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プロフィール
コメント数 965
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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1.  チャレンジャーズ 《ネタバレ》 テニスプレイヤーの親友の二人が将来有望な一人の女性テニスプレイヤーを愛し合う。 まるで実話みたいな内容だが、本作は完全なフィクションである。 (かつて選手だったフェデラーの妻のしかめっ面から着想を得たらしい)。 親友同士だった二人の試合と10数年にも渡る愛憎に満ちた三角関係の行方を、 ラリーのように現在・過去・現在・過去という具合に時間軸を交錯させていく。 三角関係だったらどこにでもある題材だが、男二人のキスシーンに驚いた。 その二人を止めることなく、笑顔になるヒロインのタシ。 監督がかつて同性愛映画を撮っていたルカ・グァダニーノだから、普通のテニス映画にならないわけだ。 現在で描かれる試合に向けて、テニスでしか生きる意味を見出せない三人がそれぞれ切望しているもの。 試合前日に罵り、不安を煽り、心理面で揺さぶりをかける。 タシは本当に二人を愛していたのだろうか? 選手生命を絶たれ、それでもコーチとして表舞台で注目を浴び続けたい理由付けのためにアートを利用したのか? アートは自分をコントロール下に置くタシに愛想が尽きたのか? パトリックは本当はアートと復縁したいのか? それぞれの思惑が意見の分かれる曖昧なラストに結実していく。 その後の物語は一切描かれていないが、タシの"Come On!"(やった!)を見るに、 あの一瞬の理想のために三人は手に入れたいものを手に入れたのだろう。 テニス映画として見ると、コミュニケーションツールとしての役割でしかなく、別にテニスで描く必要はない、 デヴィッド・フィンチャー映画でお馴染みのT・レズナーとA・ロスのコンビによる スコアの完成度が高かっただけに拍子抜けした。[インターネット(字幕)] 5点(2025-02-15 01:16:04)《改行有》

2.  Chime 《ネタバレ》 『CURE キュア』ver.2.0 と言えば良いのか。 ある異物が気付いたら存在していて、"恐怖"という名のウイルスがじわじわ広がっていく。 45分の中編である分、ストーリー性も含めて無駄な要素が徹底的に排除され、 如何に演出力だけで恐怖を伝えるかに注力している。 爬虫類顔の吉岡睦雄が適役。 料理教室の一生徒が異常のように見えて、後の面接シーンでは自分のことばかり延々と喋っていて不気味。 いや、妻も息子も唐突なアクションを起こし、どうしてそうなったのか説明されない。 黒沢清が追求する根源的な恐怖とは、この"分からない"にあるだろうか。 『関心領域』と同様に、本作でも音響が要。 BGMがない分、包丁で肉を切る音、空調設備の異音、空き缶を潰す音、その環境音がより際立ってくる。 気付いたら何気ないことでもストレスが蓄積されて、魔が差したように防衛本能としての暴力に走る。 音に敏感で神経質である分、避けたくなるような、悪いことが起きるかもしれないという恐怖と不安に共感してしまった。 外界の物音からシャットアウトされた映画館で観たかった。[インターネット(邦画)] 7点(2025-01-31 23:42:23)《改行有》

3.  TITANE/チタン 《ネタバレ》 レビューを見て戦々恐々だったが、覚悟して挑んだら何とか見れた。 痛覚を刺激するショッキングな暴力描写で見る者の思考を停止させ、 そこからジェンダー観を云々語って、メタリックベイビー出産シーンであたかも神聖で高尚な映画であるかのように見せる。 これではカルト宗教がやってることと変わらない。 そういう意味では確かに"カルトムービー"だが。 血の繋がりのある両親からの愛情を受けられなかった女性が感じた、赤の他人である消防隊長との疑似的な親子関係。 行方不明になった息子が女装している写真を見るに、これは"受容"の物語なのだろう。 如何なる姿でも、実の息子でなくても、孤独を埋めてくれる存在への無償の愛を描きたかったかもね。 ただそれだけです。 カオスで斬新で奇を衒ったユニークさだけで観客不在。 そりゃ賛否両論のエブエブですら弱者への優しい視線はあるけど、本作にはそれがない。 どこか絵空事のような上から目線を感じるが、まあ嫌いではない。[インターネット(字幕)] 5点(2024-09-06 23:19:23)《改行有》

4.  チョコレートドーナツ 《ネタバレ》 法は弱者のためにあるものではなく、識者のためにある。 だからいつの時代も間に合わない。 セーフティネットから零れ落ち、命を落とす者が幾人か出てきて何とか腰を上げる程度。 怒りと悲しみによる、その繰り返しでマシな社会になっていったのだろう。 無名の役者とスタッフが作った、「ゲイカップルとダウン症の少年の話は売れない」と断られ続け、 著名な映画コメンテーターの紹介によって日本でも陽の目を見た本作。 ゲイカップルでなければ、ダウン症でなければ、マルコに語るおとぎ話みたいなハッピーエンドになったのか。 今日も紙面には小さなマスに虐待や育児放棄で命を落とした子供たちの話が載っているのだろう。 変わった障害も性癖もなく、特異な不幸も知らず陽に当たれることがどれだけ幸せで運が良いのか。 偏見とはいえ、いつの時代も幸運な強者が"普通"を作っているのである。[地上波(字幕)] 7点(2022-03-23 22:22:29)(良:1票) 《改行有》

5.  tick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン! 《ネタバレ》 多くの人は何者にもなれない。特にメディアでスポットライトを浴びるような世界であるなら尚更。30歳を目前に夢を叶えるか諦めるかのラインで爆発しそうなジョナサンの産みの苦しみは、クリエイターになれた人も諦めた人も共感するのではないだろうか。恋人に去られ、親友もエイズを患う、残酷な現実にアンドリュー・ガーフィールドは明るくも翳りいっぱいに表現する。8年間掛けて作り上げた大作が上演されない絶望に、それでも「書き続けなさい」という言葉。如何に天才肌でも芸術で食べていくことは至難の業でそこに真理がある。実体験を得て、彼は革新的ミュージカル『RENT/レント』を生み出し、初演直前に若くして亡くなってしまうが、ブロードウェイの歴史に名を刻んだ。もし恋人の気持ちを汲み、夢から身を退いていたら別の幸福もあったかもしれない。けれど『RENT/レント』や本作が世に出ることも彼を知ることもないのだ。足元の幸せに安寧を得るか、大きく生きた証を残すか。だからこそハッピーバースデーのメロディが感慨深い。[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-31 23:59:01)

6.  チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁 《ネタバレ》 (前3部作は未見です)『ナチュラル・ボーン・キラーズ』っぽいシチュエーションに、人形同士のエッチシーン、挙句出産するという、バカ映画の要素を取り入れたバイオレンス・コメディという印象。色んな人が死にまくっても、遠い昔の自分でさえ興奮も不謹慎な笑いも感じず、淡々と見終えて何も残らなかった。頭空っぽにして見ればそれなりに楽しめるか?[ビデオ(字幕)] 4点(2019-06-10 21:35:48)

7.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 中盤から猟奇殺人が絡むとは。映画では触れていないが、少年への性的虐待も含まれ、村の名前を変えるほど凄惨な事件だった。だからといって、そこにフォーカスすることはなく、腐敗権力に立ち向かうシングルマザーの闘いを貫く。闘う女の象徴である、アンジェリーナ・ジョリーを主役に据えたのはらしいと言える。重く救い難い映画が続いたイーストウッドだが、本作では彼女に"HOPE"(希望)と言わせる。最期まで息子が生きていると頑なに信じたらしく、希望の強度と狂気が表裏一体であればあるほど、女性が自立して生きていくには困難な時代であったと強く印象づける。[DVD(字幕)] 6点(2018-12-01 01:28:27)

8.  超高速!参勤交代 リターンズ 《ネタバレ》 前作と比べて脚本が雑。メインの参勤交代が前半で終了し、その設定があまり活かされていない。最終決戦もただ突っ込んで、情で懐柔しようとするだけで、脚本重視の映画においてこれでいいのか? やっぱりヒロイン要らない、敵の親玉がステレオタイプで深みがない、味方側ほぼ無傷・・・あとは肩に力を入れず、勢いで勧善懲悪とチャンバラをやってるだけ。いろいろ盛り込んじゃって、余計なものを捨てる潔さがないのが邦画の悪いところだ。どこが"超高速"なのか。[地上波(邦画)] 4点(2017-12-31 00:02:08)

9.  父、帰る 《ネタバレ》 ロシア正教では父は神と同等の絶対の存在であるという。 何故、十数年ぶりに父が帰ってきたか、そもそも彼は"父"なのか、最後まで明かされない。 まるで神聖なベール覆われているようだ。 長男は畏れながらも父と信じて慕い、次男も畏れながらも父と信じず反発する。 その微妙に移ろいゆく心理描写は空疎で、雄大で、美しい風景と重なる。 男と共に湖底に沈むパンドラの箱に答えはあるかもしれないが、 兄弟も観客もその聖域という名のマクガフィンに触れることすら許されない。 水平線の見えない湖を眺める兄弟はその旅を通じて、かけがえのない何かを掴んだはずだ。 タルコフスキーを思わせる映像美と繊細で濃厚な心理ドラマの融合。 秀作。[DVD(字幕)] 8点(2017-01-31 23:47:07)《改行有》

10.  超高速!参勤交代 《ネタバレ》 テレビ版編集のためか、本編が10分弱短いせいもあり、意外とサクサク見れた。軽快な娯楽時代劇と言いたいが、弱小藩が如何にして危機を切り抜けるのかというワクワク感、幕府側をあっと言わせる痛快さが予想範囲内。コミカルとシリアスが水と油のように混ぜ合わず、場面場面によっては重い口当たりが残ることも。女郎のエピソードとクライマックスのチャンバラは贅肉感があり不要。アイデア勝負の90分で描いてくれたら良作だったかもしれない。参勤交代に絞った題材が勿体ない。[地上波(邦画)] 5点(2016-09-23 08:02:13)

11.  チーム★アメリカ ワールドポリス 《ネタバレ》 ブラッカイマー製作のブロックバスター映画をそのままパロディにしたような、痛烈なアメリカ風刺がバシバシ飛び込んでくる。実在のスター俳優を人形に見立てた虐殺や露骨なセックスシーンの数々は絶対思いつかないし、よくここまで描けたと感心させられる。日本では大問題だ。ただ、笑えるかどうかは別物で自分は外しまくっていた。アメリカのブラックジョークが肌に合わなかったので厳しくさせて頂く。「パールハーバーは糞だ」は元ネタの曲をよく聴いていたらウケていたかもしれない。[DVD(字幕)] 4点(2016-08-02 20:46:09)

12.  チェイサー (2008) 《ネタバレ》 重大な証拠を突き付けないと簡単に釈放させてしまう、そして行動を起こさない警察の杜撰な対応。 背景には軍事国家時代の犬だった警察への不信感があり、 異常な連続殺人もまた歪んだ過当競争で成長した韓国社会の裏返しである。 外華内貧で真の弱者が殺されても気付かれない現実に、 商品ではなく人として派遣女性を救おうと奔走する元刑事の心の動きが際立つ。 ただ、元刑事vs殺人鬼の頭脳戦を期待したためか、 序盤と後半以外何もしない殺人鬼の立ち回りをぶつけておかないとどうしても緊張感が途絶えてしまう。 実在の猟奇殺人事件がモチーフのため、救われない結末だ。 レーティング的に厳しいが、殺害シーンはオリジナル版の方が無念がより伝わったのではないか。 また、敵討ちで雪崩れ込む格闘シーンは蛇足だろう。 全てを終え、残された男と派遣女性の娘には、絶望に打ちのめされながらも前を向いて欲しいが、 生きるも地獄、死ぬのも地獄。 きっと世界中で起こっているであろう現状に、日本も他人事ではない。[DVD(字幕)] 4点(2015-07-15 21:41:19)(良:1票) 《改行有》

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