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1. 切腹
《ネタバレ》 これを「重い」という向きがおおいですね。
最近の邦画作品と観客の鑑賞力双方のレベル低下を物語っていると思います。
本作は寧ろ「軽い」のだと思います。
状況とそれに由来する論理性をこれだけ図式的に徹底した劇もそうないでしょう。
(もっともそれすらおぼつかない奇をてらっただけの脚本が最近は多すぎますが・・・)
思考実験的ですらある設定と類型的なキャラクタ造形。
はっきりいって「デスノート」とかわりません。
逆にいえばそれこそが、本作が理知的だが「深み」にかけるゆえんだと思える。
最初に状況設定のポテンシャルでその後のコマ(登場人物)の動因をすべて
まかなおうとする橋本忍らしい脚本だとおもいます。
本作は余計な要素をそぎおとして、フォルムとしてできるだけ簡素にしている
ところが成功しておりその意味で美しく完成された作品だと思います。
(余計な要素は入りすぎて失敗したのが「砂の器」)
組織の問題性とか武士道の裏面とか、そんなテーマはお飾りにすぎない。
(そこらへんをもって「重い」と評するのは、映画になにか違うテーマ性を
かさねあわせすぎだと思います)
本作は端的に非常に良くできた落語なんだと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2008-04-15 00:19:16)(良:1票) 《改行有》
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