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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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評価順1
投稿日付順1
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1.  沈黙の艦隊(2023) VFX班はがんばっていたと思います。潜水艦の上にマリンスノーが積もる描写は詩的で良かったですね。そうした本筋に関係ないディテールでは褒めるところはあるのですが肝心の本筋がもうダメダメですね。原作を読まずに見た私が悪いのかもしれませんが、映画で語られる部分のみだと主人公の海江田が部下を冷徹に見殺しにして米軍の原子力潜水艦を勝手に強奪しただけの完全に頭のおかしいただのテロリストにしか見えないんですよ(笑)。そんな人物に深淵な思惑があることを前提にしてストーリーが進んでいくので全く感情移入できずに置いてきぼりにされたまま映画が終わっちゃいました。大沢たかおも王騎の大物演技がウケたからって終始にやけ面ってのがさらに人間味を感じさせない要因になっています。[映画館(邦画)] 2点(2023-10-08 21:40:38)

2.  地球防衛軍 こういう映画を劇場で見て思うのは現代の設備の整った映画館で見るには画質の方は何とかなっても音響面が結構きついということです。冒頭の東宝マークに流れる伊福部昭の音楽からして音割れしているような印象すら受けます、家で見た時の方がずっと印象がいいです。皮肉な話ですが音響という面から考えると日本映画黄金時代の作品は現代では映画館の大画面で鑑賞する価値が薄れてしまっている側面があります。とはいえやはり4Kリマスターの恩恵は十分にあったとは思いました。特撮場面はこの時代にしてはという但し書き付きではありますがかなり丁寧に作られていることがよくわかります。序盤の自衛隊によるモゲラの火炎放射器攻撃場面ではカメラをパンさせたように編集することでワンカットで両者を捉えるように見せているところが努力を感じさせます。物語の面では平田昭彦演ずる白石は劇中の描写だけだとああいう行動に至った動機がよくわかりません。兄妹・婚約者設定も物語上特に活かされていないので不必要に感じます。無理難題を押し付ける怪異が若い娘を差し出せと要求する姿はSFというより土俗的な民話を思わせます。やや危ういと感じたのは放射能によって身体に異常が生じたミステリアンが地球人との結婚を求めそれを拒絶されるのは現実の被爆者の婚姻差別を連想させるところです。まあその辺を深く考えずおおらかな時代のSF戦記を楽しめばよいのでしょうが、その場合でも戦闘シーンが結構単調ですね。伊福部昭の音楽を垂れ流しにして画面のリズムを意識することなくミサイルや砲撃が淡々と繰り返されるだけです。まあ伊福部昭の音楽自体が同じモチーフを何度も繰り返す傾向があるので合っているといえば合ってるのでしょうが。マーカライトファープがなぜミステリアンに有効なのかもよくわかりませんね、無粋ながら脚を狙えば終わりではないかと(笑)。[映画館(邦画)] 5点(2023-08-05 19:50:41)

3.  TITANE/チタン さすがに賞を受賞しただけあって撮影や演技はちゃんとしていますし、最低限読み取りが可能なストーリーもあります。問題はそれが現実の問題と何か関係があると思えないところです。主人公は冒頭の幼少時から車中でエンジン音のような唸り声をあげており既に車に狂っているようなのであの手術が何かのきっかけになったように見えません。実際頭の中にチタンを埋め込んだところで性の対象が変化することなどあり得ないでしょう。男だろうとレズビアンだろうと黒人だろうと構わず殺しまくるのでその行動に一貫性はなく何か意味を読み取ろうとしても無駄だと思えてしまいます。消防隊関係のエピソードとなるとあくまで男装の女性の境遇が描かれるだけで、チタンが埋め込まれたことによる肉体変化という基本設定もほとんど活かされていません。アンチモラルというだけで新しいモラルを提示できなければそれが一瞬のインパクトだけで終わってしまうという好例です。[DVD(字幕)] 4点(2023-07-15 23:26:04)(良:1票)

4.  地球が静止する日 2000年代のハリウッドSF映画では宇宙戦争と並ぶトンデモ駄作扱いの作品ですね。しかし宇宙戦争が同時多発テロの暗喩として理解されるように、この映画もある程度は評価されてもいいと思います。クラトゥ(キアヌ・リーブス)は人間の姿形をとって現れた神、すなわちキリストであり、巨大ロボット・ゴートが虫の大群に姿を変え人間を襲撃するのも出エジプト記のイナゴの災いが元ネタ(最近ではジュラシックワールド/新たなる支配者でも似たようなことやってましたね)。バッハもキリスト教音楽を多数作曲しました。血の繋がらない親子ですが、キリストも処女懐胎によって生まれましたので父親とは血が繋がっておりませんでした。ラストのキアヌ・リーブスの心変わりに納得がいかないという意見も多いですが、親子が聖母子像を意識していると理解すれば自然な成り行きとも言えます。キリスト=クラトゥは最後に人類の罪を背負い去って行きます。この映画は気候変動の危機をキリスト教のイメージをベースに描くことで広く訴えかけるのが目的なのです。伝統的宗教を基盤としてエコロジー的主張を行うのはそう珍しい例ではなく、日本でも神道のアニミズムを環境保護的な思想として理解する向きがあります。近代文明が取りこぼしたものに目を向けるという点では通じ合うものがあるのでしょう。[DVD(字幕)] 7点(2023-03-09 21:45:04)

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