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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  戦場でワルツを アニメ技術のことはよく分からないんだけど、不思議な動きをする。東南アジアの影絵のような、関節だけ留めてある人体パーツを動かしているような、でも滑らかという動き。口の動きも変にリアルで、全体新鮮な世界だった。その影絵的な感じが、記憶を探るストーリーとうまくマッチしている。話としては、ベトナム後のアメリカ映画のあのトーン。生き残ったものの後ろめたさと、心の傷。戦車の中にいるときの万能感と外に出たときの無力感、とか、カメラ越しでなくなったときの戦場の生々しさ、など兵士の証言が痛々しい。悪い映画ではなく、こういう兵士個人の心の記録が積み重なって大きな証言になればいいと、心から思う。でもかつてのアメリカもあれだけ「心の傷映画」が作られながら、ひとたび同時テロが起こると「やっつけろ」の大合唱に呑み込まれていった。個人の「私」の証言は、ひとたび「われわれ」の怒号が起こると、あっという間に掻き消されてしまう。正直、あんまり希望は持てなくなっている。もひとつこの作品が弱いのは、虐殺の本体をファランヘ党という極右組織だけに押しつけている感じがあって、もちろん黙認したイスラエル軍も非難はしているが、ちょっと逃げ腰。でも常時戦時下のあの国でこれだけ言うのも、大変だったろうとは思う。ワルシャワ・ゲットーの記憶を、イスラエルの免罪符としてでなく持ち出したのだから、そこからもひとつ、人間集団が狂う普遍的な分析にまでいってほしかった。[DVD(吹替)] 7点(2010-12-10 10:42:31)(良:1票)

2.  接吻 (2006) 《ネタバレ》 ヒロインのキャラクターが、私にはもひとつ焦点が絞りきれなかった。一種の片想い物語だ。ブラウン管ごしに一目惚れし、法廷へ、そこで声を聴き、さらに接見ガラスごし、そして抱擁に至る、と順々に接近していくドラマ。近づくにつれて男に対する幻想が高まり、そして幻滅も高まる。世間に対する共犯を夢見るまでの孤独の物語という流れは一貫しているし、サスペンスドラマとしては充分楽しめたが、ときどき彼女の振舞いにつまずいてしまう。たとえばテレビクルーに見せた笑い、かつて男が見せた笑いを反復しているわけだが、男のふてくされたキャラクターと彼女の一途なキャラクターは対極な訳で、またそこがドラマの緊張にもなってたんだけど、ああいう笑いは、馬鹿にしているからこそ世間に対しては見せないのではないだろうか。男のふてくされぶりを一途に反復したってことなのかなあ。あるいは弁護士に「やり場のない怒り」なんて世間に流布している陳腐な言葉を吐くところも、彼女のイメージをしぼませてしまう。自分も世間の一部なんだというおぞましい認識をあわせ持っていれば、こんな言葉は使わなかっただろうし、彼女の世間への嫌悪をさらに深く示せただろう。もちろんこれは小池栄子の責任ではない。彼女は、かつて西田敏行とビールのコマーシャルやったときなんかすごく良かった、こういう感性を映画ではまだ生かしきってないんじゃないかと思ったものだ。あれとこれとで彼女の幅の広さも分かったことだし、今後のご活躍をお祈りしております。[DVD(邦画)] 7点(2009-05-14 12:10:53)(良:1票)

3.  ぜんぶ、フィデルのせい 《ネタバレ》 1970年、学生運動市民運動が高まっていた政治の季節を振り返る視線、批評する目と懐かしがる目とこもごもで、ともかく余裕を持って振り返れるだけの時間がたったわけだ。批評する目に映ったのは、上滑りする熱に浮かされたような気分、父の「団結の精神」という言葉だけが力強く、けっきょく支援したチリのアジェンデ政権は強大な軍によって潰されていく。この無力感。これに対して運動では控え目に見えた母のほうが芯の強さを見せ、女性に皺寄せの来る保守的な社会と戦っていた。最後に娘アンナを動かしたのは、この母のほうだったのだろう。この少女は、単純に保守反動から革新に目覚めた、というわけではなく、変わっていくかも知れない自分というものに気がついている。そこの成長が描けたところが、1970年を今振り返る意味になっていた。演出が特別うまい映画ではなかったが、夫婦げんかを目にしたアンナが弟の手を引いて、社会に突っかかっていくように早足でズンズン街を行くシーンが印象深い。そしてなによりこの不機嫌なヒロインがよく、最近の映画では一番魅力的な少女だっただろう。やっぱり少女というものは、社会に迎合してニッコリ微笑むより、不機嫌にムッツリしていてほしい。[DVD(字幕)] 7点(2009-04-21 12:05:14)(良:1票)

4.  全然大丈夫 《ネタバレ》 話の枠組みはいたって古風、でも登場人物たちの造形の誇張がそれぞれの俳優たちに合っていて、私はかなり楽しめた。荒川良々の、幼稚と言われて怒る幼稚ぶり。「上から目線で…」とブツブツ拗ね、「一億兆円払え!」なんて叫ぶ。ゾンビで驚かせてそれを隠し撮りする悪趣味の持ち主だが、なんか憎めない。岡田義徳は、いい人ぶりっ子って言われるとシュンとなってしまういい人で、荒川といいコンビ。ここに劇的に不器用な木村佳乃が絡む。ティッシュペーパーの箱も開けられない人(私も不器用だが箱は開けられる、ただし最初の一枚目は必ずちぎれる)。古本屋の店番してるときの、エロ本買いにきた客との場が笑えた。当然仮想三角関係の結末は第三者田中直樹の登場となり、顔にアザのあるその人物が、コンプレックスに悩んでいる人としてでなく、ごく普通の隣人として描かれているのが、気持ちいい。荒川・岡田のゾンビメイクの対照という意味があったのかもしれないけど。欝のお父さん蟹江敬三の休業広告、マジックインキが途中で出なくなり、細く薄い鉛筆文字に変わる、それが回復すると、筆文字の葉書を寄越してくるわけだ。みんなもうちょっとだけ宙ぶらりんのままでいたいんだよな、憩いまくらなくってもいいから。[DVD(邦画)] 7点(2009-03-02 12:19:03)(良:2票)

5.  戦場のピアニスト 万人共有の熱い記憶と思われていたものも、時がたつと冷たい歴史記述になっていく。その熱量を少しでもとどめておきたい、という強い意思が感じられた。ナチ下のユダヤ人の生活を再現し記録する意思。じわりじわりと追いつめられ追い立てられていったその細部。踊れと命じられる屈辱。あるいは気まぐれの処刑、6人を撃ち、7人目の前に弾を込めなおすわずかの時間の、もしや、という一瞬の期待も描く。さらに「立て」に応じられなかった車椅子の老人の末路。一つ一つのエピソードが重い。主人公は窓から見ている。ユダヤ人やポーランド人の蜂起も、窓から見下ろすだけで参加はしない。見る人に徹していただけに、外へ出ていったときの、なにか剥き出しなるような怖さが特別だ。『裏窓』のすぐれた応用になっている。遠く上から見ていた殺された女性の死体と向かい合うように伏し、死人の振りをしてドイツ兵をやり過ごす場の生々しさ。映画の前半は、集合場所や貨車など、高密度で人々が画面を埋めていた。後半は一転して無人の世界、世界そのものの廃墟のような光景、その落差がなによりも雄弁だ。[映画館(字幕)] 7点(2008-05-21 12:16:14)

6.  選挙 《ネタバレ》 候補者本人は、体育会系の世界だ、と言ってて、たしかに路上パフォーマンスの日々なんだけど、なんか私は、選挙道という家元制度の世界を感じたな。もうすべてにわたって型が出来てるの。街宣車では3秒に1回名前を言え、とか、握手をするときは最後に相手の目を見てしっかり握り締めろ、とか(これなんかもう日本舞踊の所作ごと)、妻と言ってはいけない、家内と言え、とか(「家内がおっかないもんで」というダジャレを講演会で使える)、家元である党が決めたその型に乗り、候補者はただ印象の好さをアピールするだけで運ばれていく。言うことは「改革に取り組む」と「小泉自民党」と名前のみ。通勤時の朝、駅前に並んで「いってらっしゃいませ」と次々に頭を下げるのは、まさに歌舞伎のつらね、いっそ割りぜりふにしてくれたらもっと良かっただろう。完全に家元主導で、だから候補者も「ここまで面倒見てもらってるんだから、造反なんてとんでもないことなんだよ」と釘を刺されている。けっきょく候補者が一番気にしてるのは、有権者よりも党や地域のボスたちなんだな。選挙の時の電話戦術って反発を招きこそすれ効果あるのかなあ、と昔から不思議に思ってた。もしかして対立候補が嫌がらせで名前をかたって電話かけてるんじゃないか、と疑いさえした。でもこれ見て分かった。あれ、事務所を活気づけ、ボスたちにちゃんとやってますよとアピールするためにやってたんだな。だから一方的に電話をかけられる有権者の迷惑なんて関係ないんだ。そもそも平気で騒音まきちらす街宣車ってのが、それなんだし。とにかくこの映画、いろいろ裏が分かって面白かった。事務所でのおばさんたちの自然な会話も楽しく、公明新聞タダでいいからってとらされちゃって、とか、共産党に場所貸したら党本部から叱られちゃって、とか、カメラが全然意識されないまでに溶け込んでいる成果だろう。気のふれた女の人が事務所の前でニコニコ笑ってる、なんてのも(画面には出てこないけど)、なんか選挙の躁病的な賑わいにふさわしいエピソード。[DVD(邦画)] 7点(2008-04-08 12:27:14)

7.  世界の中心で、愛をさけぶ これは流行に乗って原作読んでたんで、脚色とはこうやるものか、と随所で思った。エピソードをうまくあっちとこっちをつなげたり、生き生きさせている。人物の来歴に手を加えたり(アキが弔辞読む先生とか)、いろいろの加工の跡を見るのが楽しかった。原作のネタをあちこち動かして、シナリオライターが自分の世界にしていく。編曲の楽しみと言うより、コラージュ現代美術みたいな感じ。たぶん原作より締まった。そして反復される台風の空港、長回し。ヘンデルにヒントを得たと思われる音楽が流れている。[DVD(邦画)] 6点(2014-03-12 10:13:59)

8.  世界で一番美しい夜 《ネタバレ》 そりゃ失敗作でしょうよ。エピソードが未消化なまま次々と展開していく。たぶん冒頭の、文明から逃れ退化していきケータイで火を発見するアニメが、まとまりのある出来としては一番よかった。あとはゴテゴテと縄文式土器のように部分部分が勝手な方向へ増殖した畸形の作品となっている。保険金殺人をめぐる推理ものに落ち着くのかと思ってると突如オカルトがかったり、挫折した革命家の苦みの話かと思ってると屋外での縄文時代的乱交に至ったりと、ごった煮の世界。でもね、因果なことに、こういう豪快に破綻した失敗作って嫌いじゃないんだよね。最近の映画って弥生式土器のようにノッペリと小器用にまとめられちゃってるのが多いでしょ、とりあえず無難に完成させてるの。こういう無難でない映画、統一させようなんてハナから思ってない縄文映画、なんか嬉しかったなあ。おやじ今村の南島志向を受け継いだような話の枠組みが一応あり、田口トモロヲは『神々の深き欲望』の北村和夫につながってるみたい。トモロヲがまた蛇になるのは(ネズミを食べるシーンあり)、おやじの遺作へのオマージュか、それともあれは今村作品というのは名ばかりで、実質せがれの映画だったのかもしれない。止まっていた構図が動き出す瞬間などに、映画ならではの喜びがあったし、三上寛、若松武史といった寺山修司の顔が揃ったのも懐かしい。ここは笑うところなの? ムッツリ思案するところなの? と見てるほうがどういう態度をとっていいのか分からなくなるシーンが多々あるが、そういう戸惑いも含めてけっこう楽しんで見ていた。これをきっかけに大バケする監督か、もっと破綻街道を突き進んでいくのか、それとも反省して小器用な映画に戻るのか、興味津々です。[DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 12:09:09)(良:1票)

9.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 資本の論理と宗教の倫理がアメリカの二本の柱で、それが狂ったのが現在の状況、ってことを言ってる話なら納得できるけど、もひとつ焦点が分からない映画だった。主人公と狂信家、たしかにどちらも個性の強いキャラクターだが、モンスターって言うほどではなく、なんか二流なんだな。主人公も財を成したけど、けっきょく最後に勝ち残るのは、あのレストランで隣のテーブルにいたような都会的で垢抜けた連中のほうでしょ。宗教屋のほうも、財の蓄積に失敗して滅んでいく。どちらもコツコツやる庶民を最初から呑んでかかってくヤリ手なんだけど、モンスターとして抜きんでていくだけの力量はなかった。ニセの息子を作っても、ニセの弟に騙されてしまう。家族を求めても、うつろなシンメトリーが際立つ家だけが残る。それとも、私たちは二流だったというアメリカの反省の映画なのかな。よくわかんない。この監督の才能、アルトマンもどきのときも半信半疑だった、なんかありそうなんだけど、まだ私はつかみきれない。弦楽器のみの音楽(ときにバルトークのような、ときに湯浅譲二のような)はいい。[DVD(字幕)] 6点(2008-11-22 12:08:43)

10.  セキ☆ララ 民族のアイデンティティの不安なんて、本当に現在切実なテーマだろうか(と言ってしまってから、こちらの認識不足で傲慢な発言になっているかも知れぬ、という心配がつきまとうのだけど、とにかく言わせて)。たとえば仕事一筋の人間が、会社の倒産で味わうアイデンティティの危機のほうが、現在ではキツいような気がする。ヤクザやカルト宗教の信者など強固な集団に属したがる人が跡を絶たないってことは、アイデンティティの不安はもう十分世の中に瀰漫し、多様化してるってことだろう。そりゃ在日の人たちは税金払ってて選挙権がないとか、もっといろいろ日常生活でも問題はあるだろうし、それを無視する気はないが、なんか問題設定が先走っていて、カメラが後追いしているような気がした。ルーツ探索という設定、AV嬢の故郷への旅、あるいは中華街、あるいは一世の父が一階で眠る二世AV男優の部屋と、アイデンティティのよりどころを最初から方向づけしてしまっている。もちろんそれらを裏切って、あっけらかんとしている彼らの表情も、カメラは捉えているのだけど。現代が踏み込んでいるのは、アイデンティティという故郷を蹴飛ばして、自由を優先する結果生まれた都市の時代だ。その反動の民族主義も勃興しているが、もう歴史はこういう方向に進むしか道はないと思う。なんて力む種類の映画じゃないんだけどね。この作品で一番良かったのは、尾道の昼の盛り場の閑散とした光景、蹴飛ばされた故郷の、老いた親のようなたたずまいが、けっこうジーンときた。[DVD(邦画)] 6点(2008-10-11 12:19:08)(良:1票)

11.  戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界 このカメラマン、ジェームズ・ナクトウェイの「戦争はたった一人にさえ許されぬ行為を万人にする」ぐらい、戦争に対するまっとうな疑義の言葉はないだろう。この言葉が軽く響かないために、その言葉が生まれる現場をたどる記録映画である。戦争写真家が常に直面している問題は、世界の悲惨を消費していく情報社会に対して湧いてくるシニカルな気持ちへの対処。子どもの泣き顔を求める社会にそれを提供することで食っている現実がある。でもシニカルになったって、それより大きな「敵」を利するだけだ、という深い決断が彼にはあるように思えた。悲惨の伝達者と自分を規定している。情報の受け手を信頼するしかない。パレスチナでの催涙弾の取材、インドネシアの硫黄鉱山労働現場での取材、痛みに耐えかね手で目を覆う姿が祈っているようにも見えた。その祈りに、受け手も応えねばならない。彼はその後、イラクで怪我をしたとニュースで読んだが、今はどうなっているのか。[映画館(字幕)] 6点(2007-12-13 12:27:56)

12.  THEM ゼム(2006) 《ネタバレ》 最初の車のエピソード、ボンネットが上がってて前方が見えないってのが、けっこう怖い。でも邸宅での話になると、なんかどこかで見た場面の連続で、しだいに気持ちが冷めていく。ホラー映画の記憶のパッチワーク、ちょっとブニュエルの『エル』が入ったり、ワイダの『地下水道』が入ったりもするけど、一番気配が似てるのは、意外と『学校の怪談』で、広すぎる邸宅に住むってのは、学校の守衛やってるようなもんなんだ。消したはずのテレビの娯楽番組の笑い声が、かすかに寝室にまで届いてくるなんてのは、学校の音楽室から真夜中になると音楽が聞こえてくる、ってのに近い。この広い邸宅から安全地帯がしだいに狭められて一室に立て籠もっていく、ってサスペンスだと好みだったんだが、後半外に出ちゃって、せっかく圧縮した緊迫が拡散してしまった。自国民が外国で襲われる話ってのも、後味を悪くしている。[DVD(字幕)] 5点(2008-11-26 12:10:05)

13.  世界最速のインディアン 暴走老人の話にしては、演出が慎重な安全運転で、ちったあこのじいさんの爪の垢でも煎じて飲め、とカツを入れたくなる。近所のものが「結果なんかどうだっていいから」とにこやかに送り出したり、現地でも「まあ走らせてやれよ」とにこやかに励ましてくれる。その「にこやかさ」にくるまれた安心して見下ろしてくる弱者扱いの視線に、じいさんは反発したりはせず、ただただ自分の行動で答えを出す。せっかくいいモチーフを含んでいるんだから、ソツなくまとめることに腐心せず、おもいっきり弾けて暴走してこそ、このじいさんにふさわしい映画になったのじゃないか。スポーツとして楽しみたいのに、感動の障害者ドキュメンタリーにしてしまうパラリンピックのテレビ報道をふと思い浮かべた。[DVD(字幕)] 5点(2008-02-13 12:14:20)(良:1票)

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