みんなのシネマレビュー |
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1. スパルタの海 《ネタバレ》 戸塚ヨットスクールに関して、ワタシの最大の疑問は、(問題もあったがしかし)成果も上げていた、というところです。しごきと認容の組み合わせによる飴と鞭、支配者へのゆがんだ好意であるストックホルム症候群、それに加え、風をねじ伏せて、ヨットを自由に操舵できた達成感と自信などから、社会性を獲得していく(なんちゃって)。そんなメカニズムなのかと、予想しながら見てましたが、しかし。基本的に映画の中の出来事は、「ワチャワチャやってる」ようにしか見えない。これで、人格が好転するかなあ。■なにか、もっと決定的な違いがこのスクールにはあったのではないかと思いますので、このヨットスクールについて、調べたくなる一作ではありました。「平成ジレンマ」とか見てみたいなあ。■伊東四朗、よかった。[DVD(邦画)] 6点(2025-02-05 13:24:01) 2. 鈴木さん 《ネタバレ》 ディストピア映画との触れ込みですが、今の世の中の延長線上に十分ありえるような気がしてしまう空気感。思わず、イヤなツバを飲み込んでしまう。■肖像画がなんだかなあ。笑わそうとしているのか、怖がらせようとしているのか?■鈴木さんが○○だったワケですが、鈴木さんから○○に戻った彼の有り様が、ああ、やはり○○という、厳かなような頼りがいがあるような感じだったらよかったのになあと思っています。すごくイヤな世の中の象徴だけど、しかしやはり威厳があるというか。◇なんか思い切った作品。格好良い監督だなあ、佐々木監督。[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-31 16:15:03) 3. スピード2 《ネタバレ》 タンカーとの激突を人智を尽くして回避するものの、港の街に突き当たるにあたっては神様にすがる(というか、成り行きにまかす)というところはすごく好きです。みんな求めていた街を走る大型客船を見せたのだと思ってます。しかし、ラストの彼がアレしてタンカー爆発は、さっきまでのアレックスの頑張りをこんな簡単に無駄にしていいの、とすっかり残念な気持ちになってしましました。[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-06 19:57:27) 4. すずめの戸締まり 《ネタバレ》 うーん。監督はいつもと同じことをやっているのだと思います。ワタシ、見始めたら最後まで一気に行きましたから、何かに惹かれてたとは思うんだけど、見終わった後は、一体、今なに見たんだろう、と。新興宗教の方の作ったアニメ+廃墟ブーム+いわゆる「聖地」作り、みたいな印象。なんでもかんでも、理由を教えてもらえたり、説明があると思うなよってことかなあ。そういえば、物語の最初の方で鈴芽が違和感に戸惑いつつも、状況に前のめりの入り込んでいくところは好きでした。全然わかんないけど、こっちに進むのがいいみたいというような。[DVD(邦画)] 4点(2023-11-23 22:03:25) 5. スプリング、ハズ、カム 《ネタバレ》 これはマズいヤツなんじゃないだろうかなあと、本サイトに登録しつつも長い間見ないでいました。■予感は的中。目の玉の熱くなるシーンが続く。必要以上に厚着をしてしまう、春の田舎者の上京あるあるでもうすでに泣きそうになります。もちろん「追い出すんです」でもう。キッパリしてるじゃないですか。「追い出すことにしたんです」ですらないのね。■やたらカメラで写真を撮るのって、ファインダー越しじゃないとうまく見ることができないからってこともあるよね。■前日の、うまくいかなかった部屋探しすらカットして、実質半日の物語にした吉野監督の勇気。ありますよ、人生でとても大切な、なんでもない半日。それだけを切り出したのはすごいと思う。■ただ、惜しいのはイベントを盛りすぎたこと。インドの結婚式に参加したのは、最後のシーンを酔った上でのこととしたかったのかもしれませんが、何かやっぱりわざとらしいんですよ。■ただ、もうすぐ別れて暮らす二人親子が淡々とそのための準備をし、しかし今日は一緒に帰る。このことだけにしてくれたら、目の玉は溶けてなくなっていたかもしれません。[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-17 14:02:26) 6. スペシャリスト/自覚なき殺戮者 《ネタバレ》 何といっても実際の裁判の映像であるというのがすごい。■防弾ガラスに囲まれた被告人席の中で、全く気持ちが崩れ落ちる様子のないアイヒマンは、まるで被告人のようではなく、あたかも証人として答弁している行政官のよう。■ワタシ、この硬派な映画をきちんと咀嚼できているとは思わないのだが、それでも、ワタシの見立てのアイヒマンとしては。彼は、あらかじめ、のちの世の人たちの評価を念頭に置きながら、ナチス親衛隊として振る舞っていたのではなかったか。いつか、本作に見られるような、結論ありきで弁護人すら味方ではない法廷で裁かれることを念頭に置きながら、どうすれば妙な証拠を残さずにすむのか考えていなかったか。■いわく、「全体の一部しか権限がない」、「命令に従い」、「法に従い」とか。ユダヤ人移送局長官を務めていたときから、このような理由付けで、自分の振る舞いを整理していたことではなかったか。そして実は、たくさんいるそんな人たちの中でも、とりわけ有能だったのがアイヒマンだったのではないか。■モノクロの映像。時々詩的に見えるような演出。白昼夢のような映画。でも、いつの世でも起こりえる、システムへの忖度と過剰適応による悪夢。[DVD(字幕)] 9点(2021-03-10 07:42:51) 7. 素敵なウソの恋まじない<TVM> ところどころ、主人公に対して「そいつは、無茶だ!」と叫びそうになりましたが、これはシニアの方(と言うより年寄り)を主人公にした童話みたいな話なんだからと納得しました。とはいえ、「あああああ、ダメ〜」なんて、二人の行く末に意外なくらいめちゃくちゃ感情移入させられてしまってもいたわけです。三谷幸喜のコメディのような小作ですが、脚本は「ブリジット・ジョーンズの日記」の人でしたか。そういや、そうでしょうとも。[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-08 20:54:51)(良:1票) 8. すばらしき世界 《ネタバレ》 すごくいい。三山がちっともかわいそうな人じゃないのがいい。むしろ、だからお前はマズいんだといいたくなるような、ヤキモキというかウンザリというか、しょうがない人なところがいい。そんな三山が、暴力をふるわれる人を見て見ぬふりしたり、人を揶揄するのに同調したりするのが、堅気になることと気づくかのようなところがいい。みんな、ちゃらんぽらんに生きてるんだよ。こころに暖かいもの(元妻との約束)を抱えて、自分のアパートへの帰り道。やっと人生が和らいだ時。三山にとって、最期の最後で、この世はすばらしき世界だったのだと思います。[映画館(邦画)] 8点(2021-02-17 19:59:52) 9. スペシャルアクターズ 《ネタバレ》 観客には分からせても、お兄さん(主人公)には仕組みを悟られてはいけなかったんじゃないでしょうか?弟さんはまたしばらく兄さんの前から姿を消し、スペシャルアクターズの事務所も行ってみたらもぬけの殻だった、っていうのはどうでしょうか?それぐらいの周到さが欲しい。ネタバレなしの「泣いた赤鬼」作戦。【追記】ワタシ達も、みんな誰かのためのスペシャルアクターっていうとらえ方もあるよね。[DVD(邦画)] 6点(2020-08-16 08:38:26) 10. STANDARD 《ネタバレ》 福島第一原子力発電所の事故から、自公で議員数の3分の2を獲得した2017年の第48回衆議院選挙までの「デモに参加している人たち」を描いたドキュメンタリー。声をあげつつも、打ち破れていく。それでも声を上げ続ける人たちの姿をカメラは捉えています。しかし、この映画のオチは、つまりあの「アベノマスク」なのだと思う。映画の枠の外にオチがある。とうとう、こんなところにたどり着いてしまった。シュプレヒコールの声も聞こえない。笑えないコメディ。泣くに泣けない悲劇。[インターネット(邦画)] 8点(2020-05-06 13:47:02) 11. スミス都へ行く 《ネタバレ》 シンデレラストーリーなのだから。もう少し甘ったるくて良かったんじゃないでしょうか。テーラーが新聞少年に手を出したところで、ちょっと冷めてしまいました。最後はペイン議員が唐突に、お話のすべてを持っていってしまったかんじです。そんな上タマだとは思えません。彼が口を割る以外に勝ち目がなかったわけですが、うっかり口を滑らせるようなのがよかったな。議長がときどきいたずらっぽく笑うシーンが好きでした。たぶん、議長は法案そのものになんか興味がなくって、とにかく議場が面白くなるのが好みみたいです。[DVD(字幕)] 6点(2019-10-04 22:31:22) 12. スリーデイズ 《ネタバレ》 この映画のキモは、2年制大学の教師が、誰にも打ち明けずに計画を練り上げていく「孤独」。本をつてに、ネットを頼りに、街を行き当たりバッタリに(身分証明探し)。「あんたは 必死すぎる。きっとしくじるぞ」。確かに。オレって、こんな馬鹿なことやってる、ってぐらいに余裕のある(自分を客観視できる)やつじゃないと、こんな計画失敗するよ。ああ、こんなに寂しい映画はないと音をあげそうになった時に、あの古い家族との別れのシーン。泣ける。以降の逃避行のシーンはおまけ。排水溝のボタンのシーンは、おまけのおまけ。これはいいよ。[DVD(字幕)] 9点(2019-09-15 21:36:05)(良:1票) 13. スマホを落としただけなのに 《ネタバレ》 なんだそれ。漢気あふれるフォルダー名が飛び出しますが、一体これの出所は原作なのか。あるいは、製作チームのチェックのゆるさなのか。これを確認するために原作を読みましたよ。結果、フォルダー名としてはもちろん、そうでない場合でも、小説には一回も出てきませんでしたよ、セックスフレンド。観客へのわかりやすさからの配慮かもしれませんが、あまりに、登場人物である武井をバカにしすぎてないか。そんなこんなで、2点です。[DVD(邦画)] 2点(2019-07-24 23:08:58)(良:1票) 14. スペイン一家監禁事件 《ネタバレ》 ファニーゲームでは、「どうせ、あんたらの見たいのはこんな残酷なのだろ」って突きつけられているような、後ろめたさを感じたりしていました。しかし、本作。タイトルそのまんま。スペインの親子が、監禁されてひたすらひどい目にあう。何かを考える余地なく事態が進んでいく。ああ、ひどい。ああ、イヤだ。自分にこんなことが、起きませんように。つまり、自動車教習所で免許更新の時にみる教材ビデオみたいなんですよ。[DVD(字幕)] 3点(2019-04-22 15:38:10)(良:2票) 15. スパイダーマン:スパイダーバース 《ネタバレ》 これは、ルパン三世シリーズにおける「GREEN vs RED」のような扱いの作品なのではないのでしょうか?本筋スパイダーマンシリーズから少し脇にある、外伝的な物語。それでいて「キックアス」的なヒーローの成長譚もあり。だらしないスパイダーマンってのもいいですよね。【追記】なお、MX4Dでの鑑賞でしたが、あまり3Dな感じがなく(ワタシ、目が悪くなった?)、座椅子の振動などもむしろ画面に集中しにくくて、ちょっと邪魔でした。採点には反映しませんけど。[映画館(吹替)] 7点(2019-03-13 20:36:36) 16. スパイダーマン:ホームカミング 《ネタバレ》 サム・ライミ以降の何か意味ありげな雰囲気から一線を引く。「漫画の実写化」であったことをあらためて思い出させてくれた一作。ピーターの体の頑丈っぷりは、未来少年のそれに似て(コナンです)。遠景でスパイダーマンが活躍していた画が多かったと思いますが、そこは好き。蜘蛛の糸が絡むところがない広々としたところで、とにかく走るスパイダーマンはかわいかった。とはいえ、アイアンマンにしっぽ振ってるスパイダーマンは魅力度が落ちるなあ。[DVD(字幕)] 6点(2018-01-21 13:45:58) 17. SCOOP! 《ネタバレ》 大学教授、建築家、弁護士なんてやってきたけど、ホントのオレはここにいるんだと福山雅治はいっているよう。たぶん素に近いし、本作の都城が一番かっこいい福山なんだと思います。しかし、だから面白いかというとそう良いわけでもないんだな。吉田羊との濃いめのキスや二階堂ふみとのベッドシーンなんて全く必要性を感じないのだがなあ。リリー・フランキーとの絡みは、「そして父になる」のときにおいしいところを持って行ったリリーさんへの意趣返しのよう。[DVD(邦画)] 4点(2017-10-15 10:27:59) 18. スピード(1994) 《ネタバレ》 再見。たとえば、バスの中に逃亡者がいる、またそれを押さえ込もうする善意の素人がいるなんてのは、あらためてうまいなあと唸りました。ベビーカーのシーンともね。ただ、だいぶ重篤な事故を誘発しているぞとか。心配するワケではないが、あの人達、医療保険は大丈夫だろうか?[DVD(字幕)] 8点(2017-07-17 10:30:21) 19. スーパーの女 《ネタバレ》 気にはなっていたのだけれども、手が伸びなかったのは、予告編で観たあの変なダンスですよね。いい年をしたオッサンとオバチャンがはしゃいでる映画。鑑賞してみて、予感的中。何故、津川雅彦と宮本信子にしたんだろうと思わざるを得ない。ズボンのポケットに手を入れて店の中を歩く津川雅彦。これはきっと、後半で胸を張って歩く姿を鮮やかに見せる前振りと思っていましたが、津川は最後まで、そうでもない人のままでしたね。[DVD(邦画)] 5点(2017-01-28 14:59:04)(良:1票) 20. 砂の器 《ネタバレ》 「親と子の”宿命”だけは永遠のものである」とテロップ使ってまで、訴えるワケです。であるなら、ぬくもりのある愛情だけが親子関係みたいな描き方では納得できないなあ。仏様のような三木巡査とか。もはやファンタジーか、昔話のキャラクターですよね。「宿命とはこの世に生まれてきたことと、生きているということである」ってなあ。何か意味ありげなのだけれど、その実(じつ)何にも言ってない映画のような気がしますよ。[DVD(邦画)] 2点(2016-03-21 09:07:34)(良:2票)
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