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プロフィール |
コメント数 |
73 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
http://6018.teacup.com/337/bbs |
年齢 |
54歳 |
自己紹介 |
心の機微が感じられる作品が好きです。 絵に携わる仕事をしていますが、映画を映像面から語ることが苦手です。 映画の社会的道徳は常に考えますが、基本的にエンターテイメントを冒涜するようなツッコミはしないのが観客のモラルだと思っています。 全体のバランスよりも、ただのワンシーンにノックアウトされたい。 |
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1. 誰も知らない(2004)
《ネタバレ》 アパートの隣りの部屋で、いま実際に起こっている出来事のように描かれている。それがこの映画の最大の長所。残酷なことをするのはごく普通の人間。アナタでありワタシである。深夜、公園の雑木林に穴を掘って、ウサギの死骸を埋めたことを思い出した。死後硬直したソレを触ったとき、気持ち悪いと感じた。ワタシと明の何が違うというのだろうか。何も違わない。[DVD(吹替)] 7点(2005-08-18 05:38:19)
2. ダンサー・イン・ザ・ダーク
この映画でトリアー監督が見せたかったのはビョークという歌姫であり、脚本から救済の要素を(不自然なくらいに)排してしまったのは、彼女を浮かび上がらせるための仕掛けの一つだと私は受け取りました。映画はフィクションであるからこそ楽しめる側面があり、観客には場面に応じて主観と客観を行き来する自由がある。私はこの映画を観ている間、ビョークのステージを堪能するためにずっと引いた視点で通しました。
全てが悪い方向へ転がり落ちていく現実のシナリオ。対比するのは、ジーン・ケリーやアステアが見せてくれた幸せなミュージカル映画の世界。くっきりした明暗、だからこそビョークの歌声に何かが宿るのを感じられた。しかしメジャーな興行にのせたために多くの純粋な観客を傷つけたことを思うと、手放しに賞賛することが憚られる。手持ちカメラで撮られた現実は三半規管への刺激を蓄積。追い討ちをかける生理的にショッキングな結末。現実のシナリオはひたすらに嘔吐を誘発する。監督が意図して人体の錯覚を利用しているような気がしないでもない。
観る人を選ぶ大人の童話。支持も不支持も、間違いなんかじゃない。 ただ一つ、ミュージカルとしてはダンスのスキルが物足りなかった。8点(2004-01-10 15:40:51)《改行有》
3. タクシードライバー(1976)
《ネタバレ》 けたたましいパーカッションと共に、煙の中から立ち上がるタクシー。
フロントウィンドウに浮かび上がる、とろけるようなネオンサイン。
トラビスは言う「俺にもわからない」。
自分の中に満ちている苛立ちの正体。持て余すエネルギーを向ける先。
ニューヨークの街をタクシーで流しながら、自分と同じ孤独の香りを探し求める。
しかし世界はいつも彼の向こう側に立つ。トラビスはそんな世界を憎悪する。
「イカレてるのは俺じゃない、向こうだ」
銃を手に入れ、体を鍛え直し、完全武装を開始する。
シークレットサービスをからかい、鏡の前で勝利の妄想に酔う。
トラビスの行動は、子供じみたヒロイズムと利己的な正義感を糧に加速する。
少女の救出劇をカモフラージュに、自らの最後を飾る戦場を作り上げた。
血まみれのトラビスは救った少女に目もくれず、自分の顎に銃口を定める。
こめかみに指を突き立て、自らに引導を渡した。
この世界から逃れられないのなら、どうにか上手く付き合っていくしかないのだ。
10点(2004-01-10 00:14:22)(良:1票) 《改行有》
4. タイガーランド
ベトナム戦争が長引く中、タイガーランドと呼ばれる土地で米兵の実戦訓練が行われていた。軍にいながら上官に逆らい、反戦を唱える主人公ボズ。彼は軍規に精通しており、苦しむ仲間を除隊へと導いていく。軍の中に弁護士がいるような設定の映画。珍しい設定なので新鮮だった。すでに負け戦が確定しているベトナムへ派兵される若者たちの中で、戦場が見失った正論を問いかける。この映画はラース・フォン・トリアーらが提唱した「ドグマ」に共感しており、手持ちカメラによる撮影をしている。その効果も手伝って一風変わったベトナム反戦映画に仕上がっている。8点(2003-11-29 10:41:25)
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