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1. セブン
昔から散々怖い映画だと言われ、ビクビクしながら観た作品。
で観てみると、意外にハードボイルドで、けっこうちゃんと刑事ものとしての骨格がある作品だと感じた。
アパートでのチェイスシーンなんて、普通にアクション映画然としていて、意外にも思えた。
ビジュアル面はかなり渋いながらもスタイリッシュで、公開から何年経っても古さを感じない。ブラッドピットの熱血ぶりとモーガンフリーマンのいぶし銀の組み合わせも、実に素晴らしい。
ラストの後味がなぁ…と思いつつも、それがあってこそ記憶に残る作品だとも思う。
都市の退廃、20世紀末に漂った厭世観・終末観・混沌ぶりを味わうにはもってこいの映画だ。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-11-23 13:01:25)《改行有》
2. セッション
《ネタバレ》 高い評価もうなずける。名作といわれるのも理解できる。
実際、" Not quite my tempo!!"のシーンは苦笑いを堪えることができなかった。
音楽をテーマにしながら、濃いサスペンス劇のような造りになっているのは斬新だ。
では、この作品、面白かったのか?
私には面白くなかったのだ。はっきり言って個人的には実に不快な映画だと感じた。
これは私が音楽を少し齧っていたことに関係がある。
主役二人の音楽に対する向き合い方は、とてもではないがプロのミュージシャンとはいえない。
バンドメンバーとの協調無し、指揮者とドラマーの二人で自分たちの世界に没入、そして観客は置いてけぼり(これが一番ひどい)。
どんなに協調性がなく、独裁的なミュージシャンでもプロならばさすがに客をほったらかしにはしない。自分にお金をくれるお客さんを楽しませてコンサートは成立するし、お客さんを楽しませるために熱のこもった演奏をする。
そういうスポーツマンシップならぬミュージシャンシップをまるで放棄して、二人だけの世界に没入するさまを見せ付けられても、感動を覚えるどころか逆に不快感しか覚えなかった。たとえ音楽の神様がいたとしても、こういう輩は迷惑なだけだろう。
たぶん音楽を齧ってなかったら、迫真の演奏シーンに圧倒されて自分も高評価をしていたとは思う。
…それでもこういう独善的な連中の狂乱ぶりを、音楽の神様が降りている!とか最高の音楽映画!とかって持ち上げたくはないなぁというのが正直なところ。[映画館(字幕)] 4点(2018-08-25 14:49:54)《改行有》
3. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
《ネタバレ》 アル・パチーノの名演技に感動した作品。
それまでの演技のエネルギッシュさに、気品と哀愁を備えた、言ってみれば重戦車のような強さと迫力が備わり、
万人の心を打つ演技で見事オスカーも獲得した記念すべき作品。
タンゴのシーンとクライマックスの演説シーンは、これからも何度も見返すことでしょう。
”彼に旅を続けさせてやってくれ” ”彼を壊すのでなく、守ってあげてくれ”
逆境や苦難を乗り越え、年齢を重ねてこそ光る台詞。長年オスカーを獲得できず、一時は映画界からも遠ざかり、辛酸を舐めたパチーノだからこそ響く台詞だったとも言えます。
名演技とは何か、名優とは何かを存分に教え、伝えてくれる素晴らしい映画です。[ブルーレイ(字幕)] 10点(2018-05-05 19:59:46)《改行有》
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