みんなのシネマレビュー |
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1. ダイナマイトどんどん 突拍子もない設定で、メタな任侠パロディみたいなところもありつつ、任侠モノとしてもコメディとしてもちゃんと成立している。ピッチングではないけれど、演出も豪華出演陣の芝居も、緩急の使い方が素晴らしい。軽薄に堕さず、軽妙の線を守れているのは、出演者と監督の力量も大だろう。1950年という煤けた印象のある時代の、しかもヤクザ物でありながら、ファンタジーであることを優先した鮮やかな色彩も表彰もの。岡源ダイナマイツのユニフォームには衣装賞をあげたい。決闘や乱闘シーンの間延び、若干の長さを感じるところは減点材料だけど、ときに笑い、ときに手に汗を握り、ときにしんみり。娯楽映画の王道のような作品で、「ああ、現代でもこういう映画をもっとみたいなあ」と思える作品だった。[地上波(邦画)] 8点(2015-12-15 10:51:51) 2. ダンス・ウィズ・ウルブズ 初めて白人とネイティブアメリカンを対等に描いた映画を観た。が、今度はネイティブアメリカン同士が平等に描かれていない。アメリカには現在も、スー族とポーニー族、それぞれの子孫がいるはずなのに、あの描き方はないだろう。まあ、ケビン・コスナーとしては「最後まで勇敢に戦った」スー族を、高潔なインディアンとして描いてやりたかったのだろう。その辺がやっぱアングロサクソンのアメリカ人だよな。ポーニー族もとった行動こそ違え、誇り高い人達だったと思うけど。 ただ、なんだかんだ言って、こういう「異文化、民族の交流」ものは大好きだし、衣装モノ好きだし、動物が出てくるのも好きだし、自然が美しい映画も好きだ。だから全体としては、かなり好きな部類の映画。でも性格が根っから農耕民族なので、バッファロー狩りのシーンはあんまり受け付けなかった・・・。あと、白人達が「二本の靴下」を狩ろうとしていた時の表情には、吐き気がした。8点(2004-09-02 21:10:35)《改行有》 3. 太陽の誘い 人生初のスウェーデン映画。良いなあ、こういう純粋な話。あの若干セピア掛かった映像と、何となくジェームズ・ホーナーが書きそうな美しい音楽も最高。とにかく自分に自信が無くて、引きこもりがちだったオルフの殻を破ってくれたエレナ。人生40年目にして、初めて自分を「愛している」と言ってくれた人。オルフにとって、本当にエレナは女神様のようだったろう。それだけにラストの手前、エレナも、実はうわべだけの友達だったエリックさえも去ってしまった後の、オルフの憔悴しきった様子には泣いてしまった。その表情の後に来る静かな、しかし激しい歓喜。久し振りに「良い映画」を観たよ。9点(2004-03-05 10:57:42) 4. タイムトラベラー/きのうから来た恋人 「お、ブレンダン・フレイザーだ」ってスカパーでやってるのを何気なく観たら、予想外に面白かった。シェルターで生まれて35年間、という、一見滅茶苦茶な設定も、「キューバ危機の時」と言われればお父さんがああいう行動に出ていたのも納得がいく。冒頭に「核シェルターブーム」みたいな新聞記事を見せるのも巧い。これらが功を奏して、すごく自然に物語に入って行ける。地上の時代の移り変わりを、カフェを通して見せてくれたのも良かった。ウェバー一家を演じる大物三人の演技は申し分ないし、ウェバー一家を神と崇めるカフェ店主もいい味を出していた。アリシア・シルバーストーンもとても可愛かった。なんともほのぼのした気分になれる、久々の掘り出し物。8点(2003-11-28 19:04:55) 5. 打撃王 わずか38歳で世を去ったNYヤンキース史上最強の4番打者、ルー・ゲーリッグの少年時代から、引退までを、彼の妻エレノアの協力を得て描いた映画。生真面目だった彼のイメージとは対照的に、映画は実にテンポ良く、笑いとラブストーリーをを織り交ぜながら進んでいく。その映画の中にあって、ゲーリッグ自身だけは、やはり真面目な好人物として描かれている。ゲイリー・クーパーの映画はこれが初めてだが、彼の柔らかく、紳士的な物腰は「ダンディ・ゲーリッグ」の雰囲気が良く伝わってくる。妻エレノアを演じるテレサ・ライトも、「夫を愛し、見守る良き妻」を完璧に演じていた。見逃せないのがベーブ・ルースが本人役で出ている事。ゲーリッグが世を去ったのは1941年、この映画の公開はたった1年後の'42年。最後、ゲーリッグの引退セレモニーのシーンで、ルースとゲーリッグ、ヤンキースの最強コンビがスクリーンの中で再び握手を交わす光景は、当時の野球ファンならヤンキースファンならずとも感涙したに違いない。60年後の野球ファンも、引退のスピーチで感涙した。いかにゲーリッグが、当時のメジャーリーガーがアメリカの英雄だったかがよく分かる。古き良きハリウッドの一級の娯楽映画。野球に興味のない人もぜひ観て欲しい。 9点(2003-10-31 03:04:17)(良:3票) 6. ターミネーター3 個人的不安を一掃。ターミネーターシリーズ独特の雰囲気を踏襲しつつ、戦闘シーンなんかは新鮮。シュワのターミネーターが、ちょっとヤな奴なのも良かった。彼が葛藤するシーンでは泣いてしまったぞ。ラストもあれは予測が付かなかった。難癖を付けるならT-Xに尽きる。ムダに武器付けすぎ。そのくせ弱すぎ。なんとか・ローケンが演技力不足からくる迫力不足。ロバート・パトリックのT-1000とは比べるべくもないけど、「トゥームレイダー2」の予告編を見て、アンジェリーナ・ジョリーが良かったな・・・と思っちゃったい。8点(2003-07-13 21:27:44) 7. たそがれ清兵衛 良い映画ではあるけど、期待ほどではなかった。予想以上に淡々とした映画。役者の演技とリアリズムは期待通りだったけど。いつの時代も人間は人間なんだね。清兵衛のように生きたいと思うけど、無理。この映画がアカデミー独占というのは、まあそういう時代なのかな。10年前ではありえなかったろう。まだ若いから、わかんないけど。7点(2003-06-02 22:01:05) 8. ダンジョン&ドラゴン なんていうか・・・題材の割にちんまりした映画だなぁという印象。ていうかジェレミー・アイアンズ主役じゃねぇのかよ!アレはアレでいいとは思うけど、やっぱ期待外れ。それに主役級の若手数人は何なんだアレは。エルフは良かったけど。映像も今のSTAR WARSエピソード2とかと比べると・・・う~ん。あれと比べるほうが悪い?ごもっとも。誰かRHAPSODYのアルガロード・クロニクルを映画化してくれ。3点(2003-01-28 14:40:04) 9. 太陽の帝国(1987) 「いと高き御方様」が戦争という時代のせいで「ずる賢いガキ」に変貌してしまったことそれ自体は哀しい。しかし前者も後者もどっちにしろ見ててムカつく。少年の成長か、反戦か、飛行機への憧れか、親に会いたい気持ちか、話のポイントが絞れてないのもマイナス。良かったと思うのはジムと飛行隊員が敬礼するところと、原爆の閃光のところ。「神が写真を撮った」瞬間800km先では人類史上最も悲惨な光景が広がっていたことを知った時、ジムはどんな思いだろうか。5点(2002-12-09 14:52:38) 10. 卓球温泉 松坂慶子、牧瀬里穂、蟹江敬三、大杉漣、そして、このほしのいっとーしょーになりたいのたっきゅーでおれは窪塚洋介(ヨースケ)。メンバーは結構豪華。しかし映画自体はひっじょーに小粒。テーマが小粒なせいかな。映画をビシッと引き締める存在感のある役者が重要な役で欲しかった。短時間の出演できっちり存在感を示していた窪塚洋介はさすが。4点(2002-09-22 05:18:55) 11. タイタンズを忘れない 良い映画だし感動したけど、全体的に散漫な印象。話は面白いんだし少しくらい長くなってもいいから、もう少し各エピソードにボリュームが欲しかった。アップの画が多いのもやたらマイナス。7点(2002-09-20 07:52:05) 12. ターミネーター 2を先に見ていたのが大失敗の元。T-1000のリアルさを見た後では、あの旧型のカクカクした動きは堪えられなかった。目を引いたのは、最後までサラを追いかけ続けたあの根性(?)くらいだろうか。まあ、2ともども歴史的に重要な作品ではあるのだろう。6点(2002-08-12 22:54:00) 13. タイタニック(1997) 他人の恋愛話を観ても何も感じないので、「早く沈めよ、船」と思いながら見てしまった。サイド・ストーリーの方が秀逸だし。それでも、船が沈み始めてからは見入ってしまった。でも、いかんせんラブストーリーの時間が長すぎた。6点(2002-08-11 16:27:38) 14. タイムマシン(2002) 時計や敵は次々と朽ちていくのになぜオマエだけ無事なんだ。まずそこで話が破綻している。後半の話の平板さは何なんだ。後半はタイムマシンである必要がない。時が暴発(?)するならそれに対する伏線を張らなきゃダメだろ。タイム・パラドックスに対する説明が若干あったのはよかったけどね。ツッコミを入れたらキリがない。まあ、宣伝の魔術だけはよく分かった。3点(2002-07-27 01:49:38) 15. ターミネーター2 自分が今まで見た米エンターテイメント映画の中では最高の作品。色々とツッコミ所もあるけど。1より格段にリアルになった映像、ロバート・パトリック扮するT-1000の凄み、サラ・コナーの強い意志、そしてジョンとT101の交流とサラとの和解そして別れ・・・その辺のアクションが映画が1000本束になったって敵わない。シュワの映画で目頭を熱くするとは・・・。もし俺が死んでも地獄でまた観るぜベイビー。10点(2002-06-29 12:06:37)
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