|
1. たそがれ清兵衛
着物はいつもぱりっとおろしたて、足袋はさんざん歩いても真っ白、髪は後れ毛の一本もない、というテレビの時代劇を一方の極とすると、この映画はその対極にある。舗装してない道路を足袋に草履で歩くとどうなるか。当然真っ黒である。そのまま座敷に上がったりしたら、ざらざらだろう。そういう生活のディテイルがきちんと表現されているのが、新鮮だった。
ラスト近く、宮沢りえが、果し合いに赴く真田広之に呼びだれて、急いで座敷に上がるシーン。あがる瞬間にさっと足袋の裏を手ではたくのである。ほんの一挙動だが、日常の生活の裏打ちのある動作で、リアルさに感心した。
真田広之は、アップに耐えうる、いい役者になったものである。どうしたっていい人に見えるので、『陰陽師』の悪役はちょっとつらかったが、これははまり役。宮沢りえも、ただ運命に流されていくのではない、自分の意思を持った女性を好演している。
ナレーションと、ラストシーンに出演の岸恵子は、いくら大女優とはいえ、雰囲気がモダンすぎて、あまりむかしの女性という感じがしないのだが、彼女を使った理由はなんなんだろう。
中村梅雀がワンシーンだけの出演で、ずいぶんもったいない使い方だったが、さすがにうまい。同じシーンに出てくる家老が露骨に悪相だったのには、若干興ざめだった。
自分が殺しに行った相手と、貧乏話で意気投合するのがおかしくもあり、切なくもあり。[映画館(邦画)] 7点(2007-08-19 23:37:16)(良:1票) 《改行有》
2. ダンサーの純情
ムン・グニョンによるムン・グニョンのための映画で、ストーリーなどあってないようなもの。じゃあ、つまらないかというと、そんなことはなく、ダンスがぐんぐんうまくなっていく様子、そして最初はいなかくさかったのだ、どんどんきれいになる様子などに目を細めて喜べる人なら、十分楽しめるでしょう。
彼女は中国の朝鮮族出身、という設定なのだが、最初のころのひどい訛りや、韓国の入管の取締りの様子などが興味深かった。出稼ぎ目的の朝鮮族の不法滞在が問題になってひさしいもんな。
「アズバーイ」っていうのは「アジョシ」ってことなのね。
蛇足。鑑賞環境が「パソコンテレビ」となっているが、実際は、韓国のサイトの VOD サービスを利用したので、字幕無しである。当方の韓国語力は中級程度なので、セリフすべてが理解できたわけではない。[インターネット(字幕)] 5点(2007-07-24 16:17:20)《改行有》
0 | 0 | 0.00% |
|
1 | 0 | 0.00% |
|
2 | 0 | 0.00% |
|
3 | 1 | 0.91% |
|
4 | 10 | 9.09% |
|
5 | 31 | 28.18% |
|
6 | 22 | 20.00% |
|
7 | 28 | 25.45% |
|
8 | 15 | 13.64% |
|
9 | 2 | 1.82% |
|
10 | 1 | 0.91% |
|
|
|