みんなのシネマレビュー |
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1. チェイサー (2008) 《ネタバレ》 実話だってこともショックだけど、女性を殺す性癖と邪魔な人間を口封じに殺す青年が、リアルで怖かった。舞台もごく普通の住宅街なのに、誰にも気づかれず大量の殺人が行われていたというのも、現代的な問題だなと思いました。最初は売り子の女性を探すのが目的だったジュンホが、知らないうちに家族として”追撃”していく、変わっていく描写がうまいなぁと感心しました。観るとへこむという感想が多かったので、心して観ましたが、すごくパンチが効いてる作品なのは間違いなし。[DVD(吹替)] 8点(2009-11-22 12:21:21) 2. チャーリーとチョコレート工場 子供は純真です。この映画でも純真な善と悪の両面を、欲と競争心で動機づけして勧善懲悪で描いてあります。ウンパルンパの役者さんの顔はマジでウケます。しかしそれは突き詰めて考えると、観ている僕らの性根にある、(言っちゃあなんだけど)東南アジア系の人々や生活の貧しい者を見下している部分を、ティム・バートン監督が独特の残酷で幻想的な手法でえぐっているように思います。次々と脱落していく家族たちの存在が僕らの代役をしているように思います。ノリノリで軽くて意地悪なウォンカ自身も、チャーリーや他の悪ガキとの接触を通じて、自身のノスタルジーを懐古します。いつまでも子供の心を持ち続けていたつもりが、失いかけていた大切なものに気がつきます。この映画ではウィリー・ウォンカは絶大な成功者です。しかし所有していないものがあった。それは…。おとぎ話には必ず何かしらの教訓があります。愉快で不思議でちょっぴり残酷な映画です。でも5歳ぐらいの子供がこの映画を観ても、この映画のテーマは分かってもらえるのではないかと思います。[DVD(吹替)] 9点(2006-02-05 22:30:27) 3. チーム★アメリカ ワールドポリス 最初観たときは、なんだ、普通の人形劇じゃないか、と思いましたがとんでもない! 終盤30分のドトウのブラックな笑いに圧倒されました。これ、本人たちが観たら怒るって(笑)。自由の国アメリカにとって、”自由”を守るためなら他国の文化遺産や街を破壊しても一向にかまわないんだよー!という強硬な姿勢と、英雄は(この映画ではチーム★アメリカは)何をやっても許されるんでぃ!という勧善懲悪の思想を痛烈に皮肉ってる。(イラクからは大量破壊兵器が見つからなかったな、こりゃヤバイぞ。そうだ、じゃあ、北朝鮮から流れてることにしちゃおう!)という安易な発想を通じて、時の大統領をコケにしている。そういえば大統領、応援演説にハリウッドスターを連れて来るの常套手段だしね。北朝鮮お得意のマス・ゲームの目的がそれだったのかー(ホントかよ?)と思いつつ、実際ありうるという警鐘。ただの人形劇でもよさそうだったのに、このお下劣な毒がたまらない。映画『パール・ハーバー』がクソだというのは、みんなが思ってることなので、あえてツッコまない。では僕も。「まっと・でいもん」[DVD(吹替)] 8点(2006-01-16 21:51:51) 4. 小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 新聞に火をつけるような悪ガキと、露天商の金魚をそっと逃がす心優しき女の子が、恋をする。2人でいるときはお手手つないでいて、人がいるところでは照れながら手をそっと離す。そんでまたお手手をつなぐ。…素晴らしい!大人の立場からすれば、子供同士ではなぜ結婚できないかを、社会的にも経済的にも、もちろん性的な部分でも、子供にうまく説明するのは難しい。「幸せになりたいだけなのに、なぜ結婚しちゃいけないの?」メロディの涙ながらの訴えが、グッときます。この映画の影の主役はオーンショーですね。彼なくして、この、何とも見守ってあげたい、いじらしい小さな恋をうまく演出できなかったように思います。後半のカメラワークはメリハリが効いていて、すっごく良かったです。[DVD(字幕)] 9点(2005-09-10 10:56:33)(良:1票) 5. チャップリンの殺人狂時代 《ネタバレ》 毛虫やネコや雨宿りしていた女性には優しいチャップリンが(あれは狙いか?)、あんなに機械的な殺人を犯す役をやっていたのが衝撃的でした。元銀行員という設定からか、手に入れたお札を数える仕草が淡々としていて、恐怖です。不況がいかにして人を変えてしまうか、貧しい者が溢れる中、そうした人々の上にあぐらをかいて、優雅な生活を送っている人間たちがいかに社会に無益であるか、戦争での大量殺人と家族を養うために人を殺すことの罪の重さがどう違うのか、批判に満ち満ちた映画であると言えます。『独裁者』で軍国主義を批判しておいて、その次はこれで『資本主義』を批判するとは…。チャップリンがいかにナショナリズムを理想としていたかは、どの映画を見てもズシリと感じます。[DVD(字幕)] 7点(2005-08-13 16:24:15) 6. チャンプ(1979) 《ネタバレ》 こんチキショウ。泣いてしまいました。感動しました。TJの涙にやられました。やさぐれた生活を続けていたビリーが再びリングに戻ったきっかけって、何も特別なことがあったわけではないんですよね。ビリーを「パパ」と決して呼ばず、「チャンプ」と尊敬してやまないTJの無邪気な笑顔や涙が、ビリーを支え続け、元妻アニーとの和解も招いたのですね。ぬいぐるみのくだりで、TJに気づかれないように、そっと車の外へ捨てるビリーの気持ちは、金さえあればTJにもっと楽しい思いをさせてやれるのにという苦渋を感じます。男親が子育てをするのって、ホントに大変です。酒に博打におぼれていても、自分を慕ってくれるTJにすまないという思いが本当にチャンプになってやろうというビリーの変化につながっていきます。ボクシングのシーンなんて、この映画ではオマケみたいなもんです。アニーの再婚相手が理解のある男性だったのも良かったです。とにかく観て泣け。泣いてみれ。絶対に後悔させないから。[DVD(字幕)] 9点(2005-06-20 19:44:40) 7. 誓いの休暇(1959) 《ネタバレ》 いきなり冒頭から、母親はその後息子に逢うことはなかったと出る。いきなり結末から出る映画です。与えられた特別休暇は6日。しかし親切で優しいアリョーシャはついつい人のために道中、人のために寄り道をしてしまう。戦場に出た若者は殺人マシーンとなってしまう映画が多い中、この映画は戦時でも人間らしい心を大切にしようという、温かみを感じさせてくれる映画です。最後、母親とはほんの一瞬しか逢えませんが、しばらく余韻が残ってしまう素晴らしい映画でした。[DVD(字幕)] 10点(2005-06-01 21:45:02)(良:1票)
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