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1. TUBE/チューブ
サスペンスの盛り上げ方はけっこうよかったんだけどなー。なにせ登場人物もストーリーも詰め込みすぎで、説明不足、消化不良。
パク・サンミンの無表情な悪役ぶりは最初はよかったんだけど、なんで追っかけてくる刑事をさっさと拳銃や刃物で始末せずに、素手の戦いに固執するかな。だいたい、指名手配されてるのに、ふつうに顔をさらして行動してるのも不可解だし。
ペ・ドゥナは、この映画でもとても魅力的だが、なぜ命をかけてまでキム・ソックンに肩入れするのか、よくわからん。事件が起こるまでのエピソードでは、「ちょっと片想い」程度の感情にしか見えない。背中のギターケースもなんの説明もなく、ストーリーになんの役割も果たさない。
ストーリーにからんでこないといえば、クォン・オジュンが最後まで賑やかし役という程度だったのも、残念。ポン・テギュも出てたけど、ほとんど見せ場なし。
まあ書くときりがないのだが、脚本の段階でもっと整理するべきだったろうなぁ。
思わせぶりな音楽が多用されていて、うるさいくらいだったが、映像の雰囲気とはよくあっていて、これはこれで正解だったと思う。
ソウルの地下鉄って、有事の際の退避場所になってるんだ。。。高速道路がいざとなったら滑走路として使えるという話はよく聞いていたのだが、軍事境界線からの距離を考えれば当然のことなのかもしれない。[DVD(字幕)] 5点(2007-08-19 23:52:27)《改行有》
2. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 冒頭の工場の内部から外観、ウォンカ印のトラック、チャーリーの住む傾いた家、などの絵を見るだけで、わくわく。あとのほうで、ウォンカマークの赤い自転車が出てくるのだが、あれいいなー。
いくつかのエピソードを付け足しただけで、大枠は原作どおり。あのウンパ・ルンパのへんな歌もすべて原作にあるんだよね。チャーリー以外の子供たちの辿る運命も忠実に作られている。
「ナルニア国物語」の公開ももうすぐだが、今の技術だと、ほんとうにこういう長く読まれてきたファンタジーを、納得いく形で視覚化することができるんだよね。これがいいことなのか、悪いことなのかはよくわからないが。
原作では、ウィリー・ウォンカは、まるでチョコの妖精みたいで、ほとんど人間味の感じられないキャラクターだったのだが、ジョニー・デップの描き出したウォンカ氏は、白塗りでわけわからん衣装と髪形、気持ち悪い裏声の笑い声、と、フリーク性を強調しつつ、感情の部分もきちんと表現している。
彼が人間にほとんど興味がなく、とくに子供は嫌い、「両親」という単語を発音しようとしただけで、吐き気がする、という演出を、父との葛藤という原作にないエピソードで根拠付けるのだが、このへんの臭さがファンタジーにうまくとけあっていてよかった。
何十年ぶりかで生まれ育った父の家に行ってみると、街がまったくなくなっていて、生家だけがぽつんと残っている。これで、ウィリーの帰りを待って父が引っ越さなかったのがわかる。そして、部屋にはウィリーの活躍を報じる新聞のスクラップ。でも、実際顔を見ても息子だとはわからない。歯科医である父が、口の中を見てはじめて息子だと認識するのがおかしい。
前作の『ビッグ・フィッシュ』でも、父子の関係が主題になっていたが、この映画でも、母は不在である。
『ビッグ・フィッシュ』といえば、魔女役だったヘレナ・ボナム=カーターが、チャーリーの母親役で出ていた。
しかし、ウンパ・ルンパは強烈だわ。夢に出そうだ。[映画館(字幕)] 8点(2007-07-25 15:24:06)《改行有》
3. 父親たちの星条旗
《ネタバレ》 戦争映画は苦手なので、行こうかどうしようか迷ったのだが、ここのところイーストウッド作品はあたりばっかりだったので、思い切って行ってみた。
思い切り彩度を落とし、グレーに塗りつぶされたような硫黄島。無造作に「消耗」される兵士たち。故国に戻り、ヒーローとして扱われていても、その映像がおんぶおばけのように3人の兵の背中にぺったり張り付いている。
ネイティブ・アメリカンの青年が、3人の中でいちばん欺瞞から受けるダメージが大きく、いちばんみじめな運命をたどる、というのも、現実的なんだが、索漠とした思いが残る。
よくできているが、それゆえに疲れる映画である。[映画館(字幕)] 7点(2007-07-22 17:45:43)(良:1票) 《改行有》
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