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プロフィール |
コメント数 |
122 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
自分の感性は、きわめて平凡だと自分でもわかっています。ただ、ほんとうはよくわかっていないのに、「わかった!」「よかった!」というのだけはしないつもりです。 |
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1. ソラリス
《ネタバレ》 (いまの時点の)平均点が3.78とは意外だった。どこまで理解できているかはわからないが、私にはそれほど酷い作品とは思われなかった(個人的にこういう映画が好きだから、だが)。
人間にとっての生とは何か。人間は脳によってものごとを認知し、思考しているのだから、もし脳への神経刺激を究極まで精緻にすることができたら、実体験なしに脳への刺激だけで私たちは実体験に等しい生を生きられるはずである。この考え方はデカルトが考え出したもので、それをそのまま下敷きにしてつくられたのが『マトリックス』だ。
本作は『マトリックス』とは少々違う切り込み方で人間の生を問うている。実体験と究極の神経刺激にどこが違いがあるのか? もしオリジナルとコピーのあいだに相違がなければ両者に違いはあるのか? もし神経刺激やコピーのほうに価値を見出すことができたとしたら、そちらが生の真実とはいえないのか? もし実体験やオリジナルに何の刺激や価値を見出すことができなくても、それでも実体験やオリジナルのほうに意味があるといえるのか? 本作にはSFラブロマンスに終わらないものが含まれていると思う。
映像の美しさもこの映画の魅力。ただ、女性が別の女優でもよかったとはたしかに思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-02 21:17:23)《改行有》
2. ソウ3
《ネタバレ》 このシリーズに対する自分の過去の評価を顧みると、1に7点、2にも7点付けていた。2に7点はちょっと甘かったか。というのは、これを5点にしたけれど、2よりはよくできていたとは思うから。
5点にとどめたのは、みなさんおっしゃるように、あまりにもグロすぎるから。正視に耐えない演出で、かえって作品性をスポイルしている。ソウの魅力はスプラッターではなく、知的サスペンスにあるはずだ。
よくわからなかったのは、アマンダがリンを殺そうとする動機。いったい、どうしてそこまで殺したがるのか私のアタマでは理解できなかった(どなたか説明してくれるとありがたいのですが)。アマンダのリン殺害は大きなゲームのピースなので、そこが腑に落ちないと、作品の完成度も物足りなく感じてしまう。また、ジェフが「許す」といいつつジグソウを殺したのも違和感が残った(そうしないとオチがつかないから?)。
今回のドンデンは、実は、アマンダへのゲームだったということだが、あまりドンデンになっていない気がした。ジェフとリンが夫婦だったというのは見抜けなかったけれど、それが明かされてもさほど驚きはしなかった。
今後4がつくられるとのことだが、一つのピースとして、ジグソウの回想シーンでオチのなかったもの、つまり、「愛している」とジグソウがつぶやいた相手の女性が絡んできそうな気がする。頼むから、グログロ、ドロドロ路線をこれ以上突っ走らないで、と祈りつつ5点也。[DVD(字幕)] 5点(2007-09-10 01:37:00)(良:1票) 《改行有》
3. ソウ2
《ネタバレ》 面白かった。しかし、2つのディメンションで話が進行する舞台立てや、「ゲーム」のプレイヤーの人数の多さなど、要素が多い分、やや目先が誤魔化された感じがしないでもなく、謎解きとは別次元でちょっとストーリーがわかりにくかった。私としては前作のようなムダを省いた一種の純化されたシチュエーションがほしかった。
とはいえ、脚本はよく練られていたとは思う。「なるほど」というトリックもあって、脚本家の力の入れようを感じた。鑑賞中は筋を追っているのでゆっくり考えながら見るとはいかなかったが、それでも、ところどころ「ん?」と引っかかるところがいくつかあって(たとえば、マシューズにとってはこれがゲームとなるのか?とか、どうして「家」のほうのゲームが終了2時間前ちょうどにうまくスタートできたのか?など)、それがタネ明かしではやはり絡んできていたので、漠然とではあるけれど、つくり手が映画のなかに潜ませたヒントをつかめてはいたかと思う。
お決まりの突っ込みどころとしては、まずジグソウのアジトでの警察の捜査。ほぼ2時間、事実上何もしていないわけで、それにはちょっとムリがある。次に「家」のほうのゲームの一つで、ガスオーブンみたいな機械に入るものは「答え」がないんじゃないかと思った(なので、ゲームとはいえないのでは?)。それからラストのダニエルの大ドンデンだが、いくら「あれ」のなかにいたとはいえ、音や振動でわかるはずだという気がするのだが。
なお、突っ込みどころではないが、字幕ではただ「神経ガス」だったか「化学ガス」だったかしか訳されていなかったが、英語では「東京の地下鉄テロで使われたガス」といっていた。どうしてそのように訳さなかったのかな? でも、それだと即死するような気もする……。
2代目ジグソウの登場で「SAW3」も決定的なようだし、きっとまた続編もみることでソウ。ということで、7点也です。ちなみに私は、何となくでしたが、かなり早い時点で2代目がわかりましたよ。(^^)[映画館(字幕)] 7点(2005-10-29 02:51:35)《改行有》
4. ソウ
《ネタバレ》 面白かったです。よく練られた脚本で、観終えて「非常に緻密な映画だったな」という印象をもちました。もっとも、それはあくまでも印象であって、具体的に何がどう緻密なのかは判然としませんでした。その後、「完全解読」なるサイトがあると知り、それを読んで感服しました。ほとんど、シャーロック・ホームズ級の観察と洞察で、見事にこの映画の絡まり合った糸をすべてほぐして明らかにされています。
あそこまで読み解ければ見応えもすごいものがあるのでしょうが、私なんぞの読解力では到底ムリ。ですから、完全解読さんほどの見応えは得られませんでした。それはおそらく、大多数の人も同じでしょう(違う?)。制作者側にしても、あらゆるパーツをくまなく汲み上げての鑑賞までは期待していないでしょう。
そういう意味で、本作はどこまで読み解けたかによって観る人の満足度が違ってくるのだろうなと思います。脳内整理能力と観察力と推理力が問われる映画ですね。したがって、このレビューでの各人の点数は、そのまま頭脳明晰度を示しているといえるかもしれません(笑)。ま、私ゃこんなもんだろう、という7点也です。でも、犯人の目的が「生命の大切さを訴えること」というのは違うと思いますね。犯人は「安寧」を得たかったのだと私は見ました。それから決定的な違和感として、いくら「最前席」といっても、死んだふりをしていては何も見られないと思うのだが。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-20 23:59:50)《改行有》
5. 存在の耐えられない軽さ
《ネタバレ》 もっと、タダのエロい映画かと思っていたが、どうしてどうして、すぐれた作品だった。女と見ればすぐ口説きにかかり、手術中にも鼻歌を歌うような超軽々しい医師、トマシュ。前半ではトマシュの軟派ぶりがいかんなく発揮される(笑)。 ところが、「プラハの春」が終わり、ソ連軍が進駐してきて、すべては一変する。安全なスイスにいることもできたのにテレーザを追って再びチェコへ戻ったり、ほかの医師たちが「自己批判書」にサインするなか、トマシュだけが断固として拒否したり。真面目であったはずの者たちが保身を図る一方、このうえなく軽い男と思われてきたトマシュだけが鋼の棒のような筋を通す図式。たしかに人間って、いざとなってみないとわからないもんだと思わされる(自分も含めて)。 そうした「男の生き方」を問う一方、「男と女の不可解さ」も実に丹念に、魅力たっぷり描かれていた。サビーナとの善悪論を越えて惹かれ合う関係、トマシュを理解しようとするあまり自らを傷つける情交を結んでしまうテレーザ……。ステレオタイプではすまない人間心理の機微が見せられ、「そういうもんだよなぁ」と共感した。 個人的にとくに印象に残ったのは、サビーナの情人であった大学教授が「妻と別れてきた。一緒になろう」といってきたシーン。サビーナにとって女としてこんな嬉しいことはない。が同時に、結婚すれば一人のものになってしまうし、トマシュとも切れなくてはならない。そのしがらみに耐えられない思いもどっと去来する。そうしたアンビバレントな感情と涙が、とてもうまく演じられていた。 映像も美しく、俳優たちの目だけの演技などもたっぷり堪能できる秀作。ということで、9点也を捧げます。ラストはまさに「天に召された」といった感じでしたね~。9点(2004-12-12 10:23:20)
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