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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 中盤から猟奇殺人が絡むとは。映画では触れていないが、少年への性的虐待も含まれ、村の名前を変えるほど凄惨な事件だった。だからといって、そこにフォーカスすることはなく、腐敗権力に立ち向かうシングルマザーの闘いを貫く。闘う女の象徴である、アンジェリーナ・ジョリーを主役に据えたのはらしいと言える。重く救い難い映画が続いたイーストウッドだが、本作では彼女に"HOPE"(希望)と言わせる。最期まで息子が生きていると頑なに信じたらしく、希望の強度と狂気が表裏一体であればあるほど、女性が自立して生きていくには困難な時代であったと強く印象づける。[DVD(字幕)] 6点(2018-12-01 01:28:27) 2. 父、帰る 《ネタバレ》 ロシア正教では父は神と同等の絶対の存在であるという。何故、十数年ぶりに父が帰ってきたか、そもそも彼は"父"なのか、最後まで明かされない。まるで神聖なベール覆われているようだ。長男は畏れながらも父と信じて慕い、次男も畏れながらも父と信じず反発する。その微妙に移ろいゆく心理描写は空疎で、雄大で、美しい風景と重なる。男と共に湖に沈むパンドラの箱に答えはあるかもしれないが、兄弟も観客もその聖域に触れることすら許されない(一種のマクガフィンと思われる)。水平線の見えない湖を眺める兄弟はその旅を通じて、かけがえのない何かを掴んだはずだ。タルコフスキーを思わせる映像美と繊細で濃厚な心理ドラマの融合。秀作。[DVD(字幕)] 8点(2017-01-31 23:47:07) 3. チーム★アメリカ ワールドポリス 《ネタバレ》 ブラッカイマー製作のブロックバスター映画をそのままパロディにしたような、痛烈なアメリカ風刺がバシバシ飛び込んでくる。実在のスター俳優を人形に見立てた虐殺や露骨なセックスシーンの数々は絶対思いつかないし、よくここまで描けたと感心させられる。日本では大問題だ。ただ、笑えるかどうかは別物で自分は外しまくっていた。アメリカのブラックジョークが肌に合わなかったので厳しくさせて頂く。「パールハーバーは糞だ」は元ネタの曲をよく聴いていたらウケていたかもしれない。[DVD(字幕)] 4点(2016-08-02 20:46:09) 4. チェイサー (2008) 《ネタバレ》 重大な証拠を突き付けないと簡単に釈放させてしまう、そして行動を起こさない警察の杜撰な対応。 背景には軍事国家時代の犬だった警察への不信感があり、 異常な連続殺人もまた歪んだ過当競争で成長した韓国社会の裏返しである。 外華内貧で真の弱者が殺されても気付かれない現実に、 商品ではなく人として派遣女性を救おうと奔走する元刑事の心の動きが際立つ。 ただ、元刑事vs殺人鬼の頭脳戦を期待したためか、 序盤と後半以外何もしない殺人鬼の立ち回りをぶつけておかないとどうしても緊張感が途絶えてしまう。 実在の猟奇殺人事件がモチーフのため、救われない結末だ。 レーティング的に厳しいが、殺害シーンはオリジナル版の方が無念がより伝わったのではないか。 また、敵討ちで雪崩れ込む格闘シーンは蛇足だろう。 全てを終え、残された男と派遣女性の娘には、絶望に打ちのめされながらも前を向いて欲しいが、 生きるも地獄、死ぬのも地獄。 きっと世界中で起こっているであろう現状に、日本も他人事ではない。[DVD(字幕)] 4点(2015-07-15 21:41:19)(良:1票) 《改行有》
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