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1. 劔岳 点の記
《ネタバレ》 先に気になる点をいくつか並べます。
まず、音楽。クラシックの名曲を使うのはいいけれど、超有名曲の超有名フレーズの箇所ばっかり使っています。せっかく池辺氏がタクトを振るんだから、オリジナルか曲の別のフレーズを使うべき。おそらくオケはフルスコアで仮録音までしているはず。モッタイナイ!
名物監督がすべて音楽わかっているかどうかは別物ですからね。黒澤vs武満の例もありますし。ともかく音楽の使い方が今一 どころか 今3! 金の使い方間違ってんぞ!
「点の記」の解説が映画冒頭からテロップで出ます。非常に簡略していてそれはそれでいいのですが、その後の「画」に技術的解説などが画面から伝わってこないのが残念。
明治四十年の登山装備についても(原作にもあまり解説はないですが)ほとんど何も語っていません。だから、「大変苦労しはったんやねぇ」で終わってしまいます。
山岳会との装備内容などの差を、もう少し「画」で語って欲しかったですね。
映画前半の長次郎と二人行(調査登山)あたりは、どうみても「岩波教育映画」です。
画はまったく問題なく綺麗!それはいいのですが、話と画との流れが悪い いいや、よどんでいるようで、
金払ってなかったらこのあたりでみんな見なくなります。TVだったらチャンネル変えちゃいますよ。
私は剣は3回登頂してます。彼らのルートでも登っています。
画面の「場所」を自分の経験から「あれどこやろか?」と思うだけでも登山経験者は食いついちゃいますねぇ
それらを含めて、この映画は「よく撮った」であります。本当によく撮った。
でも「良く創った」ではないです。残念ながら。。。
原作の一部変更や軍人の描き方(このあたりはさすが東映?)については文句言いません。このあたりは監督の裁量ですからね。
原作には無い、山岳会との手旗通信は。。。距離ありすぎやろ?というツッコミしますが、現在もボーイスカウト活動をしている人間にとっては、結構ジーンと来るものがありました。
浅野氏はあの大根、いや実直で堅実な主人公にはちょうど善しでした。
香川氏も伝説の(本当に伝説の人なんですよ!)長次郎にはいい感じです。が、
ただ、自然との対比では役者の演技など本当に吹っ飛んでます。
反対に東京に居る軍人たちと妻の演技が「ああ、わかりやすーい。これでいいよね」っていう感じです。でもちょっとラブラブしすぎちゃう?[映画館(邦画)] 6点(2009-08-04 22:04:27)(良:1票) 《改行有》
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