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1. 推定無罪
《ネタバレ》 何の予備知識もなく見たので、結末にはあっと驚いた。しかし、もっと主人公が犯人ではと思わせるような伏線や、他の登場人物が犯人ではないかと思わせるような伏線を、もっといっぱい散りばめていたらさらにラストが生きてきたかもしれない。それと、最後に真犯人に色々語らせる必要はなく、表情だけで終わらせたほうが良かったのではないかと思う。しかし、最初から最後までダレることなく見られる佳作であることも確かである。[CS・衛星(吹替)] 6点(2012-01-16 01:47:03)
2. スティング
《ネタバレ》 高校の頃、映画館で初めて見て以来、いったい何度見たことか。
敵を欺く過程を見せつつ観客も騙して最後に大どんでん返し、という簡単そうで難しい設定を、楽しくスマートにやってのけた、シナリオ、演技は、見事というほかはない。
敵の欺き方は相当に手が込んで細部まで練りこまれたものだし、最後に観ているこっちが騙されたと感じてエンドクレジットの余韻にひたってる時、すべてのシーンを思い浮かべても、それらが全く破綻することなく見事に繋がっている。
そして、ストーリを熟知した上で何度見返しても、ごくわずかに映画的なご都合主義がある程度で、不自然な演出がほとんど見当たらない。
シナリオが素晴しいのはもちろんのこと、役者陣の演技も素晴らしく、映像や音楽も雰囲気を盛り上げて娯楽要素を高めるのにドンピシャだし、すべてが上手く行った映画である。
感動、芸術性、メッセージ性、迫力、スピード感等はほぼ無縁なのだが、そんな物がなくても娯楽性を充分に追求できるお手本のような名作。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-06-11 16:26:19)《改行有》
3. 醜聞(1950)
《ネタバレ》 実にいい。説教臭いというか、いかにも作りもののベタなヒューマンストーリーなのに、実にいい。
決してスマートなシナリオじゃなく、ダイナミックで斬新な映像を使っているわけでもない、役者の演技や設定もあざとかったりオーバーだったり、途中のワンシーンワンシーンや使われる音楽もそれぞれ切りだしてしまうと粗があるように思えるのに、観終わると映像と音楽と演技が見事に調和してつながっていたように感じる。
編集の妙、展開の妙であり、実にうまい演技の志村喬を実質の主役に据え、三船敏郎の個性をスポイルすることなく完全に志村の引き立て役にしたキャスティングなど、監督の手腕に脱帽です。
志村喬の演技では、この後の作品「生きる」が有名だけど、こっちの方が人間臭くてもっといいかも。[DVD(邦画)] 8点(2010-07-07 03:05:04)《改行有》
4. 助太刀屋助六
《ネタバレ》 サクっと見られる軽妙時代劇。尺も短く、堅いこと考えずに気軽に楽しめるのがいい。ご都合主義や、オーバーアクションも全然気にならないのは、役者にのびのびと演じさせて、それが見ているものに心地よさを与えている監督の手腕なのかな。出演している役者が、みんな、私の好みだから余計そう見えるのかも。特に仲代達矢の存在感は抜群。音楽もすごく乗りが良くて、時代劇なのに全編ジャズっぽく、それが全く違和感なく場面の展開と見ているものの気持ちとをシンクロさせてくれる。岡本喜八監督の作品は、楽しい映画を楽しく作って楽しく見てもらおうという感じが伝わって来て、娯楽に徹してて、凄い映画だろう、いい画だろうという押し付けがましさがないのがいい。[DVD(邦画)] 8点(2009-07-27 01:35:59)(良:1票)
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