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プロフィール |
コメント数 |
56 |
性別 |
女性 |
年齢 |
56歳 |
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1. 第三の男
《ネタバレ》 この映画を知らない人でも、実はハリーは・・・。という筋を知っている人は多いんじゃないでしょうか。そして主演:オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ、ジョセフ・コットンという順番で、ガイドブックとかに載っているのを見た人も多いんじゃないでしょうか。・・・でも、主役はどう観てもコットンなんですが・・・これはものすごく損な役回りですねぇ。やることなすこと言うこと全部裏目に出るし、女にはフラれ、警察では相手にされず、猫にはスルーされるし、オウムには噛みつかれるし、子供と野次馬には犯人扱い。そして、出演時間がトータルでも20分足らず(ロングショット込み)のウェルズに美味しいところ全部持っていかれるし・・・。じゃコットンの演技がダメかというと、とんでもない、名演技だし。要するにこの役は、大根だとバカだし、名演しても損、結局どう演じても割に合わないんですね。ホリー本人もアンナに「なぜ私達はいつもかみ合わず口論ばかりなんだろう?」と言っていましたが、それはホリーが無傷の戦勝国のアメリカ人で、ここが他国に蹂躙され、統治されたウィーンだからでしょう。酒場に入ってきた警官に毒づくような、分かりやすい西部劇のガンマンはここではただ間抜けなだけ。抜け目ないハリーは上手く対応できましたが、気が付いたら、観覧車からの点を見ることもできない地下水道で逃げ回っている皮肉。彼はむしろ無意識に、自分を裏返した性格のホリーを死刑執行人に選んだんだと思います。
それにしても、映像の美しい映画です。斜めのアングルと際立った影の使い方、壊れかけた荘厳な石作りの建物。ふとアップになる名もない人物の1人1人までが力強く、あの風船売りのおじいさんに至っては、私にはファンタジーに見えます。チターの弦がふるえる様すら美しいモノクロの映像美。完璧を追求した結果か、面白味に今ひとつ欠けるのは否めませんが、後から味が出てきます。素晴らしいです。[DVD(字幕)] 10点(2005-08-16 15:09:49)(良:4票) 《改行有》
2. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 南イタリアの明るい青い海と空、輝く太陽に白いヨット、なのに、そこでは陰惨な殺人事件。犯人の動機は劣等感、羨望、妬み、金・・・はっきり言って醜いです。それなのに、この犯人が美しく見えてしまうのは、クレマン監督の上品な演出とカメラワーク、そしてなんといっても、アラン・ドロンの魅力でしょう。彼演じるトムの野心ギラギラの暗い目や、狡猾で抜け目ない行動、それでいて、ヤバいと感じたときとかの臆病な反応にハラハラし、引き込まれてしまいます。印象的な場面は数ありますが、まず、最初の方でトムがフィリップの服を着て、楽しそうに鏡に話しかけてキスするシーンです。これは同性愛ともナルシストとも取れる意味深な場面で、その後、彼はそれを裏付けるように、フィリップのものをすべて奪うという行動に出ます。だから、絶頂から一瞬で転落するラストを観た時も、一瞬でも至福の時を過ごせて満足だったんじゃないかと思いました。
あと印象的なのは、トムがナポリの魚市場で試食をしながら歩くシーンと、フレディを殺した後、足元を映す演出。そして殺人の後、トムが食べ物を卑しくがっつくシーン。彼は船の上でフィリップとマルジュのラブシーンを見ている時も食べていますが、ここはあのナイフを使って食べていて、かなり怖いです。このシーンはうっとりしたラフォレの目が女神のイラストのように綺麗ですが、彼女は映画全体を通して、困惑したような、怒りを含めた強い目をしていることが多く、印象的でした。トムを全く疑わないのは馬鹿かもしれませんが(^^;)。フィリップ役のモーリス・ロネも、ただの金持ちのどら息子から一歩抜け出た演技で、サディストっぽいところが良かったです。ただ、ドロンとロネがアメリカ人という設定は無理ありまくりですね。サスペンスとしてもぬるい部分が多いですが、もともと警察側から見た場面がほとんどない、アラン・ドロンのための映画です。ここはただ彼の美しさに酔いましょう。[DVD(字幕)] 8点(2004-07-07 19:39:24)《改行有》
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