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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. スーパーサイズ・ミー 面白かったです。マイケル・ムーアのパロディなんじゃないの?と思うようなファストフード版「ボーリング・フォー・コロンバイン」なんですけど、敵がファストフードだけにそれほど深刻ぶらずに済みました。自ら被験者になる、という過激なパフォーマンスはアメリカ人ならではの売れよう根性だと思いますが、バカバカしさの中にこれまで誰も言おうとしなかった「肥満」に対する重要な警告が込められていて、タッチは軽いですが非常に重要な作品であるとも思います。特にアメリカの高校生が学食で当たり前のようにジャンクフードを食べていることや、栄養の不均衡が集中力や学習意欲を低下させることをきっぱり告発した姿勢は見事でした。 アメリカ人がいかに肥満しているか、というシーンで日本の観客からは「おぉー」というどよめきが上がったんですが、実際アメリカであのぐらいの肥満は少しも珍しいことではないです。これはちょっとでもアメリカの土を踏んだ人なら全員が実感していることだと思います。1週間も居れば、自分はちょっと栄養不良なんじゃないかと思えて来ますから。 一方的にファストフード・チェーンだけを批判するのではなく、それを安易に利用するアメリカ人の生活習慣、外食依存型のライフスタイル、運動量の低下など消費者側の問題点にもきちんと触れている点にも好感が持てました。ただしファスト・フードの手軽さ、価格の安さ、それに頼らざるを得ない貧困層のジレンマまで含めてしまうと結局マイケル・ムーアの世界に突入してしまうので、本当はそこまで掘り下げるべきだったのかな?とは思います。 この作品は実際にマクドナルドからスーパーサイズを廃止させ、いくつかの高校からは清涼飲料水を撤去させました。そういう意味でも、価値ある作品であったと思います。10点(2005-01-02 00:35:08)(良:5票) 《改行有》 2. スタスキー&ハッチ いやあ面白いっ。ベン・スティラーはかなりの贔屓でほとんど全部見てると思うけど、これはたぶん過去最高の出来じゃないでしょうか。オーウェン・ウィルソンとのカップリングはやっぱり安心感が違いますね。わたしもTVシリーズの方はほとんどおぼろげな記憶しかないんですけど、スタスキーの熱血一途な可愛さにベン・スティラーの個性が思いっきりハマッた。というかこれはもう確信犯だと思うんですけど。ツッコミ役のオーウェン・ウィルソンが今回はお守り役に徹したところも素敵でしたね。とにかく70年代、ゴージャス、おバカ、なのに少しも安っぽくない。題材とキャスティングも最高ですけど、やっぱり選曲センスかな。バッチリ「イージー・ライダー」までやってくれちゃって、自他共に認める70'sおたくなわたしはもう泣いたり、笑ったり。久しぶりにお腹の底から思いっきりげらげら笑いました。しかしなぁ。これなんで日本で公開されないんでしょう?「Analyze this」なんかよりよっぽどウケると思うんだけど。一言にまとめると、とにかくとてつもなくゴージャスな映画。エンディングの「Sweet Emotion」も感涙。10点(2004-10-24 03:38:43) 3. ズーランダー すごいなあ。私こういうの大好きです。ベン・スティラーが本気出したらこのぐらいは、と思ってた人、けっこう多いんじゃないでしょうか。これまでもいろんな映画で、いい味も出して来たしみっともなさもさらけ出して来た彼ですが、ここまで本気の彼はなかなか見られることがなかったので、はっきり言って胸のすく思いがいたします。カメオで登場したキャストの豪華さも、彼の築き上げて来た人脈の厚さを伺わせます。お父さんのジェリー・スティラー、アメリカでは知らない人のいないぐらい超有名なコメディアンですけど親子共演はこれが初めてではないでしょうか。もちろん芸の道では全然格が上、存在してるだけで笑いが取れるスーパーお父さんなわけですが、息子と本気で渡り合っているところもプロ同士の心意気を見せられた気がして楽しかったです。ちょっと声が出ていなかったなあ、トシなのかなあ。ガソリンかけのシーンでは思わず声を出して爆笑こいてしまいました。あの無駄な清々しさ、爽やかなハッピーさ、たまりませんです。あと最後のショーの場面で舞台に出る直前と出た後のデレクのメイクが思いっきり違っているのとか、ネタなんだかグーフなんだかわかんない仕掛けも意外と細かく落ちている。もうちょっと研究の余地はありそうなので当分ハマりたいと思いますが、とりあえずベン・スティラーに敬意を表して10点。ここまでやられたら満点献上しなければ。10点(2004-02-17 01:23:19)(良:2票) 4. スパイダーマン(2002) クランクイン前から本国のサイトをチェックしまくり、死ぬほど期待していた作品。本来私は、期待すればするほど自分の期待感の凄さに圧倒されてしまい、実際にフタを開けてみるとガックリさせられることが多いのだが、浮き足立ちやすいこの私が、ここまで期待に期待を重ねてまったく落胆を感じなかったというのはほとんど天変地異にも等しい事態。要するにバカおもしろかった。なんでトビー・マグワイヤなの?あんな地味で繊細で、お世辞にもタフなイメージとは言えず、むしろ文学の香り漂う気品のある役柄が似合う彼が、なんでアメコミのヒーローなの?というものすごい疑問はあっという間に解けた。この物語は、どん臭くてダサくて内気な少年が、ヒーローに育って行く話なのだ。最初から大活躍するのではなく、なんであのトロいヤツが、と思わせてくれるところがおいしいのだ。だからトビー・マグワイヤなのだ。正直なところ、キルスティン・ダンストはピーターが幼い頃から片思いを続ける女優志願の美少女には全然見えないが、あの程度のフツーのコにすら愛を語れないピーターのどん臭さを強調する役には立っている。つまり彼女はちょっとズレたコなんですね、あの器量で女優になりたいって言うんだから。で、ヒーローになってもピーターは彼女にメロメロ。その一途さが可愛いんですね。強くなった途端、美女に囲まれちゃったら女性ファンは総スカンでしょ。結局これは、ヒーロー物であってヒーロー物でない、フツーの男のコがヒーローに成長して行くお話。だからおもしろい。ただ断言してもいいけど、続編は絶対につまらない。だってピーターはもうヒーローの力量を備えてしまったから。成長し切ってしまった元ドン臭いアイドルに、お姉さんはあんまり興味がないのです。まあ、サム・ライミのことだからちゃんと次の手は考えてあると願いたいですが。9点(2003-12-20 02:21:52)(良:3票) 5. スナッチ 《ネタバレ》 「ロック・ストック&トゥー・スモーキングバレルズ」で見せてくれたあの複雑怪奇なパズル感が、ブラッド・ピットの乱入でブチ壊しか?と危ぶんだけど、さすがの一言に尽きました。アメリカ訛りのブラピに敢えてイギリス訛りの特訓をさせるのではなく、パイキーのワケわかんない語で喋らせちゃったセンスも天才的。ポットカバーをかぶったまま、あちこちで転がされているベニチオ・デル・トロの存在感といい、ガイ・リッチーと愉快な仲間+ハリウッド大物スターのごった煮にごちそう様と言いたいところ。あの可愛くないイヌの妙な可愛さといい、実に爽快な1作です。ところで・・・始まりと終わりでダイヤが微妙に目減りしていたのは何故?9点(2003-11-22 19:40:54)(良:1票) 6. S.W.A.T. 娯楽以外の要素を特に求めなければ十分に楽しめる良く出来た映画。それ以上のモノを求めてしまうとコケると思いますが。サミュエル・L・ジャクソンがタフで頼れるゾ、というノリだけを期待して観るのであれば非常に爽快感もありお勧めです。愛とか感動とか人生観とかヒューマニズムとか、「面白さ」以外のモノを期待してはいけません。私自身はそれしか期待していなかったのでかなり気に入りました。疲れた時にはこういう何も考えなくていい映画が良い。9点(2003-11-22 01:17:45) 7. スペース・カウボーイ 基本的には「アルマゲドン」か「スペース・カウボーイ」か、どっちか1つでかまわないと思っている派ではあるのだが、バカバカしさと憎めなさの対決という観点から微妙にこっちの方に軍配が上がる。ただしドンパチの派手さにつられて、こっちではなく「アルマゲドン」のDVDを先に購入してしまった。トミー・リー・ジョーンズって頑張っているけど年代的にはもうこういう映画に出るトシなんだなあ、というヘンな感慨もあったし、憎めない爺さんたちの活躍はそれなりに観ていて楽しい。往年のスターたちにもたまにはこういう活躍の場を与えてあげたいし、同じアホならこのぐらいやってくれた方が清々しいかな、とは思う。是非、「アルマゲドン」とセットで鑑賞されることをお勧めする。お正月ムードはとりあえず満喫できる。8点(2003-12-28 15:49:57) 8. スパイダーマン2 前作にそれなりに思い入れのある層にとっては「あの」ピーター・パーカーの後日談として、または前作で微妙に出し惜しみされたスパイダーマンの空中アクションをより一層堪能させてくれるという意味で、まるっきり価値がないとは言い切れないが。少なくとも空中・壁面アクションについては明らかに前作よりもパワーアップしているのだが、続編である以上これはある意味避けられないノルマ。あいかわらずドジで間抜けなピーターのズッコケぶりにはイラつかされるが、前作よりも人間性にスポットを当てすぎたために話の暗さが目についてしまった。3作目を意識した作りはこの手のシリーズの常套手段とも言えるが、内容的にはメル伯母さんとMJだけで引っ張るにはちょっと限界があるような気がする。ドッグ・オク役のアルフレッド・モリーナはいくらなんでも地味すぎ。個人的にはポスト・ブラピの最有力候補であるジェームス・フランコに期待したほどの見せ場がないのも辛かったが、3作目を彼が背負って立つことになりそうなのも別な意味で不安が大きすぎる。あくまでも「ヒット作品の続編」というデメリットを差し引いて見れば、これでも相当頑張ったと評価してあげたいレベルではある。ポイントはやはり3作目。トビー・マグワイヤの生え際が確実に後退しており、キルスティン・ダンストの肌は明らかに衰えを見せている。これだけ不安な要素が溢れていれば、かえって面白くなったりするのではないかと、それでも期待を捨て切れないファン心理って悲しい。7点(2004-07-04 14:45:43) 9. ステイ 作り手の熱意だけが熱く空回っているなぁ。でもこの雰囲気作りは嫌いじゃないです。映像の懲り方なんかもこの手の映画としてはうるさすぎず、ほどよくスタイリッシュでやり過ぎ感も感じませんでした。NYを舞台にしているのにあまりNYらしくないのは主人公がユアン・マクレガーだからなんでしょうけど、同じ街でもマクレーン刑事がドタバタ駆け回っているのとはずいぶん感じが違いますね。やはり特筆すべきは映像の作り込み方。インテリアや登場人物のファッションにも徹底的なこだわりが見えて好きな人には楽しめる映像ではないかと思います。特にナオミ・ワッツの衣装は最初から最後まで素晴らしいものばかりでした。地下鉄やNYの夜景など、雰囲気一発で乗れる人にはお勧め出来ると思います。ストーリーはツッコミどころ満載ですが、こういう映画はあまり細かいことは考えずに環境ビデオだと思って楽しむのがコツではないでしょうか。個人的には「ドニー・ダーコ」や「ガタカ」のテンションが楽しめる方に是非お勧めしたいです。何度も見たいかと言われると、うーんそれほどでも、というしかありませんが。ジャニーン・ギャロファロが出ているというので借りて見たんですけど、あんまり出番が無い上に暗い役だったので(映画自体あんまり明るくはないですが)、ファンとしてはちょっと期待はずれかな。主人公がジュード・ロウだったらあと2点ぐらいあげたかったですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-05 02:51:53)《改行有》 10. スターリングラード(2001) ジュード・ロウが敵を撃って撃って撃ちまくる映画なんだろうと思い込んで戦争映画好きの血をめらめらとたぎらせて駆けつけてみたらなんだか渋い戦場を舞台にしたラブストーリーだった。どうでもいいけどジョセフ・ファインズってどうしてこんなに間男役が似合うんだ。ヘタレ顔なのにフェロモンきつすぎだ。「恋に落ちたシェイクスピア」ではすっかりそのフェロモンにアテられてしまった私だが、さすがに飽きた。それに舞台は寒くて渋い戦場だし主演はジュード・ロウで対決するのはエド・ハリスだ。なんでこんなところにオマエのフェロモンが必要なんだ。しかも女はミイラ映画のオッパイ役だ。この異常な違和感と、期待とはまったく違った物凄い緊張感に疲れ果ててしまった。私はジュード・ロウが戦場を走り回る大仕掛けの戦争映画が観たかったのだ。そんなもんあるわけないが、期待させた宣伝屋たちにもそれなりの責任は問いたい。3点(2003-12-20 00:14:51)
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