科学や政治なんかをだいぶ皮肉っている面があると感じる。
そして信じられるのはセックスと死というのもウディらしいな。4点(2005-01-16 04:28:06)《改行有》
43. スーパーマンIII/電子の要塞
《ネタバレ》 回を重ねるごとにどんどん詰まらなくなっていくこのシリーズ。80年代にも関わらず、このクオリティとストーリーのメチャクチャさはひど過ぎやしないか。Ⅰ・Ⅱでは上手く処理していたワイヤーも本作ではあからさまに見せているのもなんとかして欲しかった。
ストーリーとしては、自分の中の悪意が知らぬ間に増幅され、悪意に支配されるというのはヒーロー物にありがちで面白い展開なんだけど、もう少し前フリや、その解決方法に工夫が必要だろう。例えば、なんでもかんでも人類がスーパーマンに頼りきりになり自分たちのチカラで物事を解決しなくなったり、少しでも救助に遅れ被害が拡大したりしたら、全てスーパーマンの責任にするといった人間特有の利己的で自己中心的な部分にスーパーマンが少し辟易するような場面を描くと、いい前フリなるのではないか。
また、善のスーパーマンと悪のスーパーマンがいきなり二つに分かれて殴りあうというのは、なかなかお目にかかれないシュールな展開なんだけど、普通に戦って勝つというのは脚本としては最低だ。例えば、人類のスーパーマンへの過度な期待がスーパーマンに悪意が芽生え、クリプトナイトでそれが増幅される。そして悪意に支配されたスーパーマンは悪事に手を染めていき、人類から一旦見離されるが、自分の中の善意がまだ心の中に残っており分裂し、善のスーパーマンと悪のスーパーマンが公衆の面前で決闘する。公衆の面前ということが重要だろう。善のスーパーマンはやはりパワー不足で、悪のスーパーマンに敗れそうになるけれども、スーパーマンが人類へ対してしてきた行為への感謝の気持ちを思い出し、人類が悪のスーパーマンへ攻撃しようとする。人々からの支援や期待を受けて、悪のスーパーマンを打ち破るという方がより展開が引き締まり、悪意の芽生えとヒーローの重要性という前フリともリンクしてくると思う。そうしないと数々の悪事は帳消しにはならないだろう。
さらに、少々不可解だったのは、コンピューター使いの黒人が、せっかくスーパーマンの世話してくれた就職口を断るところ。いったいどういうつもりなのかを考えてみたけど、そろそろ自分のチカラで就職口を探してみたかったか、それとももうコンピューター関係の仕事はしたくないかのどちらかかと思うけど、ちょっと分かりづらい。どうせならスーパーマンがいるときに断れば少し意図が明確になったんだけど。[DVD(字幕)] 3点(2006-07-31 23:51:50)《改行有》
44. スチームボーイ STEAM BOY
《ネタバレ》 科学は使い方によっては、人々に幸福を与える善にもなるし、全てを破壊する悪にもなる。
全ては使う人の心の持ち方にかかっている。
それでも人間の文化の進歩は科学によるものであるし、未来に光を与えるのは科学のチカラだと、まあ言いたいことは分かるけど。
ストーリーは全く面白くありません。
スカーレットも主人公レイになんら影響を与えるキャラクターになっていない、ただのうるさいだけの存在のキャラだし、親子の葛藤もほとんど描かれてないのが致命的、この設定ならダークサイドに陥った親父をレイが改心させるのが定石だろうし、ダークサイドに陥りそうなレイがスカーレットによって踏みとどまるとかの展開のほうがまだ良かったと思われる。
普通、最後は親父はかばって死ぬというのが盛りあがる展開だがオチもなし、どこをどう楽しめばいいんだろうか。
「画」もイノセンスとかに較べれば驚くべきものではないし。
遊園地とか出てきている時点でこれはもう子ども向きなんでしょうね、でも「AKIRA」は好きです、本作ではあの世界観は陰を潜めています。3点(2004-06-22 21:34:22)《改行有》
45. スキゾポリス
さすがにこれは酷い。
たいていの人ならまず途中で観るのを止めるでしょう。
理解できればコンセプトは面白そうだけど、常人というか監督本人以外の人間は恐らく理解は不可能。
現実を超越した世界でも描きたかったのかもしれないが、理解するためにこれを何回も見るのは時間の無駄と言える。
日本人なら夫の日本語は理解でき、妻の言葉は字幕があればあの部分は分かるでしょうが、
アメリカ人他は理解できるのか。
具体的な言葉を使わずに抽象化した言葉を使った夫婦の会話には「おっ!」というものを感じたが、まあ観るべき部分はこれだけでしょう。
ちなみにレンタルビデオのラベルには「社会派」というジャンル分けがしてあった。0点(2004-12-30 00:13:15)《改行有》
0 | 3 | 0.36% |
|
1 | 4 | 0.49% |
|
2 | 12 | 1.46% |
|
3 | 39 | 4.74% |
|
4 | 78 | 9.48% |
|
5 | 91 | 11.06% |
|
6 | 156 | 18.96% |
|
7 | 195 | 23.69% |
|
8 | 163 | 19.81% |
|
9 | 60 | 7.29% |
|
10 | 22 | 2.67% |
|
|
|