|
1. ヴェニスの商人
シェイクスピアのユダヤ人に対する無知、というより当時のキリスト教社会の価値観が作り上げたと言える原作。これがなぜ「喜劇」なのかはよく分からない。これをユダヤ人シャイロックの悲劇と涙を流したハイネの解釈がこの映画のベースになっている。周囲の理不尽さに打ちのめされた孤独な男をアル・パチーノは上手く演じている。裁判の場面で跪いて咽ぶ姿に思わず涙が出てしまった。余談だが、利息を取ることよりも人の弱みにつけこんで贖宥状なるものを売りつけたローマ・カトリック教会の方がよっぽど質が悪いと筆者は思うのだが。テレビに消費者金融のCMが垂れ流しになる昨今の日本を見てシャイロックは「ほれ見たことか」とほくそ笑んでいることだろう。[映画館(字幕)] 8点(2005-12-31 08:32:04)
2. ウォーク・トゥ・リメンバー
原作(英語での原書。日本語訳の「奇跡を信じて」は話にならない)では余命わずかのジェイミーが教会のヴァージンロードを歩く場面があった。自分の最後の命を使ってヴァージンロードを歩く姿があまりに感動的で皆の記憶に残ったからこそWalk to Rememberなのだが、この映画ではそれが省かれていて感動も今ひとつだった。時代設定を現代にしたのも失敗に思える。「人間の命には限りがある。だからこそ悔いの無い人生を歩もう」という本作の主題が良いだけにこの映画の出来には失望。5点(2003-11-28 21:30:50)(良:1票)
0 | 3 | 3.23% |
|
1 | 9 | 9.68% |
|
2 | 12 | 12.90% |
|
3 | 12 | 12.90% |
|
4 | 8 | 8.60% |
|
5 | 10 | 10.75% |
|
6 | 6 | 6.45% |
|
7 | 11 | 11.83% |
|
8 | 9 | 9.68% |
|
9 | 5 | 5.38% |
|
10 | 8 | 8.60% |
|
|
|