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1. 父と暮せば
この映画は「生き残ってしまったことに、罪の意識を感じながら生きている」人のための映画だ。「ちょっとしたことの違いで、誰かは死に、誰かは生き残る。」この状況は平和な現代では余り出会わないシチュエーションだけど、たまに阪神大震災とか地下鉄サリン事件があるとクローズアップされる。でも、歴史の大部分を戦争に費やしてきた人間にとって、この「ちょっとした違いが生死を分ける。死ぬのは自分だったのかもしれない」という経験は、かなり共通してもたれていたのではないか。生きるということが実は「生き残る」経験の積み重ねであること。その地点から出発すると、人生は生きているだけで、すでになにかを引き受けなくてはならないのだということが良くわかる。この作品は原爆という題材を通して、宮沢りえのすばらしい表現力によって、「生き残ったものが引き受けなければならない痛み」を存分に表現している。映像のリアルさとか、そういったところに突っ込む映画ではない。死んだ者にどう対したらよいかについて悩む「生き残った者たち」を見る映画だ。十分である。[映画館(字幕)] 8点(2006-12-28 09:22:05)(良:1票)
2. 父ありき
この時代、父が息子に伝えたのは、遺伝子よりも生き様・死に様であった。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-06-05 23:00:59)
3. チェイシング・エイミー
《ネタバレ》 この映画のメッセージ的な部分に着目するならば、「人を裁くな」という一言に尽きているだろう。この「人を裁くな」という考え方はおそらく多くの人が共有していて、説得力もある。常識といっても良いかと思う。しかし、この映画が描いているのは、「恋人を裁いちゃった」はずのベン・アフレックが、逆に「人を裁くな」という意見を述べる恋人によって裁かれてしまった状況である。このジレンマじみたシチュエーションは、いろいろ考えさせてくれる。 そんな堅苦しい見方をしないならば、ベン・アフレックが車の中で告白するシーンとか、結構良くできていると思われる。しかし、全体的に下品なので、そういうのが苦手な人は観ないほうが良い。5点(2005-01-05 14:40:08)
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