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1. タクシードライバー(1976)
魔力をもってますから。この映画は。あんまり観ると洗脳されちゃう、そんなちょっとアブないオーラでてます。この映画が好きだと言うと、心を病んでると思われそうで、あんまり言わないようにしているが、つい何度も観てしまう大好きな映画です。
ふつう、映画は主人公と観客は一体となれるように展開していくと思う。だいたい主人公ってのは心がキレイで正しく、分かりやすい行動をする。でもトラヴィスは、どこまでも不気味さが残る。約二時間、トラヴィスの風景ばかりにつき合い、トラヴィスの独白を延々聞かされるのに、トラヴィスの全てを理解することはできない。でもどこか共感してしまう部分もあるのが不思議なところ。
[DVD(字幕)] 10点(2008-06-27 00:10:27)《改行有》
2. 太陽がいっぱい
『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンを見て、こんなに美しい人間が本当にいるのかと思いました。暗さのある美しさなんですよね。ギラギラ輝く太陽と対照的で。空、太陽、海。全てのシーンが文句のつけようもないくらい美しいです。
この映画のリメイクである『リプリー』は、この映画とは全く別ものと思ったほうがいいかと思います。私は断然『太陽がいっぱい』派ですが。
市場のシーンや、サインの練習をする姿、鏡の前でフィリップの服を着る姿…印象的な場面を挙げるときりがないくらい。そして、はかない幸せがなんともいえない余韻を残します。
[DVD(字幕)] 10点(2008-06-27 00:06:44)(良:1票) 《改行有》
3. ダウン・バイ・ロー
刑務所を脱獄する三人の男のロードムービー。普通の映画なら脱獄までのプロセスをハラハラさせながら描くと思うんですけど、ジャームッシュは普通じゃないから。あっさり脱獄。追われるスリルもパス。ジャームッシュは普通の映画でカットされる部分を描き、普通の映画が描くドラマをカットする。
三人のどうでもいい会話。会話が途切れたときの間。刑務所とか脱獄とかっていう状況設定にする必要がないような脱力感。それが超クールに仕上がってるから不思議…。
「終わらずにこのままずっと続いて欲しい」と思わせる映画がいい映画なのだとしたら『ダウン・バイ・ロー』はまさにそれ。
ロベルト・ベニーニ…いるだけで面白い。髪の毛なんて風が吹いたらとんでっちゃいそうだし。カタコトの英語でしゃべりまくる。でも喋ってないときが一番面白かったりします。沈んでいくボートを木にへばりついて眺めてる姿が好き。
[DVD(字幕)] 9点(2008-06-27 00:02:28)《改行有》
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