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21. 探偵はBARにいる3 《ネタバレ》 シリーズのなかでは一番好きかなー。 でも8点つけるほどではないので、7点で。順番では3>1>2。 まず、今までで一番探偵らしいのが良い。寄り道もほとんどなく、無駄が少ないです。 キャストも良かった。ヒロインの北川景子は最高です。華があります。演技も良い。 緊張感のあるサスペンスで始まるオープニングも良いですねー。この女の子は何者なのか。なぜただの運転手が銃を持っているのか。そしてその運転手もいきなり撃ち殺されてしまう。いったい何が起きているのか、興味をひく仕掛けとしては100点でしょう。 もうひとつのオープニングがエロ教頭。いきなりゆるい推理から入るゆるいオープニング。このギャップがなかなか楽しい。 それでいていつものアクションもちゃんとある。 前半丁寧にミステリー仕立てにしてくれたのに、後半のネタばらしはやけにあっさり。 大泉洋が観覧車の中でその推理を披露。・・・・で、その推理したとおりでした・・っていうのはいささか拍子抜けです。 それに、これは最後まで見ないとわからないことではありますが、岬マリが赤の他人のためにそこまでリスクをおかす、いや、殺人までしちゃうっていうのは、少々共感しづらいものがあります。そこはストレートに岬マリの子供でよかったのではないかな。 切なさや悲しさを感じるよりも、『え?まじ?』っていう気持ちのほうが勝ってしまいます。 リリー・フランキーにしろ、北川景子にしろ、キャスティングはすごく良かったと思います。[DVD(邦画)] 7点(2023-03-26 01:26:03)《改行有》 22. 探偵はBARにいる 《ネタバレ》 私は単純なので、最初の乱闘シーンでちょっとこの映画に期待しちゃいました。 ただの情けない主人公かと思いきや意外に強い。そして松田龍平はもっと強い。そう、主人公が腕力でもいい、知力でもいい、とにかく強いと私は映画を楽しめてしまうのです。 でもねぇ。やっぱ探偵なわけですから、腕力は副産物、大事なところは頭脳で勝負してほしいものです。 ・・・・あんまり頭脳戦でしびれるシーンやストーリー展開は、・・・ないかなぁ。 表向きはお調子者でひょうきん。でも実は冷静で頭が切れる。そんな探偵だったらよかったのに。 感情的だし。すぐ罠にはまるし。頭脳プレーで相手の鼻を明かすようなシーンもない。 夫婦が殺された現場に駆け付けたとき、感情のままに暴れるシーンは正直ひきます。 まあその一方で、アクションについては過激なシーンも多く見ている分には飽きないタイプの映画。 そして思い切り好みの問題ですが、大泉洋も松田龍平も小雪も好きな役者さんなので、3人が出ているだけで満足っちゃあ満足。 小雪演じる沙織の壮絶な最期も見ごたえがありますねぇ。 全編通してややコメディ調なテイストが感じられたので、このバッドエンドは意外ではあります。 エンターテイメント作品としては及第点ではないでしょうか。[DVD(邦画)] 7点(2023-02-22 04:16:39)(良:1票) 《改行有》 23. ダンガル きっと、つよくなる 《ネタバレ》 野暮とは思いつつも、どこまでが実話なんだろうってついつい考えながら見ちゃいますね。 エンドロールでギータとバビータのその後+現在が出てきたので、大筋はほぼ実話なのかな? 実話ものにしては起承転結がしっかりしていて、大変メリハリのある作品。父親が自分の夢を娘たちに託しトレーニングを始める『起』。大会で快進撃を始める『承』。ギータがインドのNSAに在籍し、少しずつ道を踏み外していく『転』。そんなギータに父親が手を差し伸べ再び父娘で栄光に突き進む『結』。 『起』ではインドという社会を垣間見ながら父娘の攻防を楽しむ。コメディタッチな演出、やりとりが面白い。 『承』では少年漫画さながらの高揚感を感じる。 『転』では暗雲がたちこめシリアスなドラマに。 『結』ではレスリングという熱いスポーツドラマを堪能できる。 父娘のドラマとしてもスポーツものとしても非常に完成度の高い1本。 長い映画ではありますが、それぞれのパートのテンポ、展開が早くその長さを感じさせません。 無駄な描写があれば80分でも長く感じちゃうのが映画。そういった意味では、無駄な描写はほとんど無かったと言えるでしょう。 気になる点は、バビータの出番が後半ほとんどなくなること。少女時代は二人とも均等に描かれていたのに、中盤以降はギータオンリーの物語になってしまったのがもったいない。 もうひとつはクソ監督放置問題。こんだけ無能なうえに性格クズな監督が本当にいたのか、という疑問もありますが、こいつが最後までおとがめなしっていうのがどーにも気に入りません。それ相応のざまぁな末路を用意してくれないと溜飲が下がらないです。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-05-10 02:32:13)《改行有》 24. ダーク・フェアリー 《ネタバレ》 思っていたよりだいぶ怖い。特に序盤から前半。雰囲気づくりがとっても上手です。プロローグからして真っ当なホラー。 ゆるめのゴシックホラーを想像していたので、ちょっと油断していたというかなめていました。序盤はずっとドキドキしながらの鑑賞です。 で、こーゆー作品の宿命ですが、ダーク・フェアリーの姿が出ちゃうと怖さが半減しちゃうんですよねー。 つまり後半になるほどホラーとしての怖さは勢いがなくなります。 女の子が一人でお風呂に入っているとき、電気を消されちゃうのが怖さのピークでしょう。 そっから先はホラーというよりモンスターパニック。それはそれで面白いのですが、ファイナルバトルではどいつもこいつも簡単に気を失っちゃううえにいつまでも目覚めないのがイライラします。ダーク・フェアリーたちに都合の良いように物語が進んでいきます。まさにダーク・フェアリー視点からのご都合主義と言えるでしょう。 そして後味が悪い。キムが犠牲になる必要があるのでしょうか。それに人が一人消えたんですよ?どこに引きずり込まれたのかもわかっているんですよ?行政や公的な力であの地下を掘り起こすなりなんなりして探し出すでしょう、普通。そんなことを言ったらだめなんでしょうかね。 バッドエンドは嫌いなんですが、最後にキムがどうやらダーク・フェアリーの仲間入りをしたかのような終わり方そのものはおとぎ話っぽくて嫌いではありません。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-09-17 02:11:38)《改行有》 25. ダイアリー・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 ドキュメンタリー形式のゾンビムービーってのが個人的に好きなので、どうしてもこの手の作品には点が甘くなってしまいます。もはや雰囲気だけでも楽しめてしまうからです。 それに、『走るゾンビ』が主流になっている昨今、『歩くゾンビ』はもはや希少価値が高い。久しぶりの『のろのろゾンビ』を見られて嬉しい。 彼らには哀愁があり趣があります。そして静か。これが良い。『走るゾンビ』は確かに脅威ですが、すぐに認識できてしまいます。それに対し、『のろのろゾンビ』はどこに潜んでいるかわからない恐怖を演出してくれます。 ロメロもそれがわかっているのか、『心臓病で死んだやつがいなくなっている。』というエピソードを入れています。グループのボスが『全員動くな。口を開くな』と警告します。耳をすませ、ゾンビの物音を拾おうとします。この何とも言えない空気感、緊張感というのは『走るゾンビ』では決して味わえないものです。 病院内で、いつの間にか点滴ゾンビが後ろに居たっていうのも、静かなるゾンビならではの演出。 ロメロ作品に共通する、『普通に死んだ人もゾンビになって復活する』という一方的な設定が、より終末感を感じさせます。その原因や理由は一切説明されず、ただ理不尽な事実がそこにあるだけ。これが良いですね。自殺を試みた女の子が静かにゾンビへと変貌を遂げるシーンは何よりのお気に入りです。この作品の演出は、のろのろゾンビの良さ、静かなるゾンビの良さってのを、特に強調している気がします。 唯一気にいらなかったのはジェイソンの行動。 ゾンビムービーはサバイバルムービーでもあります。『生存』を最優先に考えないサバイバルほど白けるものはありません。ジェイソン君にはおおいに反省してほしいものです。 それからこの作品を見ると、ドラマの『ウォーキングデッド』はロメロ作品の影響を強く受けていそうだと思った次第です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-03-05 13:43:01)(良:1票) 《改行有》 26. ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 ついにダイ・ハードシリーズもサイバーテロの世界へ。苦手なんですよね。このジャンル。自分が『プログラミング』や『ハッキング』に疎いっていうのもある。こーゆー実体がつかみづらいものに、ハラハラできないってのもある。 でもダイ・ハードだし。ジョン・マクレーンだし。誰が見ても楽しめるくらいのわかりやすいエンターテイメントには仕上がっています。オープニングの『Deleteキー』からのちゅどーん、なんて、インパクト大。つかみは十分。 まあそっからはいかにもなサイバーテロの連続。交通網乗っ取り。通信関係も掌握。最期は電気やガスのライフライン。そんで最終目的はやっぱ金っていう、そこはダイ・ハードおなじみのパターン。 アクションは凄い迫力ですね。アクション映像はCG技術の発展に伴い、すごい画が次から次に映し出されます。街中でのヘリとの攻防。トンネル内でのカークラッシュ。見所には事欠かない。ただやはり、『ひたすら映像押し』っていうのは、大なり小なり飽きがきちゃうものですね。F35とのアクションなんかもうやりすぎでお腹いっぱいです。それが、『人っ子一人いない状況』とあいまって、現実感が湧きません。前半はともかく、後半はスケールの大きさの割に世の中のパニックが全然伝わってこなくていまいち。警察やFBI、国家権力もここまで無力化されるとつまんないもんですね。 なんか不満ばかり書いちゃいましたが、全体の印象は悪くありません。 でもこの内容でしたら、私は『危機感』『緊張感』『臨場感』に加え、『人間味』のすべてにおいて、『3』のほうに軍配をあげます。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-05-20 14:44:30)(良:1票) 《改行有》 27. 007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 アクション映画としては及第点。ただストーリー、特に後半は裏切りが多くて疲れます。 007シリーズをそんなにたくさん見たことがあるわけではありません。でも今までに見たやつと比べても、大分シリアスなタッチで描かれているように感じます。死んじゃう人も多い。その描写も結構生々しかったり。お笑い要素は少なめ。 ガンアクション、追いかけっこアクションはなかなかのスピード感。見応えアリます。ですが序盤の『工事現場⇒大使館の追いかけっこ』に代表されるように、1つ1つのアクションがやや冗長。スピード感はあるのに、ストーリー的なテンポはいまいちです。 また、アクションに力を入れすぎて、スパイ要素が少なめ。『どーせばれてるから』って名前言っちゃったりするし。007ならではのスマートなスパイシーンを見たい人は、これで満足できるのでしょうか。 スリリングさは申し分ありません。それはそれで好きなんですが、ちょっとジェームズ・ボンドが殺伐としすぎている感じがするのは気のせい?もうちょっと余裕が欲しいところではあります。 序盤が評価が高いようですが、個人的には中盤から終盤にかけてがかなり好き。ポーカーは好きなカードゲームなので、見ていて面白かったです。ただポーカーって、ディーラーとプレーヤーがグルになって神業的イカサマとかがあれば面白いんですが、そうでなければ戦略性に欠ける単純なゲームなんで、そういった意味ではカジノバトルとして盛り上げにくい部分もあるのかもしれません。この作品でも駆け引きが重要と言っておきながら、結局は単純なパワーゲームがメインとなっています。 終盤、裏切りに次ぐ裏切りはちょっと引きますね。黒幕みたいな人たちが次から次に出てきて誰が誰やら。ラストくらいヴェスパーとボンドとマティス3人で乾杯して終わるようなスッキリ感が欲しいです。本来であれば血生臭いスパイの世界を、軽妙洒脱に描いたからこそ007シリーズはオリジナリティを出せたのだと思いますよ。まあ007シリーズとして見なければ十分楽しい映画です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-03-16 08:29:27)《改行有》 28. タイヨウのうた 《ネタバレ》 昔ドラマを見ていました。結構好きなドラマでした。 雨音薫は沢尻エリカよりYUIのほうが良い。でも藤代孝治は、塚本高史より山田孝之のほうが雰囲気があって好きですね。 ドラマでは、二人の交流をじっくり見ることができました。そのイメージがあったので、なんとなく映画は敬遠していたんですよね。時は経ち、ドラマの記憶もすっかり薄くなってしまったので、今回映画版も鑑賞。多少の不安はあったものの、見始めると驚くほど丁寧な人物描写に驚きです。 映画はスローペースで落ち着いた雰囲気。そんな淡々とした空気感の中、『ストリートライブ』や『迫り来る日の出』など、盛り上がるイベントや緊張感漂うシークエンスがあり、メリハリが効いています。映画として大変バランスが良いんじゃないでしょうか。 主人公や大切な人が、病気や事故や自殺で死んじゃう。この頃の邦画はそんなんばっかり。この作品も例外ではありません。ただ、そーゆーテイストではあるものの、悲しさ一辺倒ではないのがこの作品の良いところ。コメディタッチで、さわやかな雰囲気。孝治のキャラクター。YUIのキャラクター。そういったものが、さわやかな雰囲気や、生きる希望、そういった前向きなオーラを全面に押し出しています。 人の優しさや強さを感じられる映画は良い映画。 個人的には、序盤がちょっともったいつけすぎ、尺をとりすぎなのが気にかかるか。『藤代との恋愛』『ストリートライブ』『病気』『家族と友人』『CD製作』この辺りが作品のテーマとなるのでしょうが、本題に入るまでがもったいつけすぎかも。序盤でいきなり中だるみします。 それにしてもYUIの透明感あふれると同時に、芯の強さも感じられるキャラクターは貴重ですね。 薫の曲がラジオから流れてきたことがわかるクライマックス。ここをあえてサイレントにしちゃう演出のセンス、最高の余韻を感じさせてくれます。 不要だったのは棺おけに入った薫を映してしまったこと。そこはナレーションだけにしたほうが良かったと思います。[DVD(邦画)] 7点(2018-06-10 11:55:26)(良:1票) 《改行有》 29. ただ、君を愛してる 《ネタバレ》 もっとハッピーなラブストーリーを期待していたので、見終わった今、とても哀しい気持ちです。 『別れ』はいつでも悲しい。特に『突然の別れ』と『死別』は格別。 二人が初めてのキスをして、家に帰ったらしずるが突然いなくなっている。これだけで十分だと思うんですよね。 失意の中届く一通のエアメール。差出人は里中しずる。再びともる希望の光。しずるに会いにはるばるニューヨークへと旅立つが、出迎えてくれたのはみゆき。焦らすなーと思っていたら、実はしずるは他界していた。 しずるが劇中で言っていたセリフを借りるなら、『天国から地獄』へを何度も見せられるクライマックス。結構残酷。見る人を泣かせることばかりに気がいって、この作品はなんか優しさを忘れている気がします。しずるが突然いなくなるという悲恋と思わせといて、そこからのハッピーエンドならともかく、更なる悲劇を用意するってどうなの?しずるにもまことにもばりばり感情移入しまくっていたので、終盤は本当に気が滅入りました。 久しぶりに映画の世界に浸れたので、低い点数はつけられません。玉木宏、宮崎あおい、黒木メイサ、みんな魅力的で文句ありません。宮崎あおいが一番可愛く撮れている映画かもしれません。なので7点。でも決して良い意味での7点ではないです。ちなみにしずるがいなくなる前までだったら10点。やっぱもっとわかりやすく幸せな気持ちで終わりたかったです。 原作者が『今、会いにゆきます。』と同じ人なので、終盤のプロットと雰囲気が特に似ていますね。ケーキがエアメールに代わっただけです。[DVD(邦画)] 7点(2018-03-11 11:26:48)《改行有》 30. ダニー・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 ハードなアクションかと思いきや、実は『ちょっと深イイ話』に見せかけて、『浅イイエンターテイメント』というしめくくり。でも嫌いじゃないです、こういうの。意味ありげで、あんま大した意味はないっていうの。 最初からジェット・リーのアクション目当てだったので、それを見れただけでも満足。むしろ、なかなかヘビーなドラマを仕込んでくれたおかげで、見応えのある作品となっています。 その一方で、クライマックス辺りのドタバタアクションには少し物申したい。おいてけぼりの部下たち。そのまま放置で突然舞台はコンサートホール。今までの丁寧な脚本作りが嘘のようなこの適当な展開はいったい・・・?そして欲を言うならば、ダニーがサムとヴィクトリアを守りながら戦うといったシチュエーションにしてほしかった。押入れに二人を押し込んじゃった後は、ひたすらバート一家とダニーとの一騎打ち。せっかくダニーが見つけた『本当の家族』との絆を描く絶好のチャンスなのに、その二人が全く絡んでこないってもったいないです。 前半~中盤くらいまではグイグイ引き込まれたんですが、ラストのバトルとオチが弱い典型的な竜頭蛇尾的作品。[DVD(字幕)] 7点(2017-11-08 12:43:49)《改行有》 31. 旅するジーンズと16歳の夏 《ネタバレ》 オムニバス形式に近い構成のドラマですね。 4人のエピソードはそれぞれに独立していて、直接交じり合うことはありません。 ジーンズに添えられた手紙を通して、お互いの話を聞き、共感し、時には背中を押してあげます。ただそれだけ。 それは現実世界にはわりとよくある話。それに、4人のドラマが交錯することがない以上、シナリオとしての面白さはありません。 また、映画としてスケールが大きいわけでもありません。 はっきり言って、『なぜわざわざこんなものを映像化するの?』という内容です。 ですが、なぜか目が離せません。 こんな地味なエピソードの羅列に、ずっと興味をそそられっぱなしです。不思議なものです。 リアルを感じさせるストーリーというのは、ともすれば『退屈』と紙一重。本作は主人公一人一人が『よくあるプロット』の中、真剣に考え、悩み、行動し、それぞれの答えを探り当てていくので、そこに深い共感を覚えるのかもしれません。また、4人の友情は本物で、こそばゆくもあるのですが、見ていて気持ちが良いんです。 ティビーのエピソードは『病気で死ぬ少女』をだしに涙をさそうあざといものです。ですが少女と接するティビーの姿が非常に良くて、素直に感動します。 カルメンの『父親とその新しい家族』に対して思いをぶつけるエピソードも良い。『ドレスの試着でキレるシーン』『父親への電話シーン』など涙をさそうのですが、何といっても『石を窓にぶつけるシーン』、これが素晴らしい。自分を探しているのかと思ったら、自分のことなんかそっちのけで家族団らん楽しむファミリー。言葉ではなく映像で、カルメンの心の傷が手にとるようにわかってしまうのです。 ストーリーとして面白いのはこの二人でしょう。 リーナとブリジットのエピソードは第三者が見て面白いものとは言い難いです。 ですがリーナを演じるアレクシス・ブレデルが驚異的な可愛さ。ストーリーなんかどうでもよくなります。 ちょっと評価が難しいですが、主役の4人がそれぞれ良い個性を出しながら、その友情も見せてくれるので多分良作。 ただ映画として突出した部分がないのも確かなので、見る人によっては凡作かそれ以下になるのも致し方ないでしょう。[DVD(字幕)] 7点(2017-05-28 12:11:26)(良:1票) 《改行有》 32. ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 アクションは最高。スピード感あり、テンポも良い。ストーリーがよくわからなくても、映像だけで楽しめることは間違いありません。 そう、途中からストーリーがよくわからなくなります。 作っている人たちも、実は途中からわからなくなってるんじゃないの。 シュワちゃんなんか怪しい・・・。『とりあえずよくわからんが、俺はここでI'll be backと言えばいいんだな?』とか言ってそう。 私はもともとパラレルワールド、タイムパラドックス反対派なんです。 じゃないと、『過去に戻る意味がねー』と思うんですよね。 それにターミネーターシリーズにおけるタイムトラベルは、あくまで舞台装置のひとつであって、ストーリーそのものは非常にシンプルかつわかりやすく作ってくれていた印象があります。 それがこの作品は、完全にタイムトラベルとその謎解きがメインになっているような気がするのですよ。 後半はなにせ状況がよく理解できていないまま、どんどん話が展開するものですから、凄い映像見せられても何となく蚊帳の外・・。こーゆーサスペンスアクション系は、主人公達のゴールが見えないと、こちらもハラハラドキドキできないものです。 劇中ジョン・コナーが、『私達だけ時の流れの中置き去りにされているのだ』みたいなことを言うシーンがあるのですが、そうそう、まさにそんな気持ちで見ていましたよ。むしろあんたのせいだと言ってやりたい。 『1』の『T-800』にしろ、『2』の『T-1000』にしろ、『3』の『TーX』にしろ、外見は人間でも中身はロボットのあの無機質感が生み出す『怖さ』やある種の『かっこよさ』が好きだったのに、この作品ではよーしゃべりますねー。べらべらべらべら。 言葉のやりとりなんかできないのがターミネータの良さだと思うんですけどね。 映画そのものは最高級の技術で作られているであろう映像が満載ですから、そりゃあもうアトラクションとしては最高に面白いんですが、・・・もったいないなー。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-05-09 03:57:24)(良:1票) 《改行有》 33. ターミネーター2 《ネタバレ》 はじめて見たのは中学生の頃か、高校生だったか・・・。当時では考えられないT-1000の流動的な映像に度肝を抜かれたのを覚えています。 その映像技術に頼りきらず、その映像技術から更に工夫されて生み出されたアクションの数々。 初見のときにはこれ以上無いくらいに胸が躍り、そして今見ても十分に面白いと感じられます。 ストーリーはどうでしょう。 テーマは大きい。『世界の滅亡』『人類の存亡』。 それに対して、ストーリーはシンプル。 1.『人類(抵抗軍)のリーダー』を『殺そうとするもの』と『守ろうとするもの』の闘い。 2.事の発端となる人物及びチップの破壊。 壮大なテーマでありながら、ストーリーは限りなく単純化したことで、大変わかりやすいエンタメ作品へと仕上がっています。 自分達が作りたいものを、誰がみても楽しめる作品へと仕上げる。これぞプロの技ですね。 ただ、子供の頃には気にも留めなかったことが、気になっちゃうのが大人であります。余計なことを考える邪念が入り込んでくるんですよね。 『T-1000』をサラ・コナー暗殺に1984年に送り込めばいいじゃん。とかね。 だからね、タイムスリップものを楽しみたいときは、『ドラえもん』を見るような温かい気持ちにならなきゃだめなんですよね。 じゃないと、中古品が新品ロボットからターゲットを守るっていうシンプルながらもアツいストーリー、そしてアクション、そーいったものを純粋に楽しめる自分ではなくなってしまったと感じ、愕然とするわけです。 ですから、今だったらはっきりわかります。 そして自信をもって言えます。 これは『子供向けアクション映画』なのだと。 それを大人でも楽しめるようにプロの技でコーティングされた傑作なのだと。 ただ残念ながら、わたくし個人としては、傑作とまではいきませんでした。 子供の頃の自分であれば、満点ですけどね。[DVD(字幕)] 7点(2017-04-18 03:48:43)(良:2票) 《改行有》 34. ダブル・ビジョン 《ネタバレ》 ミステリー要素の強いホラーであり、サスペンス。 幽霊ものかと思ったけれど、違いますね。幻覚ものは何でもアリになってしまいがちなので好きではありませんが、これは許容範囲。 オチは微妙。今まで一度も出てきていなかった重病の少女が真犯人と言われてもピンと来ません。 それまで面識のなかった少女と主人公刑事。なのに、少女から『先に行ってるわ。ついてきて』と言われて、なぜかいっしょに死んでしまう主人公。まるで意味がわかりません。 そんなオチはともかく、主人公の家族とその過去のエピソードが大分興味をひかれますね。そして家族の行く末。はたしてこの家族はまたもとの仲の良い家族に戻れるのでしょうか。いえいえ、バッドエンドです。心は再び一つになれたのかもしれんけど、死んじゃったら元も子もないじゃん! とゆーわけで、結末には異議アリです。 でもちょっと泣いちゃったんですよね。離婚まで考えていたのに、死別のシーンで号泣する妻。なくした声を発する娘。こんなサスペンスホラーで泣くことになるとは思いませんでしたが、それくらいドラマ性があって面白い。 生々しい殺害描写やバトルロワイアル的要素もあって、娯楽映画としても楽しめます。デヴィッド・モースとのバディもの的なノリも楽しい。 じゃあ良い映画じゃん、って感じもしますが、何でもかんでも取り入れすぎちゃって、バランスを欠いている気もします。若干ごった煮の雰囲気があるわけです。グロイ描写もありますし、人によっては全く受け付けない作品でしょうね。 個人的には好きな作品です。ただ、ラストはハッピーエンドが良かったですね。 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-12 15:41:46)《改行有》 35. タイタンズを忘れない 《ネタバレ》 実話ベースの、人種問題を軸にしたスポーツドラマにしては、確かに『深み』は足りないほうかもしれません。何人かのレビュワーさんの『ダイジェストみたい』というコメントを見て、なるほど。言われてみればそんなイメージがぴったりです。 合併、合宿、白人と黒人の交流、試合、これだけ盛り込んでしまえば、一つ一つのエピソードの余韻に浸る間もなく『ハイ、次。ハイ、次。』と急かされる感じになってしまうのも至極納得です。ただ、それが映画全体に絶妙なテンポとスピード感を生んでいて、途切れることなくラストまで一気に見れてしまう良さがあります。 この作品は『実話ベースの感動もの』の体裁を保ってはいますが、これはもう『エンタメ作品』と割り切ってしまったほうが、楽しく見れるかもしれないですね。 今作を見る前に『リプレイスメント』というアメフト映画を見ましたが、アメフトというスポーツがわかりやすく楽しめたのはそっちのほうです。こちらの作品は状況が少々わかりづらい部分が多く、特にアメフトになじみのない日本人にとってはよくわからないまま試合が展開していくことがあります。『リプレイスメント』が純粋にアメフトというゲームを楽しむ映画だとしたら、こちらは、アメフトに携わる人々の心の機微を楽しむ作品と言えそうです。 [DVD(字幕)] 7点(2015-06-10 15:30:57)(良:1票) 《改行有》 36. TAXi3 《ネタバレ》 見ている側の『慣れ』もあるのでしょうが、シリーズが進むにつれて、スピード感や迫力が物足りなくなってきていますね。 『でかい車が他の車を押しつぶす』『家を壊して進んでいく』『タクシーが雪山を走っていく』面白いのですが、このシリーズの魅力ってそこじゃないと思います。 やはり公道で走ってこそのTAXi。 日常の世界の中に映し出される非日常だからこそ盛り上がるものがあります。そのラインを最初から超えちゃうととたんに作り物感が強くなるみたいです。ですので冒頭のローラーブレードや自転車での疾走が一番面白い気がしますね。 シリーズものとして、おなじみの登場人物、安定したコメディが繰り広げられる展開が大変良いです。すれ違いや勘違いトラブルもおなじみのパターン。もはや定番化したドタバタを楽しむ作品です。個人的には一話完結のドラマを見るノリで見ているので文句はありません。少々ダメだしをしちゃいましたが、やっぱり面白い作品です。[DVD(字幕)] 7点(2015-03-04 14:17:14)(良:2票) 《改行有》 37. 007/トゥモロー・ネバー・ダイ 《ネタバレ》 007を初めて見ました。ここまで娯楽に徹してくれると気分爽快です。オープニングから凄いです。武器取引の現場の破壊→ミサイル奪取→脱出、それを全部一人でやってしまうスーパーマンっぷり、最高ですね! 携帯や車(ボンドカーって言うんですか?)、ウェイ・リンの秘密基地など、子供心をくすぐられるアイテムが充実しているのも嬉しいです。 更には、中国公安局員の肩書きをもつウェイ・リンが、成り行きではありますがスパイ仲間として活躍してくれるのも楽しい展開です。組織ぐるみでバックアップ体制がとれている雰囲気も大好きです。 まあ難を言うならば、死なないこと、ハッピーエンドが約束されているので、着地点がわかっている分そこに到るまでの過程を楽しむだけの映画というところでしょうか。その割に、その過程の中でおそらく一番の見所であるべき、後半のガンアクション押しがやや冗長な感じがして、多少飽きちゃったところが残念でした。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-07 12:40:11)《改行有》 38. ダウンタウン・シャドー 《ネタバレ》 いわゆる「スパイもの」の映画ですね。これが大変よく出来ていて面白かったです。確かにミッションインポッシブルを連想させますが、こういった作品の雰囲気が似てくるのはまあ仕方がないですね。それに、チームのメンバーがそれぞれの特技を活かし、時間制限の中、数々の難所を突破するっていうのは、たとえお約束であっても楽しいもんです。 本作は、前半がスパイ的な要素が強く、後半になるにつれアクションが増えてきます。個人的な一番の見所は、ジャッカル、キャッシュ、サム(本当は違うけど)、タイタン、フェニックスの5人が協力して、偽札の型番を奪還するまでのシークエンス。ここではスパイらしからぬアクションも結構見せてくれるのが嬉しいです。それに、楽しそうに作戦を遂行するフェニックスが可愛いのです。でも残念ながらフェニックスが登場するのはここまで。ラストまでフェニックスを活躍させてくれたなら、もっと高い評価になったと思います。 後半は、わりと普通のアクション映画と変わらなくなってしまいましたが、それでも十分に楽しめる内容でした。オススメの1本です。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-02 01:47:22)《改行有》 39. タイムコップ 《ネタバレ》 普通に面白い! この映画が一番良かったところって、説明しすぎない潔さじゃないでしょうか。 タイムトラベルって、タイムパラッドックスの問題を避けて通れないはずなのに、普通に避けちゃっているところが潔い。この映画におけるタイムスリップのルールはひとつ。自分と接触したらだめ!これだけ。わっかりやすくて最高じゃないですか。小難しい話は抜きにして、タイムスリップとサスペンスとアクションを楽しんでくださいっていうスタンスが大好きです。 題材はタイムトラベルですが、メインのストーリーはタイムトラベル悪用して金儲けしているマッコムをやっつけろってことで、タイムトラベルという題材に頼りきっていないところも好印象。あの人がマッコムの手先だったってことも驚きましたし。ラストの予想通りすぎるハッピーエンドも気持ちよかったです。[DVD(字幕)] 7点(2013-12-08 22:54:01)《改行有》 40. ダーティ・ダンシング 《ネタバレ》 主役の女の子がダンスを通して成長していくだけのストーリーかと思いきや、ダンスのレッスンをするジョニー、もう一人の先生ペニー、お父さんのジェイクなど、周りの人達の心の変化も楽しめる見応えのあるドラマでした。 ラブストーリーとしても楽しめるのでしょうが、個人的にはベイビーとお父さんとのやりとりにあたたかいものを感じることができる作品で、二人のシーンはどれも良かったです。 出演者のみなさんも、感情的になる一面をみんな持っていながら、誠意ある行動や対応を取れるキャラクターを一貫させていてとても好印象。見た後すがすがしい気持ちになれる作品だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2013-02-25 11:14:15)《改行有》
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