みんなのシネマレビュー |
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1. 宇宙戦艦ヤマト 復活篇 《ネタバレ》 特別、ヤマトファンというわけでもないのだが、いかんせんあのメインテーマを聞くと昭和の心がうずきだし妻を伴って劇場に足を運ぶことに。レイトショーで観賞したのだが、いやはや何と年齢層の高いこと。それもご夫婦の多いこと。若い人の姿などちらほら程度である。第1作目を青春ど真ん中で経験された方々なのだろうけれど、今作であの当時の興奮をもう一度味わうことが出来たかというと、残念、スマートすぎた。結論から言うとあの戦艦はヤマトでなくても良いのでないか。ヤマトに固執するその意味が全く持って不明である。スマートだと表現したのは、もちろんヤマトの造形的なもの、CGを駆使した宇宙戦のこともあるのだが、ストーリーの根底にヤマト特有の(私だけが持っているものなのかも知れないが)悲愴感、使命感が全くない。地球の為に精一杯、ぎりぎりの力で、ぎりぎりの戦略と知恵で敵に挑むということが全然ないのである。 これではヤマトではない。昭和くさいことかもしれないが、最強戦艦ヤマトが見たいのではなく、傷つきながらも必死で地球を守る姿が見たいのである、地球を背に宇宙を漂うヤマトは力もある勉強もできる優等生だ。優等生の戦いには情熱は感じられない。確かに激戦を経て成長した古代進の手腕は光るものがあるだろうが、どうにもしっくりこないのだ。バタくさくても、泥臭くてもなんかこう洗練されていない点がヤマトの魅力だと思うのだが。でも、厚い氷をぶち破り発進するシーンではあのテーマ曲と相まってそれなりの興奮はあったのだが、それだけなのである。あと、映画の最初のクレジットで原案石原慎太郎と出た時には、劇場内がほんの一瞬どよめいた。これはどういうことなのだろう。一番印象に残ったことではあるのだが。[映画館(邦画)] 5点(2009-12-14 19:37:16)《改行有》 2. 宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 観てたと思っていたら、ありゃりゃ観ていなくて、DVDをレンタルして観賞。話題にもなったし、宣伝もバンバンやってたし、何で観なかったんだろう?年をとるといけませんね。すっかり観てた気分になってて。ほんでもって、ちゃんと観てみると、面白いじゃないの。もっとドンパチを想像してたんだけど、そんな場面はなく、ただただ逃げ回る一般市民をこれでもかとくどいくらいに描いています。地中から出て来た時点で、こりゃかなわんわ、なのでしょうが、圧倒的に強い様をみせつける序盤はさすがスピルバーグ。街の壊れっぷりはパニック映画のテキストみたいにしっかり見せてくれます。だらしのない親父のトム君の動揺ぶりもよくて、ハラハラドキドキ。ただ、戦争というタイトルの割には、先に想像していた異星人とのドンパチがなくて、迫力には欠けます。でも、この映画、逃げまどう人間を上から目線でとらえていて、何かしら神の啓示っぽく見せています。弱い人間。知恵はあるだろうに、逃げるというその一点のみにしか考えが及ばない人間。実際そうなのだろうけど、文明を築き上げた地球人としては遥か銀河の彼方からやって来たものからしたら、たいしたことないんだ。なんて、簡単にやられちゃう場面が、ものすごく怖かった。宇宙は広い。地球人が最高なんて思いを木っ端みじんに砕いてみせる、思い切りのいい作品でした。最後は、むむってな終りだったんだけど。[DVD(字幕)] 7点(2007-10-12 17:36:14)(良:1票) 3. ウォーターボーイズ TVで何度も放映されているのを、御飯食べながら、電話しながらと、わき見だったので、ちゃんとDVDで観ることに。爽やかな物語で、本当に夏向けですね。自分の高校生活とは比べ物にならない程、青い時を、熱い夏を、登場人物達が満喫しているのが眩しいです。夏の空って、日射しって、こんなに鮮やかだったんだなあ。忘れかけていた当たり前の色を懐かしく感じました。男子のシンクロの学園祭での成功を見せるストーリーは、努力して、協力して、ひとつになって、感動するという定石ながらも、出演者達の若さハツラツによって充分惹き付けられました。脇を固める俳優さん達もいいですね。 映画の物語自体がイベント的なので、グラフィッティみたいな簡単描写ですむのだろうけれど、何気ない日常とか、普通の生活のシーンとかもう少し多くても良かったかなと感じます。生き生きとした彼等のラストのシンクロがより鮮明になると思うので。でも、いいですね。若いっていうのは、もうそれだけで長所になるんだな。7点(2004-10-06 11:51:44)《改行有》 4. 宇宙からのメッセージ SF映画ブームに便乗して作られたような、そして見事に失敗している映画だと思います。「スターウォーズ」の感性は、全く活かされてなくて(日本映画だから仕方ない)特撮もがっかりするものが多数。宇宙船の巨大感を見せる撮り方は、まねだけで迫力もなし。ファンタジーというよりも浪花節的な展開にお粗末すぎて涙、涙。真似する部分があまりにも違うのではないでしょうか。チャンバラや「フォース」といった精神面での戦いは日本でこそ見せるべきもの。特撮やスケール感だけ模倣しても全然面白くありません。日本でSFが難しいと確認した作品でした。アニメでは凄く高い評価を得られるのですが。2点(2004-04-07 10:23:52) 5. ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 世に名作といわれる作品は数あれど、これほど自分の中で評価の変わった映画も珍しい。初見はTVで。街の不良グループの抗争と男女の恋愛の話でもの凄いインパクトを受けたのですが、いかんせん、あのダンスにどうしてもついて行けず、TVの前で非常にこっぱずかしい思いを味わいました。(自分が踊っているわけではないのに)何で、街中で踊るんやろ。恥ずかしくないんかな。 あっ、指まで鳴らして、何様のつもりやなどと、映画の見方にはなっておらず、単なる生理的な寒さを感じたものでした。しかし、年月はそんな私めにも、幾分かの成長剤を飲ませてれたのか、今観ると熱いですね。ほとばしる情熱とでもいうのでしょうか。毛嫌いしていたダンスが、若きアドレナリン暴発みたいに非常に躍動感あり、映画のメッセージをこれでもかと伝えてくるのです。激しい激しい踊りに圧倒されるのが快感になってくるのです。物語自体は悲劇です。若い命が過った方法で断たれます。ほとばしる情熱の鉾先が違う方向に行ったみたいに。でも、人生の軌道修正は中々難しいもの。この苦い経験が、大人をつくるのでしょうか。そんな屁理屈も、永遠とも言えるこの踊りの前では無意味でしょう。ニューヨークの空気を感じさせる、匂いを嗅がせてくれるすんばらしい映画です。9点(2004-03-09 13:17:30)(良:1票) 《改行有》 6. 宇宙戦艦ヤマト 《ネタバレ》 公開当時は、そりゃもう朝早くから並び、大スクリーンに映るヤマトの勇姿を見ては、感激してたものでしたが、今、思い返すと日本の若い人全てが、ある種の熱病に冒されていたんだな、と思います。地球を救うという使命のもと、遥か彼方のイスカンダルまでコスモクリーナーを受け取りにいくという話に、何の矛盾も、下衆な勘ぐりも持たずに観れていた自分が、ああなんと純粋であったことか。冷静に観れる今は、やたら突っ込みどころのあるこの映画に、新たな面白味を発見できるのですが。それにしてもヤマトの主題歌は、よっぽど日本人の心に響くものがあるのか、カラオケでも異様に盛り上がりますし、パチンコ台になって、大当たりした時にもかかり、嫌が応にも奮起させられる「魔物」が潜んでいるようです。リアルタイムに経験した人にとっては、忘れられない記憶の刷り込みをされたのではないでしょう か。5点(2004-03-08 15:45:12)(良:1票) 《改行有》
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