みんなのシネマレビュー |
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1. ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 幸いにもこのシリーズは全て劇場で観賞することが出来ていて、今回の新作も迷いもなく前売りを購入して観に行きました。3作目からもう12年。1作目では、まだふさふさ感のあったマクレーンの頭ももはやスキンヘッド状態。観ているこちらも確かに年はとっているのだが、DVDの普及により、1作目の活躍が昨日のように思えて、まだまだ若い現役のマクレーンが印象強い。しかし、今回の作品は、確かに1作目の素晴らしい脚本には巡り合えてはいないけれども、面白かった。楽しかった。年を重ねた主人公を認識させる最初の娘とのシーン。平気でアップでみせる顔の傷や皺や皮膚のたるみ、同行するハッカーに愚痴る今までの活躍の結果に得た空しささなど、ただの人間としての主人公がよく描かれています。スーパーマンばりのアクションだけど、そこには必死になって、うろたえながらも、しぶとく粘り強く生き抜く姿があって、感動してしまった。悪党との格闘でも決してスマートじゃない。こんにゃろ、死んじまえ、ばかやろうなどの暴言をはきながら(吹き替え版も鑑賞しました。野沢那智さんが声を当てられていました)どうにかこうにかやっつける。クライマックスのトラックと戦闘機のチェイスもありえないだろうの場面だけど、これはサービスと考えました。最後には、自分も撃ちながら敵をやっつけるのだから。究極のアナログ戦法と言えるのでは。サイバーテロという超近代的な事件に対し、鳩時計とさえ言われた主人公の奮闘。その対比。コントラスト。人間の底力をこれでもかと見せつけるマクレーンにただ拍手です。[映画館(字幕)] 9点(2007-07-19 16:18:26)(良:3票) 2. 007/黄金銃を持つ男 007と言えば映画界ではドル箱作品なのでしょうけれど、これにはやられました。まったくもって、地味。正々堂々と地味な映画作りをしているのかと錯覚する程、テンポのない映画です。この作品も世界的にはヒットしたんでしょうけど。でなきゃシリーズにならないでしょう。しかし、これだけ悪役に旨味がない映画も珍しい。クリストファー・リーがよく出演したなあと思います。へんてこなアジア文化の羅列、あっさりとした対決などに、娯楽作を通り越した「子供のいたずら」のような印象を受けます。でも子供には悪意はないのだろうけど。この映画には悪意が見え隠れします。ロジャー・ムーアがこれだけ半袖ウェアが似合わない俳優というのを知るだけでも価値はあったかな。3点(2004-06-14 17:10:19) 3. 太陽の王子 ホルスの大冒険 《ネタバレ》 最初に観たのは小学校2年生の時。授業の一環として体育館で上映されました。その後は、成人し大学祭で。古いアニメではありますが、「動き」に感動したのを覚えています。特に、怪魚(大きな化け物みたいな魚)を倒す場面でのアクションには単純に興奮しました。そしてスケール感も。岩男の起き上がる場面は、その質感までもが伝わって来て体が震えました。確かに技術や効果については現在のアニメとは比較できないですが、映画として組み立てられた作品としては、かなりのクオリティであると思います。荒々しくもその当時の作家達の気概も感じられて、懐かしい部分だけでなく、今一度見直さなければならない姿勢みたいなものもあると思いました。7点(2004-04-02 13:20:10) 4. 007/ダイ・アナザー・デイ 007映画は確かに人気シリーズなんだけど、自分にはその良さが全く理解できません。アクション映画なら、カーチェイスだけでも面白いもの、爆破シーンだけでも見物のものが過去、数多くあったはず。最新作にしては、それらを全く越えていない気がします。映画の謳い文句に「シリーズ最高!」とよくありますけど、 自己満足的な言葉なのですね。スケールが大きいのは映画の見せ場をつくるための重要な要素かも知れませんが、「一体、何と闘っているのか」その目的が見えなくなってしまいます。ピンチの連続といってもピンチめいたものはないし、どっしり安心して観れてしまうのが人気なのでしょうか。映画ではなく、ジェームズ・ボンドショーなら楽しくも観れるとは思います。 5点(2004-03-25 10:50:20)《改行有》 5. ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 重たく暗く救いようのない物語。ミュージカルと銘打つ程には「歌」の効果は活かし切れていないように感じました。カメラワークも独特で、ドキュメントタッチになっています。ビョークの存在感は確かにあります。この役だからかも知れませんが。ラストの処刑まで見せる必然性があるのかは甚だ疑問です。ショッキングなまま終わらせては、観た者に「余韻」を与える隙間もないのでは。体調の良い時に観られたのが幸いです。冷静に観れましたので。4点(2004-03-25 10:18:27) 6. 大脱走 《ネタバレ》 「荒野の七人」のメンバーが大勢出ている点と同じ監督さんということでTVの前でワクワクしながら観た子供の頃。DVDで再見してもワクワク度は全く色褪せもせず、むしろ倍増している程です。 脱走のための作戦とその実行場面が面白く、戦争物ジャンルとは思えずゲームのような、丁度子供の頃空き地でした探検ごっこや穴を掘って段ボールで隠れ家をつくる、そんな感情が甦ってきます。脱走する男達の友情や信頼関係もしっかり描かれているのですが、自分には「男の子」のやんちゃな時代の香りのする映画にも思えます。囚われの身でありながら誰よりも自由であった男達。脱走にかける情熱に憧れ、実行する結束の固さに惚れ、失敗してもあきらめない姿にしびれ、およそ男が魅力的に見える全ての要素が詰まったカッコイイ映画です。中でもマックィーンは最高!10点(2004-03-24 10:33:53)《改行有》 7. ダーティハリー 《ネタバレ》 監督としてのイーストウッドもよろしいが、やはり俳優イーストウッドも良いのです。もっと観たいのです。作品の製作年度からやはり古さは画面からも滲み出ています。それでも魅力的な画面作りが出来ているのはイーストウッドのキャラクターによるもの。あのしかめっ面が、あのお日様がまぶしいような面構えが、画面に出てくるだけで、自分は満足します。作品の内容的にもアウトロー刑事の典型となったものですし、大師匠ドン・シーゲル監督の映画技術を学び取った記念作でもあります。諸手を挙げて評価します。まっこと男優といえる男優は、この人だけですもんなあ。8点(2004-03-23 17:46:31) 8. 大地震(1974) 《ネタバレ》 センサラウンド方式という、客席が画面の地震の場面に合わせて震えるのが斬新でした。あたかもそこに地震が起こったかのような錯覚さえ覚えました。これは凄かった。気分の悪くなる人も出て。遂に映画もイベントみたいになってきた、ショーアップされてきたと幼い心に思ったものです。だとすると、この方式がなかったら、案の定、TVで観た時は普通の災害映画でした。効果って重要なんですね。最初のインパクトが効果ひとつで薄れていく怖さ。でも新しいことに挑戦する映画人の気概を感じてこの評価。よく考えればUSJのアトラクションを、もう何十年も前に先取りしてたんだな。7点(2004-03-10 13:31:52) 9. ターミネーター3 《ネタバレ》 観終わった時、あまり説明のいらない単純な映画やなあと思った。一番の見せ場が車のアクションで、かなりの迫力。でも、ストーリーは「そう来ましたか」てな感じで、映画にする為に「2」とか「1」とかのコンセプトを全部否定せなあかんことが前提なので、前作を知っていると多少の違和感もあります。何かヒーローものの様相を呈してきたみたいで、このままだと「4」「5」「6」と続いていくんじゃないかと心配です。6点(2004-03-10 11:37:33) 10. タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 オープニング、バーナードハーマンの曲に乗って、マンホールの蒸気の中からタクシーがぬうっと現われる。この場面だけで、ビビビッと来ました。ベトナム帰りの主人公の狂気ぶりを物凄く冷たく描いています。夜のニューヨークの危険な中にこそ、生きがいを見い出す男。戦争の後遺症と呼ぶにはあまりにも悲しい人生を送る男をデ・ニーロが好演しています。太陽の輝く下では、自分のやりたいことを見つけられない、また見つけたくもないのでしょう。銃を手にし、ポン引き屋を殺す彼には都会も戦場と同じ舞台でしかないのです。そして、それを英雄視するマスコミ。狂気の中の行動を賞賛するマスコミも、また都会の中では異常なのでは。DVDで再見すると、デ・ニーロの目がとても印象的で、目力とでもいうのでしょうか、狂った男そのものの説得力に圧倒されます。名優といわれる所以がよく分りました。9点(2004-03-10 09:57:11) 11. 007/私を愛したスパイ 《ネタバレ》 007のシリーズ中、最もショーアップされた映画です。冒頭のシーンから、ユニオンジャックのパラシュートで降下したり、ジョーズの登場、水中を行くロータスエスプリなど、娯楽、娯楽、娯楽なんですからと、制作者の雄叫びが聞こえてきそうな展開に、正月気分でワイワイ観れました。(公開時、正月映画だった)楽しければそれでいい、と多少開き直ってつくったのが功を奏したようです。各映画のパロディもくっつけて、記念作として完成した本作は、スパイ映画でなく、アクション映画としてでもなく、ラスベガスのショーを観るような、そんな見方が最適かと思います。7点(2004-03-08 16:05:24) 12. ダイ・ハード3 《ネタバレ》 ビル、空港、そして次は街ですか。段々と空間のスケールアップはするものの、爆発シーンのボリューム満点のみで、お話はニの次みたい。街の距離感が掴めず、セントラルパークを走るシーンも、実際にはどれくらいかかるのか、時間経過の興奮にはなり切れていないように感じます。それでも、黒人との2人組という図式は、アメリカ一連のバディムービーの形をとり、シリーズにあった部分をうまく継承しています。あと、悪役にあまり魅力が感じられないのも弱いです。女の殺し屋も、見せ掛けだけのような。 ただのコソドロだったというのも、前々作の焼き直しみたいで、好きになれない展開です。迫力は申し分なくあります。地下鉄のシーンなどはよく出来ています。トンネルのシーンも。でも、このシリーズに望んでいるのは、1対何十人かの頭脳戦と体力戦。最も好きなシーンが、誰もいなくなったウォール街の銀行へ、マクレーンが1人乗り込むところ。身分をかくした殺し屋達と同じエレベーターに乗り、降りていくところは緊張感もあり、どの小道具で偽者と分るのか(そんな伏線もはってあり)を、観ている者にも充分伝えきっている所。こんな、シーンの連続がこのシリーズの真骨頂だと思うのですが。6点(2004-03-08 15:11:42)(良:1票) 《改行有》 13. ダイ・ハード2 《ネタバレ》 前作の緻密な脚本には遠く及ばず、視覚的に面白い派手な場面だけで構成された凡庸なアクション映画。前作の高層ビルという、閉塞的な縦の空間が、(大体の大きさ、距離感を観客に感じさせる)うまく活かされていたのに対し、空港という横の空間の設定では、スケール感のみで、緊迫感に欠ける嫌いがあります。状況の把握が、観る側にも出来てこそ、サスペンスやスリルとして伝わってくるのですが、ワイドすぎた空港ではそれがどうしても弱い。また、観客が知り得ない要素も出て来ます。見せ場はそれぞれ、用意されており、相変わらずのB・ウィリスの活躍は、「妻の為にがんばる」旦那ぶりを発揮。ここまでするか?の大奮闘が、鼻につくシーンもありますが、監督のレニ-・ハ-リンのアクション演出は容赦なく、主人公をいたぶり、傷だらけにします。 カタルシスを覚えるというのであれば、覚えるのですが、ラストの飛行機爆破で、一気に発散というわけにはいかず、消化不良を起こした印象になります。大画面で、なんにも考えずに観るには いいですけど。6点(2004-03-08 14:40:44)(良:1票) 《改行有》 14. 太陽がいっぱい 《ネタバレ》 故淀川長治先生が「男が男を愛する映画。その結果、男が男を殺して、その男になろうとする恐い恐い愛の映画」というような事をおっしやってました。復刻版のパンフレットにもそのような事が記載されていました。あの当時に、そういう観点でこの映画を見ていらしたことに、深く感動し、再見すると、ああまさしくと膝をたたく場面の多い事。中学生の頃は、殺人者がアリバイやサインをまねして追究の手から逃れるただのサスペンス映画だったのが、今では妖しい男同志の映画に見えるから、あら不思議。映画を見る目を鍛える大切さを改めて教えていただいた貴重な作品です。9点(2004-03-04 11:31:53) 15. タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》 1970年代には、実にたくさんのパニック映画が作られました。この作品は、その真打ち登場といったところでしょうか。オールスター、超高層ビル火災、原作は大ベストセラー、ヒットしない要因は見あたりません。案の定、世界中で大ヒット。興行記録を塗り替えた実績を持つ名作です。しかし、今見ると、やはり古めかしさは隠せず、もったりした展開もあるにはあるのですが、古典としての見せ方というのでしょうか、パニックもののこうあるべきスタイルを固くまとめた作品でもあります。夜空にそびえ立つグラスタワーは本当に美しく、サンフランシスコの風景の中では 合成とは思えないほどマッチしておりました。あとは、よくもこれだけ揃いましたねのオールスターでしょうか。S・マックイーン、P・ニューマン、W・ホールデン、F・ダナウェイ、F・アステアなど、豪華です。映画ファンなら狂喜乱舞の顔合わせ。そして、それぞれに見せ場も用意されており、やはり古典ですね。 クラシックな味わいというのでしょうか。パニック映画なのに安心して見る事ができるのです。9点(2004-03-03 19:07:00)《改行有》 16. タイタニック(1997) キャメロン監督、がんばりはったなあ。よく作ったなあ。ヒットしてよかったなあ。もちろん、感動したけれど、恋愛映画としてではなく、歴史上の大惨事として、豪華客船が沈没した、その事実を克明に絵にして見せた点にもの凄く心震えました。おそらくキャメロン監督は、妥協なき姿勢で臨んだのでしょうね。本当に水の恐怖、落ちて行く人、寒さがいやと言う程こちらに伝わってきます。あたかもドキュメンタリーのように。考えれば、乗客全てにドラマがあり、人生があったのですから。その悲劇は、劇的でないはずがありませんよね。8点(2004-03-03 18:42:12) 17. ダイ・ハード 《ネタバレ》 やばいくらいに大好きな映画。ロードショー当時は、全然人気のない映画館で観て侘びしさを感じたものですが、画面の熱い戦いに、そんな事も忘れて見入った記憶があります。マクレーンが、黒人警官にビル乗っ取りを知らせるために、窓からテロリストの死体を落とすシーンでは、「こりゃ、もの凄い映画を自分は観ているんだな」と、滅多に会える事のない名作との接触に1人震えたものでした。そこからラストまでは、過剰な期待を全く裏切ることなく、アクセル全開で突き進んでくれました。観終わった後、友人に電話かけまくりました。様々に張られた伏線、そのためのライター、たばこといった小道具のうまい使われ方、クリスマスという設定、第九の効果的な挿入等、奇跡に近いはまり具合で、観る者を惹き付けます。アクション映画の中では、群を抜いてます。普段、映画を観ないお年を召した方でも(会社の上司ですが)「面白い!」と絶賛してました。その方のアクション映画の基準がこの作品になってしまったのです。かくいう私も、アクション映画を観るときには、どうしてもこの映画と比べて観てしまうというタブーを犯してしまっているのですが。従来ならアクション作品は、その派手な戦闘シーン、乗りのいい曲、主人公のカッコよさ、やたらと大きい爆破の連続等、B級の匂いがそこかしこにしたものですが、この映画がその定石を撃ち破ったと言っても過言ではないです。それ程までに良く出来ています。そして、何度観ても面白い。10点(2004-03-03 10:44:43)(良:1票) 18. 大統領の陰謀 《ネタバレ》 相手が大統領であろうと、間違っている事は間違っている、と正義を貫くそのジャーナリズム精神にまず感服。しかも、2人の記者は、決してスーパースターじゃなくて、生身の人間。携帯もパソコンもない時代に、ペンと電話とメモで取材する姿は、地味だけど(地味だからこそ)観ている者に訴える力があると思います。 図書館で貸出票を2人で一枚一枚調べるシーンがあります。カメラが真俯瞰で2人の頭を捉えて、段々上に上がっていくシーンなのですが、作業時間の膨大さ、小さな証拠の発見の重要さを視覚的に表現した名場面だと思います。(撮影の名手、ゴードン・ウィルスによるもの!)2人を見守るワシントン・ポストのスタッフも、名優を揃えて、まさに脇を固める布陣で作品に厚みを与えています。決して派手じゃなく、かといってサスペンスフルな内容でもない、地味な印象を持った作品ですが、「真実」に対して、実に地道な努力(それこそが大きな力なのですが)を重ねる大切さを 教えてくれる良い映画です。9点(2004-02-28 08:11:44)《改行有》
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